東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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カテゴリー:美術館ニュース
毎月のエントランス展示のぬりえについての解説などを書かせて頂いています。

「きいちのぬりえ」本 多少在庫ございます。

ぬりえ美術館のWebショップ「ぬりえのお店やさん」で、大変にご好評頂いていた「きいちのぬりえ」(小学館刊)ですが、美術館の閉館にあたり在庫を整理したところ、多少の在庫がございますので、ご希望の方はメール(info@nurie.jp)にて直接お申し込みください。 代金・送料のお支払いにつきましては、メールにてお知らせしいたします。

※本の送料は6冊までは1パックでお送りしますので、200円となります。

 それ以上の冊数の場合はご相談させて頂きます。

 

世界の童話編  いとしいペット編  およめさん編  おけいこ編  お花編  ドレス編  おしゃれ編


きいちのぬりえ「世界の童話編」

■きいちのぬりえ「世界の童話編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:770円

きいちのぬりえ「いとしいペット編」

■きいちのぬりえ「いとしいペット編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:770円

きいちのぬりえ「およめさん編」

■きいちのぬりえ「およめさん編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:770円

きいちのぬりえ「おけいこ編」

■きいちのぬりえ「おけいこ編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:880円

きいちのぬりえ「お花編」

■きいちのぬりえ「お花編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:880円

きいちのぬりえ「ドレス編」

■きいちのぬりえ「ドレス編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:880円

きいちのぬりえ「おしゃれ編」

■きいちのぬりえ「おしゃれ編」

・A4サイズ ぬりえページは16ページ

・表紙/裏表紙はカラー印刷/ぬりえページは白黒印刷です。

・価格:880円

Posted: Ziromin : 23年09月15日

10月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ NO.10

2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


きいち自身の中にある気持ちについても、『夢をつむぐ』の中で、次のように語っている。

(―・・の部分は尾崎秀樹氏)


―・・絵を描いていらっしゃって、子どもと一緒に遊ぶような感じもあったんじゃないですか。

蔦谷・・そうですね。自分が子どもの中に入るような感じなんです。私は大人だから子どもに描いてやるんじゃなくて、自分が楽しみながら子どもの時と同じような気持ちで描いていたんです。だから余裕があって描くんじゃなく、子どもの時代に描きたいと思って絵とか憧れた夢、そういったものをありったけ描いちゃう。


―・・ぬりえの世界ではきいちの名前が定着してだんですね。大きな目で見てますと、大正期からの抒情画を童心の世界で、花開かせた感じがするんです。子どもの心を失わないでいるということがよく現れています。


蔦谷・・そうですか。私がいちばん最初に考えた目標というか夢が荘でしたから、少しでも形となれば嬉しいですね。


この発言にきいちの気持ちが素直に表現されている。

きいちは自らがもっている童心を抒情画として描き、それをぬりえという子どもの遊びの世界で実現したのである。だから、きいちのぬりえはきいち自身の投影でもあるのである。


参考図書:「ぬりえ文化」小学館スクウェア



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「かわいいおひめさま」

作者:きいち
年代:昭和30年代

長い縦ロールの髪、ネックレス、イヤリング、二つの指輪にブレスレット、飾り物を全部身に着けている可愛いお姫さま。可愛いお姫さまは私、と思いながらぬりえをしていたものでした。




ぬりえ美術館マスコミ情報

☆荒川ケーブルテレビで、ぬりえ美術館が紹介されました。

☆東京新聞に閉館後の作品の寄贈先などが紹介されました。



展示室のご案内
☆秋の企画展「ありがとう きいち 秋」を展示しています。
10月30日(日)が最終日になります。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにお休みをしています。
ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年10月02日

10月の美術館ニュース(1)

10月30日の閉館まで残り僅かとなりました。20年の長きにわたり、きいちのぬりえを愛してくださった皆様方に心より感謝申し上げます。最後のひと時をごゆっくりお楽しみください。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



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タイトル:シンデレラひめ くつをわすれたシンデレラ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

10月のエントランは「お姫様を夢みる」をテーマにしたぬりえを展示しています。
 

子どもの頃に女の子が夢見たのは、お姫さまの姿であったことでしょう。絵本や映画、テレビなどで紹介されたお姫さまの姿にうっとりとして、自分がお姫さまになったことを想像しました。
空想の世界ではまず素敵なドレスや豪華な着物を着たお姫さまになり、帽子、手袋、扇子、首飾り、イヤリング、指輪など好きなように身に着けてみたものです。


素敵な姿になったら、又空想してダンスや踊りをしてみたり、美しい飾りがされた美味しいケーキを食べてみたり、絵を描いてみたり、何でもすることができた楽しい空想の世界でした。


小学三年生の学芸会で、私は「鈴虫姫」というお姫さまになったことがあります。歌もあるので、その劇はまさにミュージカル。いまでもその歌の一部を覚えているくらいです。
「お爺さん、お婆さん、さようなら。鈴虫姫は籠の中、いろいろお世話になりました~♪♪」・・・
劇というのはきれいな着物を着て、普段はしないお化粧をして、現実とは違う世界味わえる訳ですから、二倍にも三倍にも楽しかった思い出になっています。


9月号の美術館ニュースで「ドレス編」が子どもたちに人気とお伝えしましたが、ドレス姿の女の子はお姫さまに見える、という点がドレス編人気の秘密です。
今も昔も女の子の好きなもの、憧れはお姫さまですね。(館)

Posted: Nurie : 22年10月02日

9月の美術館ニュース(1)

10月30日の閉館まで残り2か月となりました。暑い中を来館してくださるお客様に感謝申し上げます。きいちのぬりえを目に焼き付けて頂けたら嬉しいです。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

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タイトル:はなみたいにかわいいこ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


9月のエントランは「ドレスが大好き」をテーマにしたぬりえを展示しています。
 

ぬりえ美術館の中できいちのぬりえ本を販売しています。その中で年配の方に人気のテーマは「お手伝い編」です。昭和の子どもたちのお手伝いする姿が懐かしさを呼ぶようです


そして子どもたちに大人気のテーマと言えば、「ドレス編」です。ドレスを着た女の子たちは、まるでお姫様のように見えることと、素敵な足元までの長いドレスは女の子たちをワクワクさせる憧れのファッションだからです。

普段着ている服は膝の前後の短い服でしたから、長いドレスは映画の世界や絵本の中でしか見られないようなものでした。子どもにとっては映画を見るには、親たちと一緒でないと見ることができませんので、なかなか見れるもの、手の届くものではありませんでした。


きいちのぬりえの世界では、様々なドレス姿の女の子が描かれました。ドレスを着て、ネックレス、イヤリング、ブレスレット、指輪などを身に着けていました。アクセサアリーを描けば描くほど、ぬりえが人気となり売れたそうです。


駄菓子屋さんのおもちゃに、指で箱に穴をあけると中に指輪や時計などのアクセサリーが入っているものがありました。女の子は、小さくて可愛いアクセサリーが大好きなのです。そういう女の子の気持ちを考慮して、きいちは沢山の可愛いドレス、豪華なドレス、お洒落なドレス等など、20余年に渡って描いて、女の子の気持ちを満たしてくれました。
ありがとう きいち! (館)

Posted: Nurie : 22年09月03日

8月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ NO.8 

2022年は、ぬりえの出版物の仲からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


きいちのぬりえに誕生の経緯を「夢をつむぐ」(1986年 光村図書)の中で、尾崎秀樹氏のインタビューで次のように語っている。



《子どものための抒情画を描きたかったんです。華宵の描いた少女の抒情画に以前から興味をもっていましたから、こういうものの年齢を下げて子ども向きにし、それをお伽絵とでも題してやってみたかったんですよ。》



《昭和二十二年の一月からお伽の国のお姫さまや子どもたちの遊びに世界を描いて、『キイチ』の名前で自費で出しました。それをある問屋さんに納めたら、その店の川村さんという方が「私は前に勉強堂のぬりえを取り扱っていた」っていうんですよ。そこで「私がそのフジヲで、今度新しく自分で始めましたらよろしく」と話したところ、川村さんは「そういうことなら私もやってみたいから、ぜひ一緒にやりましょう」といってくれました。



絵描きの私には絵を描くことはできても、それを売り出すことはできない。自分一人でするには自ずと限度があるので、喜んでその申し出を受けました。そこへ勉強堂さんとは奥さん同士が姉妹だった石川さんという、絵葉書メーカーをやっていた方も加わり、三人で共同してやることになったんです。やっぱりお伽絵では売れないからぬりえでいこうって、それが『きいち』の初めです。昭和二十二年の夏ぐらいでしょう。



そうしているうちに共同経営ではうまくいかなくなり、川村さんと石川さんが分かれて、昭和二十三年には『きいちのぬりえ』は川村さんの山海堂と石川さんの石川松声堂の二軒から出版されることになったんです》


参考図書:「ぬりえ文化」小学館スクウェア


今月のエントランス

JP007004_640.jpg「きんぎょすくい」

作者:きいち
年代:昭和30年代



「きんぎょすくい」は縁日の華です。「きんぎょすくい」を見つけたら一度はやってみてほしいですね。薄い紙を貼った「ポイ」と呼ばれるすくい網できんぎょを捕まえたときの喜びは、子どもの遊びだけれど大変嬉しいです。良い思い出になることでしょう。



ぬりえ美術館情報
★8月から10月までは秋の企画展となります。
「ありがとうきいち 秋」~きいちのぬりえ 永遠なれ~ を開催中です。
10月で閉館になりますので、きいちのぬりえの可愛さをどうぞ目に焼き付けてください。



展示室のご案内
★8月~10月まで、秋の企画展を開催しています。絹本とぬりえを展示しています。


★館内のぬりえコーナーは、ころな感染防止のためにお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします

Posted: Nurie : 22年08月12日

8月の美術館ニュース(1)

夏の暑さの上昇に加え、コロナ感染者数も上がっていますので、マスク、手洗いをして気を付けていきましょう。十分な睡眠と水分をとることも忘れずに!!



ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP007140_640.jpg   
タイトル:みずまき
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


8月のエントランは「水遊びはたのしいな」をテーマにしたぬりえを展示しています。
 

この夏の暑さを凌ぐには、朝、夕の水撒き、水遣りが一番ではないでしょうか。気分的にも暑さがひいていくような気がします。
 


今朝の新聞に、水撒きをしている写真と記事が掲載されていました。そこには水を屋根の上にもかけると良い、ということが書かれていました。
屋根の上にまで水をかけたことはありませんが、屋根の上が暑い、温度が高いことは感じていました。今度屋根の上にも水撒きしたいものです。



水撒きをすることが子どもの頃から好きでした。夏の夕方、ホースを持って庭の植木に水遣りをするのですが、途中空に向けて水を撒いていると、虹を作ることができるのです。それが綺麗なので、水遣りをするのが好きだったのかもしれません。



昔は夏が暑くても夕方になると夕立が降って、一気に涼しくなったものでした。ところが最近は夕立というものがありませんね。世界の気候変動により、いろいろ仕方のないことが起きていますが、少しでも気持ち良く過ごせるように工夫をしていきたいものです。


今年の夏の暑さにも負けないように、水撒きをしましょう!(館)

Posted: Nurie : 22年08月12日

7月の美術館ニュース(1)

マスク生活の影響で、ファンデーションや口紅が使われなくなり、代わりに目と眉の化粧品が注目されているそうです。眉の新商品とはどのようなものか、見てみたいですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP007037_640.jpg  
タイトル:つめたいジュースよ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


7月のエントランスは、「お洒落は素敵」をテーマにぬりえを展示しています。


素敵な帽子を被って、美味しそうにニュースを飲む女の子。
この帽子は、クロッシェと呼ばれ、釣鐘に形が似ているところからつけられた名前だそうです。この形の帽子が似合う人は、なかなかいないのでは、と思いますが、1920年代頃のファッションに見られるお洒落な女性たちはこのクロッシェという帽子を被っている人が多いようです。「グレートギャッツビー」の映画を見ていただけると良い、と思います。


今回の7月のエントランスに展示しているぬりえ9枚の中に4枚も帽子を被ったものがあります。それもカジュアルな帽子は1枚で、あとの3枚はとてもオシャレな帽子姿の女の子が描かれています。



昭和30年代、小学生であった私も帽子をよく被っていました。本当に小さい時から祖母が買ってくれ白や茶色のベレーを被っていました。4年生になり文京区の学校に通うようになると、女の子ばかりではなく男子も帽子を被って登校したり、休みの日に何処かに遊びにいくときなど、帽子を被っていたものです。友人のお誕生日会で撮った集合写真を見ると、男子も女子も皆なお洒落な帽子を被っています。帽子が流行というのではなく、普通の生活でした。


今は世界中のファッションがインターネットを通じて知ることができますので、若者たちはどんどんお洒落を楽しんで、素敵になっていって欲しいものです。(館)

Posted: Nurie : 22年07月18日

6月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ No.6

2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。



ぬりえで育った人

《色えんぴつの夢 竹宮恵子

駄菓子屋、という言い方は、今でも通用するのであろうか。・・・・


五円、十円と硬貨をにぎりしめて、私は友人の小さな店に走った。妹とともに”ぬりえ”を買うために。うす茶色の粗末なひと束の紙の中に、幾人かの少女達がほほえんでいた。
はっきりとは覚えていないが、それらが”きいち”のぬりえであった気がする。”お出かけ着”や”ゆかた姿”の彼女たちをいかに華麗に色どるか、妹と競争で配色に苦心したものである。


・・・・クレヨンで色をぬることを、私はいつのまにか卒業していた。限られた種類の色えんぴつで、紙の上の少女達に、変化にとんだドレスを着せねばならない。二つの色を重ねる、外側を濃く内側を薄くぼかして、立体感をつける、ほほの赤味のじょうずなぬり方等など、ちいさいな発見を重ねつつ、自慢の迷作を次々と完成させていった。


私は、次第に可愛らしくポーズをとる少女達に、あきたらなくなった。色をぬるだけでなく、ぬり絵そのものを、自分で描くことを覚えたのだ。私の少女達(あるいは少年達)は、
ひとつのポーズにとどまらず、歩き、泣き、笑い、さまざまなセリフまで、しゃべり始めた。平面空間を自在に動かす楽しみは、すでに漫画以外の、なにものでもなかった。



・・・・私と同世代の少女漫画家達の中には、ぬりえからスタートを切った者が多いのではないかと思う。私のもとへ、幼い読者からイラスト(!!)と称する可愛い少女の絵が、たくさん送られてくる。彼らが自分の絵を動かしてみたくなった時、新しい漫画家が誕生するであろう。


私がぬりえを卒業したのは小学校五年の頃と記憶している。(漫画家)》
(『きいちのぬりえ ー メリーちゃん花子さん』草思社)


~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~



JP000290_db-640s.jpg「ポチあめでかわいそう」
年代:昭和30年代
作者:きいち


昭和の20~30年代、犬の名前に”ポチ”が多くつけられていたものです。
「花さかじいさん」にも、”裏の畑でポチが鳴く・・・”とあります。
ポチは明治時代の文明開花とともに付けられるようになったそうです。
「花さかじいさん」の歌によって、ポチが広まった、とも言われているそうですよ。



ぬりえマスコミ情報
★サンデー毎日創刊100周年5月8日・15日合併号に”「ぬりえ美術館」20周年の節目を経て今秋閉館へ”の記事が掲載されました。



展示室のご案内
★6月~7月は常設展示となりますが、絹本の絵は引き続きご覧になれます。


★館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年06月08日

6月の美術館ニュース(1)

6月は梅雨の時期で、湿気も多くなり体のほうにも悪い影響を与えがちです。しっかり食べて、十分な睡眠と水分もとり、湿気にも負けないように過ごしたいものですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
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タイトル:あめがふるからおうちで
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


6月のエントランスは、「雨でも楽しく」をテーマにぬりえを展示しています。


梅雨の時期がやってくると、しとしとと雨が降って外に出たいけれど、外で遊ぶことができなくなり、仕方なく家の中で過ごすことになります。


ぬりえの中の女の子は本を読んでいますが、女の子なら“ぬりえ”をした、という方が多いのではないでしょうか。
まず1番にぬりえ、2番はお人形遊び、3番にはおはじき、あやとり、お手玉等があげられるでしょう。


ぬりえは北海道で一番売れた、ときいちから聞いています。東北から北海道の雪の多い地区では、雪の時間が長いので、家の中でできるぬりえが一番人気となっていたのだと思います。雪でなく雨でもやはり家の中の遊びでは、ぬりえが夢中になる遊びだったことでしょう。


来観者の方のアンケートなどには、風邪などで学校にいかれないときとか病弱の方が家で寝ているときの思い出の中に、“ぬりえ”がでてきます。つらい時間の時にも、ぬりえがお友達だったのですね。


大人になっても、やはり雨の日は憂鬱です。楽しく過ごすには好きなことをするのが一番です。
音楽を楽しむ、刺繍やパッチワークなどをする、お料理をする、ゲームをする等など。


どんなことをして梅雨の季節を過ごしていくのか、考えると楽しくなりそうです。(館)

Posted: Nurie : 22年06月08日

5月の美術館ニュース(1)

ゴールデンウィークで、三年ぶりに行楽地が賑わっているようです。私達日本人はマスクに慣れているとはいえ、早くマスク無しの生活に戻りたいものです。皐月の爽やかな季節を充分にお楽しみください。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

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タイトル:おねえさんのこんれい
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

   

5月のエントランスは、「パーマとリボンは可愛い印」をテーマに展示しています。
 

昭和20~30年代には、子どもがパーマネントをかけるということは、殆どされていませんでした。それでも子どもたちは可愛らしくするために、二股になったコテを火にかけて熱くして、髪にはさんでクルクルと巻いて、髪にウェーブを付けたりしていました。 
今考えると、耳の部分が熱くなって、「動いては、ダメ!」と言われ、少し怖かったことを思い出します。

リボンは町の小間物屋さんに化粧品などと一緒に売られていました。幅の広いリボンは、当然値段が高いので、きいちのぬりえの女の子が付けているような大きなリボンは付けられませんでした。


当時の女の子がパーマをかけていないのに、きいちのぬりえの女の子がパーマであるのは、当初のきいちのぬりえのモデルがアメリカの俳優の“シャーリー・テンプル”の髪にあったのだと思います。金髪で柔らかなウェーブの髪をしていました。
日本人は黒髪で、女の子はわかめちゃんカットのおかっぱ頭が主流でしたので、ウェーブのついたヘアスタイルは本当に憧れだったと思います。そのため、コテの熱いのも我慢して、ウェーブを付けてもらっていたのだと思います。


又リボンと言えば、七五三の女の子は皆頭に鶴の飾りのついた大きなリボンを髪につけたものです。 やっぱり女の子は、リボンとパーマが好きなんですね。(館)

Posted: Nurie : 22年05月03日

4月の美術館ニュース(2)

ぬりえあれ、これ No.4

2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


図画の用具についても検討し、ぬりえの流行を探ってみたい。

大正六年(1917)頃からクレヨンが輸入され始め、更に大正十年(1921)に国産クレヨンが登場し、たちまち流行した。自由画とクレヨンがセットになった形でさらに広まることになった。


用具がないとぬりえも自由にはできない。ぬりえをするのは子どもであるから、自由にぬりやすいクレヨンがぬりえの流行に一役かったことが容易に理解できる。


その後、明治後期いなってはがきの絵に色を塗って送ると、賞金や賞品がもらえることが流行し、ぬりえの普及に貢献し、大正時代にはぬりえ帳が現れた。


戦後の歌として有名な並木路子の「リンゴの歌」があるが、そのヒットの裏には、その当時高価だったりんごをステージから客席にいる聴衆に投げ入れたということがあるのだそうだ。大人でさえ、物には弱いのだ。子どもたちも賞金や賞品が貰えることは、非常に大きな魅力だったに違いないので、ぬりえの流行には拍車をかけたことだろう。


参考図書:「ぬりえ文化」小学館スクウェア


今月のエントランス

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「おふろへ」
作者:きいち
年代:20年代


浴衣を着て、手には洗面道具をもって、お風呂屋さんに。
さくらんぼ柄の可愛い浴衣に三尺を締めて、髪にはつげの櫛が留まっています。
湯上りに浴衣はさっぱりして、気持ちの良いことでしょう。



ぬりえ美術館展示情報
☆3月~5月の春の企画展では、壁面にきいちが晩年に描いた美人画や童女画の絹本を展示しています。(絹本:絹に描いた絵)


展示室のご案内
☆きいちの描く絹本をお楽しみください。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年04月02日

4月の美術館ニュース(1)

世の中は桜色に美しくそまっているのに、コロナやウクライナなど世界的に大変な事が起きていて、苦しく悲しい気持ちになります。ウクライナの人々にエールを届けましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP007495-640s.jpgタイトル:おちゃをおきゃくさまに
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

4月のエントランスは、「着物でお洒落」を展示しています。

3月の中頃、着物に袴の大学生を何人か街で見かけました。着物と袴の色合いとか、着物の柄など色合いも華やかで、綺麗ですね、と声を掛けたくなりました。

最近では普段に着物を着る機会がなくなり、卒業式や成人式、結婚式などに見られるくらいになってしまいました。

昭和20~30年代には、きいちのぬりえに描かれたように子どもたちも着物を着ることが多かったようです。
お母さんやお婆さんが着物を縫うことができる人も多く、縫ってあげることもできたからでしょう。



私の祖母も和裁ができましたので、普段着の着物のウールや浴衣など、毎年縫ってもらいました。他に母の子どもの頃のお古の着物などもあり、お正月に着物を着て、はしゃいでおりました。


夏の浴衣は、お祭りがあると近所の子どもたちは女の子だけでなく、男の子も浴衣を着て、お祭りに参加していました。私の田舎では、山車が昼も夜も出るのですが、夜のほうが活気があり、町の通りの電灯の下を皆で山車を引くのですが、浴衣姿で引っ張って歩くのは、それは楽しかったものです。


ぬりえの中の可愛い女の子の着物姿をどうぞ楽しんでください。(館)

Posted: Nurie : 22年04月02日

3月の美術館ニュース(1)

3月に入り暖かい日が続いて春めいてきていますが、コロナ感染の蔓延防止期間が延長され、気持ち的にはまだ春はこないのか、と寂しくなります。ぬりえの絵の世界だけでも春のひな祭りをお楽しみください。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 


館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
jp002250x640s.jpg   
タイトル:もものおせっく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、「嬉しい雛祭り」を展示しています。




今年は1月から雪が降り、厳しい冬の寒さが続いていますが、それでも3月、弥生の声を聞きますと春がやってきた、とい嬉しい気持ちになります。


1月の梅の花に続いて、3月は桃色の桃の花の季節となります。桃は、古代中国から邪気を払う神聖な樹木、花として大切にされてきました。実を食べると不老不死の仙人になれるとか、花も邪気を払うと言われていました。葉もまた漢方薬などに利用されてきたため、桃の花を飾ったり、桃の花を浮かべたお酒が飲まれたりしていました。


私の子どもの頃には、夏になると汗疹の予防のため桃の葉をお風呂にいれて入浴したりしていました。桃の花がピンクで綺麗なことは勿論、食べてもおいしい桃ですから昔から大切にされていたのでしょう。


以前山梨で桃の畑を見たことがありますが、一面ピンク色で大変美しかったです。またギリシャでピンク色の花の木を見つけて「桜の花かしら?」と思ったら、それはアーモンドの花でした。

日本人はピンク色の花を見ると、桜の花を想像してしまいますが、桜以外にも美しいピンク色の花はあるのですね。


小さい頃から桃色、ピンクに慣れている女の子や女性にとって、桃の花は一番心がうきうきする花の一つではないでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 22年03月05日

2月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ No.2 
2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


挿絵の源流、ルーツについて
~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~


挿絵については「絵のある本の歴史」(荒俣宏 1987年 平凡社)を参考にしたい。

ヨーロッパやアメリカでは、挿絵のことを単に形状的な面からではなく、もっと機能的な面から見る事が多く、ふつうイラストレーションillusutrationと呼びます。日本では略してイラストとっているようです。


このイラストとは「図解」と訳され、ともすれば難解になりがちな文章を、だれにもわかる絵で細く説明したもの、という意味になります。古い日本語に「図説」というものがありますが、これはまさしくイラストの真意を忠実に反映挿せた役です。


しかし、イラストレーションにはもっと根源的な意味があります。照明度をあらわす国際単位をルクスluxと呼ぶように、イラストレーションのラストレの部分は元来「光輝かせる」といいう意味のラテン語に由来します。換言すれば、挿絵は文章を明らかにするもの、引き立たせるもの、ということでしょう。イラストレーションを加えることによって、その文章には付加価値がつき、パワーアップするのです。



今月のエントランス

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「ふらんすにんぎょう」
年代:昭和20年代
作者:キイチ


素敵なドレス姿のフランス人形は、昭和20~30年代にガラスケースの中に入ってどこの家にも1個はあった程流行したドレス人形です。ロングドレスが魅力的であったのと、目がパッチリと大きかったので、日本人は憧れたのでしょう。



ぬりえ美術館展示情報

☆2022年も壁面にはきいちが描いた美人画や童女画の絹本を展示いたします。
(絹本:絹に描いた絵)


展示室のご案内
☆きいちの描く絹本をお楽しみください。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年02月15日

2月の美術館ニュース(1)

連日オミクロン株の感染者数が増加しています。海外では、オミクロン株の変異株もでていると言われてお、収束まだ時間がかかるようです。寒いかもしれませんが、三密、手洗い、換気に気を付けましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

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タイトル:おにさんこちら

作者:きいち

年代:昭和20年代

   

2月のエントランスは、「昭和20年代のぬりえ」を展示しています。
昭和22年から「きいち」の名でぬりえを描き始めました。戦前は、「フジヲ」というペンネームを使っていました。終戦後1年は、築地に駐屯をしていた米兵の恋人や奥さんの写真を元に肖像画を描いていました。100枚程描いたそうです。


そして昭和22年米兵の駐屯がなくなると、自分の名前でぬりえを始めました。米兵の恋人や奥さんの写真を元に描いたせいか、又はぬりえのモデルが米国のシャーリー・テンプルという子どもの俳優さんであったせいか、きいちのぬりえはハイカラとか、洋風の香りがすると言われていました。


今見ても、きいちの女の子はとてもモダンでお洒落で古臭くありません。その点はお洒落好きなきいちの面目躍如というところでしょうか。センスが良いきいちだから、素敵に可愛らしく描けましたし、女の子の好きなものも良く理解している優しいきいちだから描けたのではないかと思います。


「おにさん こちら」の女の子が着ている半そでの短い上着は、たしかボレロと言われるものだと思いますが、昭和20年~30年代に流行していたものだと思います。きいちは流行に敏感であったからぬりえの中にすぐに取り入れられたのでしょう。


きいちのぬりえの絵を真似して、お母さんに服を作ってもらった、という来館者の方もいたくらいです。(館)

Posted: Nurie : 22年02月15日

1月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ No.1


2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


「タイのぬりえ」 ~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~
日本だけでなく、フランスやアメリカにぬりえがあるように、世界中にぬりえがある。
なかでもタイのぬりえにはオリジナリティーがあり、興味をそそられた。
そこで、タイの知人を通じて、2002年12月にひとりの画家を紹介され、その後も2003年、2004年と連続してタイに行き、この画家とぬりえを出版している企業からタイのぬりえ事情を聞くことができた。


タイのぬりえの発祥は、ラーマ5世(在位1868~1910)の時代に、出版技術が開発され、新聞が発行されるようになり、この新聞の中に描かれたイラストがぬりえの始まりといわれている。いわゆる風刺漫画、ポンチ絵からと思われる。
 ラーマ5世は、在位期間が明治天皇とほぼ同時代であり、日本のぬりえの発祥も明治時代であるから、国は違えど同じ頃に誕生していることになる。偶然かも知れないが同じタイミングということが興味深い。


タイにおいて、ぬりえ作家といわれている人は、新聞にイラストを描き始めたヘーム・ウェチャコン氏で、1903年生まれであるから、ちょうど2003年が生誕100年でそれを記念した本も出版されていた。ぬりえ作家といわれるのは、「タイではこの人ただひとり」との出版社見解である。



タイではぬりえを「カーテユーン」と呼んでいる。英語で風刺漫画のことをcartoon(カーテユーン)という。漫画とぬりえは違うのに、どうしてカーテユーンと呼ぶのか、またタイ語でなく英語で呼ぶのはどうしてなのか不思議に思っていたのだが、その歴史的経緯が分かり、納得できた。


ぬりえの発祥を知ることは、どこの国でもぬりえの研究がほとんどされていないために難しい事なのですが、タイでは上述のように発祥を知ることができて大変嬉しく思いました。
(館)



今月のエントランス

jp003131x-640.jpg「ゆきぐにのこ」
年代:20年代
作者:きいち

東北のどこか雪が深い地方の子どもが、雪を防ぐために、フード付きのケープを着ていますが、今見てもとってもお洒落です。これなら雪が沢山降っても、大丈夫ですね。





ぬりえ美術館展示情報

2022年も壁面にはきいちが描がいた美人画や童女画の絹本を展示いたします。


展示室のご案内

☆きいちの描く絹本をお楽しみください。


☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたします。

Posted: Nurie : 22年01月08日

1月の美術館ニュース(1)

新しい年の始まり。感染防止を続けなければならない世の中ではありますが、前向きな気持ちを忘れずに前に進んでいきたいと思います。ぬりえ美術館は今年8月に開館20周年を迎えます。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
   
jp002067x-640.jpgタイトル:まりつき
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

1月のエントランスは、「お正月は何して遊ぶと題しまして、お正月の遊びのぬりえを展示しています。
 

お正月は、子どもにとって最大のイベントで楽しみな時でした。新年の服、お正月のご馳走、お正月のお祭り、そしてお年玉等など。

唄にも「もういつく寝るとお正月、お正月には凧あげて、独楽を回して遊びましょう。早く来い、来い、お正月」とあり、全くその通りでした。


お正月というと、羽根つき、まりつき、双六、福笑い、百人一首、かるた等があり、毎年それらの同じ遊びをしていたように思います。 
独楽や凧揚げは男の子がするもので、女の子は余りしませんでした。凧を買って、揚げてみましたがあまり上手に高く上げられず難しかったことを思い出します。



お正月には服やら何やら色々と新調してもらえ、すべて新しいものに着替えてお出かけするのはとても気持ちが良いもので、新年の喜びでした。 そして一番嬉しいお年玉を貰うと、本屋さんに行ったり、親たちと映画を見に行ったりして、華やいだ繁華街がウキウキと嬉しかったものです。


ぬりえ美術館のあたりでは浅草が一番賑やかで華やかな繁華街であったと思います。(館)

Posted: Nurie : 22年01月08日

12月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.35 
2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しましてきいちについてご紹介をしてまいります。


わたしのきいち あとがき No.2
上村久留美


「きいち」からのメッセージが、彼自身のナマの声で届いたことはだたの一度もありませんが、いつも駄菓子屋の隅に置かれたぬりえやきせかえから、私たちは必要な情報をすべて受け取っていたのです。


この本の特徴は、彼の素晴らしい作品に加え、その魅力的な人生にも遭遇できることです。近年、若者の間では、フリーター的な生き方が流行っています。また才能やキャリアがあれば、どんどん転職したり、会社を移ったり、それはそれでフレキシブルな生き方たとも思います。


でも、「私にはこれしかない」といいう生き方であっても、少しも悲観する必要はありません。はたから見れば不器用に思えるかもしれませんが、一つのもとだけを見つめ続ける人生もまた素敵だと、喜一さんの歩みを通して感じてもらえたらと思います。



その意味では、読んで、触って、遊んで、そして感動して・・・様々なニーズに応えるエンターテイメントな本に仕上がったのではないかと自負しています。


大好きな喜一さんの本をつくるということで、私はすっかり子供がえりをしてしまい、小学館の方には本当にお世話をかけました。中でも、膨大な量のぬりえを根気よく撮影してくださった写真部のみなさん、昔の資料集めに忙しいなか奔走してくださった太田隆二さん、榎木融理子さん、本当にありがとうございました。


☆参考図書 わたしのきいち 小学館



jp004794-640.jpg「たのしいクリスマスだったですね」

作 者:きいち
年 代:20年代

クリスマスツリーにプレゼント、ロウソクをつけて美味しい食事をしたあとなのでしょう。
ロウソクが溶けて短くなっています。ロウソクは皆に灯りを届けながら、自分たちもクリスマスを楽しんでいたのですね。




マスコミ情報

☆11月10日発行の新潟日報ならびに11月11月号の女性セブンにて、ぬりえ美術館ならびにきいちのぬりえが取り上げられています。緊急事態宣言中の自粛の中、ぬりえに関心が集まったようです。


展示室のご案内
☆秋の企画展「秋は夕暮れ」を展示しています。蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示しています。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくはお休みをしています。ご了承のほど宜しくお願いいたします。

Posted: Nurie : 21年12月04日

12月の美術館ニュース(1)

2021年も残りあとわずか。新種のコロナ株のためにまだまだ気をぬけませんが、来年はもう少し自由な時間が増えて、人とのコミュニケーションが取れるようになることを願っています。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
   
jp006833.jpgタイトル:あたしサンタクロースよ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

12月のエントランスは、「クリスマスは華やかに」と題しまして、クリスマスがテーマのぬりえを展示しています。
 
最近はハロウィンが人気となっていますが、やはりクリスマスは特別なイベントではないでしょうか。
ジングルベルの歌は余り聞かれなくなりましたが、クリスマスの華やかさは様々なところに影響を与えていると思います。
 
ファッション、音楽、食べ物、飾りつけ等など、いくらでもクリスマスを演出することができます。カラーも赤に緑、ブルーにシルバーなどで暖かくもクールにもクリスマスを演出することができます。



クリスマスにはケーキを家族で食べるという方が多いと思います。まずクリスマスケーキと言えばイチゴのショートケーキが定番ですが、最近は有名メーカーのデコレーションケーキが人気であったり、クリスマスの4週間前から始まるアドベントの時に食べるというシュトーレンというケーキやイタリアのパネトーネというケーキなどが人気となっているそうです。日本では世界中の美味しい物が食べられますから幸せですね。

去年に続き今年のクリスマスも家で家族と一緒に過ごすという方が多い事と思います。
美味しいケーキを温かい飲み物で、楽しいクリスマスをお過ごしください。(館)

Posted: Nurie : 21年12月04日

11月の美術館ニュース (1)

秋が深まったというより、一気に冬になったようです。最近は四季ではなく、夏と冬の二つの季節の感じがします。残り二ヶ月を健康に幸せに過ごしましょう。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP007055-640.jpg   
タイトル:う た
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


11月のエントランスは、「一生懸命お稽古」と題しまして、様々なお稽古がテーマのぬりえを展示しています。

 
誰もが歌を好きかと思いますが、皆様の心にはどのような歌が思い浮かびますか。


昭和20~30年代の子どもの歌と言えば、文部省唱歌と童謡ではないでしょうか。今でも歌われている歌が沢山あります。われは海の子、茶つみ、虫のこえ、はと、海、おぼろ月夜、つき、かたつむり、池の鯉、人形・・・歌詞が難しいのですが、子どもながらに良く歌っていたものだと思います。


童謡は戦後に史上空前の童謡ブームというものが起こり、童謡歌手らが誕生して人気となり、可愛い歌声を聞かせていました。川田正子、孝子、美智子姉妹や安田祥子、章子(由紀さおり)姉妹、小鳩くるみ、松島トモ子、近藤圭子等など、多数の歌手がレコードや少女雑誌などにその顔を出していました。


当時の童謡のレコードには踊りの振り付けがついていて、歌と一緒に踊れるようになっていました。今でも覚えているのは、「可愛い魚屋さん」のレコードですが、そのレコードに振り付けが付いていたように思います。短い曲ですから、子どもでも歌って、踊れたのでしょう。


時代は進み、今は学校でダンスの授業が行われるようになりました。現代の音楽を聴いている子どもたちにとって、音と一緒に体も自然と動いてダンスが楽しいのでしょう。(館)

Posted: Nurie : 21年11月06日

10月の美術館ニュース (2)

きいち千夜一夜 No.33
2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。


健康のことなど二の次で、たっぷり遊んで、好きな仕事をして、思いっきりわがままをすることーーー最近は体の調子もよく、仕事も順調なことから、長生きの秘訣を楽しそうに語る喜一だが、いつか訪れる”死”を意識していないわけではない。


ほとんど他界してしまった友人や兄弟のことを思う時、自分の年齢を思い知らされる。そんな彼がごく最近、個展の打ち上げの際に語った言葉はこうだ。
「昔から、悠久の雲にのってふわふわ飛んでいくみたいな、そんなことを想像するのがとても好きだった。だから、これから精いっぱい絵を描いて、最後は天使たちに迎えられてふわふわした雲に乗っていくようなのがいいと思っているんですよ。そう考えると死ぬことも、また楽しいという感じ。こんな最後が一番自分にふさわしいと思うんです。


死の話をするなんて、縁起でもないという人もいるでしょうが、私は兵隊に行く前、一度は辞世の歌まで詠んでいますしね。家内はすぐに実家に帰ってしまったから、私が色紙に書いた歌なんて、まったく記憶がないってことです。その時は拍子抜けしましたが、まあ、”死”とは当分遭遇しないことだろうといいほうに解釈してます」


いつの日か本当に彼を迎えるために、天使が舞い降りる日はやって来るかもしれない。そして、それはもしかすると彼の描き続ける童女の化身なのかもしれない。

参考図書「わたしのきいち」


今月のエントランス

JP007032-640.jpg「およめさんのごあいさつ」

作者:きいち
年代:昭和30年代

ブーケを持ち、長いベール姿の花嫁さんが来賓の方々にご挨拶をしています。どんなお話が弾んでいるのでしょうか。とても幸せそうにみえます。


 



ぬりえ美術館展示情報
★8月から開催予定の秋の企画展「秋は夕暮れ」は、緊急事態宣言のために
9月まで休館をしておりましたので、10月~12月までの開催といたします。


展示室のご案内
★秋の企画展「秋は夕暮れ」を展示しています。蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示いたします。


★館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 21年10月02日

10月の美術館ニュース (1)

オリンピック、パラリンピックが終わり、季節は確実に秋になってきました。空気、風が気持ち良い季節、マスクは外せませんが外にでて行きたいですね。秋を感じましょう。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 
   

JP007025-640.jpgタイトル:わたぼうしのはなよめさま
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


     
10月のエントランスは、「ブライダルシーズンの秋」と題しまして、花嫁さんがテーマのぬりえを展示しています。
 

最近の結婚式は海外の影響をうけて6月のジューンブライドが人気のようですが、昭和の時代は結婚式と言えば、天候の良い「秋」に開催されたものでした。そのため今月は「ブライダルシーズンの秋」といたしました。


左のぬりえは「わたぼうしのはなよめさま」ですが、花嫁さんは文金高島田とよばれる日本髪にしますが、その日本髪には“角隠し”(つのかくし)と呼ばれるものとこの“綿帽子”とよばれる髪の被り物を使用します。そしてこの綿帽子の場合は白無垢の着物にだけ用います。そして結婚式のときだけに着用し、披露宴ではほかの着物やドレスに着替えるのだそうです。

一般的には裾引き黒振袖姿が多く、その後打掛姿が人気となり、またこの白無垢に綿帽子の花嫁姿が見られるようになりました。


和装の花嫁姿に髪を文金高島田にするのではなく、洋髪に着物という花嫁さんもいらっしゃいました。この花嫁姿は現在また人気となっているようで、友人の娘さんがこの姿で結婚写真を残しています。時代の流行というものがありますが、これからも和装の花嫁姿が見られると良いですね。(館)

Posted: Nurie : 21年10月02日

9月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.31 2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しましてきいちについてご紹介をして参ります。


それから二十数年経って、今年の春、再び喜一さんの個展会場へと足を運んでみたんですが、筆はますます冴えて素晴らしくなったという印象でした。童女画の中に混じって展示されていた最新作の”行灯”という美人画も良かったですね。私の持っている初期の作品とは、また違った線の柔らかさや漂う色気に感動して、先輩から多くを教えられたという感じですよ。


私としては童女画と同じように美人画についても、これからどんどん描いていってほしいという思いです。どちらも奥が深いですからね、両方を同時に極めるというのは難しいかもしれませんね”
美人画”を”余技”と割り切ったとはいえ、美人画を評価してくれる人の存在は、喜一にとってはやはり嬉しいものだ。


「まだまだ、百歳を過ぎても絵を描いていく、その意気込みは十分なんですが、一点一点に時間がかかる。だから、美人画と童女画と両方はやはり難しいですね。
童女画を描く時にしたって、取り立てて時代考証するつもりはなくても、”平安時代の女の子は着物はどうだったか?帯は?履物は?なんていろいろ調べたり、考えたりすると、下絵を描くにもかなりの時間を費やしてしまいますから」

あるいは、画家としてこうした作業をもっと早く始めていたら、自分の人生も変わっていたかもしれないと考えることもある。
「今日あるのは、ぬりえのおかげなんですけどね、逆にぬりえに翻弄されて、一生分を遊んでしまったかなと思うこともあるんですよ。もっとも、その遊びがなかったら、ここまで童女の世界に固執できたか、そのへんはわかりませんけどね」


★参考図書 小学館「わたしのきいち」

今月のエントランス

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「おきゃくさまにケーキとソーダすい」

きいち
昭和30年代

夏の時期のお客様には爽やかなソーダ水。緑色のソーダ水が懐かしいです。サイダーも夏のものですね。ラムネという瓶に入った飲み物もありました。今は見ることができなくなりました。

ぬりえ美術館メディア情報

「レトロイズム」http://retroism.jp/ にぬりえ美術館が紹介されました。


展示室のご案内
★秋の企画展「秋は夕暮れ」を展示しています。
蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示しています。

★館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたしまうす。

Posted: Nurie : 21年09月07日

9月の美術館ニュース(1)

オリンピック、パラリンピックと、世界的にも非常に大変な中の開催となりました。
依然コロナのデルタ株が猛威を奮っていますので、更に気を引き締めていきましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
     

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タイトル: はいおまちどうさま

作 者: きいち

年 代: 昭和30年代

     

9月のエントランスは、「おまちどうさま」と題しまして、食べ物がテーマのぬりえを展示しています。
 
昭和20~30年代のデパートの食堂のウィトレスさんが、「おまちどうさま」と運んできたところを描いたと思われます。

当時の子どもたちにとっては、レストランに行くというよりデパートの食堂に行くことが何より楽しみなことでした。「お子様ランチ」は1931年に上野松坂屋がお花見や上野の動物園に来る子どもたちに楽しんでもらおうと洋食をワンプレーとにして「お子様ランチ」と命名して提供したのが始まりと言われているそうです。

 

きいちのぬりえに食べ物のぬりえが数多く描かれているのには、日本がまだ貧しく豊かではない時代だったので、色々美味しい食べ物を描いているのだと思います。
日常の食べ物から、お正月やお花見、夏の冷たい食べ物、冬のお汁粉やお蕎麦などを描いています。

 

また東京などの大都市のデパートでなければ食べられないパフェやホットケーキなどのお洒落な食べ物もぬりえにして、東京ではこういうものがありますよ、と知らせていたと思います。


現代でもテレビ番組に食に関する番組が多く見られますが、美味しい物を嫌いな人はいないからでしょう。(館)

Posted: Nurie : 21年09月07日

8月の美術館ニュース(1)

オリンピック開催中で、メダルに沸く種目と悲観する種目と悲喜こもごもです。そして競技の外では、コロナのデルタ株が猛威を奮っています。引き続き感染防止に各自が気を付けましょう。

 


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 
JP002379_db-640.jpg   

タイトル:おせんたく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


     

8月のエントランスは、「夏でもお手伝い」と題しまして夏のお手伝いのぬりえを展示しています。
 
女の子が干している丸い“洗濯物干しハンガー”は、大変懐かしいですね。
昭和20~30年当時は、子どもたちが家のお手伝いを沢山していました。子どもが多い時代でもありましたから兄弟の面倒を見るのは勿論、いろいろお手伝いをしたものです。


ぬりえの少女は自分のお人形の洋服を洗って干しているようですが、家族の洗濯などもする子どもたちもいたことでしょう。
 

展示中のぬりえを見ると、お庭の植木の水やりがあります。夏の夕方に水やりをすると涼しくなって、とても気持ちが良かったことを思い出します。最先端の家電である掃除機をかけている少女もいます。


このように何でも自分に出来ることはお手伝いをするもの、と思っていました。お手伝いをしていると、お店のご主人がお駄賃をくれたり、おまけをしてくれたりしました。それが子どもにも大変嬉しくて、またお手伝いをしようという気持ちにしてくれたように思います。


どんなお手伝いをした思い出がありますか。(館) 

Posted: Nurie : 21年08月05日

7月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜No.30 
2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。


「この女の子たちが、自分の意思を持ち、自由に体を動かすことができるとするならば、どんなふうな仕草をするか、私の中にはかなりはっきりとしたイメージがあるんです。それがいつもうまく表現できずに悩んでしまう。
たとえ自分なりにパーフェクトなデッサンができたとしても、受け手にはなんの変化も感動もないかもしれませんけれど、でも、それは私のこだわりとして、最後まで捨てたくない」


あれほど美人画に憧れ、いつかは美人画だけを描く画家になりたいと思いを募らせてきた喜一だが、八十歳をすぎて、童女画こそ自分の取り組むべきテーマであることに気づいたようだ。
「美人画は描いていて楽しいし、これからも続けていきたいと思いますが、でも、自分の生涯の仕事として全うするものじゃないと最近思うようになりました。
それに、私が描かなくても、ほかにいくらでも描く人がいる。だから今後は美人画については余技でやっていこうと考えています」

ぬりえが売れなくなり、生活のために必死に美人画を描いていたころ、喜一に甥がこんなことを言ったことがあった。
”どこだったか仕事で行ったホテルのロビーにおじさんの絵がいっぱい飾ってあったけど、何だかどれも悲しそうな顔をしていたよ”


「童女画を描いて、こういうことを言われたことはないんですよ。童女にはエネルギーや色気まで感じるということで。まあ、とらえ方は人それぞれですが、それにしても美人画は寂しくて、童女画は色っぽいって、これはどういうことなんでしょうかね」


☆参考図書 「わたしのきいち」
 

今月のエントランス

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「わあー つめたい」
年代:昭和20年代
作者:きいち

砂浜は熱くても、海の波は冷たい! それでも波が寄せてくると楽しい。
日に焼けったって平気。潮風だって気持ち良い。楽しい夏!

ぬりえ美術館メディア情報
読売新聞夕刊「はじまり考」でぬりえのはじまりについて掲載予定です。


展示室のご案内
☆春の企画展「春はあけぼの」を延長して7月末まで展示しています。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたします。

Posted: Nurie : 21年07月03日

7月の美術館ニュース(1)

2021年7月の夏は特別の夏。延期されていたオリンピックがこのコロナ禍の中開催されます。単にスポーツの祭典ではなく、史上初の試みが試される夏となることでしょう。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

jp00043x-640.jpg   
タイトル:かわのみず
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

     
7月のエントランスは、「夏は海山川で遊ぶ」と題しまして夏の遊びのぬりえを展示しています。


家での自粛が続き、発散したい!と思っている方は多いことでしょう。せめてぬりえの中で外に出かける気分を味わってください。


夏と言えば、海、山、川でしょう。子どもの頃どこに出かけることが好きでしたか。臨海学校ですか、それとも林間学校でしょうか。学校のお友達と大勢で過ごす夏の思い出、賑やかな子供たちの声が聞こえてくるようです。

海でも山でも、太陽に焼かれて色黒になって家に帰ってくるとその色の黒さを家の人に自慢したりして。日焼けした肌の皮がむけたりしたのも、いい思い出だったことでしょう。夏休みが終わり新学期が始まると、誰が一番黒くなっているか、皆で自慢しあったりして、なんとも賑やかな夏の光景でした。

 
海、山、川のどこに行っても楽しく過ごせた子どもの頃。どんな小さなことでも楽しみに変えていたあの頃。物が十分になくても、皆で遊べた時代。不思議と懐かしいです。歳をとってくると若い頃が懐かしく、大事な時間だと思うようになるのでしょうか。


2021年の7月がどのような夏になるのか、今年の夏の思い出が良い思い出として残ることを祈ります。(館)

Posted: Nurie : 21年07月03日

6月の美術館ニュース(1)

今年は梅雨が例年より随分早く始まりました。早く始まった分、早く終わって欲しいものです。
梅雨の時期を爽やかに、楽しく過ごしていきたいですね。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP006731-640.jpg   
タイトル:ぴーちゃのおくにはうみのむこう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

     
6月のエントランスは、「可愛いキュウピーさん」と題しましてキューピーのぬりえを展示しています。

ぬりえ美術館が所蔵する古いぬりえの中にはキューピーさんを描いたぬりえが沢山あります。特に戦前のぬりえにキューピーが描かれています。

キューピーは1909年にアメリカのイラストレーターのローズ・オニールが描いたと言われています。その後立体的なキューピーのお人形が誕生することになります。
大正期には日本で輸出向けにキューピー人形を生産し、のちに日本のオリジナル的特徴を持ったキューピーも作られるようになります。1925年以降は日本がセルロイドの製品を造るようになり、燃えやすい欠点が指摘されてからはソフトビニール製のキューピーが主流となり、今に続いています。

キューピーは目がパッチリとしていて、可愛いという要素を持っています。また立体の人形になってからも様々な表情やポーズを作ることができるので、特に小さい子ども達には好まれたのでしょう。
浅草の商店街を歩いていますと、入れ墨をいれたキューピー人形も売られていて、ああ、ここは日本の浅草なのだ、と日本の独創性を感じます。


誰もが、小さい時には一度は持っていたことがあるお人形ではないでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 21年06月05日

5月の美術館ニュース(1)

目に青葉、新緑が美しい季節になりました。今年は花の開花も平年より早く、1、2か月早いようです。そしてコロナのワクチン接種が始まりました。早く大勢の方々の接種が出来て、イギリスのように感染者数が落ち着いてくれることを願っています。

 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 
   

jp00944x-640.jpgタイトル:イヴニングドレスのひばりちゃん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


     
5月のエントランスは、「憧れの女優さん」と題しまして映画女優のぬりえを展示しています。

5月29日は、美空ひばりさんの誕生日です。
ひばりさんのお母様は荒川区の南千住のお生まれだそうで、ひばりさんが9歳位のころ第四瑞光小学校の校庭に設けられたステージでも歌ったことがあるそうです。荒川区にご縁があったんですね。

さて昨年の春の企画展では、美空ひばりさんを描いたぬりえを展示して、皆様に見ていただきたかったのですが、3月緊急事態宣言が発令されてしまいましたので、残念ながら美術館も臨時休館にしましたので、見ていただけなくて大変残念でした。

昭和30年代は映画の黄金時代でした。昭和35年の統計における映画館の数は、全国で7500館、入場者数が10億人を超えたのは昭和32年~35年にかけての4年間だそうで、まさに庶民の娯楽、楽しみであったわけです。


ぬりえも同じく20年~30年代にかけて人気であったため、昭和30年代に活躍した映画の俳優さんや野球、相撲などの人気スポーツ選手らがぬりえに描かれていました。
今回は女優さんを取り上げ、松島トモ子、小鳩くるみ、浅丘ルリ子、野添ひとみさんらを展示しています。
お楽しみください。(館)

Posted: Nurie : 21年05月03日

4月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.27

2021年も引き継き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介してまいります。


【きいちブーム再び③】
「ザ・ギンザでのぬりえ展の話が持ち上がっても、私の手元には原画がほとんどなかったものだから困りましたよ。そのころには、なにかの記念にと、家内が茶箱二つにまとめておいたぬりえさえも、とうに処分してしまっていましたから。
でも、それでも展覧会ができたのはファンの方のおかげ。しまってあった昔のぬりえをわざわざおくってくれたんです」


その後、「きいちのぬりえ」展は東京だけでなく、盛岡、名古屋、飯田、函館など各地でも開催され、会場は連日大盛況となった。これにはだれよりも喜一本人が驚いた。病気入院中の患者が医者の許可を得て、わざわざ展覧会場へと足を運んだり、懐かしいぬりえとの再会に涙を見せる女性の姿もあった。


以後、ショップやデパートの広告を始め、女性や子供に関連の深いイベントなどの広告に、喜一の絵は良く起用されるようになる。また、懐かしい存在であると同時に、清潔感があって柔和なその風貌から、喜一本人に対するテレビ出演の依頼も増え、喜一は多くのトーク番組に出演し、ぬりえで一世を風靡したころのことを語った。

「でもね、私はマスコミ嫌いというか、どうも人が多く集まるところは苦手でね。テレビ局なんかに出かけようものなら、すぐに帰りたくなってしまう。だから、番組の途中でも私の出番が終わると、サッサと却って来ちゃうのね、担当者は、番組終了後にハイヤーを用意してありますからって言ってくれるんだけど、それまで待っていられないんだ」


☆参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

JP003312_db-640.jpg「ベールのよこがお」

年代:昭和30年代
作者:きいち


ウェディングドレスの花嫁さんの顔にクローズアップして描いたぬりえ。
髪に透けた生地のベールを被って、遠くを見つけている花嫁さんがとても崇高に見えます。

ぬりえ美術館展示情報

〇3月~5月まで春の企画展として、きいちの肉筆である童女画の絹本を展示しています。

日本画には紙に描く紙本と絹地に描く絹本の二種類があります。きいちは美人画を学びましたが、基本的にそれらの絵は絹本で描いています。
今回の「弥生」と「エンジェル」の2作品だけは紙本となっています。


展示室のご案内
☆「春の企画展「春はあけぼの」を展示しています。蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の
絹本を展示しています。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしております。ご了承の程お願いいたします。 

Posted: Nurie : 21年04月03日

4月の美術館ニュース(1)

四月は入園、入学、入社など新生活の始まりの月ですね。コロナ禍の中ですが、入学式を
実施する学校も現れてきました。クラスや会社の方々と少しでも早く馴染めるようになる
良いですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 
   
JP002409_db-640.jpgタイトル:ウェディングドレス
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

     
4月のエントランスは、「綺麗なはなよめさん」と題しまして花嫁さんがテーマのぬりえを展示しています。


去年からのコロナ禍で結婚式もままならない方がいらっしゃるようです。それで6月のジューンブライドより早めですが、ぬりえの中の美しい花嫁さんたちをご紹介したいと思います。

昭和20~30年代と言えば、当然着物姿の花嫁さんが一般的でした。黒の裾模様の留袖が一般的でした。髪は日本髪に白い角隠しを被っていました。


洋装のウェディングドレスは、結婚式が自宅や料亭などの畳の部屋ではなくなって、ホテルの宴会場になるなどの変化がでてきてから誕生したものではないでしょうか。
その当時まだ珍しいウェディングドレスは、女の子たちにとっては只々映画の中でみるような貴重な姿であり、お姫様のようなドレス姿は憧れの対象であったのです。


子どもの頃、叔母が通っていた洋裁学校の作品として紙でウェディングドレスを制作したことがありました。そしてクラスの全員が自分の作品を着て、記念写真を撮ったのです。叔母は淡い水色のドレスでした。


花嫁姿は着物でもドレスでも子どもたちの憧れの的でした。(館)

Posted: Nurie : 21年04月03日

3月の美術館ニュース(2)

《きいち千夜一夜 No.26》

2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。


【きいちのブーム再び②】

長谷川の手元にある程度作品が集まってみると、今度はぬりえを描いている喜一本人に会ってみたくなった。今でも絵を描いていいるとすれば、喜一をアーティストとして、広告に起用することも可能に思えたからだ。しかし、山海堂や石川松声堂と言った発売元はとうにぬりえからは手をひいてしまっていて、きいちの行方はようとしてしれない。交流のあった人間を辿り、喜一の家を突き止めるまでには、かなりの時間を要した。


昭和四十七年、同僚の喜一ファンとともに長谷川が最初に喜一宅を訪ねた時、彼は埼玉県、上福岡市の小さな借家に住んでいた。表札のそばに花柳流の看板がかけられていたのが印象深かった。突然訪ねて来た長谷川たちに、喜一は"今は日本画家として肖像画などを描いている"というと、長谷川が思い描いていたイメージからはかけ離れた、老人の肖像画を見せた。ある会社からの依頼で、社長の肖像画を描いているということだった。


その時の様子を喜一はこう回想する。

「突然電話がかかってきて、これから絵を見に行っていいかってことでしたよ。訪ねてきたのは確か、女性が一人に、男性が三人くらいでしたね。女性のファンならわかりますけどね、男性が多くてね、ちょっと驚きました。それに、いい大人が私の絵を見るたびに歓声を上げるんです。なんだか不思議な気がしましてね。子供ならわかるけど、大人がなぜこんなに喜ぶんだろうって」

これを機に長谷川は、忘れ去られようとしていた喜一の存在を世の中にアピールしようと動き始める。喜一の絵を起用してもらうために出版社に働きかけたり、知り合いに取材を頼んだり、イベントを仕掛けたり、この効果はやがて多方面に波及し、喜一の存在は改めて認識されるようになる。昭和五十三年の資生堂ザ・ギンザホールでのぬりえ展や当時若者に人気だった雑誌<ビックリ・ハウス>を主催のアート展に、常連アーティストに混じって、喜一も数々の作品を発表した。


参考図書「私のきいち」小学館


■今月のエントランス

すずがなるタイトル:すずがなる
作 者:きいち
年 代:昭和20年代
可愛いダンスにはタンバリンが合います。リンリンと鈴が鳴って、いっそうダンスが楽しくなります。


■ぬりえ美術館マスコミ情報

☆テレビ朝日の「じゅん散歩」で高田純次さんがぬりえ美術館を訪問されました。


■展示室のご案内
☆春の企画展「春はあけぼの」を展示いたします。蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示いたします。


☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 21年02月28日

3月の美術館ニュース(1)

3月の声を聞くと、桜の便りが聞かれるようになります。今年は福岡がトップで3月18日、東京は21日だそうです。コロナの状況によって、お花見ができるかどうか分かりませんが、遠くからでも眺めたいものです。


《ぬりえのこころ -今月の一枚- 》

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


うたって おどってタイトル:うたって おどって
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、「歌って 踊って」と題しまして歌やダンスがテーマのぬりえを展示しています。

「うたっておどって」と聞きますと、子どもの頃の学芸会や体育の時間が思い出されます。
歌を歌っていると、体が自然に動くことを感じます。足を音に合わせて、トントンと踏んでいたり、手をたたいていたりして、気持ちまで弾んできます。
 昭和10年代にはぬりえ美術館の町屋辺りには、長唄のお三味線が流れていたそうです。20年代には歌謡曲がラジオから聞こえていました。

それらの音楽のリズムが時代と共に変わるにつれて、当然それを聞いている私たちの体の反応、動きは変わってくるはずです。
そして現代では、2011年から2013年にかけて、小学校から高校までダンスが必修ということになりました。子どもたちはテレビやスマホ等を通じて、アメリカや韓国のK-POPなどの音楽番組から歌やダンスのすばらしさを感じているはずです。 友人の子どもは2歳くらいから、韓国のブラックピンクという女性グループの歌に合わせて、踊っていたそうです。


そういう子どもたちが中学生になるころには、アメリカ、韓国のグループに負けない歌って、踊れる日本人が多数生まれていることでしょう。楽しみです。(館)

Posted: Nurie : 21年02月27日

2月の美術館ニュース(2)

《きいち千夜一夜 No.25》

2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。

【きいちブーム再び】


ぬりえブームが去って、再び"きいちブーム"がやって来た。人との付き合いは苦手だけど、この時ばかりは、人との出会いも悪くないなってそう思いましたよ。

めまいだけでなく、四十肩や五十肩の痛みもあり、相変わらず体調がすぐれずにいたころ、突然喜一を訪ねて来た青年がいた。おもしろ雑貨の仕掛人、長谷川義太郎である。


彼は、荒物や日用品といった従来の雑貨の概念を覆し、ファンシーグッズやファッショングッズを総括する言葉として雑貨という言葉に新たなる息を吹き込んだ、その第一人者ともいえる人である。現在は渋谷で文化屋雑貨店を経営するが、当時はグラフィックデザイナーとして広告制作会社に勤めていた。

昭和四十年代中ごろ、長谷川の通う事務所の近く、築地周辺にはまだ小さな駄菓子屋が残っていた。取り立てて目当てのものがあったわけではないが、なにかデザインのヒントになるようなものはないかとふらりと立ち寄った駄菓子屋で、古びたぬりえを見つけたのだ。

子供時代の長谷川には、当時少女向けのぬりえで遊んだ経験はなく、従ってぬりえを見ても郷愁にかられるようなことはなかった。しかし、それだけに彼の目には、ぬりえが非常に新鮮な存在として映った。原色中心の大胆な色使い、そして版ずれのなんともいえないキッチュな感じが、デザイナーとしての触角を奮い立たせた。

仕事は忙しさを極め、ほぼ毎日が徹夜ということもあったが、そうした合間を縫って、長谷川は築地や月島界隈の駄菓子屋をくまなくまわり、ぬりえを買い漁った。作品に記されたサインから、何人かのぬりえ作家の存在を知ったが、なかでもひときわ彼の関心を引いたのが「きいちのぬりえ」であった。

他の作品とは違って、少女の放つ色気と線の美しさに心奪われた長谷川は、それから喜一のぬりえだけを集め始める。時には、会社の応接室の壁一面にぬりえを張り、密かに「きいちのぬりえ展」なるものを開いて楽しんだという。

※参考図書「わたしのきいち」小学館



《今月エントランス》

jp00719x-640.jpg題 名:ゆきやこんこん
年 代:昭和30年代
作 者:きいち
空を見上げて、スカートの裾を広げて降ってくる雪をスカートに集める女の子。

雪を見ると、こんなことをしてみたくなります。
フワフワとした雪は色々なことを想像させますね。


■ぬりえ美術館情報
☆第11回ぬりえコンテストの優秀作品13点を館内に展示しています。同時にHPにも掲載しています。

☆3月からは蔦谷喜一が弁年に描いた童女画の絹本を展示予定です。

■展示室のご案内

☆ぬりえコンテストの優秀作品を展示しえいます。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 21年02月08日

1月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.24

2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。


「それから、家内は、毎日、雨の日も風の日も、上福岡にある教会へとお参りに通っていました。夕方の六時から夜のおつとめが始まるんです。どこに出かけていても六時までには帰って来て、それに参加する暮らしが十年も続きました。祭礼の時には、私もかり出されましてね。私自身は宗教に頼って、なんとかしてもらおうって気はなかったけど、とにかく彼女は真剣でした。あまりに熱心な様子に会長さんも感心していましたね。

彼女がそこまで思い詰めるようになったのは、私の責任ですからね。申し訳ないなと思うんですが、私の場合は絵を描き始めると、その中に入り込んでしまって、周囲のことなどお構いなしになってしまう。そんな私だから便りにならないと、家内は教会へすがるようになったのかもしれませんけど・・・」


「家内の宗教活動が終わりに近づいたころ、私は童女百態シリーズを描き始めました。七十歳ぐらいの時です。そろそろ”ぬりえのきいち”からは卒業したい、そんな時期でした」


童女百態シリーズとは、雛祭りや羽根つきや盆踊りなど、主に日本の文化や風習にそって、童女の姿を日本画として表したもの。かわいらしいぬりえやきせかえの中の女の子たちが、より細やかな描写によって生まれ変わった作品である。
着物の柄ひとつにしても、まるでプリントしたような精密に描くため、描き終わるとくたくたになるが、ぬりえを描いていた時よりずっと充足感がある。


「家内は教会に通ったおかげで、今は幸せになれたと言っています。で、私もね、画家として童女に真剣に取り組もうと閃いたのには、もしかすると、神様の影響が一つにはあったのかもしれないと・・・。でも、第一に感謝する相手は家内ですよね、やっぱり」 
書き込めば書き込むほど、ますます、まさに似てくる童女百態の少女たち。それは彼のまさに対する感謝の表れでもあるのかもしれない。

今月のエントランス


JP006682_db-640.jpgおしょうがつのおみやげ」
きいち
昭和30年代

お正月のお休みにお父さん、お母さんとお出かけして、買ってもらったのでしょうか。
それともお年玉で買ったのでしょうか。いずれにしてもお正月は楽しかったですね。


ぬりえ美術館情報並びにメディア情報
☆荒川、文京、千代田のケーブルネットワークの「あらぶんちょ!散歩」でぬりえ美術館が紹介されました。
☆第11回ぬりえコンテストの優秀作品13点を館内に展示いたします。(2月迄
同時にHPにも掲載しています。


展示室のご案内
★1月~2月はコンテスト優秀作品を展示しています。
★館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたします。

Posted: Nurie : 21年01月05日

1月の美術館ニュース(1)

明けましておめでとうございます。今年のお正月は静かに家でお過ごしになったことと思います。皆さまのご健勝とご多幸をお祈りいたします。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

JP006316_db-640.jpgタイトル:おしょうがつのにほんがみ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

     
1月のエントランスは、「新年を迎える喜び」と題しまして、お正月がテーマのぬりえを展示しています。
1月1日になると、心から新しい一日が始まる、12月31日とは全く違う日に感じるのは、私だけでしょうか。
昔から元旦を特別な一日として暮らしてきた日本人の感覚が、現代になっても私たちの血の中に生きているのではないかと思います。

さてお正月の日本髪ですが、今では浅草の浅草寺に行っても、見かけることが少なくなってきましたが、昭和20~30年代にはお正月というと日本髪や新日本髪を結う女性が沢山いらっしゃいました。
私の家は美容院でしたので、12月31日なると髪を結ってもらいたいお客様たちで夜遅くまで忙しかったです。私は娘ですので、お客様が待っていらっしゃる時には髪を結ってもらえません。それで日本髪を結うときは、母の先生の美容院に行って新日本髪を結ってもらいました。小学校5年か6年生の頃です。このぬりえの女の子は黄八丈のような着物を着ていますが、正に私も黄八丈を着ていました。下町の娘さんらしい恰好ですね。


大学生になったころには、母のお客様の中に浅草で日本髪を結っていたという、いわゆる髪結いさんという方がいらして、その方に結っていただいたことがあります。初めて鬢付け油を付けてもらいました。今にして思えば大変良い経験でした。(館)

Posted: Nurie : 21年01月05日

12月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.23   ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介していきたいと思います。

物静かな喜一のペースに、まさがすっかり巻き込まれてしまうまでには、そう時間はかからなかった。まさは子供のころから、活発で負けん気の強い性格。和裁の修行時代も”お前にまかせておけば、間違いはない”と師匠が関心するほどのしっかり者だった。だが、結婚後は、そんな張り詰めた気持ちもどこかへ吹き飛んでしまった。久々に小学校の同窓会でまさにあった同級生たちは、あまりの変わりように驚いたという。


「家内の実家は農家だから、男は男らしくそとでばりばり働くものだと教えられて育ったんだろうと思います。でも、私と会うことで基準がすべてくるって、調子を乱してしまったんじゃないかな。人形やハンドバッグやコートまでちくちく縫ってしまう男なんて、当時はそういなかったでしょうから。でも、普段の暮らしの中からデザインやアイデアがいろいろ沸いてくるので、形にしないと気が済まないんですよ。

 
だから、私が着ていたオーバーや国民服を見て、家内の兄に”俺もそういういのがほしいから、洋服屋を教えてほしい”と聞かれた時には困った。体に合わせて、立体裁断で自分で適当につくったものだから、二度と同じものはできないの」
彼はぬりえやきせかえを描いていて、服のデザインに悩んだことは一度もなかったというが、それはこのようなエピソードからも、うかがい知ることができる。
「こんなふうですからね、私は自分の人生を一度も不幸だと感じだことはないの。でも、家内は違ってて、ぬりえが売れなくなってからは、とても幸せそうでしたね」

喜一の父親が、日の丸の絵を奉納するという自らのスタイルで信仰を深めていったのに対し、母親のほうは実際にある宗教財団に属し、積極的な活動を行っていた。そして喜一とまさが結婚すると、二人とも半ば強制的にその団体への加入を勧められた。しかし、まさの両親は宗教活動など受け入れないタイプ。喜一もなにかといえば上納金を求めるという団体のやり方に疑問を持っていたが、母親の命令には逆らえなかった。


まさのつわりがひどかったり、母乳の出が悪かったりすると、母は決まって”教会にもっとお金を納めなさい”と言った。喜一夫妻はそれについては適当に聞き流し、取り立てて逆らうこともなかったが、洗礼を勧められた時には少々困った。まだ新幹線もなかった時代、十時間以上も列車に揺られての本部入りも大変だが、子供が小さ過ぎて一緒に連れていけないという問題もある。洗礼には夫妻で交代に出かけなければならなかった。

☆参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス


「くつしたになにをいれてもらいましょう」
作者:きいち
年代:昭和20年代

サンタクロースからプレゼントを期待する女の子。靴下を下げて、ゆっくり見る夢は欲しかったお人形でしょうか、それとも自分の洋服でしょうか?
クリスマスは子どもたちにとって、ワクワクする行事の一つでした。


ぬりえ美術館メディア情報
〇東京ケーブルネットワーク提供の「あらぶんちょ!」通信ならびに「あらぶんちょ散歩」でぬりえ美術館が紹介されました。
「あらぶんちょは!」は、荒川区、文京区、千代田区の様々な情報をお伝えする、地域密着型生活情報番組です。


展示室のご案内
☆9月から常設展として、着物、お人形、食べ物、お手伝いをテーマにした可愛いぬりえを展示しています。
☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 20年12月05日

12月の美術館ニュース(1)

コロナの第三波が来ています。ワクチンの開発も進んでいるようですので、各自が気をゆるめずに、手洗い、三密をさけるなどの基本を守って予防して、元気で新年を迎えましょう。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

  
タイトル:あたしはサンタクロースよ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
     
12月のエントランスは、「クリスマスを楽しもう」と題しまして、クリスマスがテーマのぬりえを展示しています。
今年はコロナ渦のため、ステイホームの時期があったので、歳の終わりが来るのが大変早いように思います。もう12月になりました。行事的なことがほとんど中止となり、夏の花火、お祭り、行楽などしないで過ごされた方が多かったのではないでしょうか。


ステイホームの時間に、花壇や野菜を作ったり、ホットケーキなどを手作りしたりして、従来とは違った時間を過ごされた方も多いことでしょう。
断捨離を家族総出でしました、と何人かの友人からお知らせがありました。従来とは違う新しい生活を楽しもうとする人々も多いのですね。

今年もやってきたクリスマスの時期を、どのように楽しむのか、頭を悩ませていらっしゃることでしょう。元々欧米ではクリスマスは家族で過ごすもののようです。原点に返って、家でご家族と楽しんでみる計画を立ててみてはいかがでしょうか。クリスマスの食事を手作りしてみる、クリスマスの飾りつけを家族皆んなでやってみる、プレゼントを手作りしてみるなどなど、できることが沢山ありそうです。

来年の幸せを祈りながら、楽しいクリスマスの時間をお過ごしください。(館)

Posted: Nurie : 20年12月05日

11月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.22   ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介していきたいと思います。

【まさの存在】
私は私なりに家族を大切に、特に家内のことはいつも考えていたつもりだけど、実際はどうだったか、ちょっと自信のないところもあるなあ。

小柄でおっとりとした雰囲気のまさは、喜一の妻と紹介されると。ほとんどといっていいほど、「ぬりえのモデルですか?」とお質問を受ける。これについては、常に曖昧な返事でごまかしてきた喜一だが、まさがモデルであることにハッキリとした自覚がないとすれば、それほど彼女の存在が喜一の意識の深層まで達しているからなのだろう。いつもそばにいてこまごまと世話を焼き、小さな手で縫物をするまさは、どんな時も喜一にはかけがえのない存在であり続けたに違いない。

秀峰の「素踊」に心打たれた、女性はこの絵のように美しく、汚れのないものであるべぎだと信じて疑わない喜一の女性に対する神話が、結婚しても崩されることがなかったのは、ひとえにまさのちからといえるだろう。
「話によると、娘時代は、しっかりとして、気の強いほうだったみたいですよ。それが私と結婚したことで、人生観が変わったって言ってますよ。のんびりしちゃたって」

嫁いで二か月も経ったころ、喜一に”なにか着物か帯の端切れのようなものがないかな?”と聞かれたまさは、男物のしゅすの帯を出して渡した。するとまもなく、それが立派なハンドバッグにつくり替えられて、まさにプレゼントされたのである。丁寧に口金まで付いていて、どこへ出しても恥ずかしくないバッグを簡単に仕上げてしまう夫に、まさは大層驚かされた。和裁が得意といっても、教えられたことだけを忠実にやってきた自分と違って、自由な発想でなんでもつくってしまう夫の才能がうらやましいと思った。

「絵を描くだけでなく、昔から、あれこれ考えてものを作り出すというのが好きなんです。娘にも着物の端切れでハンドバッグをつくってあげたりしましたよ。フジヲの名前でぬりえを描き始める少し前だったと思うんですが、フランス人形や日本人形をつくることに夢中だった時期もありました。東京、青山の姉の家に少しの間居候していましてね、暇さえあれば、近所の手芸屋さんに行って、毛糸や布を眺めていました」

日本人形の日本髪用の小さな櫛まで、手づくりで何本もつくるというい熱の入れよう。自己流でつくった人形だったが、少しずつさまになってくると、手芸店の店先に商品として飾られ、それで収入を得ることもあった。
この人形づくりの技は、まさがつわりに苦しんでいた時にも役立った。昭和二十二年~二十三年といえば、戦後でちょうどもののない時代。具合の良くない妻の気持ちを紛らすものはないかと、家中の端切れを縫い合わせて、洋裁の愛らしい人形をつくったのだ。


参考図書 「わたしのきいち」 小学館


今月の一枚

「じょうおうさまのようにきれいなくじゃく」
作者:きいち
年代:
昭和30年代

くじゃくが大きく羽根を広げ、まるで女王様のようです。そのくじゃくに負けないお洒落なスカートをはいた女の子は、くじゃくと一緒に私を見て、と言っているようです。


ぬりえ美術館情報
10月5日から開催されたぬりえコンテストの募集が31日に締め切られました。
今年も沢山のご応募をいただきまして、大変ありがとうございました。

11月~12月に厳正なる審査をし、優秀作品を選定いたします。それらの
優秀作品は1月~2月に美術館に展示、ならびにHPに掲載いたします。

Posted: Nurie : 20年11月01日

11月の美術館ニュース(1)

紅葉の便りがあちこちから聞かれ、秋が深まっています。日本ではGO TOキャンペーンが開催されていますが、ヨーロッパではコロナの第二波により再びロックダウンが行われているようです。冬に向けて日本でも拡大しないように、三密、手洗いなど気を付けていきましょう。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:ウールのネッカチーフ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

  
11月のエントランスは、「おめかししてお出かけ」と題しまして、お洒落がテーマのぬりえを展示しています。

ネッカチーフという言葉を最近は聞かなくなりました。今はスカーフと言いますね。
昭和20~30年代は、ネッカチーフを被ったり、首に巻いたりしていました。昭和28年の映画「君の名は」では、ヒロインの真知子が巻いたスカーフの結び方が“真知子巻き”と呼ばれて、映画と共に流行しましたので、覚えていらっしゃる方も多い事でしょう。

大人でも子供でも、ネッカチーフと呼んで頭に巻いていました。昭和34年の頃の誕生日会の写真がありますが、春に新宿御苑で友人たちと誕生会を開いたのですが、ネッカチーフを被った私が写真に写っています。ネッカチーフもファッションの一つですから、寒さとは関係なく春にも巻いていたのでしょう。 


ネッカチーフだけでなく、お出かけの時には帽子も被っていました。今も小学生は登校のときに帽子を被っていますが、その帽子とは違うお洒落な帽子を女の子だけでなく、男の子も被って遊びにいったものです。余裕のある時代だったのでしょうか。懐かしく思い出します。


今年はマスクをするのが当たり前の生活になりました。お出かけの際にはマスクをお洒落にして新しい世活を楽しんでみてはいかがでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 20年11月01日

10月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.21 ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしていきたいと思います。


実際にメニエール病だったか、審議のほどは定かではないが、しばらくするとその症状も和らぎ、次第に絵を描く生活へと戻っていく。人生というものには思わぬハプニングがつきものだが、なにかが襲ってきた時、静かにそれが通り過ぎるのを待つ。そういう生き方は喜一にとって苦手なことではなかった。

自分の病については慣れっこになていたから、むしろいつもは丈夫なまさが、胆石の手術で入院したことのほうが、喜一にはショックだったかもしれない。手術を終え、二十日ほどで家に帰ってきたまさの体は、やせて半分になった印象だった。
「それから、二十年位前だったかなあ、料理をしている時、油に火が入って、家内が両手に大火傷を負った時にも、随分びっくりした。でもね、両方の手を訪台でぐるぐる巻きに自分で手当てして、医者にもいかずに治してしまった。何本か爪もダメになってしまったんだけど、気にする様子もなかった。火傷が治ってきて、新しい爪が生えてくると、私にも見せに来て、”ダメになっても、ほら、新しくてきれいな爪が生えてくるものなんですね”って嬉しそうにしてた。この時に、女の人の強さっていうか、そういうものには太刀打ちできないかと実感しましたよ」


戦争を境にすっかり健康に自信をなくしてしまった喜一だったが、二、三年前から、徐々に活力を取り戻し始めえる。高熱に悩まされることも、最近ではめっきりすくなくなった。
「犬を飼い始めてね。これがわがままな犬で、一日に何度も散歩を要求する。私も最初はふーふー言いながら引っ張っていったんですけど、最近では随分足腰が鍛えられて、それで元気になってきたようです。元気になると仕事の話や、いろいろうれしい話が舞い込んでくるから不思議です。私は兄貴から、”お前は晩年になったらよくなる”っていわれていたけど、このごろそんな予感がしてます」
そういって目を輝かせる黄石を、”八十を過ぎて、これからが晩年だなんて、一体いくつまでいきるつもり?”とからかうのが、最近のまさの筆禍でもあり、楽しみのようだ。

参考図書 「わたしのきいち」小学館



タイトル:ホットケーキ
作者:きいち
年代:昭和30年代

今年のステイホームの間に、ホットケーキが人気となり、スーパーの棚から商品が無くなったと話を聞きました。ホットケーキは作るのがそれほど難しくありませんので、子どもたちもお手伝いしながら、楽しくて美味しい時間を過ごしたのでしょう。


ぬりえ美術館情報
今年も今月「ぬりえコンテスト」を開催いたします。東京新聞ならびにぬりえ美術館のホームページにてご案内をいたします。10月5日~31日締め切り。沢山のご応募をお待ちしています。


展示室のご案内
☆9月から常設展として、着物、お人形、食べ物、お手伝いをテーマにした可愛いぬりえを展示しています。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承の程お願いいたします

Posted: Nurie : 20年10月03日

10月の美術館ニュース(1)

秋と言えば、行楽の秋、食欲の秋、運動の秋等々、楽しむことが沢山あるはずですが、今年はコロナ渦で従来のようにはまいりません。それでも家で楽しめることを見付け素敵な秋をお過ごしください。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 
 
タイトル:あつくておいしいわ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

     
10月のエントランスは、「食欲の秋」と題しまして、食べ物がテーマのぬりえを展示しています。
食堂で、ラーメンをフーフーしながら、美味しそうに食べている女の子。まさにこのぬりえと同じような写真を持っています。昭和20年代の埼玉の田舎の駅前にお寿司やラーメンなどを食べさせるお店があり、当時大好きだったラーメンを食べている写真なのですが、湯気が立っている中に私の顔が写っています。


その写真を見ると、ああ、ラーメンが好きだったんだなあ、という思いと、外食が嬉しくて仕方なかった思い出と、まだ珍しかった写真機で嬉しそうに食べる姪の姿をとっておきたいという叔父さんの気持ちを感じることができて、気持ちがほかほかと温かくなります。


ラーメンは日本人の国民食とも言える食べ物ではないでしょうか。中国に行ったときに食べた上海の中華そばは、日本のラーメンとはずいぶんと違って、なじめなかった思い出があります。
今や日本のラーメンは、海外にも出店するほどになり、日本に来てラーメンを食べた外国の人たちがラーメンを気に入って、日本に来ると必ず食べ等というニュースをテレビで見ることがあります。日本の味が、海外でも通用するということは嬉しいですね。
今月のぬりえはラーメンのほかに、カレーライス、ホットケーキ、果物など秋の食欲をそそるぬりえが展示されています。是非ご覧ください。(館)

Posted: Nurie : 20年10月03日

8月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.19 ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしていきたいと思います。


「病弱な体」
三十を過ぎて急に病弱になってしまって、高熱やめまいやいろいろな症状に悩まされる。こんな状態ではとても長生きなんかできないと思っていた。
 
”すぐに熱をだして、寝込むとなかなか治らない。なんでこんなに体の弱い男の人と結婚しちゃったのかしら。水に濡れるのもだめなら、少しの風zにも吹き飛んでしまう。まるで、紙人形のような人だわ”とは、ある日まさが呟いた言葉である。戦争を終えて帰ってきた喜一は、それ以後ずっと、突然の高熱に悩まされることになる。最初は風邪だと思っていたのだが、熱が出る以外にまったく風邪らしき症状はない。高熱が続いても咳ひとつ出ないのは不可解だった。
軍隊に招集されるまでの半年の新婚生活ではもちろんそんなことはなかった。しかし軍隊から帰ってきた喜一はあまりに虚弱な男になってしまっていた。こんなにも体質が変わってしまったのはなぜなのか。まさ以上に、喜一自身、納得できなかった。


「熱がでてきたなと思うと、すぐに四十度以上になってしまって、それが一週間ぐらい続くんです。ぬりえの仕事が忙しかった時は、締め切りが近かったりするとそうそう寝てもいられませんからね。大変でしたよ」


 どうやら、警備隊時代、外地帰りの兵隊から移されたウィルスが原因のようだった。
「医者からは、体になにかの菌が入って、それが高熱の原因だと言われたんだけど、ハッキリと心当たりがあるわけじゃない。だた、つらいつらいと思い出してみるとね、同じ部屋に外地帰りの兵隊がいてね。彼は体調を崩していたらしくて、いつもハンモックで寝ていた。それを見て、よせばいいのに”寝苦しい夜はハンモックで寝たら、さそ気持ちがいいだろうな”って思って、それで真似をしたんですよ。部下に頼んで窓のそばにハンモックを吊ってもらって。それで寝入ったまではよかったんだけど、夜風で体を冷やし、一発で風邪をひいてしまってね。体が弱った時に、同室で寝ていた男の菌が、私の体内に入ってしまったんじゃないかと思うんですよ」


とにかく、ぞくっときただけで、次の日にはもうダウン。海軍省から家に戻ってしばらくの間は、一か月に一度の割で高熱をだしていた。そんな喜一に妻のまさは筆を洗うのさえ禁じなければならなかった。汚れた筆はまさが洗うというのがいつの間にか習慣となった。紙人形のような夫は、襟元を風が通り過ぎただけでも、翌日には寝込んでしまう。腕まくりをするのも命懸け。まして、指先といえども水にさらしたりするのは危険だった。従って、彼女は喜一が洗筆でもしようものなら、すごい勢いでそれを止めた。
「家内は、ぬりえの全盛期にも私が、どんな絵を描いているか、十分には把握していなかったんじゃないかな。家にいる時は、お互いにいつも近くにいて、私は絵を描いいるし、家内は着物の仕立てをしているんだけど、お互いが自分のことに夢中だから、相手がどんな仕事をしているかは、あまり注意してみ見ていないのね。でも私の体のこととなるととても気を遣っていた

参考図書 「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「うみのすいか」
作者:きいち
年代:昭和30年代

冷やした西瓜は、瑞々しくて、シャリシャリした歯ごたえも美味しいですね。暑い海辺で食べたら暑さも吹き飛んだことでしょう。


ぬりえ美術館情報
○4月~5月に開催しておりました「子供ぬりえコンテスト」では、264通の応募をいただきまして、大変ありがとうございました。7月より優秀作品をホームページに掲載しておりますので、是非ご覧ください。


展示室のご案内
☆3月末より臨時休館をしておりましたので、春の企画展であります「懐かしい時、思い出の時、きいちのぬりえ」~きいち昭和の歌姫”美空ひばり”を描く~を延長して今月末まで展示しております。

Posted: Nurie : 20年08月01日

8月の美術館ニュース(1)

今年は梅雨明けが大幅に遅れています。梅雨が長いので、湿気も多いですから、体調の変化、並びにマスクをしての熱中症にも注意をしてお過ごしください。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

タイトル:なみうちぎわであそぶ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代    


8月のエントランスは、「海水浴は楽しいな」と題しまして、海水浴がテーマのぬりえを展示しています。
今年の海の海水浴は、残念ながら中止や休業のところが多いようですので、ぬりえを見て気分だけでも海水浴を楽しんでいただければと思います。
子どもたち、とくに泳げない子どもたちは波打ち際で遊ぶのが良いですね。波が沖のほうに行ったり、波打ち際に寄せてきたり、波を追いかけているだけでも楽しいものです。
波打ち際に立っていると、足元の砂が波にさらわれて足元がグズグズっとするので、面白かったことを思い出します。


展示しているぬりえの中に、「海の砂は暑いわね」という絵がありますが、本当に夏の太陽に照らされた海辺の砂は焼け付くように暑く、展示された絵の女の子は靴を履いていますが、履物なしには歩けませんね。きいちはどれくらい海に出かけたか分かりませんが、随分細かいところまで良く見ているものだな、と感心します。
今年は海やブールに行かれない分、家の庭やベランダでビニールプールで水浴びをするのはどうでしょうか?あまり日差しがきつくない時間帯に、1時間ほど水浴びしたり、かき氷やアイスクリーム、スイカなどを食べたり、お庭に水巻きをするなどしたら、涼しさを味わえ、夏の気分も楽しめるのではないでしょうか。

新しい夏の過ごし方を楽しんでみてはいかがでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 20年08月01日

7月の美術館ニュース(2)

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしていきたいと思います。


掛軸の仕事が立て込むと、まさは額に絹をはったり、絵具がにじまないように絹ににかわを塗ったりして、喜一の仕事を手伝った。
その代わり、まさの仕立ての仕事のほうが立て込むと、今度は喜一がまさの仕事のサポート役として張り切る。”ここの背縫い、お願いしてもいい?”とまさが頼めば、喜一は予想以上に丁寧な仕事をして彼女を驚かせた。
 

また並行して、親戚や近所の人などに頼まれて肖像画なども描いていた。入学や結婚のお祝いとして、まったくの無報酬で描くこともあれば、料金を決め、ビジネスとして描くこともある。喜一の描く肖像画が似ているとの情報を聞きつけて、ぜひ描いてほしいという客も少なくない。会社の社長から主婦や子供まで、老若男女、お客は多岐にわたった。

ぬりえが売れなくなっても、あまり落ち込んだり、くよくよしたりしなくて済んだのは、まさの明るさと、彼女の姪や甥の協力があったからだと喜一は言う。農業を営む者は、米や野菜を届けに来ては、二人の元気な顔を確認し、安心したように帰って行く。生活費が足りなくなるころに、そっとお金を送金してくれる者もいた。一人娘は北海道の舞踊家のもとへ嫁ぎ、思うように親元へ帰ってくることはできない。二人きりになってしまってからは、親のように二人を慕ってくるこうした人たちの来訪が楽しみとなった。


喜一の家に以前のような大広間はなくなっていたが、”おじさんの家で宴会しよう”と集まってくる者にとって、そんなことはどうでもいいようだった。宴もたけなわいなると昔話に花が咲く。”以前、おじさんには、すごく高価なカメラをプレゼントしてもらって、うれしかったよ”、”お嫁入りの時、支度をしてもらったことは一生わすれない”と甥や姪が話す中心には、”へえーそんなこともあったっけ”と、まるで他人の話でも聞くように感心する喜一がいた。


喜一ファンの中には、ぬりえが出回らなくなると、大切にしまいこむ者も少なくなかったが、描きすてるように一晩に三十枚のペースで描いたものなど、喜一本人にすれば、好んで見るようなものでもない。デッサンの狂った作品など見たくないと手放したものも多い。ブームの最中はあまり意識しなかったが、売れなくなってみると、ぬりえは自分にとっては恥以外の何物でもないように思えた。


「それからしばらくして、私のファンだといって訪ねて来てくれたり、個展をやるために、すでに売り捌いた作品を買い戻してくれたり、こういう人たちが現れなかったら、その気持ちはどんどん凝り固まって、ほぐれなくなってしまったかもしれない。当時までずっと私を支配していた、”いつまでも子供じみた絵しか描けないのでは”というコンプレックスと一緒になってね」
*参考図書「わたしのきいち」小学館


「ぼうやのぎょうずい」
作者:きいち
年代:昭和30年代

行水(ぎょうずい)と聞いて、ピンとくるのはお幾つ位の方でしょうか?
行水はたらいにお湯や水をいれて、体を洗うことで、江戸時代は庶民の洗身法だったのです。
暑い夏にはビニールプールも楽しいですね。


ぬりえ美術館情報

○4月~5月に開催しておりました「子供ぬりえコンテスト」では、264通の応募をいただきまして、大変ありがとうございました。7月より優秀作品をホームページに掲載しておりますので、是非ご覧ください。


展示室のご案内

☆3月末より臨時休館をしておりましたので、春の企画展であります「懐かしい時、思い出の時、きいちのぬりえ」~きいち昭和の歌姫”美空ひばり”を描く~を延長して展示しております。

Posted: Nurie : 20年07月02日

7月の美術館ニュース(1)

本来であれば7月にオリンピックが開催されていたはずでしたね。今年の夏は暑さが厳しいと予報されていますので、マスクは外せませんが、熱中症にも気を付けて過ごしましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   


    
タイトル:きんぎょすくい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

7月のエントランスは、「暑い夏を吹き飛ばそう」と題しまして、夏の遊びがテーマのぬりえを展示しています。
昭和の時代、夏の風物詩と言えば、浴衣を着て縁日やお祭りでの金魚すくいではないでしょうか。


コロナウィルスの前までは、浅草に来る外国の観光客たちにも、金魚すくいが話題になっていました。
可愛い金魚ですが、実は金魚の先祖は、およそ1700年前に中国は長江で発見された突然変異の赤いフナだそうです。西暦3世紀頃のことで、その後10世紀には宮廷で飼育されるようになり、尾びれの改良などが進んで徐々に華やかな姿へ進化すると、金運をもたらす魚として「金魚」と名付けられたそうです。


さらには金魚は人が創り得る唯一の“生きた芸術”と言われているものだそうです。出目金、
リュウキン、ランチュウ、タンチョウ等など、色や形が美しい金魚が沢山いますね。

中国から日本へは室町時代末の大阪に入ってきて、江戸中期になりますと藩士が副業として
金魚養殖を始め、大量生産されるようになり、庶民の間にも金魚人気が広がるようになったそうです。


子どもが沢山いた昭和20~30年代は縁日も定期的に開かれ、どこの縁日や夜店も夏になると金魚すくいをはじめいろいろな屋台が出ていて、それらを一店、一店回ってみるのが楽しみであったものです。
金魚すくいは上手でしたか?(館)

Posted: Nurie : 20年07月02日

6月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.17 ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年にあたります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしていきたいと思います。


ぬりえが売れなくなると、まさは着物の仕立てを商売として本格的に始めえる。まさに苦労をかけまいと、絵で生計を立てる方法を喜一も必死で模索するのだが、そううまくいかない。昭和四十年を過ぎて、いよいよぬりえの収入が途絶えると、喜一は新聞の”美人画の絵描き募集”の文字に望みを託し、十号の美人画を五千円で買い取るという都内の美術販売会社を訪ねるのである。


「ギャラは安かったけど、五十を過ぎて、新たに美人画家として再出発するのもいいかなと思いました。そこで、喜一という名前はぬりえ時代にさんざん使いましたら、今度はちょっと変え、”蔦谷弦月”でいこうと。でも弦月のサインで絵を持っていくと、”確か弦月って名前の大家がいましたよね”と言われ、やはり本名で描くことにしました」


二年ほど美人画を描くと、次はもう少しギャラのいい販売会社を見つけ、ここでも二年ほどリース用と展示会販売用の美人画を描き続ける。しかし、五十代半ばを超え、喜一は体調を崩してしまい、生活が安定するまでにはなかなか至らないのである。


昭和五十年になり、多少体が回復してくると、蔦谷喜一の名前で今度は通信販売の絵や掛け軸を描き始める。当時、広告には、蔦谷喜一画伯による肉筆の掛軸として、宣伝されていたが、これがあのぬりえのきいちと同一人物が描いたものだとは、一体だれが想像しただろうか。長さ約一メートル三十センチの掛軸に、花鳥風月の絵を喜一は来る日も来る日も描き続けた。通販の絵には、歴史絵巻にでてくるような人物も描いたが、掛軸のほうが注文は多く、忙しい時で、一日に二~三枚の風景画を描いた。


「仕事は丁寧にやるほうだから、花鳥風月の絵も精一杯描いたけど、あまり気は進まなかったなあ」と当時を回想する。しかも、ギャラのいい仕事とも言えなかった。購入者には、喜一の絵を表装し、桐の箱に入れて届けるということで、定価は七~八万円となっていたが、そのうち喜一の手元に入るのは、一点につき一万円から一万五千円ぐらいなものだった。それでも、喜一は必死で描き続けた。肉筆が最大のセールスポイントだから、一つの絵に注文が集中すると、黙々と描き続けなければならなかった。

☆参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「つゆどき」
作者:きいち
年代:昭和30年代

窓の欄干に寄りかかって、外の雨を眺める少女。眺め方が絵になっています。
少女のポーズも日本舞踊をしていたきいちならではの描き方のように思います。


ぬりえ美術館情報
○4月から5月29日まで、「子供ぬりえコンテスト」を開催しておりました。現在は頂いた作品を選考中です。優秀作品の発表は7月初旬の予定です。


展示室のご案内
☆3月末より臨時休館をしておりましたので、春の企画展であります「懐かしい時、思い出の時、きいちのぬりえ」~きいち昭和の歌姫”美空ひばり”を描く~を引き続き展示いたします。

☆ぬりえ体験コーナーは、コロナ感染防止のため、中止しております。ご了承願います。

Posted: Nurie : 20年06月02日

6月の美術館ニュース(1)

コロナ感染防止のための緊急事態宣言の解除がなされましたが、第二波の感染の心配がなされている地域もあり、これからも気を緩めず、十分に気を付けていきましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   


    
タイトル:ビニールのレインコート
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
6月のエントランスは、「雨にあるけば」と題しまして、雨がテーマのぬりえを展示しています。


梅雨の季節というものは、しとしとと雨が降り続いたものですが、最近の雨は大雨、時に豪雨となり大きな被害を生んでいますので、困ったものです。
さて、今月のぬりえのこころの一枚は「ビニールのレインコート」というタイトルですが、あの時代はビニール素材が新しく、新鮮であったのでしょう。高級なイメー、お洒落な素材として、きいちはぬりえに描いています。


ビニールのレインコートから中の洋服が透けています。透けて見せるという服がそれまでにあったでしょうか。レインシューズも、単なる長靴ではなく、折り返しや前チャックの付いたもので、現代でも通用するモダンな靴を合わせています。こういう所に、お洒落だったきいちのファッションセンスを感じます。そしてそこに描かれたぬりえが、女の子のお洒落ごごろをくすぐるのです。

田舎の女の子が、ああ、こういうレインコートを着てみたいな、とか、東京に行けば、こういう素敵なレインコートがお店に売っているのだろうか、とか、色々想像を膨らませてしまったことでしょう。


雨の日には濡れたくないので、外出したくないものですが、レインコート、雨傘、レインシューズ等が素敵なものであれば、雨にも負けずに外に出かけたくなるものです。
雨の日でも、お洒落してお出かけしましょう。(館)

Posted: Nurie : 20年06月02日

5月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.17 ☆きいち没後15年☆

ぬりえが売れなくなると、まさは着物の仕立てを商売として本格的に始めえる。まさに苦労をかけまいと、絵で生計を立てる方法を喜一も必死で模索するのだが、そううまくいかない。昭和四十年を過ぎて、いよいよぬりえの収入が途絶えると、喜一は新聞の”美人画の絵描き募集”の文字に望みを託し、十号の美人画を五千円で買い取るという都内の美術販売会社を訪ねるのである。
「ギャラは安かったけど、五十を過ぎて、新たに美人画家として再出発するのもいいかなと思いました。そこで、喜一という名前はぬりえ時代にさんざん使いましたら、今度はちょっと変え、”蔦谷弦月”でいこうと。でも弦月のサインで絵を持っていくと、”確か弦月って名前の大家がいましたよね”と言われ、やはり本名で描くことにしました」


二年ほど美人画を描くと、次はもう少しギャラのいい販売会社を見つけ、ここでも二年ほどリース用と展示会販売用の美人画を描き続ける。しかし、五十代半ばを超え、喜一は体調を崩してしまい、生活が安定するまでにはなかなか至らないのである。

昭和五十年になり、多少体が回復してくると、蔦谷喜一の名前で今度は通信販売の絵や掛け軸を描き始める。当時、広告には、蔦谷喜一画伯による肉筆の掛軸として、宣伝されていたが、これがあのぬりえのきいちと同一人物が描いたものだとは、一体だれが想像しただろうか。長さ約一メートル三十センチの掛軸に、花鳥風月の絵を喜一は来る日も来る日も描き続けた。通販の絵には、歴史絵巻にでてくるような人物も描いたが、掛軸のほうが注文は多く、忙しい時で、一日に二~三枚の風景画を描いた。「仕事は丁寧にやるほうだから、花鳥風月の絵も精一杯描いたけど、あまり気は進まなかったなあ」と当時を回想する。しかも、ギャラのい仕事とも言えなかった。購入者には、喜一の絵を表装し、桐の箱に入れて届けるということで、定価は七~八万円となっていたが、そのうち喜一の手元に入るのは、一点につき一万円から一万五千円ぐらいなものだった。それでも、喜一は必死で描き続けた。肉筆が最大のセールスポイントだから、一つの絵に注文が集中すると、黙々と描き続けなければならなかった。


掛軸の仕事が立て込むと、まさは額に絹をはったり、絵具がにじまないように絹ににかわを塗ったりして、喜一の仕事を手伝った。その代わり、まさの仕立ての仕事のほうが立て込むと、今度は喜一がまさの仕事のサポート役として張り切る。”ここの背縫い、お願いしてもいい?”とまさが頼めば、喜一は予想以上に丁寧な仕事をして彼女を驚かせた。


また並行して、親戚や近所の人などに頼まれて肖像画なども描いていた。入学や結婚のお祝いとして、まったくの無報酬で描くこともあれば、料金を決め、ビジネスとして描くこともある。喜一の描く肖像画が似ているとの情報を聞きつけて、ぜひ描いてほしいという客も少なくない。会社の社長から主婦や子供まで、老若男女、お客は多岐にわたった。


参考図書 「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「八ミリでさつえい」
年代:昭和30年代
作者:きいち
今でこそ誰もが簡単に写真や動画を撮れるようになりましたが、このぬりえは「8ミリカメラが出てきましたよ」と新しい流行をいち早くぬりえに取り入れた、子供たちに知らせるということでしょう。


ぬりえ美術館メディア情報
○外出自粛などで在宅を余儀なくされている子供たちのために、子供ぬりえコンテストを開催いたします。ぬりえ美術館のHPからも台紙をダウンロードできますので、奮ってご応募ください。お待ちしています。
・締め切りは5月29日(金)です。


展示室のご案内
☆新型コロナウィルスの感染拡大を防止する観点から5月一杯臨時休館中です。今後につきましては、HPでご案内いたします。

Posted: Nurie : 20年05月01日

5月の美術館ニュース(1)

コロナウィルスの拡大防止のため、5月も引き続き臨時休館をしております。
Stay home! 在宅も長くなりましたが、どうぞ命のために、お家にいましょう。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

タイトル:おいしそうなくだものばかり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
    

5月のエントランスは、「憧れの素敵な生活」と題しまして、憧れのシーンがテーマのぬりえを展示しています。

昭和20年代、30年代はいろいろと新しいライフスタイルやアメリカを中心とした芸術、文化情報が映画、ラジオ、テレビを通じて入ってきました。豊かなアメリカの生活をテレビでみて、憧れたものです。


「おいしそうなくだものばかり」の絵にある果物は、マスクメロンにバナナ、そしてブドウと美味しそうなだけでなく、とても高価な果物たちです。このぬりえが売られていた頃は、これらの果物は滅多に家で食べることができないものでした。
埼玉の田舎では、バナナを取り扱うお店は町に1軒だけでした。私がはしかで寝ていた時、祖父がその店で買ってきてくれた思い出があります。病気の時にやっと食べられる、特別な食べ物でした。また上京後には、繁華街でバナナのたたき売りを見かけたものです。今ではバナナをはじめ、メロンも種類が増えて、手ごろに買える果物になりました。


当時の方にお聞きすると、「ぬりえの中でそれらの高価な果物や食べ物を塗るだけでも、自分が食べたような気持ちがした」と聞いたことがあります。夢の中にあるもの、憧れのものをぬりえを通じて、自分の気持ちを満たしていたわけです。そういう事情を理解して、きいちは様々な憧れのものをぬりえの中に描いていたのだと思います。


皆さまのバナナの思い出はどんな思い出でしょうか。(館)

Posted: Nurie : 20年05月01日

4月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.16 ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しましてきいちについてご紹介していきたいと思います。

ぬりえの衰退

-家も仕事も失って、それでよかったというわけではないけど、なにかを失うということは、同時に大切なものを発見したりなにかを得ることでもあるんですね。

昭和三十五年(1960)年、NHKと民放各局がテレビのカラー放送を開始すると、子供たちはどんどん映像の世界へと引き込まれていく。これを受け、昭和三十六年に初の国産アニメーション「鉄腕アトム」が放映されると、「狼少年件」などが後に続き、以後アニメブームへ突入していくのである。


そして、このころからぬりえの人気は下降線を辿り始める。少女の中にぬりえやきせかえ遊びに熱中する者がいなかったわけではないのだが、ただし、彼女たちが夢中になったのは少女マンガの世界から次々に登場する魅力的なキャラクター。駄菓子屋ではなく書店へと走り、人気主人公のぬりえやきせかえの付いた雑誌を買い求めていたのだ。そんな中、喜一の描く、名もなくかわいい女の子の存在はいつしか忘れられていくのである。
 三十九年ごろになるとぬりえはいよいよ売れなくなり、従って喜一の収入は急激にダウン。贅沢な暮らしにも翳りが見え始める。もともとぬりえに変えていたというわけではないのだから・・・と、喜一自身はこの事態を深刻にうけとめようとはしなかったが、家族にとっては、突然、奈落の底に突き落とされたようで、不安な時期だった。四十年には、石川松声堂の社長が買ってくれた思い出深い家も手放すことになる。


「私は根がのんきな人間だから、家を売るときだってね、まあ、また描けばなんとかなるだろうなんて感じでね。
その時は家内の気持ちを察するということもなかったかもしれない。家を売る日、彼女はいつもの通りで、笑顔を絶やさなかったし。その日の売却に立ち合った修繕屋は、家に帰って自分の奥さんにいったそうです。”蔦谷さんの奥さんは、家を売るって時も笑っていた。お前もな、ああいう気持ちで生きなくちゃだめだぞ”って。でも、今考えると、その笑顔の裏に本当はどんな気持ちが込められていたのか・・・」

お針の弟子たちは里に返し、手伝いの者にも暇をだして、借家住まいが始まる。
喜一の脳裏が幼いころに聞いた母親の言葉がよぎる。まだほんの幼いころ、易者が喜一の足の裏を見て、両方の土ふまずにあるほくろに、”この子は住居が定まらない”と言った。喜一が成長してからも、母はその時のことを気にしていて、”お前は、いつか外国にでも言ってしまうんじゃないかしら”と呟いていたが、その予言がこんな形で的中するのはかなわなかった。しかし、実際には現在住んでいる春日部市の家を購入するまで、練馬区、川越市、上福岡市など、いくつもの借家をてんてんとすることになる。
参考図書 「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス


「おはなみ」
年代:昭和30年代
作者:きいち


今年はコロナの影響で、お花見は自粛となりましたので、残念ですが、
桜の次にはツヅジ、藤など開花していきます。
花に罪はありませんので、気持ちよく愛でてあげたいですね。


ぬりえ美術館メディア情報
○外出自粛などで在宅を余儀なくされている子供たちのために、子供ぬりえコンテストを開催いたします。ぬりえ美術館のHPからも台紙をダウンロードできますので、奮ってご応募ください。お待ちしています。


展示室のご案内
☆新型コロナウィルス感染症の感染拡大を防止する観点から4月一杯休館中です。今後につきましては、HPでご案内いたします。

Posted: Nurie : 20年04月19日

4月の美術館ニュース(1)

新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、ぬりえ美術館も4月一杯臨時休館をしています。今後につきましては、HPにてお知らせいたしますので、宜しくお願いいたします。
皆さまもくれぐれも“三密の状態”に注意して、コロナから身を守ってください。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

タイトル:れんげのはなでなわとび
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

4月のエントランスは、「春の花、花」と題しまして、春の花をテーマのぬりえを展示しています。
れんげの花を長くつないで作った縄跳びで、縄跳びをする女の子。
今では、れんげのピンクの花を見ることも少なくなって、縄跳びほどのひもをつくることはとても大変なことになってしまいました。
昭和20年~30年代、私の子どもの頃の埼玉の田舎では、春になると畑にれんげの花がどこにでも咲いていたものです。東武電車の車窓の左右に、れんげ畑が広がり、その花をみると「ああ、田舎に帰ってきたのだな」と感じることができました。

れんげ畑の中に入り、花を摘み、花の茎に穴をあけて別のれんげの花の茎をその穴の中にさしていき、ひも状にしていきます。花の冠や腕輪など、いろいろなものを作ることができました。


私の田舎は桜の花で有名なところでしたので、桜の土手にいきますとれんげとはまた別の草花があり、それらの花をみつけては摘むのも楽しいことでしたが、れんげの花は単に摘むだけでなく、冠や腕輪などをつくることができるので、子どもたちには面白かったのでしょう。
どこにでもあると思っていたれんげの花を見ることが少なくなったのは、電車の沿線が住宅地に変わったこと、化学肥料が使われるようになったので、レンゲの種を蒔く必要がなくなったからなのですね。


春には様々な花が開花しますから、それらの花を観賞して楽しみましょう。(館)

Posted: Nurie : 20年04月19日

3月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.15 ★きいち没後15年★

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについて紹介していきたいと思います。


「私の描く女の子は、太い脚や大きな丸い目が特徴で、これにかんしては、”なぜ、このスタイルに落ち着いたか”という質問をよくされますけどね、”自然にそうなった”としか言えないんですよ。ただ、脚の太さを変えたり、目の形を変えたりして、どうしたら女の子の世界を最も美しく表現できるか、そのあたりには随分工夫をしてきましたけどね。」


また、ぬりえの中で、特に人気だったのが、お嫁さんシリーズに代表される和服スタイルだが、彼の人気の秘訣は着物の描写の正確さにもあったといえるだろう。母や妻の影響で和服に精通していたおかげで、華やかな少女の風貌にひけをとらない着物の描写が実現し、ぬりえを一層楽しいものにしたのだ。


「おくみはどこについているか、共襟はどこまであるか、柄合わせはどうなっているか、確かにこういった着物の仕組みについてはよく知っていて、正確に描いていました。こんなのは子供にとってどうおでもいいようなことかもしれませんけどね。ただ、私が最初に見て感銘を受けた山川秀峰の絵なんですけど、全体的な美しさはもちろんですが、正確な着物の柄の描写に引き付けられたということもあるんです。絞りの柄が、緻密に美しく表現されていて、思わずため息がでるほどでした。だから、私がこまごまと描く着物の柄なども含めて、子供たちが気に入ってくれたとしたらそれはとても嬉しいことです」


また、着物という日本独自のものに、ベールなどの洋風のものをうまく組み合わせ、和洋折衷の豪華さを描き出すのも喜一の得意とするところだった。艶やかな着物とレースの競演は当時の少女たちをうっとりとさせた。


「今の女の子たちには、”ダザイ”っていわれるてしまうかもしれないなぁ。あるいわ、そのころだって、そう思って私の絵を好まない子供は当然いたと思う。でも、ダサイと思われてもそれはそれでいいの、私の基本は少女や娘をきれいに描くことにあって、そこさえ外していなければね」

*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「はるのの」
作者:きいち
年代:昭和30年代

春の野には、草木の緑や野に咲く小さい花々などが思い出されます。
そんな野原に出かけるのも、春になって暖かくなってきたからの楽しみでしょう。花摘みなどもしてみたいですね。


ぬりえ美術館展示情報
☆きいちが描く昭和の歌姫、美空ひばりのぬりえなどを展示しています。


展示室のご案内
★2月29日(土)~5月31日(日)は、春の企画展として昭和の歌姫、美空ひばりのぬりえなどを展示いたします。

Posted: Nurie : 20年03月01日

3月の美術館ニュース(1)

春が来ましたが、今年は“コロナウィルス”のために世の中がざわめいています。はやく日本国内で鎮静化し、国民の安全を確保してほしいものです。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

    
タイトル:おはなみのかえり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、「春が来た」と題しまして、春らしいテーマのぬりえを展示しています。


「おはなみのかえり」というタイトルで、可愛い女の子がお土産を手に歩いています。女の子をお父さんに置き換えてもいいような絵で、ちょっと笑えます。
お花見と言いますと、東京では目黒川が一番人気だそうです。ぬりえ美術館の近くでは上野公園です。 目黒川の一番人気に続いて、桜の名所は新宿御苑、千鳥ヶ淵、上野恩賜公園、代々木公園、六義園、昭和記念公園、飛鳥山公園、靖国神社、砧公園、毛利公園などが挙げられています。

今年の予報では、3月21日が開花日に挙げられています。上記のような有名な名所にでかけなくても、近所の学校や公園にも桜があるとおもいますので、今年はご近所の桜を楽しむのはいかがでしょうか。ブラブラと散歩しながら、ご近所めぐりをすると今まで知らなかったことに気が付いたり、いろいろ発見があるかもしれません。


三月は、暖かい春に感謝しながら、今年らしい春を探してみるのもいいかもしれません。
毎年ご案内していますが、ぬりえ美術館の中庭にある桜の木は、ウコン桜といいまして、薄緑色の桜です。染井吉野の桜より1週間後位に開花いたします。どうぞお楽しみに願います。(館)

Posted: Nurie : 20年03月01日

2月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 NO.14  きいち没後15年

「個人的には『ガリバー旅行記』が好きなんですよ。特に小人の国なんかいいなあ。自分がガリバーになった気分でね。いろいろ想像してみると楽しいじゃないですか。私は子供のころから、ミニチュアの家具のように、実生活の中にあるものをそのまま小さくしたようなおもちゃに興味があって、そういうものを眺めながら、仮に自分よりもずっと小さな人間がいて、そこで暮らす様子を観察できたら、どんなに楽しいだろうっていつも想像していたんです。きえかえを描き始めて、家具や電気製品やふとんまで、その中に組み入れようとしたのや、そうした下地があってのことかもしれません」

「きせかえ」というその名のとおり、喜一が始めるまで、きせかえの中心はあくまでも着物や洋服や装身具だった。それが一枚の紙で、タンスやテーブル、ソファまでが揃うとは、子供たちはおおいにおどろかされた。時にはアメリカのホームドラマでしか見られないような大型の冷蔵庫までもが飛びだしてくるのだ。
「椅子人るにしても、どうしたら立体的になるかを考えるのがまた面白いんです。人形は平面でできているから、まげてそこに座らせることは難しいけど、少なくとも人形たちの暮らす空間をつくることで、遊び方にも広がりが出たと思うんです。仕掛け絵本などがヒントになりましたね。」

今の彼の仕事場には、ボール紙でできた多くの人形や家具の型紙が残されている。ガリバー気分で描き、つくり続けたきせかえだから、それは彼の夢の断片でもある。

そして、このガリバー気分は、彼の描くぬりえの世界にも共通する部分があるようだ。実際には存在しない三頭身の女の子の世界にここまでこだわってきたのもそう考えると納得がいく。


参考図書 「わたしのきいち」小学館

今月のエントランス

「たけうま」
作者:きいち
年代:昭和20年代

昭和20~30年代でも女の子はあまり竹馬に乗ることはしませんでしたが、一度作ってもらって竹馬の練習をしたことがあります。垣根に寄りかかって、竹馬に乗ろうとしましたが、どうやっても乗れなくて、諦めた覚えがあります。たった一度の竹馬でした。


ぬりえ美術館メディア情報

○1月23日発売の女性セブンにぬりえ美術館が紹介されました。


展示室のご案内
☆1月~2月は、壁面に第10回ぬりえコンテストの優秀賞受賞者の作品を展示しています。

Posted: Nurie : 20年02月02日

2月の美術館ニュース(1)

今年の冬は暖冬のせいか、過ごしやすいですね。1月に今年の東京の桜の開花予想日が3月21日と発表されています。日本の西の九州のほうが早いかと思いますが、今年は東京が一番だとの事、これも暖冬の影響だそうですよ。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展ころ -今月の一枚-示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

タイトル:ゆきがっせん
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
2月のエントランスは、「雪になっても寒くない」と題しまして、冬の遊びがテーマのぬりえを展示しています。


雪合戦こそ、冬の子どもたちの一番の憧れの遊びではないでしょうか。
幼稚園や学校の庭に雪が積もれば、クラス仲間と雪の玉を作り、雪合戦をしたものです。
最近は雪が積もらないので、なかなか雪合戦を都心ではできなくなりましたが、雪国ではきっと今でも子どもたちは雪合戦を楽しんでいるでしょうし、また地方によっては、雪合戦を一つのお祭りのようにして、ゲーム感覚で楽しんでいるところもあるようです。

最近ラジオで知った情報ですが、雪合戦の雪の玉が販売されているそうです。もちろん本物の雪ではなく、人工的に作ったものですが、手触りはまるで本物の雪のようで、ぶつけられても痛くない点がとても良いそうです。これなら、家の中でも、幼稚園の中でも楽しむことができそうで、面白そうです。


雪が降って楽しいことは、雪を食べてみたり、雪ダルマや雪うさぎを作ってみたりしたことでしょうか。雪うさぎをお盆に作って、南天の葉や実を使ってうさぎを顔をつくり飾って楽しみました。東京では、南天を探すことも大変かもしれませんが、そういう遊びを子どもたちには知っていてもらいたいものです。

今月は東京にも雪がふるでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 20年02月02日

1月の美術館ニュース (1)

明けましておめでとうございます。今年も穏やかで明るい年でありますよう、お祈りしています。きいちのぬりえの少女たちはいつも健やかに輝き、皆様を温かくしてくれるでしょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

タイトル:大きな羽子板もって
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
     

1月のエントランスは、「美しい着物アルバム」と題しまして、着物をテーマにのぬりえを展示しています。


美しい着物を取り上げましたが、きいちのぬりえに描かれた着物は、舞妓さんなどが数多く描かれていることもあり、豪華な着物姿が多いです。
ご紹介のぬりえは、お正月に振袖の着物を着て、大きな歌舞伎役者の押絵羽子板を持って、お淑やかに記念写真をとっている、という絵柄でしょうか。


お正月の飾りにこのような大きな押絵羽子板を床の間に飾ったりいたします。祖父の家にも何枚かの押絵羽子板があり、成人式の祖父宅での写真撮影のときには、この絵のように羽子板を持って、庭で写真をとったことを覚えています。


「はねつきしましょう」の絵には、振袖に羽織を着た女の子が描かれていますが、昔は振袖でも羽織を着たのですね。私の5才くらいのお正月の写真にも袖は振袖ではありませんが、長い羽織を着た姿が写真に残っています。冬に羽織を着ることは、昭和20年代後半から30年代の着物の流行であったのでしょう。とても豪華な感じがします。


きいちのぬりえの中の着物姿では、浴衣にしても振袖で描かれたものが多いです。日常から離れて、夢のような世界を少女達に描いてみせるためには、普段とはちょっと違う姿を描いたのでしょう。

お正月には着物で街を歩いてみたいですね。(館)

Posted: Nurie : 20年01月11日

12月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.12 きいち生誕105年

今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介していきたいと思います。

きいちの魅力
小さなものたちが動く小空間を眺めたり、想像したりするのが楽しい。物語でいうと「ガリバー旅行記」なんかがいいかな。だから、ぬりえやきせかえの仕事も楽しんでやれたのかもしれない。

 
昭和二十年代の中ごろ、ぬりえブームが起こると、取り立てて絵の勉強をした者でなくとも、器用に子供向きの絵を描きこなせるものはこぞってぬりえ作家になりたがった。発売元への売り込みも多く、メーカー側もうれそうなものならどんどん商品化を進め、最盛期には四十人以上のぬりえ作家がいたといわれる。


絵を描きたいというよりは、短期間で金を稼ぐ方法としてぬりえ作家を志す者もいて、稼ぐだけ稼いだら、ぱっとやめてしまおうと、ひそかに貯蓄プランを練る者もいたようだ。
だが、いくら子供相手の商売とはいえ、そう甘くない。思ったほど子供に受けがよくなかったり、一時的に売れてもすぐに飽きられて、注文がこなくなってつぶれていくケースも少なくなった。

第一線で活躍する喜一の絵を見て、”この程度なら自分にも描けそうだ”と高をくくってこの道に入ってくるものもいたが、実際にやってみると、喜一を超えるその壁がどんなに厚いか気付かされる。中には捨て身になって、どさくさ紛れに喜一の模写で人気に便乗してしまおうといった不届き者もいたが、子供の目はごまかせず、計画は失敗に終るのだ。


「真似だけなら、まあ、仕方ないかと思えるんですけどね、私の名前を使って、まったく別のタッチで描いてた人もいたようで、これにはちょっと困ってしまいました。当時は、私も忙しかったから気付かなかったんですけどね、三十年以上経って個展会場に足を運んでくれた人が、”これ、喜一さんの絵、珍しいタッチのを私は持っているんですよ”とみせてくれた中に、にせものが混じっていると複雑な気持ちになる。めずらしいはずですよ、私が描いたものじゃないんですから。そんなときはなんだか申し訳なくて。にせものを私の絵とずっと信じていたなんて、気の毒じゃないですか」
*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「ぼくはたいしょうだよ」
作者:きいち
年代:昭和30年代
馬の姿勢のなったお姉さんの背に乗る弟。背が高くなって大将のように偉くなった気分なのでしょう。ハイ、どうどう、と言っているのかしら。


ぬりえ美術館情報
☆10月に開催いたしました第10回ぬりえコンテストは沢山のご応募を頂きまして、195点の作品が集まりました。
選考の上、来年1月~2月の期間ぬりえ美術館に優秀作品を展示いたしますので、どうぞお楽しみにお待ち願います。


展示室のご案内
☆11月~2月は、常設展示を開催しています。美しいお姫様の世界、お洒落なドレス、着物などのぬりえを展示しています。
☆館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 19年12月07日

12月の美術館ニュース(1)

今年も残すところ一ヶ月となりました。今年もいろいろなことがありましたが、ぬりえ美術館にとっては、きいち生誕105年の年でした。これからもきいちのぬりえの普遍的な可愛さをお伝えしていきたいと思っております。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


12月のエントランスは、「よい子は家でおてつだい」をテーマに様々なお手伝いの様子のぬりえを展示しています。



タイトル:もちつき
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


子どもたちもお手伝いをするのが当たり前の時代。
元気に家でお手伝いをする様子がぬりえに描かれています。
暮れの行事の一つの餅つきを、子ども達の姿で描いています。
近所でペッタン、ペッタンと餅つきの音が聞こえてくると、ああもうすぐお正月だなあと子ども心にも感じて嬉しかったものです。

お隣が農家ということもあり、お隣がお餅つきをするときに遊びに行って、そばでお餅が出来上がっていくのを見て、出来上がれば餡子やきなこ、大根おろしなどに入れてもらって、搗きたての美味しいお餅を食べました。


今でもお餅が大好きですが、子どもの頃には焼いたお餅を一回に5、6個食べてしまうので、お正月が終って3学期になると必ず体重が増えていたものです。


冬のお手伝いのぬりえには、「おそなえつくり」や「ゆきかき」も見えます。東京でも沢山雪が降っていた時代ですから、地方の子どもたちは毎日雪かきをしていたかも知れません。


お母さん、お父さん、お爺さん、おばあさんのお手伝い等をいろいろされてきたと思いますが、どのような思い出がありますか。(館)

Posted: Nurie : 19年12月07日

11月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.11  きいち生誕105年

今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介していきたいと思います。

「とにかく人の集まる家でしたよ。私の兄弟たちはいえに立ち寄ることもなければ、一緒に食事したり、酒を飲んだりということもあまりなかったんですが、家内のほうは兄弟とても仲がよくて、陽気な人が多かったので、よく一緒に酒を飲みました。農業を営んでいましたから、埼玉からかんだの市場に来た時には必ず私の家に寄ってくれてね。夜中まで騒いでいたこともありましたよ」


宴会騒ぎをしない時は、喜一は明け方まで仕事をし、まさも一緒に近所から頼まれた着物の仕立てなどをする。人が寄らない時でも、この家には、いつも一晩中明かりが煌々と灯っていた。明かりが絶えない暮らしぶりを不審に思ってか、一度、巡回中の警察官が訪ねて来た事があった。近所にヒロポンを流しているとの嫌疑をかけられた家があって、その真相を突き止めるために巡回していた時のことだ。
「仕事について質問されましたが、絵を描いていると言ったら納得してくれてね、すぐに帰っていきましたよ。それからしばらくして、おかしなことに警察から紙芝居を描いてくれないかという依頼がきました。内容は確かヒロポン撲滅キャンペーンのためのものでした」


いつしか喜一の名前は駄菓子屋に通う子供たちだけでなく、地域全体に知られるようになる。娘の美絵子が小学校に入学した時も、学校内部ではちょっとしたニュースになり、入学式当日から、”きいちの子供”としてあっという間に取り巻きに囲まれてしまう。
そんなふうに注目される子供を喜一は常に宝物のように扱った。彼女は普段から、喜一がデザインして、あつらえた服に身を包み、誕生日ともなると、まるでぬりえの世界から飛び出したようなフリルつきのドレスを着て微笑んだ。そして踊りの発表会の時にも、喜一が描く童女さながらに、艶やかないでたちで舞台に臨むのである。

「こんな生活を私としては取り立てて贅沢とも思わずにいたんだけれど、周囲ではらはらしていた人もいたみたいですね。家内の父親なんかは堅い人でしょ。ですから、家内にはよく言っていたようです。いつもお金が入るとは限らないだから、しっかり貯金しておけ。って。でも、当時の私はそんなことがあるものかと、まったく相手にしませんでしたね」

☆参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「ハーモニカふきましょう」

作者:きいち
年代」昭和30年代
自由にハーモニカを吹いて、好きな歌を奏でることができたら、どんなに楽しいでしょう。
うさぎお~いし、かのやま~♪♪


ぬりえ美術館グッズ情報
クリアファイルの和・洋2種類の絵をご紹介いたします。各440円


展示室のご案内
☆11月~2月は、常設展を開催しています。
美しいお姫様の世界、お洒落なドレス・着物などのぬりえを展示しています。

Posted: Nurie : 19年11月02日

11月の美術館ニュース(1)

台風や大雨など自然災害の怖さを知った10月でしたが、早い復興を祈るとともに自然の
美しさも味合わせて欲しいと願います。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

タイトル:でんちく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

     
11月のエントランスは、「音のあるすばらしい世界」をテーマに楽器などのぬりえを展示しています。
ぬりえのタイトルは、「でんちく」。でんちくとは電気蓄音機の略ですね。
ぬりえの少女の肩ほどもある大きなレコードプレーヤーが電気蓄音機です。
昭和30年代にこの電蓄が、私の家では廊下の端に置かれていました。伯父や叔母がいましたので、その二人が買ったレコードを聞かされていたと懐かしく思い出します。


電蓄のほかには、ラジオから音楽や浪曲、落語などが流れていました。ラジオはずっとかけていると時間代わりにもなりました。夕方になると赤銅鈴之助のドラマが流れてきて、それを聞きたいために外で遊んでいても走って家に帰ってきたものでした。

ぬりえの中にはピアノ、ハーモニカ、バイオリン、ラッパ、お琴等々、当時の少女達が習って楽しんでいたであろう楽器類が描かれています。和の楽器よりも洋風の楽器が沢山描かれているのは、時代の流れなのでしょう。
いまではスマホから好きな音楽を聴くことができます。このような世界が来ることを昭和30年当時誰が想像できたでしょうか。素晴らしい進化ですね。


音の世界、皆さまはどのような音の世界を思い出されますか。(館)

Posted: Nurie : 19年11月02日

10月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.10  
今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介したいと思います。


娘が幼稚園に上がると、妻のまさは親戚や知り合いの娘を住み込みで預かって、裁縫を教えることをするようになる。
しかし、これはあくまでボランティアで始めたことで、一円の儲けにもならない。お針の修行といっても、蔦谷家には、当時の丁稚奉公をよしとするような風潮はないから、娘たちを預かれば、その食事の準備などにお手伝いさんを雇ったりする。まるで賄いつきの花嫁学校。これではむしろ出費のほうがかさむというものだ。


さらに極めつけは、踊りの発表会。一年おきにあるおさらい会の費用は参加するだけでも約三十万円。この日のために家族はもちろん、弟子や使用人にいたるまで、一家総出で着物を新調するから、喜一が稼いだお金など右から左へ、身につく間もなく消えていくのである。


「十畳の部屋は、踊りの稽古には絶好の場だったので、名取になってからは近所のおばさんを集めて踊りを教えたこともありました。月謝はねぇ、ほとんど頂いてなかったんじゃないかな。みんなで踊りの稽古を楽しんで、その後はしゃべりながらお茶を飲んで、無料のカルチャーセンターのようなものでしたよ。その中には、あの、ビートたけしのお母さんなんかもいてね、いつも息子のことを”たけしのばかが・・・”って嘆いていました。将来あんなに才能を発揮するなんて、お母さんの話からは、とうてい想像できませんでした」

この十畳間に、出始めのころのテレビがおかれた時には、近所に住む多くのプロレスファンで賑わった。お針のお弟子たちを集めて、みんなでおはじきをして遊んだり、また、みんなが寝静まると、まさとふたりでトランプ遊びの”神経衰弱”に興じたのも、この十畳間だった。


*参考図書「わたしのきいち」小学館



「おだんご」
作者:きいち
年代:昭和30年代
お団子をお皿に持って、家族みんなで食べるのでしょうか。昭和20~30年代はお団子は家で作って、甘辛のたれをまぶして食べていました。町屋の下町では、餅菓子屋さんがまだ沢山ありますので、美味しいお団子を食べることができます。


ぬりえ美術館グッズ情報
新作のクリアファイルが2種発売されました。和と洋、いずれもとっても可愛いですよ。
1枚440円(税込)

Posted: Nurie : 19年10月05日

10月の美術館ニュース(1)

秋が深まってまいりました。何をしてもいい季節ですね。読書、絵画鑑賞、映画など文化的なことから、スポーツ、食べる事まで、楽しいことばかりですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   


     
タイトル:おぎょうぎがわるいですね
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


10月のエントランスは、「何を食べますか」をテーマに美味しい食べ物のぬりえを展示しています。


寝そべって、おせんべいかビスケットを食べながら、雑誌を読んでいます。昭和20~30年代は、畳の生活が中心ですから、こういう格好をして食べると、美味しいですし、雑誌を読むには、こういうスタイルが一番です。
でも、きいちは、ぬりえを塗ってくれる女の子たちに、「おぎょうぎがわるいですね」と警告をしています。それでも、このぬりえに共感する子ども達は、全国に沢山いたことと思います。

今月のテーマに食べ物を選んだのには、昭和20~30年当時はまだまだ貧しくて、食べ物のぬりえを塗るのも食べた気持ちになって嬉しかった、という来館者様の声を聞いていたので、テーマにしてみました。


「せいようりょうり」「おいわいのたい」「おたんじょうびのケーキ」等など。色々ときいちはぬりえに描いていますが、「せいようりょうり」をこの当時に描いているとは、驚きです。まだまだ西洋料理をたべられる子ども達は本当に少なかったと思います。又「おたんじょうびのケーキ」の大きな事。こんなに大きなケーキはどこで買えて、誰が食べられたのでしょう。どちらも心からの憧れの対象になったことでしょう。


子どもの頃に、大人になったら、お金持ちになったら、「バナナをお腹いっぱい食べたい、と願っていた」と語ったスポーツ選手の言葉を思い出します。
皆さまはどんな食べ物を思い出されますか。(館)

Posted: Nurie : 19年10月05日

9月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.9 

今年はきいちの生誕105年に当たります。
これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介したいと思います。

「それからきせかえを描いていておもしろかったのはバッグの色なんですが、オレンジや黄緑などの中間色を使うと余りうれゆきがよくなくてね。赤や青といったほうがだんぜん受けがいい。”きいち”の絵には、やっぱり原色が似合うってことなんでしょうね」


お金が入れば、暮らしぶりは当然派手になる。喜一も例にもらず、贅沢を極めるような生活にのめり込んでいくのである。
もっとも彼の場合、賭事や女性に走るわけではなく、散財の中心はあくまでお稽古事だったのだが・・・・
茶道、華道、長唄、三味線に日舞、特に昭和二十六年、三十七歳で始めた日舞には力を入れ、四十歳には名取となって、師匠から「花柳喜一」の名をもらった。


日本舞踊を始めたきっかけは一人娘の美絵子だった。喜一は美絵子のことをことのほかかわいがり、彼女が三歳になるのを待って日舞を習わせるが、大事な娘の送り迎えはどうしても自分がしないと気がすまない。最初は娘のために稽古場までの道のりを往復するだけだったが、稽古場風景を眺めている間に、すっかり踊りに魅せられてしまったのである。それにしても四十を過ぎて、しかも男性で名取になった例はそう多くはないだろう。

「仕事はさーっと片付けてしまってね。あとは踊りの練習ばかりしていた。収入が多かったんだから、稽古事といったって普通にしてたらそんなにお金もかからなかったんだろうけど、私の場合は先生を自宅に呼ぶこともあって、泊まり込みで来て、お茶やお花を教えてくれる先生もいました」


*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス


「オニギリ」
年代:10年代
作者:フジヲ

大きな花柄のリボンにフリルのついたエプロンをつけて、湯気が立つ炊き立てのご飯で大きなおにぎりを握る女の子。
美味しさが伝わってきます。


ぬりえ美術館グッズ情報
○新商品として、新しい和と洋の絵柄のクリアファイルを2種発売予定です。各432円です。


展示室のご案内
○8月~10月は秋の企画展を開催しています。
昭和10年代のぬりえや30年代の俳優さんなどの珍しいぬりえやきせかえを展示しています。

Posted: Nurie : 19年09月01日

9月の美術館ニュース(1)

9月、長月になりました。夜が長くなるところから長月。季節の移り変わりを日の長さや風に感じたりします。秋になると太陽から月に眼がいくように思います。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

  
タイトル:おふろOfuro
作  者:きいち
年  代:昭和10年代


9月のエントランスは、「昭和10年代のぬりえ」を展示しています。

素敵なタイルのお風呂に入っている女の子二人。お風呂はタイルですが、風呂桶と椅子は木製です。こんなところにも時代の移り変わりが見て取れます。


日本人のお風呂好きは昔からのことですが、ぬりえの中にきいちはこの絵と同じようなお風呂に入ったぬりえを何枚か描いています。子ども同士やお母さんと一緒、お人形と一緒等など。生活の一場面として、日本人の生活の中には必ずお風呂があったからでしょう。そしてお風呂の中に必ず人との交流が生まれていると信じていたからではないでしょうか。
日本には「裸の付き合い」という言葉もありますね。

先日テレビのドキュメンタリーで、マラソンの谷口浩美さんがケニアのマラソンランナーの練習の様子を見るという番組を放映していました。まだまだ貧しい国で、一月1000円の練習費を払うのにも親が大変という所のようでしたが、高地での練習方法や彼らの日常生活をみて、谷口さんがここが違うな、とおっしゃっていたことがあります。
それは練習後、紅茶を何杯も飲みながら、学生たち全員が気の合う仲間とその日の練習を振り返り、おしゃべりをしていることです。


その姿は今の日本にはない、というのです。練習が終れば、各自自分の部屋に帰えってしまうのだそうです。今は小さいころから、自分の部屋というものを持っていますから、昭和30年代のように皆と一緒に何かをする、ということが無くなっているのでしょうけれど、なにか日本が見失っているものがケニアにはあるのではないかと思いました。(館)

Posted: Nurie : 19年09月01日

8月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.8 

今年はきいちの生誕105年に当たります。
これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介したいと思います。


「きせかえは私自身が復活させたかった。当時、ぬりえと違ってきせかえは下火でしたからね。実際の人形遊びも楽しいけれど、紙の世界にも昔からこんな遊びがあるんだと、子供たちに知ってほしかった」

きせかえについては、B4程度の大きさのものを石川松声堂と山海堂、それぞれに毎月四枚ずつ納めた。ぬりえはジンク版という金属の板に特殊な墨を遣って絵を描くまでが喜一の仕事。描いた部分が腐食するので、それを印刷するのだ。五色刷りの袋の場合は、喜一が加味に五色で描いたものを、職人がそれぞれの色に描き分けてからから印刷するが、いずれにしろぬりえはそれほど喜一の手をわずらわせるものではなかった。

しかし、きせかえとなるとそうはいかない。人物や洋服の型をおこして、一つ一つ紙の上に置いては寸法を取っていく非常に手間のかかる作業だ。できるだけ余白を少なくして、さまざまな要求を盛り込むことも大切で、喜一のきせかえにはお洒落な洋服や着物に混じって、ブーケや帽子、ハンドバッグ、人形といった多くの小物が添えられていた。


「私の描くのは女の子だけじゃなかったでしょ。お父さん、お母さん、お兄さんやお姉さんといった家族もちゃんといてね。そういうものを描き入れるときには、一応家族構成なども考えながら描いていたの。リカちゃんファミリーならぬ、きいちファミリー。
それからきせかえを描いていておもしろかったのはバッグの色なんですが、オレンジや黄緑などの中間色を使うと余りうれゆきがよくなくてね。

*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「おゆうぎ」
年代:30年代
作者:きいち

新調したお洒落なワンピースに、頭には大きなリボンをつけて、覚えたダンスを可愛らしく踊ります。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんも見にきていますよ。


ぬりえ美術館メディア情報
○BSフジ「からだ研究所」にて、ぬりえ美術館が紹介されます。


展示室のご案内
○8月~10月は秋の企画展を開催しています。
昭和10年代のぬりえや30年代の俳優さんなどの珍しいぬりえやきせかえを展示しています。
○館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 19年08月03日

8月の美術館ニュース(1)

夏休みをいかがお過ごしですか。8月の暑い日には、涼しい場所で過ごしたいものですね。ご自分の家の周りに、快適に過ごせる場所があるといいですね。ぬりえ美術館の中庭は小さいですが、アジュガやアマビリスなど緑が一杯ですよ!

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   


タイトル:かわいいことりさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


8月のエントランスは、「楽しいお遊戯」をテーマにしたぬりえを展示しています。
幼稚園や小学校の学芸会などでお遊戯をしたことを楽しかった思い出として、思い出すことはありませんか。
幼稚園児のまだ小さい子どもでも、練習をすれば全員でいっしょにお遊戯ができるようになるものだと、感心をいたします。

幼稚園のクリスマスの時期、園内でクリスマス会が開催されることになり、“ジングルベル”をゆう子ちゃんと二人で踊ることになりました。園内で他の園児が庭で遊んでいるとき、先生から「さあ、練習をしますよ」と声をかけられて、室内にもどり練習をしたことを思い出します。写真屋さんがとったセピア色の写真が残っていますから、たぶん上手にできたのでしょう。


昭和の時代には童謡が盛んに歌われ人気でした。川田正子さん、孝子さん、美智子さんらの川田三姉妹、安田祥子さん、章子さんら安田姉妹、松島トコ子さん、小鳩くるみさん等など、多くの童謡歌手がいらして、ラジオ、レコード、少女雑誌を賑わしていました。
その当時の童謡には、その歌に合わせて踊りの振り付けが付いていました。私が覚えているのは「可愛い魚屋さん」のレコードですが、確か踊りがついていたと思います。
 

今では歌といえば、必ずダンスが付き物で、キレキレのダンスを踊るのは当たり前の時代になっていますね。(館)

Posted: Nurie : 19年08月03日

7月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.7

今年はきいちの生誕105年に当たります。
これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介していきたいと思います。


子供がひとつの遊びに夢中になれすぎれば、それを親が禁じたり批判したりするというのは世の常で、「きいちのぬりえ」にも、こうした事態は当然訪れた。大人は、”ただ線をなぞって色を付けるだけの作業でしかないぬりえは、子供の成長になんの役にも立たない”と批判。まして、駄菓子屋で売っているぬりえなど、問題外だった。


「でも、どうしてもぬりえブームが衰えなかったものだから、それならばと日本の画壇でも著名な人にぬりえを描かせ、教育ぬりえとして発売した出版社もあありました。が、これはもののみごとにはずれ。ぜんぜん売れなかったみたいですよ」
混沌としてざわめき立つばかりで、ゆとりのない時代。多くの大人たちはみな一定の方向を見て生きることに夢中で、子供たちがどんなに伸びやかにぬりえを楽しんでいたかなど、そんなことは知る由もなかったのである。


踊りにお茶にお花に三味線、稼いだお金は全部お稽古事に遣っちゃった。だって、発表会や」なんだかんだで。お金なんていくらあってもたりるもんじゃない。

ふっくらとした頬に大きな瞳、むっちゃりとした太い手脚。多くの人の記憶に残る、これぞ「きいちのぬりえ」というタッチが完成するのは、昭和二十年代後半のことである。
シンプルな線で美人画風に描き上げた「フジヲ」時代、メリーちゃんやシャールー・テンプルのイメージでカールを強調した「きいちのぬりえ」初期のころ、また、途中で太い脚を細く長くしてみたりと、時流にならってタッチの変革を試みたこともあったが、結局はだれもが知るあの「きいちのぬりえ」に落ち着くことになる。そしてこれと同じような流れは、きいちのきせかえの世界にも見られる。
*参考図書「わたしのきいち」小学館



「うちのかだんで」
作者:きいち
年代:昭和30年代
自分の家の花壇のお手入れをする少女ですが、いわゆるサブリナパンツを履いています。
サブリナパンツは、1954年に公開されたオードリー・ヘップバーンが主役の映画「麗しのサブリナ」の中で履いていたパンツで、その映画により大流行となりました。きっとこの映画の影響で、きいちのぬりえの中にも描かれたのでしょう。今見ても、少しも古臭くありませんね。


ぬりえ美術館展示情報
○今年は蔦谷喜一生誕105年です。
展示室では、「踊りの稽古」「仲良しは楽し」などをテーマにしたぬりえを展示しています。

Posted: Nurie : 19年07月07日

7月の美術館ニュース(1)

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

    
タイトル:レイをかけて
作  者:きいち
年  代:昭和30年

7月のエントランスは、「おしゃれな服で」をテーマにしたぬりえを展示しています。

レイをかけた様子は当時でも珍しいと思いますが、他にも「ハワイの子」、というぬりえを描いていますので、昭和30年代にもハワイは憧れの地であったと思われます。
「憧れのハワイ航路」は昭和23年に岡晴夫によって歌われた歌ですが、ハワイ航路は横浜~ホノルル~サンフランシスコに行く航路で、戦前は日本郵船の花形航路であったそうです。まだまだ飛行機で行く時代ではなく、船旅だったのですね。
その歌に歌われたハワイが、ずっと日本人にとって憧れの観光地として続いているのだと思います。フランスやパリが文学や芸術の憧れの地であるように。

今月はお洒落な服をテーマに、当時としては素敵な、ファッションセンスに溢れた服を着た少女達を展示しています。
きいちは元々お洒落なモダンボーイであったので、女性や女の子の服にも素晴らしいセンスを発揮しています。ぬりえに描かれた服のシルエット、服に描かれた柄、どこにどんな飾りを付けるか、どのような組み合わせにするか等など、子どもたちの家の周りには見られないようなお洒落な服であったので、当時の少女達の心をつかみ、こんな服を着たい!という夢を叶えてあげていたと思います。
憧れの服に色をつけているうちに、洋裁師さんになられた方もいらっしゃいました。
お洒落な服を着た少女たちをご覧ください。(館)

Posted: Nurie : 19年07月07日

6月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.6  ☆きいち生誕105年☆
今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しましてきいちについてご紹介いたします。


フジヲ時代からの引き続きで、最初はA4サイズぐらいのものをバラで販売していだが、二十二年ごろからは、B5より一回り小さめの判にして、袋入りで売り出すことになった。ぬりえ本体はざら紙の髪質のあまりよくないものに印刷したが、袋は鮮やかなカラー印刷。少女たちのコレクションにも耐え得るものとなった。袋入りにして、一年間くらいは十二枚セット・五円で売り、物価の上昇に伴い、十枚、八枚と枚数はすくなくなっていったが、売れゆきに影響はなかった。


一向に新しい家を買う気配のない、そんな様子を見兼ねて、家を買ってくれたのは石川松声堂の主人だった。足立区の梅島に敷地面積五十坪、建坪二十坪ほどの家が用意された。間取りも十畳・六畳・六畳・三畳と広く、快適な住まいだった。
中古物件だったため修繕が必要で、その経費と家具の代金は山海堂が持った。きいちに一枚でも多くの売れる作品をあげてもらうために貢ぎ物合戦を展開するような向きもあったのだ。

「片方が画料を上げれば、もう片方も負けじとアップしてくれる。私としては値上げ交渉もせずにするするとギャラが上がっていくから楽でした。他のぬりえ作家に比べると私の絵は卸値も高くて、普通二円五十銭以下のところ、私のは二円七十銭で、それでも小売店では私のぬりえのほうを仕入れていったというから、その辺の好意には甘えていました。でも、飲んだり遊んだりするのに時間を費やすから、極端な話、仕事なんてゆっくりやる時間はないの。


私が描いていたのは、石川松声堂と山海堂と合わせて、月にぬりえ六十四枚、表紙十六枚でしたが、一晩に三十二枚のぬりえを一気に描き上げるなんてことも珍しいことではなかったですね」


それでも「きいちのぬりえ」はマンネリ化することはなく、平均すると月に百万セット、最高時には月に百六十万セット売れた。
いつの間にか「ぬりえ作家は楽して儲かる」ということが定説になり、喜一の家にも、弟子入り志願の若者がたびたび訪れるようになる。
*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「つくしつみ」
なんてエレガントにつくしをつんでいるのでしょう。このエレガントさが、きいちの絵の特徴の一つであるかもしれませんね。そして今の若い人に言わせると、「色っぽい」になるのかもしれません。最近はつくしを見つけえることが難しいかもしれませんね。


ぬりえ美術館展示情報
○今年は蔦谷喜一生誕105年です。
展示室では「踊りの稽古」「仲良しは楽し」などのぬりえを展示しています。


展示室のご案内
☆6~7月は常設展示をしています。
☆館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 19年06月01日

6月の美術館ニュース(1)

梅雨の季節になりました。今年は空梅雨という予報ですが、あまり暑くならないといいですね。雨や暑さで外に出られないときには、静かにぬりえはいかがでしょうか。


ぬりえのこころ  -今月の一枚ー

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節物やテーマを設けて月毎に展示をしています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから一枚を選んでご紹介します。



タイトル:よつばのクローバーがあったわ
作者:きいち
年代:昭和30年代


6月のエントランスは、「毎日楽しく遊ぶ」をテーマにしたぬりえを展示しています。


シロツメクサを見ると、四葉のクローバーを探したくなりませんでしたか。
ネットで検索してみますと、「四葉のクローバーは、小葉を4枚持つ白詰草(クローバー)で、普段見られる三つ葉のそれの変異体い相当する。その発生は稀であり、(特に偶然にも)それを見つけられた物には幸運が訪れるという伝説がある。その伝説によれば、希望、誠実、愛情、幸運を象徴しているとされる。」とありました。


偶然にも先月四葉のクローバー入りのお手紙をいただいたばかりのですが、いただいてなんだか幸せな気分になり、大変うれしかったです。

子どもの頃には、レンゲ草の畑が近くの田んぼに沢山ありました。レンゲの花をとって、花束にしたり、ネックレスや腕輪にしたりしました。とっても、とっても採りきれないほどの花が咲き乱れたいました。そしてその中から四葉はないかなあ、と探したりしたものです。


レンゲ草の「蓮華」と蓮の字が使われているのは、蓮の花に似ているところからつけられたようです。尊い名前が付けられて良かったですね。


近くの公園には、白やピンクのクローバーが咲いているのですが、久しぶりに見つけてみようかな、という気持ちになりました。
何か、幸運がやって来るかもしれませんね。(館)

Posted: Nurie : 19年06月01日

5月の美術館ニュース(1)

今年の5月は10連休と長いお休みになりました。5月1日は即位の日です。5月は新しいことを始めるのに相応しい季節なのでしょう。お祝い申し上げます。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



タイトル:かわいいおひめさま しんでれら
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

5月のエントランスは、「美しいお姫さま」をテーマにしたぬりえを展示しています。

お姫さまやプリンセスは、いつの時代にも女の子の憧れの的ですね。
お姫さま映画といえばディズニーですが、ディズニーで作られたお姫さまの映画は、白雪姫、シンデレラ、「眠れる森の美女」のオーロラ姫、「リトル・マーメイド」のアリエル、「美女と野獣」のベル、「アラジン」のジャスミン、「ポカホンタス」のポカホンタス、中国の伝説「ムーラン」のファ・ムーラン、かえるになったプリンセスの「プリンセスと魔法のキス」のティアナ、「塔の上のランプンツエル」のランプンツエル、「メリダとおそろしの森」のメリダ、「ふしぎの国のアリス」のアリス、「魔法にかけられて」のジゼル、そしてお馴染み「アナと雪の女王」のエルサとアナと続きます。

こんなにお姫さま映画があるということでも、女性はお姫様が好きで永遠の憧れであるということが分かると思います。1960年(昭和35年)に上映された「眠れる森の美女」は小学校の5年生でしたが、ディズニー映画の色彩と音楽に魅了されたことを今でも思い出します。ぬりえ美術館に来館されるお子様たちはアナ雪の影響で、ぬりえ体験コーナーのぬりえに紫色を使ったりしていて、ずいぶん大人っぽいなと思い、驚かされます。
お姫さま好きは日本だけではありません、上述のようにディズニー映画は全世界で上映されていますし、海外の本屋さんにも、沢山のプリンセスのぬりえ本が売られています。(館)

Posted: Nurie : 19年05月04日

3月の美術館ニュース(2)

今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介いたします。


独身時代、洋服屋や本屋のツケはすべて兄が払ってくれていた。”お洒落は女の特権というわけではない。男だって、きれいな格好をしていたほうがいい”が兄の口癖だった。そんなわけで、洒落者の喜一は兄がひいきにしていた洋服屋に出かけたり、あるいはわざわざ呼び寄せたりして、二十歳になる前から背広をあつらえていた。オーダーのスーツ姿で銀座の町を闊歩すると、見ず知らずの人が振り返り、”そうか、今の流行はあんな感じか”囁く。”モボ”という言われ方は、どこか軽薄な漢字がして喜一自身はあまり好きではなかったが、街行く人にこんなふうに感心されるのは、ちょっと心地よかった。


「働かなくても番頭並の給料が入ってくるなんて、今考えるとすごいですよね。私の給料の決め方なんて実にいいかげんで、”番頭さんが六十円だから、喜一にも六十円あげよう”なんて、そんな感じでしたから」


川端画学校を三年ほどで卒業すると、昭和十年、二十一歳で、今度は有楽町の市毛にの前にあるクロッキー研究所に通いはじめる。クロッキー研究所は、裸婦デッサンを中心に訓練する場で、プロとして活躍する人を対象とした学校だった。特別に指導者がいるわけではないので、それぞれが自分のペースデクロッキー技法を磨いていく。「私はここに夜間だけ行っていたんですが、ぽつりぽつりと顔をだしながら、それでも、七から八年は通い続けたと思いますよ」

ぬりえとの出会いはある日突然やってきた。昭和十五年、喜一が二十六歳の時だ。
「川端時代の友人で、画学校を途中でやめて家業の製本屋を継いだ男がいたんですけれど、彼がひょっこりやって来て、いきなり言うです。
”ぬりえの仕事を持って来てやったよ。こんな仕事は、僕はばかばかしくてできないけれど、君ならちょうどいいと思ってさ”。」友人にすれば、自分は絵の道を諦めて家業を継いだものの、喜一にはなんとかその道で粘り抜いてほしい。ぬりえの仕事を持って来た裏には、そうした気持ちがあったおかもしれない。
(小学館発行「わたしのきいち」より)


今月のエントランス

「ジュースおまちどうさま」
作者:きいち
年代:昭和30年代

スポンサーが不二家のテレビを田舎で見ていて、東京にいけば不二家のコマーシャルにでていたいちごパフェやチョコレートサンデーが食べられるのだろうな、とコマーシャルでさえ楽しみでした。ジュースはオレンジでしょうか?


マスコミ情報
★月刊「旅行読売」臨時増刊「昭和の東京さんぽ」(2/26発売)に掲載されました。

Posted: Nurie : 19年03月03日

3月の美術館ニュース(1)

三月と聞くだけで、何だか心がウキウキしてきます。春の明るい青空に暖かい空気、それに草木の青さ。終わりと始まりの時期でもありますから、心が騒ぐのかもしれませんね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

    
タイトル:トースト
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


3月のエントランスは、「西洋風は憧れ」をテーマにしたぬりえを展示しています。
朝食時に、トーストしたパンにバターを塗る少女。
今と変わらぬ光景ですが、トースターの形が昭和30年代のものですね。

トースターの歴史を紐解いてみると、昭和30年に、「自動式と手動式のポップアップ型トースターが発売された。どちらも上部にパンを入れる窓があり、手動式は外部に付いているハンドルを操作することでパンを上下させるもので、自動式はパンを入れて焼き上がるとパンが自動的に窓から1/2ほど出てくるものでした」とあります。昭和40年代になって、オーブン式のトースターになっていきます。


昭和35年頃から昭和45年までの1960年代から1970年代の高度経済成長期には、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の3種類の家電製品は三種の神器と呼ばれ、これらの製品が急速に家庭に普及していったわけです。これらの家電が入ることにより、日本的な家事が大きく変化をしていくことになりました。これ以降も家電は様々なテーマで、進化を遂げています。


きいちのぬりえの中では、身近にある生活の中から、トースター、掃除機、洗濯機などの最先端な商品を取り上げてぬりえに描いています。当時はどこの家にもあるものではない商品は、やはり少女たちにとっても“憧れ”の物だったことでしょう。
どのような家電に思い出がありますか?(館)

Posted: Nurie : 19年03月03日

2月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.2  ★きいち生誕105年★

今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をして参ります。


兄の勧めで京橋商業に進学するも、ここでの勉強内容が自分にまったく向いていないことに気付く。特に簿記。習字だけが学年トップと飛びぬけていた以外は、どの科目も簿記の”丙”という評価に引きずれれるように、はかばかしくなかった。とうとう三年の進級時に中退を決意する。

絵を描いてみようという気持ちが起こったのは、たまたま出かけた上野の美術館で、帝展を見た時のことだった。たおやかに舞う女性を描いた山川秀峰の「素踊」に心奪われるのである。山川秀峰は鏑木清方の弟子で、伊藤深水の兄弟子に当たる人物。細やかな描写に加え、女性の豊かさと清潔な色香が匂い立つような作品に喜一は心底魅せられるのである。と同時に、それまでくすぶっていた自分の夢がハッキリと姿を表したような気がした。


学校をやめ、今度は絵描きになりたいといえば、兄たちは遠縁に当たる画家、蔦谷龍岬(つたやりゅうこう)のもとで、彼に絵を学ばせる手はずを整えようとさえしてくれるのだ。だが、彼がめざしたのはあくまでも美人画家。あるいは、高畠華宵のような売れっ子の挿絵画家である。したがって、大和絵中心の遠縁の画家には、まったくといっていいほど興味が持てなかった。

そこで、喜一は勉強の場に、文京区春日にあった川端画学校を選んだ。川端は絵を学びたいという人を受け入れる一方で、芸大志望者がデッサンを学ぶ美術学校進学への予備校的存在でもあり、基礎を徹底して学ぶには絶好の場だった。


あれは、ちょうど私が川端に通い始めたことですね。父親が美濃紙を一綴り買って来て、たぶん五百枚ぐらいはあったと思います。それに全部日の丸の絵を描けというんです。
父はそれを額縁にいれて、奉納していたようです。
最初は、なんでこんなことをと思いましたよ。女性を描くほうがずっと楽しいに決まっています。でもね、不思議なんですよ。単調な作業だけど、無心に描いていると絵に自分の魂が宿るというか、そういう瞬間を感じる時がある。絵を描くっていう行為は、楽しいだけじゃなく、とても神秘的なものだと、この時発見しました・


今月のエントランス

「ゆきでつくったしろくまさん」
作者:きいち
年代:昭和20年代

東京ではあまり雪が積もることも少なくなりましたから、こんなに大きな雪だるまを見かけることも少なくなりましたが、子どもたちにとっては、雪といえば「雪だるま」なんででしょうね。お盆にのせて作った「雪うさぎ」も可愛らしくて、お洒落ですね。


ぬりえ美術館マスコミ情報
★ことりっぷ東京(2019年1月発売)に掲載されました。


展示室のご案内

★1月~2月は第9回ぬりえコンテストの優秀作品を展示しています。今回は217通の応募の中から選考いたしました。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 19年02月03日

2月の美術館ニュース(1)

二月、如月(きさらぎ)となりました。衣を更に着る「着更着(きさらぎ)」からきているそうです。一番寒い時期ですから、風邪をひかないように暖かくしてお過ごしください。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   

   
タイトル:ひのようじん まっち一ぽんかじのもと
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


2月のエントランスは、「仲良しは楽しい」をテーマにしたぬりえを展示しています。
乾燥をしている冬には、火事が一番怖いですね。
貴方の街でも、町内の人たちが「火の用心」と声かけをしている声が聞こえますか?
きいちのぬりえの中では、子どもたちが仲良く火の用心の夜回りをしています。手に持っている拍子木をカチ、カチと打って、「マッチ一本、火事の元」と大きな声を掛けて町内を歩いて火の用心をしていきます。この時期ならではのぬりえですね。


ぬりえ美術館のある町内では、赤いバケツが1軒ごとに配布され、水を張って、何かの際にはこの水をかけるように準備をしています。

最近は様々な災害が各地で起こっていますので、いつ自分の身の回りで起こるか分かりません。
昨年の1年を表す漢字にも「災」が選ばれていましたね。そういう意味でも防災意識が徐々に高まってきていると思います。


今月のテーマは「仲良しは楽しい」ですが、昭和20~30年代のころは子どもたちの数も多く、
家の中で兄弟姉妹らの社会生活ができるほどでしたが、少子化の時代になり、子ども達が少なくなってくると、仲良くしよう、遊ぼうと言っても簡単なことではないのかもしれません。
少しでもお互いを大切に思って、お友達と仲良くしていきたいですね。(館)

Posted: Nurie : 19年02月03日

1月の美術館ニュース(1)

新しい年が始まりました。今年は新天皇陛下の即位という大きな慶事がまっています。
新しい年が明るく穏やかな年でありますよう願っています。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:ふじむすめ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
     

1月のエントランスは、「踊りのお稽古」をテーマにしたぬりえを展示しています。
きいちは一人娘の踊りお稽古の送り迎えをするうちに、ミイラ取りがミイラになり自分も踊りの名取になってしまったという踊り好きです。晩年に会った際にも、もう一度舞台で踊りたい、と語っていたほどです。


きいちのぬりえの中には、有名な踊りのタイトルを付けたぬりえや踊りの練習風景、お稽古の行き帰りの様子等など、踊り関係のぬりえが沢山描かれています。
今回の「ふじむすめ」は有名な踊りの一つです。
歌舞伎座でも玉三郎をはじめ女形の役者さんが華麗に踊る演目です。衣装にも藤の花が描かれていて美しいですし、藤の花の枝の小道具が踊りに連れて軽やかに揺れて華やかです。踊りを習った人なら一度は踊ってみたい演目ではないでしょうか。


小学校の4年生から藤間流の踊りを習っていましたので、中学生になったときに三越劇場でこの藤娘を踊ったことがあります。その思い出は少し色あせた写真に残っています。


日本舞踊を習ったことから、踊りは長唄に乗って踊りをしますので、長唄も好きです。美術館を始める前に二年間ほど習ったことがあります。美術館の仕事が忙しくなり足が遠ざかりましたが、唄を聴くと、いいものだなあとうっとりします。やはり、日本人の血でしょうか。
歌舞伎座にも久しぶりに行ってみることいたしましょうか。(館)

Posted: Nurie : 19年01月11日

12月の美術館ニュース(2)

「海外ぬりえ」研究室 No.81 今月は、ギリシャ編

今月はギリシャで購入した日本のアニメのぬりえ本をご紹介いたします。

”ギリシャ”と聞いて、皆さまは何を思い浮かべますか? 
まず第一にオリンピックの発祥地ということでしょうか。4年に一度開催されるオリンピックでは、ギリシャで聖火の火が採火され開催国にもたらされ、競技場に灯されますので、ギリシャとオリンピックのつながりは強いでしょう。


その次といいますと、古代ギリシャ文明でしょうか。
ではさらにギリシャはと問われたら、何が頭に浮かびますか。最近では、ギリシャの経済危機とか、ギリシャ風ヨーグルトでしょうか。
今日本ではこのギリシャ風ヨーグルトが人気となり、スーパーで何種類ものギリシャ風ヨーグルトが、売られるようになりました。実際ギリシャでは家庭で、レストランで日常的にあの濃いヨーグルトが食べられており、ホテルのバイキングや街中のカフェではヨーグルトにはちみつ漬けのナッツをトッピングして出されていました。


ギリシャは、ロンドンやパリ、ローマなどに比べるとあまり馴染みがない遠い国のようでありますね。
そんなギリシャにも日本のぬりえが販売されていました。「ポケモン」です。
      

このぬりえ本では、ぬりえのほかにシールが付いて、迷路や番号を繋いで絵にしていくもの、単語をマスの中に記入するもの等など、ぬりえをしながらいくつものアクティビティーをすることができます。
日本のアニメ好きの子どもたちが買っていくのでしょう。

今朝のテレビには、タイの日本人気を取り上げていましたが、日本語が描かれたTシャツが若者に流行しているそうで、その中でも特に人気の日本語は、「つづく」という日本語だそうです。理由は、テレビで日本のアニメをみていると最後に必ず「つづく」がでてくるので、若者たちが良く知っていて人気となっているそうなのです。Tシャツに描かれた日本語は、彼らにとってはアートにみえるそうで、「日本語の文字の形が好き」と、言っていました。


ギリシャの子どもたちもアニメやぬりえを通じて、日本に関心を持ってくれることでしょう。


海外ぬりえ研究室は、今月を最後に、来年からは別のテーマをご紹介する予定です。来年も宜しくお願いいたします。


今月のエントランス

「クリスマスのケーキ」
年代:昭和20年代
作者:きいち

五段もの大きなクリスマスケーキを前にする正装の少年と少女。見たこともないような豪華なクリスマスの雰囲気を与えてくれるきいちのぬりえ。
きいちのぬりえが爆発的な売れた背景の一つが、このような夢の世界でしょう。


ぬりえ美術館情報
今年のぬりえコンテストの作品は、10月31日に締め切られました。212件もの応募がございました。大変ありがとうございました。
優秀作品は、来年1月~2月の間、展示をさせていただきます。どうぞお楽しみに願います。


展示室のご案内
☆10月~12月は秋の規格展「きいちの秋・きいちの冬」と題して、秋から冬の季節、毎日が楽しく輝いていた子どもたちの姿を展示しています。
☆館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年12月08日

12月の美術館ニュース(1)

師走に入りました。最近「平成最後の~~」というフレーズがよくテレビ、ラジオなどで流れていますが、本当に平成最後の師走です。平成の思い出をじっくりかみ締めてみてはいかがでしょうか。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:あたしはサンタクロースよ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代~30年代

12月のエントランスは、「クリスマスは華やかに」をテーマにしたぬりえを展示しています。
可愛いお嬢さんのサンタクロース。白い毛皮が帽子やワンピースに縁取りされて、とても暖かそうで、豪華な衣装に見えます。膝までのブーツも大変お洒落なサンタクロースさん。


昭和20年代後半に幼稚園生だった私は、埼玉の田舎の幼稚園でしたが、その幼稚園のクリスマス会で、お友達と二人で“ジングルベル”を踊り、会の終わりには祖父がサンタクロースさんになり、園児にプレゼントを配ったことを思い出します。田舎の幼稚園でもクリスマスをしていました。夜になれば自宅で、靴下をタンスの取っ手にかけて、サンタさんからのプレゼントを待つ、ということもしていました。

30年代に入り、家にテレビが入ってくると、東京のたぶん銀座の賑やかなクリスマス風景なども白黒のテレビニュースで流れるようになってきました。田舎にいても、東京に来てもその当時は12月になるとクリスマスのワクワクするムード、気持ちになっていたように思います。


最近はというと12月になりクリスマスの飾りつけをデパートなどで見ることがありますが、ジングルベルとか音では聞かなくなりました。
それでもクリスマス気分って、いくつになってもいいものではありませんか?(館)

Posted: Nurie : 18年12月08日

10月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.79 今月はタイ編です。

最近何ヶ月かはある都市を表現するぬりえをご紹介してきました。今月は海外で見つけた日本のぬりえ本をご紹介いたします。
今月紹介するタイは、古くから日本の企業が進出していますので、タイに長期滞在する日本人の数も約4万人いらっしゃいます。主に民間企業関係者及びその家族が約3万人です。
滞在場所はやはりバンコクが中心でそこに約3万人弱となっています。
バンコクには日本の有名な本屋さんもあり、とても賑わっていました。90年代以降日本の漫画やアニメは人気となっていますので、それらの本は日本人ばかりでなく現地のタイ人にも関心がたかく、様々な日本マンガがおかれ、マンガ・アニメに付随するぬりえ本も沢山置かれていました。


その中から「ハム太郎」のぬりえをご紹介します。
   


ハムスターが子どもたちに人気があるということでハムスターを主人公としたマンガを実際にもハムスターを飼っている河合リツ子さんが、1997年「小学二年生」の読み物連載としてスタートし、その後テレビアニメ化され、ペットのハムスターと飼い主の女の子との心のかよう様子が描かれ大ブームになったそうです。
   

タイでハムスターが人気であるどうかはわかりませんが、ハム太郎のコロコロした形はタイでも人気があるのではないかと思います。東南アジアでは日本人が好むマンガやアニメの描き方、形状を好む傾向があります。アジア人に共通すると言ってもいいのかもしれません。欧米で販売されているぬりえ本の描かれている女の子の形状は手・足がながくてすらっとしているのですが、それよりもぽちゃっとした少し丸みを帯びた女の子のほうが東南アジアでは人気になるようです。


ドラえもんがアニメ文化大使に選ばれていますが、タイの知人は、ドラえもんののびた君の性格がご主人にそっくりだ、と言ったことがありました。ドラえもんが描く世界は日本ばかりでなく、普遍性があり、アジアの人々にも共感できるのかしらと思ったものです。


日本のアニメから、日本ファンになる子供たちもいることと思いますので、マンガ、アニメ、ぬりえも国際貢献しているのではと思います。
来月もお楽しみに。


今月のエントランス

あおぞらひとりでなわとび
作者:きいち
年代:昭和30年代

なわとびは、いつでもできる遊び、運動ですね。一人でもまた二人でも、そして長い縄で大人数と跳ぶことも出来ます。二重回しが上手にできる子が羨ましかったですね。


ぬりえ美術館情報
○10月に「第9回ぬりえコンテスト」を開催いたします。
第一週と三週目の東京新聞にコンテストのご案内が掲載されます。
ぬりえ美術館のホームページにも掲載されますので、沢山のご応募お待ちしています。


展示室のご案内
10月~12月は、秋の企画展「きいちの秋・きいちの冬」と題しまして、秋から冬の季節、毎日が楽しく輝いていた子ども達の姿を展示しています。

Posted: Nurie : 18年10月07日

10月の美術館ニュース(1)

空、風、空気、草木、様々なものが秋めいて参りました。今年の夏がことのほか暑かったですから、爽やかな秋を存分に楽しみたいものです。
 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
      

10月のエントランスは、「一生懸命運動するのは気持ち良いね」をテーマにしたぬりえを展示しています。


タイトル:リレーせんしゅ がんばれ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

運動会の華といえば、リレーではないでしょうか?
バトンタッチをする様子を描いたこのぬりえは、リ レーの中でも一番大事であり、難しいポイントを捉えています。


リオデジャネイロのオリンピックでは、400メートルリレーの決勝で、日本が銀メダルを獲得したことが大変話題になりました。特に日本の銀メダルは、バトンパスの技術を磨いた結果、獲得できたものと評判になったのです。日本チームのバトンパスは世界一とも言われているそうです。


今でもほとんどの国が、上からバトンを渡す従来の「オーバーハンドパス」を採用しているのに対して、日本は下から渡す「アンダーハンドパス」を採用していて、新たに取り組んだのが「V字型のアンダーハンドパス」だそうです。
これは走っているフォームのまま、受け手の腕振りが後ろに伸びたときにバトンを渡すので、スピードを落とさずに利得距離も稼げるというものですが、渡し手と受け手もスピードに乗った状態でもらわないと意味がないので、その点非常に難易度が高いものだそうです。
それを成し遂げられた背景には、やはり日本人の和の精神といいますか、協調性が生み出す「チームワークの良さ」があったからと選手たちも語っています。


運動をしながら、遊びながら、子どもたちは人とのつながり、思いやりなどを学んでいくのではないでしょうか。2020年東京オリンピックも楽しみですね。(館)

Posted: Nurie : 18年10月07日

7月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.77 今月はスコットランド編です。

今月はスコットランドを描いたぬりえ本を紹介いたします。

このぬりえ本は15X10センチ程の小さいぬりえ本です。乗り物に乗るときにでも使い易いように小さいサイズのものなのかもしれません。
中は、スコットランドを表す鳥、花、木、動物などが描かれています。

Kestrel:チョウゲンボウ(チョウゲンボウ(長元坊、学名:Falco tinnunculus)は、鳥網ハヤブサ目ハヤブサ科に分類される鳥の一種。
スコットランドではよく見かける鳥のようです。


Scots Pine:ヨーロッパアカマツ
ヨーロッパアカマツ(学名:Pinus sylvestris)は、ヨーロッパからアジアの、イギリス、スペインから東はシベリア、南はコーカサス山脈、北はラップランドにかけて分布するマツの1種である。北方では標高0mから1000m程度に、南方では1200mから2600m程度の高地に分布する。


Thistle:アザミ
イングランドのバラ、ウェールズのスイセン、アイルランドのクローバー、そしてスコットランドの国花がアザミだそうです。


Red Deer:アカシカ
スコットランドで最も大きな動物がアカシカです。


これらのほかに、蛙、毒へび、フクロウ、樫の木、きつねなどが描かれています。

子どもたちのためには、簡単かつ安価で子どもたちに理解してもらうために、ぬりえ本が使われていると思います。


以前国立科学博物館で恐竜展が開催されたとき、恐竜のぬりえをしようというイベントがあり、お父さん、お母さんたちは子どもたちに、「ぬりえだから、簡単だからやってみたら。」と子どもたちの背中を押していました。ぬりえというものはハードルが高いものではない
という認識が親にも子どもにもあるからの会話だと思います。


来月もスコットランドのぬりえを紹介いたします。


今月のエントランス

「だっこちゃんも一しょにおやすみ」
作者:きいち
年代:昭和30年代

昭和35年に発売された「だっこちゃん」は一大ブームとなり、購入するためにデパートに行列を作る映像がテレビに流されていたことを思い出します。たまたま早めに購入した私は友人にあげるために、再度デパートで並ばずにだっこちゃんを買いました。腕に付ける事ができることと眼がウィンクする点が面白かったのだと思います。


ぬりえ美術館情報
○6月より開館日が変わりました。土曜日、日曜日のみ開館いたします。祝日はお休みになりますおで、どうぞ宜しくお願いいたします。


展示室のご案内

6月~7月は常設展示となります。お花・蝶々・晴れ着などをテーマにしたぬりえを展示しています。

Posted: Nurie : 18年07月01日

7月の美術館ニュー(1)

暑い夏がやってきます。熱中症に冷房など最近の日本の夏は大変な暑さになるので、いろいろ体のために対策が必要です。涼しい図書館に行って本を読むのも良い夏の過ごし方でしょう。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:あさのベッドで
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
    

7月のエントランスは、「さあお休みしょましょう」をテーマにしたぬりえを展示しています。
このぬりえは朝ベッドで起きて、ジュースかミルクを飲んでいる少女を描いていますが、今月展示しているぬりえの中にはベッドを使っている少女の絵が3枚描かれています。昭和20~30年代ではベッドを使用している生活は多くは無いと思いますが、ぬりえの世界では夢や憧れが多く描かれていますので、ベッドやネグリジェのファッションもその一つとして残っているのでしょう。

可愛いネグリジェは今回展示作品の中に6点も描かれています。パジャマは1点か2点で少ないです。
行儀を良くしていないとネグリジェの裾が上に上がってきてしまうので、子どもの実用には余り向きませんが、それはぬりえ。想像の世界ですから、お洒落で、可愛らしいネグリジェ姿を幾つもきいちは描いてお洒落な世界観を子どもたちに見せてあげていたのでしょう。


学校生活を描いたぬりえは余り売れなかった、評判が良くなかったということですので、ネルの着物姿は自分の現実の生活に近いので、夢のあるさくらんぼや花模様が入った少女らしい柄を提供して喜ばれたのではないでしょうか。


お休みに際しては少女なら自分の大好きなお人形を抱いて寝ていたことでしょう。3点展示しています。


自分の子どもの頃を思い出して、懐かしいと思うのは私だけでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 18年07月01日

6月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.77 ドイツ編

今月はドイツのバーデン・ヴェルテンベルグ州のぬりえ本をご紹介いたします。


2007年ドイツのカールスルーエという街できいちのぬりえの展覧会を開催したことがあります。カールスルーえは、バーデン・ヴェルテンベルグ州の中ではシュトゥットガルトに続く第二の都市です。この街でぬりえ展を開催したことからこのバーデン・ヴェルテンベルグ州のぬりえ本を入手したものと思います。


バーデン・ヴェルテンベルグ州の州都はシュトゥットガルトですが、このぬりえ本によってバーデン・ヴェルテンベルグ州の観光地を始めバーデン・ヴェルテンベルグ州とはどのような州であるかをしらせる本になっています。


①ソリチュード宮殿
バーデン・ヴェルテンベルグ州の州都シュトゥットガルの魅力の1つに挙げられる後期バロック様式の美しい宮殿です。



②ウルム大聖堂
ウルムにある世界でもっとも高い教会塔、161.53メールをもつ大聖堂。768歩の階段で上がります。



③ハイデルベルグの城
美しいネッカー川に位置するハイデルベルグ城です。

ドイツにはお城や教会等がいくつもあり、ケルンの大聖堂も有名ですがウルム大聖堂はケルンより10メートル教会塔を高くしたと言われています。人は隣より高くしたがるものなのですね。


今回は都市ではなく「州」という単位でのぬりえ本ですが、日本で言えば「県」に当たるようなものと思いますので、「福島県のぬりえ」とか「北海道のぬりえ」などがあると楽しいではないかなと思いました。


では、次回もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

「キセカヘ ミチコチャン」
作者:フジヲ
年代:昭和10年代

きせかえは、きいちの名前で昭和23年から制作していますが、昭和の10年代にはぬりえと同じ用紙にきせかえを描いていたのですね。歴史的記録になります。
きいちの名前でぬりえを始めたのは昭和22年ですが、その頃きせかえは盛んでなかったのできせかえも描き始めたと言っています.


展示室のご案内
★6月~7月は常設展示となります。
お花・蝶々、晴れ着などをテーマにしたぬりえを展示しています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年06月02日

6月の美術館ニュース(1)

梅雨らしいシトシト雨が懐かしいこの頃、今年はどんな雨模様でしょうか。長雨、五月雨、黄梅の雨と日本には様々な梅雨の呼び名がありますが、どれも美しいですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


タイトル:七ひきの小ヒツジタチ
作  者:きいち
年  代:昭和10年代
     

6月のエントランスは、「昭和十年代のフジヲという名前のぬりえ」をテーマにしたぬりえを展示しています。


グリム童話の「狼と七匹の子山羊」のお話のぬりえが小ヒツジタチになっています。
お母さんの留守中、誰も家の中に入れてはいけないと言われていたのに、悪い狼が色々と手を使って家の中に入り、末っ子を除く六匹の子山羊たちを丸呑みにしてしまいます。
家に帰ったお母さんは末っ子の話を聞いて、狼を見つけ、狼のお腹を切って、中にいる子山羊たちを助け出し、代わりに石をいれて縫ってしまいます。
喉が渇いた狼は井戸で水を飲もうとして、お腹の石が重すぎて、井戸の中に転落して死んでしまうというお話でした。

小学校の学芸会でこの劇をしたような記憶があります。「さるかに合戦」もしましたし、幼稚園では、「いなばの白うさぎ」を思い出します。小さいときには童話のお話をよく読んだり、聞いたりしたものですが、子どもの頃の思い出は大事ですね。


きいちは絵本を作りたいという思いももっていましたので、昭和10年代にフジヲというペンネームでアルバイトとしてぬりえを描いていた時にも、童話などのお話を絵本のようにぬりえの世界で子どもたちに描いていたのでしょう。
他には「青い鳥」のチルチル・ミチルが多く描かれています。どちらかといえば「万寿姫」「孝女白菊」「中将姫」など日本的な物語のぬりえが多く残されています。


きいち時代とは少し違うフジヲのぬりえもお楽しみください。(館)

Posted: Nurie : 18年06月02日

5月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.76 今月はギリシャ編です


今月はギリシャのアテネの街のぬりえ本を紹介いたします。

2004年に開催されたギリシャ・オリンピックを前に最新のアテネの町並みを紹介するぬりえ本で、「2004年のアテネをぬりえしよう」というタイトルになっています。

      

アテネと聞けば、誰しもが頭に浮かぶものは”アクロポリス”でしょう。
アテネは紀元前5世紀には強力な都市国家でした。当初から市民の自由、人間の権利を
尊重、民主主義を市民に教えていました。これらは後にヨーロッパに大きな影響を与えたことは知られています。


そして21世紀のアテネは、金融、経済、産業の世界都市としてなっています。
又アテネは最初の近代オリンピックが開催されて地であり、2004年は初回から108年後の二度目のオリンピック開催となりました。
その現代アテネをぬりえしてみましょうということで、アテネの歴史的に有名な場所が描かれています。
   


まずは最も有名で代表的なものはアクロポリスの丘に建つパルテノン神殿でしょう。紀元前447-438に建てられた古代ギリシャ建築です。アクロポリスは世界遺産になっています。

ヘロディス・アッティコス音楽堂は、アテネのアテナイのアクロポリス南西麓にある屋外音楽堂、劇場で、白大理石で作られた客席の収容人員は約5000名であったそうです。

その他ギリシャ議会の議事堂、アテネアカデミーなど著名な建築物が描かれています。

オリンピックの前年にアテネを訪れていた私は、このぬりえ本を購入したのですが、15年ほど経た今このぬりえ本を見るとあの時に訪れた場所を思い出します。


この会社のぬりえ本には他にクレタ島、サントリーニ島、キプス島、ロードス島などのぬりえ本が出版されていて、これらの本を”塗って、学ぼ”うという副題が付けられています。


今月のエントランス

「トロフィー」
作者:きいち
年代:昭和30年代

運動会等で優勝者、又は優勝チームには大きなトロフィーが与えられました。
こんな大きなトロフィー、貰ったら嬉しいでしょうね。鉢巻き、ブルマー姿も懐かしいです。


ぬりえ美術館メディア情報
○東京MXテレビ「東京インフォメーションGW特集」で紹介されました。


展示室のご案内
★5月まで「きいちの春・きいちの夏」を開催しています。元気な子どもたちがいっぱいだったあの頃、春から夏の季節の子どもたちの輝きの姿をご紹介いたします。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年05月03日

5月の美術館ニュース(1)

風薫る季節となりました。新緑の美しさを眼にも身体の中にも取り込んで季節を楽しみたいですね。行楽に疲れたら、静かにぬりえでもいかがでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:おけいこがえり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

5月のエントランスは、「おけいこしましょう」をテーマにしたぬりえを展示しています。
黒繻子の襟をつけた振袖で、お稽古をしてきた少女。踊り、長唄、お三味線、お茶、どんなお稽古だったのでしょう。
このように豪華な着物ではありませんでしたが、踊りのお稽古に行くときには、着物に着替えて行きました。昭和の初期のころにはこの荒川の下町でも、長唄、お三味線の音が聞こえてきたそうです。いろいろなお稽古事がされていたのですね。

昔からお稽古始めは、6歳の6月6日から始めると良いと言われてきました。歌舞伎の役者さんのお子さんたちを見ていると6歳よりも以前からお父さんの舞台やビデオをみて、歌舞伎を学んでいる様子を見ると本当に小さいときから始めるのがいいことがわかります。


最近では将棋の藤井六段の活躍が目覚しいですが、藤井六段は五歳の時におじい様おばあ様から手ほどきをうけたそうです。小さい子には難しいものだからとチャレンジしないのではなく、トライしてみることが大事なのだと思います。
何事も吸収力の高い子どものころに親たちが子どもに関心をもって、遊んだり学ばせたりすることは大事なことですね。


ぬりえは小さいころの遊びですが、集中力を養う遊びでありますので、小さい頃から好きな絵をぬりえしながら集中力が養えたらいいのではないでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 18年05月03日

4月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.75 今月は、アメリカ編です。

今月はアメリカ、ニューヨークのぬりえ本をご紹介いたします。

アメリカの象徴でもある自由の女神像が表紙のこの絵本は、25のニューヨークの必ず訪れるべき場所のぬりえを掲載しています。
例えば、エンパイアステートビルディング、タイムズスクウェア、ロックフェラーセンター、国立博物館、セントラルパーク、メトロポリタン博物館、グランドセントラル、、マディソンスクウェアなど等。
どこかで聞いたことがある、又ニューヨークに行ったことがある方なら「そこには行ったことがある」というほど、有名な場所ですね。
      

それぞれが非常に特徴のある建物であり場所でありますので、行ったことのある人であればぬりえをしていても大変楽しいものになるのではないかと思います。
子ども向けのぬりえにすることにより、子どもがニューヨークに対して親近感を醸成すること請け合いだと思います。


欧米では乗り物に乗るときに必需品にぬりえがあげられています。ニューヨークからの帰り道にこのぬりえ本を購入して、駅の待合や電車の中でぬりえをするということが行われているだろうと思われます。


2020年にむけて、東京の街のぬりえ本が誕生すると嬉しいですね。

今月のエントランス


ワシントンのさくら
年代:昭和20年代
作者:きいち

アメリカ合衆国大統領ジョージ・ワシントの桜の木の逸話。
その逸話というのは、「アメリカ合衆国の初代大統領、ジョージ・ワシントン(1732~1799)が少年時代、父親が大事にしていた桜の木を斧で切ってしまったのだが、正直に「僕がやりました」と告白。叱られるどころか、その正直さを父親から褒められ、「お前の正直な答えは千本の桜の木より値打ちがある」というお話です。
この絵はジョージ・ワシントなのでしょうね。


ぬりえ美術館商品情報

昨年10月に発売された大判ぬりえシリーズ「せかいの童話編」は有名な絵本のお姫さまが網羅されています。可愛いですよ。756円


展示室のご案内
★3月~5月まで「きいちの春・きいちの夏」を開催しています。元気な子どもたちがいっぱいだったあの頃、春から夏の季節の子どもたちの輝きの姿をご紹介いたします。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年04月08日

4月の美術館ニュース(1)

年々桜の開花が早まって、入学式に桜が満開という景色は見られなくなりましたが、
それでも気分は桜、さくらで、この季節を楽しみましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
    

4月のエントランスは、「春は桜・桜」をテーマにしたぬりえを展示しています。


きいちは乙女のこころをどうしてこんなに理解していたのでしょう?
桜の花びらがヒラヒラと散っている。雪のように散っている。美しい雪のような花びらを受け止めたいという少女の気持ち。
皆さまもこのようなことをした覚えがありませんか? レンゲの花をみれば、花かんむりを作りたくなり、クローバーをみれば、腕輪を作りたくなり、椿の花をみれば、レイのように花をつなげたくなったり。
それは美しいものを自分のものにしたい、手元において置きたいという願望の現われなのではないでしょうか。
そんな乙女心が分かるから、きいちは20年もの永きにわたりぬりえを描き続けることができ、少女たちに支持されてきたのではないでしょうか。

美術館便り3月~5月合併号にも描きましたが、「ぬりえの背景によく描き込む花もきれいで可愛らしいものを選んだ。なかでも「さくらが一番多く描いた花じゃないかな。色もそうだけど、五枚の花びらのバランスが取れている感じが好きなのね。基本的に花はなんでも好んで描くんですが、さくらやコスモス、梅、ガーベラなど、どちらかというと一重の花が好きかな」と言っています。


ぬりえ美術館の中庭には鬱金桜(ウコンサクラ)がございます。薄黄色の八重桜です。江戸時代は鬱金桜が主流であったそうです。来館時に見られるといいですね。(館)

Posted: Nurie : 18年04月08日

3月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.74  今月はフィンランドの絵本編になります。


「マンダラ」ぬりえに続き「都市や街」についてのぬりえを紹介していますが、今回フィンランドはぬりえではなく絵本になります。
   
馬鹿なことばかりする二人の子どもが主人公で、彼らがヘルシンキの街案内をしていく絵本です。彼らはとても人気があるということで人気の絵本なのですね。



まずはヘルシンキ中央駅です。ヘルシンキの玄関口となる駅で、ヘルシンキからフィンランド国内の各都市に向かう長距離列車の大部分と全てのヘルシンキ近郊列車はこの中央駅から出発するそうです。
玄関の正面出入り口の両脇に各2体、計4体のランプを持った像が鎮座しています。像はテレビCMに使われるなど非常に有名なものだそうです。


子どもたちは、駅を降りてタクシーに乗り、ヘルシンキの街に繰り出します。



博物館に行って子どもたちは、王様の椅子に座って、係りの人に早速しかられているようです。


動物園にいった子どもたは、動物園の中をスイカに隠れてウロウロ。猿の檻の前ではすっかりくたびれている様子です。


活発に動き回っていたずらをする子どもは、絵本を読んでいる子どもたちからは英雄のように格好いい子どもたちに見えるのでしょうね。


海外では、ぬりえであったり絵本であったり、様々な形で都市を紹介しているものがあります。日本でも素敵な都市紹介のぬりえや絵本が誕生するといいですね。(館)

今月のエントランス



「ひなまつりのおきゃくさま」
きいち
昭和30年代
雛祭りにお客様としておでかけしました。お雛様に負けないように可愛いお振袖の着物をきて伺います。桃の花にも負けないでしょう?


ぬりえ美術館メディア情報
☆TOKYO METRO NEWS 3月号でぬりえ美術館が紹介されます。


展示室のご案内
★3月~5月まで「きいちの春・きいちの夏」を開催しています。
元気な子どもたちがいっぱいだったあの頃、春から夏の季節の子どもたちの輝きの姿をご紹介いたします。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年03月10日

3月の美術館ニュース(1)

弥生の月になりました。春の柔らかな日差しが嬉しいこのごろです。3月8日からパラリンピックが開催いたします。オリンピックにつづいて、日本選手の活躍を期待したいですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

 
タイトル:たのしいひなまつり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、「ひな祭りの主役はわたしよ」をテーマにしたぬりえを展示しています。

3月は少女たちにとっては嬉しいひな祭りの月です。
ピンク色の桃の花も咲いて、今まで寒かった季節から一気に明るく暖かくさせてくれるお祭りです。
私の子どもの頃にも幼稚園で父兄を呼んでの学芸会があり、お雛様をお見せしたことがあります。お内裏様、三人官女、五人囃子らが段になって、歌にあわせて踊ったりしました。私は三人官女の中の一人でした。大変昔のことなのに、脳裏に残っています。それは楽しい思い出だからでしょう。

この時期、お雛様にあわせて和菓子店でも洋菓子店でも春のお雛様に相応しい色合いのお菓子やケーキが販売されますので、それも楽しみの一つです。菱餅やひなあられ、お雛様の形をした練りきりやケーキなどはピンク、白、緑、黄、青などの明るい色彩で作られ、春の女の子のお祭りに相応しい優しい色合いです。
お砂糖でお目出度い鯛や果物、野菜などを形作った金菓糖を覚えていらっしゃいますか。とても日本的な色合いの愛らしいお菓子だと思います。お魚や果物の形がそっくりなので食べるのがもったいないと思ってしまい、口にいれるのが惜しくなります。
そういう雛菓子のなかでも一番ポピュラーなものが“ひなあられ”ではないでしょうか。すでにひなあられをかざっています。お雛様になったら封を開けて食べようと思います。


皆様のひな祭りの思い出は、何でしょうか。(館)

Posted: Nurie : 18年03月10日

2月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.73 今月はフランス、パリのぬりえ編です。

7ヶ月に亘り「マンダラ」のぬりえを紹介してきました。ご紹介したような可愛いマンダラのぬりえが日本にはないので、日本でも楽しく子どもたちがマンダラぬりえをできるようになるといいなと思い紹介してきました。
マンダラ以外にもあったらいいなと思うぬりえがあります。それは都市や街についてのぬりえです。


基本的にどこの国でもぬりえは子どもたちがするものです。ですから名画のぬりえも子どもたちがご両親に連れられてルーブルなど美術館に行って名画を見学したときに、その時に見た画家のぬりえを美術館で購入して、家でぬりえをするという形で使われています。


同じような使い方で、都市のぬりえもその都市に行ったので、その都市に関するぬりえをお土産に購入し、家で思い出しながらぬりえをするという使い方、又は単にお父さんがお土産として買ってくるということもあるでしょう。 
      

今回はフランスはパリのぬりえです。フランスはパリを中心に世界中から観光客がやってきます。2016年の統計で8260万人の方が着ているそうで、世界一です。二位はアメリカで7560万人です。三位はスペインの7556万人、中国は四位で5927万人。五位はイタリアで5237万人だそうです。納得の国ばかりですね。
      

日本はと言えば、十七位の2403万人です。最近急激に観光客が増加していますが、2020年までに4000万人としたいと計画されているそうです。

2020年といえば、東京オリンピックの年ですから、世界中からお客様が東京のいらっしゃいます。そんなときに是非東京の様々な観光名所のぬりえやオリンピックの競技場と競技などのぬりえがあったら、いいお土産になるのではないかと思います。

メーカーの方々、外国には都市のぬりえがお土産として、様々なぬりえが作られています。是非2020年までに作って貰えませんか。お願いします。

今月のエントランス

「かくれんぼ」
作者:きいち
年第:昭和30年代

単純な遊びなのに楽しかったですね。何人でも遊べるので子どもが多い時代にはピッタリだったのかもしれません。子どもは狭い隙間とか好きですから、隠れるということが大変面白かったのでしょう。


ぬりえ美術館展示計画
○今年は一年を通じて、春夏秋冬のきいちのぬりえの子どもたちの姿をご紹介していきます。
春の企画展は、3月からです。春から夏の行事を通じて、元気で可愛い子どもたちを描いたぬりえをご覧に入れます。どうぞお楽しみに。


展示室のご案内
★2月まで「第8回 ぬりえコンテスト」の優秀作品を展示しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年02月18日

2月の美術館ニュース(1)

寒さ厳しい今年の冬ですので、首、手首、足首など温かくして、風邪等ひかないように気をつけてお過ごしください。それでも寒いときは、お部屋でぬりえでもいたしましょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:ゆきやこんこん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代 

2月のエントランスは、「元気な子どもは寒くない」をテーマにしたぬりえを展示しています。

今年は1月22日から雪となり、東京でも23センチ程雪がつもり大変なことになりました。雪国のことを思えば、23センチなど積もったことにはならないようなものですが、めったに降らない所ですので、動きがとれなくて大ごとになってしまいました。


大きな牡丹雪が降るときには、積もりませんが、雪が積もるときには、雪の降り方はまったく別な降り方で外を眺めながらこれは積もりそうだと眺めていました。細かい雪がサラサラ降っていると、積もっていくのですね。


大人になってしまうと、雪というのは子どものように喜べないのは残念なことですね。雪の楽しさを忘れてしまっているからでしょう。
ぬりえの少女はスカートを広げて雪が降ってくるのを待っています。雪が真っ白に景色を染めていくのは、子どもにとって不思議な光景であったのかもしれません。

雪が積もったら新しい雪の部分をすくって口に入れて食べてみたり。お盆の上で雪うさぎをつくってみたり。もちろん沢山雪が積もったときには大きな雪だるまを作ってみたり。子どもにとっては雪は様々に遊ぶ道具であったのですね。


もうすぐ平昌オリンピックが始まります。真っ白い銀世界の中で、熱戦が行われますが、日本の選手が活躍して、メダルが沢山取れるよう応援しています。(館)

Posted: Nurie : 18年02月18日

1月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.72 今月はスペインのマンダ編ラの2回目です。

昨年12月につづき、今月もスペインのマンダラです。

この本もガウディの建築物のぬりえになります。この本ではあまり円というものにこだわってはいないようです。


1つ目のマンダラは、サグラダファリアの塔の部分を捉えたものです。他のサグラダファミリアのぬりえはこの塔のある部分捉えて何枚かのマンダラ風にしています。


2つ目のマンダラは、グエル公園のドラゴンのぬりえです。このドラゴンはバルセロナのシンボル的な超有名なトカゲです。トカゲ自体が破砕モザイクで作られていますので、っこのマンダラのような模様になっています。



3つ目のマンダラは、カサバトリョ(Casa Batllo)、バトリョ邸です。12月号ではカサ・ミラの家のマンダラをご紹介していいます。カサバトリョは海をイメージしたとも言われています。ガウディの建物は自然を捉えたものが多いですね。

スペインのマンダラとしてガウディの建築物を取り上げましたが、それはかなり特徴的な建築物であり、観光の目玉でもありますので、バルセロナに行ったらこういう建物を見学しましたね、という意味で子ども用のマンダラになっているものと思います。
日本にはぬりえというとアニメばかりで、都市のぬりえですとか建築物のぬりえなどは見かけません。海外からの観光客も多くなっていますので、このようなぬりえがあってもいいのではないかと思っています。

 
今月のエントランス

かわいいにほんがみ』
きいち
昭和30年代
日本髪には沢山の簪をつけて、より一層少女が可愛らしくなりますね。
昭和30年代にはお正月というと日本髪や新日本髪を結った女性が沢山街を歩いていましたね。華やかなお正月風景です。


ぬりえ美術館メディア情報
○12月14日、新潟日報のぬりえ特集でぬりえ美術館が紹介されました。

○体験コーナーのぬりえの優秀作品をHPにアップしています。


展示室のご案内
☆11月~2月まで「第8回ぬりえコンテスト」優秀作品を展示しています。

☆館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 18年01月14日

1月の美術館ニュース(1)

明けましておめでとうございます。平成30年、新しい年を健やかに楽しみならが過ごしていきましょう。
 


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:おめでとうございます
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


    

1月のエントランスは、「晴れ着で過ごすお正月」をテーマにしたぬりえを展示しています。

お正月には着物の晴れ着が一番似合いますね。雑誌をみても美しい着物姿が特集されています。
新年には着物を着て神社にお参りに行く、美味しいランチやディナーを食べにホテルに行く、観劇をするため劇場に行くなど着物が似合います。

ぬりえ美術館は浅草に近いのですが、浅草に行きますと日本的な感じが強くします。ですから今は海外からの観光客が大変多く、その方たちが着物レンタルの着物で浅草を観光する姿を数多く見かけます。
女性たちは異国のファッションにも関心が高いので、日本に来たのであれば、ぜひ着物を楽しんで貰いたいと思いますが、それがレンタルで気軽にできることはこれからの観光誘致にも役にたつのではないかと思います。

又最近では外国の人ばかりでなく、日本の若い女性たちもレンタルの着物を着て浅草の街を歩いているのを見かけます。着物を気軽に着ることがなくなっている現代に手軽に着付けができて、非日常の雰囲気を楽しめるレンタル着物はとてもいいことじゃないかと思います。


このレンタル着物で着物の魅力を発見して、自分で着物を着てみようかなと思う人たちが増えてくれるといいですね。(館)

Posted: Nurie : 18年01月14日

12月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ」研究室 No.71 今月はスペインのマンダラ編です。


スペインでは、幼稚園でぬりえとかテキストに塗る作業等が良くされているので、家に帰ってぬりえをするのはもう嫌!と子どもさんが言うくらいぬりえが活用されています。
本屋さんに行っても、マドリード、バルセロナいずれの都市でも素晴らしいぬりえ本がたくさん販売されていました。
スペインは素晴らしい芸術家を沢山排出している芸術の国であり、スペインと言ったら○○、というような特徴ある国ですので、今回ご紹介するマンダラもスペインをよく表すマンダラになっています。


バルセロナといえば、ガウディのサグラダファミリアの建築が有名ですが、その他にもガウディが作った建築物があります。それらの建物をイメージして作られたマンダラが「Mandales de Gaudhi(ガウディのマンダラ)」です。

      
  
1つ目のマンダラは、"PASSEIG DE GRACIA(グラシア通り)”に使われたモザイクのタイルから作られたマンダラです。海の貝や海草のようなイメージですね。

   
2つ目のマンダラはまさに”サグラダファミリ”アの屋根からのイメージのマンダラです。
1882年に建築が始まったサグラダファミリアは、未完の建築と言われていましたがガウディ没後100年の2026年に完成されると発表され話題となっています。屋根にはマンダラの絵のような形が見えるのでしょうね。

   
3つ目のマンダラは、”カサ・ミラ”のマンダラです。グラシア通りにある個人宅用に作られた建築物で、直線部分をまったくもたない建造物です。マンダラはカサ・ミラの玄関ドアの模様のようです。

   
4つ目のマンダラは、グエル公園の破砕タイルのモザイクをイメージしたマンダラです。グエル公園にはモザイクがいたるところに使われていて、入り口の階段にある”とかげ”もモザイクに覆われています。


ガウディの建築物は自然を生かした、自然からとった模様が多く使われているので、マンダラにも容易になりやすいのかもしれません。


来月も引き続き、ガウディのマンダラをご紹介いたします。


今月のエントランス

「かぐやひめはきれいなおひめさま」
作者:きいち
年代:昭和30年代

今auのコマーシャルの三太郎が大変人気になっていますが、その中にはかぐや姫、乙姫そして最近では織姫まででてきています。お姫さまたちは三姉妹の設定です。これからどんな物語になっていくのか楽しみですね。


ぬりえ美術館展示情報
○「第8回 ぬりえコンテスト」の優秀作品を展示しています。
○体験コーナーのぬりえの優秀作品もHPにアップしています。

Posted: Nurie : 17年12月02日

12月の美術館ニュース(1)

師走になりました。今年はどんな年だったでしょうか。慌しい月ではありますが、少しでも余裕をもって過ごして、明るい新年を迎えたいですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:かわいいおひめさま しんでれら
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
12月のエントランスは、「夢見るお姫さま」をテーマにしたぬりえを展示しています。


今年10月に大判の「きいちのぬりえ」に追加された新刊は「世界の童話編」です。童話の中の主人公が集められています。
まずカラーの表紙は、頭に珊瑚と真珠の髪飾りをつけた人魚姫から始まります。マッチ売りの少女、シンデレラ、アリババ、親指姫、ヘンゼルとグレーテルにでてくるお菓子のお家、魚のお姫さま、青い鳥のチルチル、白雪姫等など可愛いお姫さまや主人公が集められています。
主人公は可愛いお姫さまが中心ですが、男の子のアリババやチルチルなども描かれています。

きいちは戦後絵本作家になりたいこともあり、ぬりえの世界の中で童話を描いて子どもたちに見せていたのです。ぬりえの袋の中には8枚ほどのぬりえが入っていましたので、その8枚の中に童話のストーリーを描きました。絵本は買えなくても、ぬりえを通じて子どもたちは童話のお話を知り楽しんでいたことでしょう。


白雪姫、眠れる森の美女などどうしてもディズニーの絵を思い浮かべてしまいがちですが、昭和20~30年代には日本の著名な画家たちが子ども向けの講談社等の絵本に素敵な絵を描いています。とてもいい子ども時代を過ごしていたのだなと大変有難く思っていますが、きいちもその一人だったと確信しています。(館)

Posted: Nurie : 17年12月02日

11月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室NO.70 今月はドイツのマンダラ編です。

今月はドイツのマンダラをご紹介いたします。

ドイツでは、ぬりえに関してはどちらかと言うと否定的な国ですが、マンダラだけはどの幼稚園、保育園でもされているようです。
マンダラは1990年代に普及してきたものであり、癒し的な目的で発展してきた新しいものなので、ぬりえとは区別されて積極的に活用されています。
      
1冊目の本は「Mandalas fur Kinder」(子ども向けマンダラ)です。
このマンダラ本の中には円の中の幾何学模様だけでなく、象やバラの花、鳥や蝶などの具象をマンダラの中に取り入れていて、こういうマンダラの見せ方、とらえ方もあるのだなと思いました。子どもたちにも具体的な形のものは塗り易いものではないかと思います。

      
もう1冊は「Mandalas malen」(マンダラ ペイント)です。
副題に85のリラックス着色とあります。やはりマンダラをするとリラックスできるという点が特長なのですね。
この本はマンダラのテキストかと思うほど、サイズ的にも25x25と大きく、一枚づつその絵の解説が付けられています。絵は幾何学模様から花や顔、亀など具象もあります。


ここにご紹介した少年、少女と木の絵は、ヘンゼルとグレーテルのタイトルが付けられています。マンダラの中に女性の顔が使われるのも珍しいと思います。
こうしてみますとマンダラの範疇もずいぶん広いものだと言えるのではないかと思います。
それでは来月もどうぞお楽しみに。



「ばいおりん」
作者:きいち
年代:昭和30年代
ギャザー一杯の可愛いドレスに大きなリボンをつけて、今日はバイオリンの発表会でしょうか。上手に弾けたかな?


ぬりえ美術館メディア情報
○10/21 BS-TBS「夕焼け酒場 荒川区町屋編」にて紹介されました。
○10/4 毎日新聞「だいあろーぐ 東京彩人記」に、館長の金子マサが紹介されました。


展示室のご案内
★11月から2月まで「第8回 ぬりえコンテスト」の優秀作品を展示しています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年11月04日

11月の美術館ニュース(1)

11月は秋から冬に変わる頃で行事もいろいろございますね。七五三、酉の市、最近ではワインのボジョレヌーボーの解禁日など、楽しみなことが多いですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


タイトル:あたしのピアノ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
   

11月のエントランスは、「楽しい音楽会」をテーマにしたぬりえを展示しています。
団塊の世代の人たちは、親が出来なかった夢や憧れを託されてピアノやバイオリン、バレーなどを習わされた方は多いのではないでしょうか。
戦争が終わり、自由な時代になるとともに、占領したアメリカ文化の影響を受けて洋風なライフスタイル、習慣などが日本に入ってくるようになり、ずいぶん変化をしていったと思います。


美術館のある荒川区では母の言葉によりますと、三味線や長唄が聞こえていたといいます。戦前の子どもたちは邦楽に慣れ親しんでいたわけです。
団塊世代になりますとお稽古事は日本的なものばかりでなく、洋風のお稽古事も増えていきました。袋入りのきいちのぬりえのお稽古編では、生け花、お裁縫、お習字、日本舞踊、バレー、オルガン、ギター、バイオリンが描かれています。大判のぬりえのお稽古編には、上述の他にお琴、茶道、ピアノ、テニス、ゴルフ、絵画などが描かれています。

私自身は、楽器のお稽古はしたことがないのですが、小学校一年生のときに、通っていた幼稚園でバレーが始まるということでほんの少しの間だけ習ったことがあります。その後日本舞踊を中学生になるまで習いましたが、個人的には日本的なもののほうがあっているようです。
どんなお稽古事を楽しまれましたか。(館)

Posted: Nurie : 17年11月04日

10月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.69 今月はイタリアのマンダラ編です。

今月はイタリアのマンダラをご紹介いたします。
   
1冊目は、「MANDALA Kids」子ども向けのマンダラの本です。
欧米の国では、マンダラが子ども向けに広く活用されています。幼稚園の中でも使われていますし、本屋さんにも様々なマンダラが子どもさんのために販売されています。
子ども向けですから、絵が単に幾何学模様ばかりではなく、ここ紹介したように”てんとう虫”であったり、「あひる」など子どもが好きそうな絵が取り込まれています。そのような絵であれば、子どもたちが取り組みやすくて、塗ってみたいなと思わせるものだからと思います。
てんとう虫、あひるのほかにもいるか、ちょうちょ、猫、花、草の葉、星、楽器に音符など様々な形が描かれています。これだけの柄があれば、どれか好きな絵が見つかるといえますね。
小さい子どもさんでも好きな絵から塗って、収集力を養っていくことでしょう。
 

2冊目のマンダラは「MANDALA Junior」ジュニア向けマンダラとありますので、キッズより少し大きくなった子どもたち用のマンダラの本と思われます。
絵はすべて幾何学的なものばかりで、ページごとに柄が複雑に重なっていきます。この本には色見本がついていますが、配色も同様に複雑になっています。

マンダラに慣れていない私たちには、この色見本があると塗りやすく、マンダラに馴染んでいけそうです。このように複雑なマンダラを美しく配色して完成できたら、達成感が大きいと思います。
小さい頃からマンダラに慣れているイタリアの子どもたちにとっては、複雑なマンダラも楽しいものなのかもしれませんね。


来月はイタリアのマンダラの本をご紹介いたします。お楽しみに。


今月のエントランス

「トースト」
作者:きいち
年代:昭和30年代

トースターでパンを焼いて、バターを塗るというのも、この当時にしては大変お洒落なことだったのです。オーブントースターが出てくるのは、このトースターの後ですから、時代の変化を感じます。

ぬりえ美術館メディア掲載情報
○9/18(祝)テレビ東京「朝の!さんぽ道」にて紫吹淳さんが来館された様子が放映されました。
○10/4(水)毎日新聞「だいあろ~ぐ 東京彩人記」に、館長の金子マサが紹介されました。

Posted: Nurie : 17年10月07日

10月の美術館ニュース(1)

秋も深まり、紅葉などの景色や秋の美味しい食べ物のニュースなどが耳や目に入ってきます。
最近の話題のスポットは、赤ちゃんパンダが生まれた上野動物園でしょうか。個人的には
四谷の迎賓館を見学してみたいです。迷うのも楽しい秋ですね。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:おまちどうさま
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

10月のエントランスは、「おまちどうさま」をテーマにしたぬりえを展示しています。


「お待ちどうさま!」とおそばの出前を手伝う少女。
手拭いを頭に結わえ、可愛いエプロンをつけて、すっかりお店の一人前の出前係りのようです。


小学館から発売されているきいちのぬりえの本では、「お手伝い編」が一番の人気ですが、昭和20~30年代は子どもでも家のお手伝いをするのは当たり前のことでしたから、絵の少女もおうちのお手伝いで出前をしているのでしょう。

子どもの頃を思い出してみますと、家族全員で家の掃除をしてから朝食を食べていました。子どもは私一人でしたが、小さい箒をもって庭の掃除をするのが担当でした。それから昔は近所で無尽講であったのでしょうか、お金をいれる貯金箱のようなものを近所に回すのですが、貯金箱や回覧板を持っていくのは子どもの役目でした。

お手伝いは子どもたちにとって、自分でできることが子どもの自信につながり、又ご近所さんとのご挨拶とかお付き合いを身をもって覚えていくいい機会なのではないでしょうか。


最近の若い人は同じ年頃の人とばかり付き合っているせいか、年齢が違う人から話しかけられたりするとビックリしてしまい、相応しい話ができないと感じるには、昔のお手伝いのようなこともなくなっているせいではないかと思ったりもいたします。(館)

Posted: Nurie : 17年10月07日

9月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.68  今月はベルギーのマンダラ編です。

今月もマンダラをご紹介いたします。ベルギーの物になります。
ベルギーでもマンダラは人気のようで、子どもから大人までするそうです。その人気の理由は「集中力を高める」という点にあるようです。そのほかには「リラックス」という点が挙げられているそうです。


1冊目のマンダラは、「Mandara's Kleuren」、マンダラを塗るということでしょうか。
副題は、幾何学的フォームとあります。
マンダラは円の中に柄があるのですが、この本では円の中に星や月、様々な幾何学模様が描かれています。円という限られた空間の中に繰り返される模様を塗っていくことで集中力が高まっていくのではないでしょうか。



2冊目は「Colorier c'est un Art! Les motifs」
「カラー、それは芸術である」副題はモチーフ
この本では、色を塗る、ぬりえの本のようでもありますが、副題がモチーフであるので、マンダラのようでもあるという本になります。
この本では円ではなく、四角の中に様々な模様が描かれています。中には同じ模様が繰り返えし描かれているものもあります。
同じ柄を描いていくことも集中に繋がっていくのかも知れません。

欧米ではマンダラの流行により、ぬりえは子どものするものであっても、マンダラは大人もするものと受けとめられています。
忙しい社会の中で、精神のリラックスを図りたいと願うのはどこの国の人々でも考えていることなのではないでしょうか。
日本では2016年頃より大人でもぬりえが流行してきていますので、ぬりえがマンダラの代わりとなっているのではないでしょうか。


今月のエントランス


『もっきんのおけこよ』
年代:昭和30年代
作者:きいち
お稽古に行くときだって、きちんとした服装でお出かけします。
今はすべてがカジュアルになってしまい、服装も正装といういものが少なくなってしまいましたが、きちんとすると気持ちがいいものです。


ぬりえ美術館展示情報
●「秋の企画展 きいちのぬりえ・きせかえ原画展 ~精緻なきいちの手仕事の世界~」にて、きいちが情熱をかけた貴重な原画を展示しています。


展示室のご案内

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年09月03日

9月の美術館ニュース(1)

秋の声を聞きますと、いろいろな楽しみが浮かびますね。美術館に行ったり、映画を見たり、
街で素敵なファッションを見たり、そして美味しい食べ物も。どんな秋を楽しみましょうか。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


    
タイトル:はなびらのようふく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

9月のエントランスは、「おめかししてお出掛けしましょう」をテーマにしたぬりえを展示しています。
きいちのぬりえが少女に絶大な人気を誇っていた理由の一つに、少女たちが着ている洋服や着物が自分の住む町では見られない素敵な服や着物であったということが挙げられると思います。
きいち自身がお洒落であったことから、少女たちの服にも関心をもって、一歩先をゆく可愛い服や豪華な着物を描いたのでしょう。

又「子どもの服だからと、子ども、子どもした服を描いてもだめで、大人の流行を少し取り入れた服を描くと子どもたちに人気となり、良く(ぬりえが)売れた」ときいちが語っています。自分の子どもの頃を思い出して、この言葉は本当にその通りだと実感します。可愛い服には、アクセサリーも必要です。ぬりえの少女にイヤリング、ネックレス、ブレスレット、指輪など、少女につければつけるほどぬりえは売れたそうです。


昭和20年代~30年代にかけて月刊の少女漫画雑誌が発刊されて、それらの本や漫画の中にもお洒落な服は描かれていたと思いますが、その頃月刊誌を購入できる子どもはクラスの中のほんの一握りの時代でした。五円や10円で買えるきいちの描くぬりえの方が、子どもたちにとっては新しい服や世の中の流行を知る情報源になっていたと私は考えています。
可愛い服、お洒落なファッション、懐かしく思い出される方も多いことでしょう。(館)

Posted: Nurie : 17年09月03日

8月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.67 今月はアメリカのマンダラ編です。

4月のドイツのマンダラに続き、今月はアメリカのマンダラをご紹介いたします。
今回ご紹介するKids'Mandalas「子どもたちのマンダラ」とKids' Seasonal Mandalas「子どもたちの季節のマンダラ」の2冊は、同じ出版社から発行されたもので、いずれもドイツで出版されたマンダラの本をベースにしたものと書かれています。
      

本の最初のぺージには、子どもたちとマンダラというタイトルで説明文があります。
「私たちは子どもたちにとってもストレスを解放する方法が必要であることを忘れがちである。マンダラに色づけすることは子どもたちが芸術に対する愛を促進しながら、リラックスをし集中するのを助ける完璧な方法である。
マンダラは、円の中に同じデザインが繰り返されるものである。のんびり時間を過ごしなら瞑想と治療の手段となる。それらの自由なデザインのアレンジを通して、どんなに手に負えない子どもでさえもおだやかにする効果がある。

マンダラが完成した暁には、終了した作品は更なる影響の道具となる。
マンダラは色ぬりを好きになることと我々の忙しい世界のなかでとても必要な静かな時間とを結びつけるける大変理想的な方法である。」と書かれています。
      


小さい子どもを集中させることはなかなか難しいことですが、マンダラをすることによりリラックスと集中ができ、瞑想の手段ともなりうるものであり、どんな落ち着きのない子どもでも穏やかにすることができる方法であると説明しています。
この瞑想的という考え方が癒しに通じ、欧米にマンダラが流行し、普及していった理由ではないでしょうか。


欧米では1990年代にマンダラが使われるようになりそれから30年近くなりますが、日本では未だに流行していないのが不思議です。
欧米では幼稚園や保育の場でマンダラが使われますが、日本では保育の場にぬりえが全員がするものとして使われていないので、マンダラが普及していかないのかもしれません。
来月の海外ぬりえ研究室もお楽しみに。


今月のエントランス

「おかいもの」
年代:昭和30年代
作者:きいち

はだかんぼのイメージが強いキューピーさんですが、ワンピースを着ておかいものをしています。赤ん坊の愛らしい顔は、そのままにお洒落な装いもよく似合っていますね。


ぬりえ美術館展示情報
●「秋の企画展 きいちのぬりえ・きせかえ原画展 ~精緻なきいちの手仕事の世界~」にて、きいちが情熱をかけた貴重な原画を展示しています。


展示室のご案内
★8~10月まで「秋の企画展 きいちのぬりえ・きせかえ原画展 ~精緻なきいちの手仕事の世界~を開催しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年08月04日

8月の美術館ニュー(1)

今年の夏は全国的に猛暑と言われています。どうぞ暑さ対策をなさって夏を乗り切ってください。涼しい場所でぬりえをして、頭の中を空っぽにするとすっきりしますので、暑さ対策の一つに入れてみてはいかがでしょう。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


タイトル:ぴーちゃおくにはうみのむこう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

  

8月のエントランスは、「きゅーぴーさんのぬりえ」を展示しています。
大きなキューピーさんにはなしかける少女。「ぴーちゃ」とはキューピーさんの名前なのでしょうか、それともキューピーのピーをとった愛称なのでしょうか。
キューピーは今でもその可愛らしさからお人形が販売されており、子どもだけに限らず大人にまでに人気のあるお人形ではないでしょうか。

昭和20年~30年代にかけてもキューピーはとても流行していて、当時はセルロイドという素材のキューピーが出回っていました。今ではセルロイドが燃え易いということで消えてしまい、ソフビのものにかわっていますね。でもセルロイドで遊んだことがある人にとっては、それなりに懐かしい素材であると思います。大事に扱わないと、へこんでしまいやすく、そうなるとへこんだ部分に口をつけて吸って元に戻したりしたことを思い出します。


キューピーの人気が未だに続いているということはキューピーの可愛らしさに普遍性があるということだと思います。赤ん坊のようなムチムチした体型、パッチリとした愛くるしい瞳、見ているだけでこちらの頬が緩んでくるようなところが魅力ですね。


この絵のように大きなキューピーを私も持っていたことがあり、赤ん坊を背中におんぶするようにキューピーをしょって嬉しかったことを思い出します。(館)

Posted: Nurie : 17年08月04日

4月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.66  今月はドイツのマンダラ編です。

海外ぬりえ研究室のNo.2で海外で子どもたちがしている「マンダラ」についてご紹介していますが、久しぶりにマンダラ本をご紹介いたします。今月はドイツのマンダラです。


私が海外の幼稚園で子どもたちがどのようにぬりえの調査をしているときに、特にドイツではぬりえはあまりしていないが、「マンダラ」はよくします。と先生たちが言っていました。
ドイツでぬりえをしないことはまた別の機会にお話をいたしますが、1990年代にマンダラが入ってきて、それは日本で言う癒しのようなイメージで幼稚園に広がっていったようです。白い紙に黒の線で描かれているので、「ぬりえ」ではないのですか、とお聞きすると、「マンダラはぬりえではありません。マンダラはマンダラです」という答えが返ってきました。


使用法としては、ドイツの幼稚園では今月のテーマとか今週のテーマというものを子どもたちの幼稚園生活の活動に生かしています。そしてその月のテーマが「月や星」であれば、月や星を描いたマンダラを子どもたちに塗らせています。海賊がテーマになれば、海賊を描いたマンダラが使われます。


マンダラの定義としては、円の中に左右対称に絵が描かれているということが基本です。そこから発展して、円からすこし離れていくマンダラの絵や左右対称ばかりでもないものもでてきます。円の中の絵も様々です。
      

今月の一冊目の本は花模様や太陽、宇宙船と土星など基本的なマンダラになっています。

      
二冊目の本は妖精をテーマにしたマンダラですが、円の中からでて人魚が丸く円を描いているようなマンダラもあります。妖精は一般的なぬりえにもよく描かれるテーマで子どもたちに人気があるようです。
マンダラでは、色見本がついていないものが一般的のようです。マンダラもぬりえも本屋さんでは、一緒に売られています。


欧米ではマンダラをよく見ますので、また来月は他の国のマンダラをご紹介いたします。


今月のエントランス

「あおいおそらにくさのおか」
作者:きいち
年代:昭和20年代

昭和20年代のぬりえの特徴の一つは「目」です。竹久夢二、蕗谷虹児、高畠華宵などが描いていた女性たちのように"潤んだような目"を意識して描かれていました。でうから少女達はもの静かな印象です。戦後2年目の昭和22年からぬりえを描き始めましたが、帽子にワンピース、とてもお洒落な少女を描いています。まだまだ誰もこのようなお洒落ができなかった時代ですから、少女たちは喜んでぬりえをしていたことでしょう。


ぬりえ美術館展示情報
○春の企画展開催中
「きいちの春夏秋冬」と題しまして、春・夏・秋・冬の可愛い少女たちのぬりえを展示しています。


展示室のご案内
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年04月08日

4月の美術館ニュース(1)

春を向かえ新しいことがスタートする方も多いことでしょう。学校、仕事。転勤して新しい土地でお仕事を開始する方もいらっしゃることでしょう。慣れないことで不安もあるでしょうが、ぜひ新しい世界に飛びこんで頑張って欲しいですね。
 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

   
タイトル:おにんぎょさんふたり
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


4月のエントランスは、「昭和20年代のぬりえ」を展示しています。
今月は昭和20年代のぬりえをご紹介しています。
昭和10年代にアルバイトでぬりえを描いていた頃にすでに特徴的な部分はできていましたが、本腰を入れて昭和22年からぬりえを描き始めてからは、更に女の子が生き生き、可愛らしくなっていると思います。
時代の雰囲気なのかもしれません。重苦しい戦争の影響を感じた時代から、生活は苦しくとも戦いのない時代、すこしでも自由を感じられる世の中になり、明るい絵、美しい絵で女の子たちに夢を与えたいと思い、頑張っていたのではないでしょうか。

「おにんぎょさんふたり」では、お人形をおんぶして、腕にも抱っこして2つもお人形持っています。20年代ではまだまだ2つもお人形を持っている女の子は少なかったのではないかと想像しますが、無いからこそ少女の夢として描いているのではないかと思います。
子どものころは想像力が豊かですから、お人形ひとつあれば一日中お友達とまたは一人でも遊べたものです。それこそご飯を食べるのも忘れて。子どもの頃はお人形遊びに限らず、遊ぶことがすべてですから、一日が短かったですね。
子どもの頃、どんなことをして過ごすことがお好きでしたか。(館)

Posted: Nurie : 17年04月08日

★★5月の美術館ニュース


若葉が目に染みる季節になりました。季節感がなくなっている今日この頃ですが、それでも青葉が初夏を知らせてくれ、四季のある日本に生まれたことに感謝したくなります。初夏の日差し、香りを多いに楽しみましょう。
 


ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

    

5月のエントランスは、「風薫る」をテーマにしたぬりえを展示しています。


jp00942x-640.jpg今月のテーマそのもののぬりえをきいちが描いていました。初夏の爽やかな風に吹かれて、颯爽と佇む少女。
毎月、毎月新作を発売していたきいちですから、季節感には特に敏感であったと思います。


ぬりえで遊ぶ少女たちも、ぬりえで遊びながらぬりえを通じて「風薫る」等の季節ごとの日本語や季節感、その次期に相応しいファッションのようなものまでも覚えていったことでしょう。

“風薫る”をネットで検索してみますと、「森から吹く風には若葉の香りが含まれて、緑の香りを運ぶと見立てたのが風薫るです。昔から四月の風は光り、五月の風は薫るともいいます。同じ言葉に薫風(くんぷう)、風の香(かぜのか)があります。」と書かれています。

風薫るの他にも美しい言葉がこの季節にはあります。“青嵐(あおあらし)”「初夏の青葉を揺らしながら吹き渡る強い南風のことをいいます。同じ言葉に風青し(かぜあおし)や青嵐(せいらん)などがあります。」

又ほかに“青葉雨(あおばあめ)”木々の青葉や若葉がひときわ美しい季節に葉をぬらして降る雨。雨の後にはぬれた木々の葉は爽やかさが薫ります。」


日本人の感性の鋭さに驚かされるとともに、そういうものをいつまでも感じ取れる人でありたいと思います。五月生まれの私には嬉しい「かぜかおる」のぬりえでした。(館)

Posted: Nurie : 17年03月18日

3月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.65 今月はチリ編です。
今月はチリのぬりえ本をご紹介いたします。

最初の本は、アライグマが表紙のぬりえ本です。「隣の侵略者」というタイトルが付いています。たぶんこれはテレビでやっているアニメのぬりえ本と思われます。
中に描かれているのは動物ばかりで、アライグマのほかに亀、豚のような鼻をした毛がフサフサして尻尾でぶら下がることもできる動物などが描かれています。
この本は、本当に塗ることだけに特化したぬりえ本になっています。紙質もいいので、チリでは高級なぬりえ本に当たると思います。
      


2冊目は、「色のために」と副題がついています。
この本はぬりえですが、色えんぴつを使ってどのように絵を描いていくかを勉強するための本のようです。
本のタイトルにあるRapeluchoがこの主人公の名前なのでしょう。男の子が想像する様々な光景を絵にして、そこに色を塗っていきます。カラフルな色使いですが、陰影があって優しい感じのする絵になっています。

このRapeluchoは、シリーズになって12冊もの本が発売されていますので、人気の本なのでしょう。
こちらも紙質がいいので、高級ぬりえ本になると思います。
      


今月は大変珍しいチリのぬりえ本でした。
来月もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

「バレーのレッスン」
年代:昭和30年代
作者:きいち

最近の日本のバレーの世界は世界的なコンクールで何人もの若いバレーダンサーの方々が優勝するほどレベルが高くなっています。
昭和20~30年代にはバレーへの関心も高くなって、少女雑誌にバレー物語の小説や漫画が掲載され、又バレリーナの方々の写真も取り上げられていました。そのような社会の影響を受けて、ぬりえの世界でもバレーが沢山描かれていました。
バレリーナの姿はとても素敵で、憧れのヒロインでした。


ぬりえ美術館メディア情報
○東京都交通局発行フリーマガジン「とでんで」3月号、”都電沿線散歩MAP”に掲載されます。
○光文社発行Mart別冊「スプラウト」、『寄り道しながら訪ねてみたい。「小さな美術館」に出かけてみませんか?』に掲載されます。


展示室のご案内
★3月~5月まで春の企画展
「きいちの春夏秋冬」~春夏秋冬のきいちの少女の世界展~を開催しています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年03月05日

3月の美術館ニュース(1)

3月になり、各地から春の便りが届いています。皆様のお家の付近でも春を見つけることができることでしょう。皆様は春をどんな時、どんな所で感じますか? 私は木々の芽吹きから感じています。暖かい、明るい春になるといいですね。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

   
タイトル:かわいいおひめさま しんでれら
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、「女の子の夢はバレリーナやお姫さま」をテーマにしたぬりえを展示しています。
お姫さまの代表は、シンデレラ、白雪姫、オーロラ姫。 日本のお話では、かぐや姫、乙姫さま、織姫さま。最近であれば、アナ雪のお姫さまたちでしょうか。
女の子、いえ女性にとってはいくつになってもお姫さまやバレリーナは憧れの的ではないでしょうか。そのためにいつの時でも、どんな時代でもお姫さまの物語りが作られ、語り継がれていくのではないでしょう。

昨年の春の企画展「童話・絵本のきいち」の際にきいちが描いた童話や絵本の主人公を展示いたしましたように、きいちも沢山のお姫様を描いていたのです。今月のシンデレラの絵もその中の一つです。
ちょっと日本的なふっくらしたシンデレラ姫ですが、何故か親しみがわくお姫様ではないでしょうか。日本人好みに描かれているといいますか、きいちのぬりえらしいお姫様になっていると思います。


お姫様というとどうしてもディズニー映画、アニメの絵のほうが今では一般的、ポピュラーになっていますので、その絵を思い浮かべてしまいがちですが、それぞれの作家が描いた個性あふれるシンデレラ姫がいたことを覚えていてくださると嬉しいです。(館)

Posted: Nurie : 17年03月05日

2月の美術館ニュース(2)

「海外ぬりえ」研究室 No.64  今月は、南アフリカ編です。

今月は、南アフリカのぬりえ本をご紹介いたします。過去には2015年3月にご紹介をしています。

今回のぬりえ本は、サッカーのぬりえ本です。
      
このぬりえ本に登場するのは、人間ではなく、動物たちです。チータの子ども、縞馬、象、虎、チンパンジー、コヨーテ、カンガルー、オラウータンなどが、それぞれのポジションでサッカーをしています。
動物のサッカー選手のぬりえをしたり、迷路をたどりながら、誰がゴールに点を入れられるかなどを当てたり、それぞれの動物がどの大陸でプレイしているかと考えさせる等、学びも入っています。
この動物のサッカーのぬりえ本は、シリーズとなって何種類もでているようです。


もう1種類は、レストランで子どもたちに配られるぬりえ用紙です。
   
料理がでてくるまで、子どもたちが飽きないように配布されるものです。用紙には「料理を楽しんで、パズルをして、全部にぬりえをしましょう」と書かれています。
絵はやはりレストランやお料理に関する絵が多く描かれています。この一枚でお料理がでてくるまで充分に楽しめそうです。

どこの国でも、少しの間子どもたちに集中して、静かになってもらうには、ぬりえが一番のようですね。


今月は南アフリカのぬりえ本でした。来月もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

「ひのようじん まっち一ぽん かじのもと」
作者:きいち
年代:昭和20年代
子どもたちが火の用心の掛け声をかけています。手袋をして、スカーフを巻いて、温かくして大きな声をだせば、少しも寒くありません。今日も大きな声で火の用心をしましょう。


ぬりえ美術館展示情報
○第7回ぬりえコンテスト優秀作品展を開催しております。今年は応募作が多く、力作が沢山届きました。是非ご来館ください。


展示室のご案内
★第7回ぬりえコンテスト優秀作品展

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年02月11日

2月の美術館ニュース(1)

一番寒い時期になりました。温かい柚子と蜂蜜の飲み物など飲んで、体を温かくして、風邪などひかないように気をつけて、この冬を乗り切りましょう。春はもうすぐです。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:きゃらめるたべない
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


2月のエントランスは、「仲良しと一緒なら温かい」をテーマにしたぬりえを展示しています。


二人揃って電車にのっているのは、兄弟でしょうか、お友達同士でしょうか。
美味しいキャラメルを一緒に食べましょうと分けてあげています。昭和20~30年代頃でしたら、キャラメルは子どものお菓子の筆頭に上げられるものではなかったでしょうか。
昭和31年(1959年)で、森永のミルクキャラメルが20円と「キャラメルの値段」(河出書房新社)に紹介されています。子どものお小遣いとしてはちょっと高いものですから、大事に兄弟姉妹、お友達と分け合って食べたりしたのでしょう。仲良しになるいいキッカケにもなるお菓子であったと思います。

昭和20~30年代頃は、子どもの数も多かったですから、お友達、それも大勢で仲良く遊んだりしたものです。かくれんぼ、石蹴り、ゴム跳び、おままごと、電車ごっこ、おしくらまんじゅう、馬とび、まりつき等など。どれも一人でするより、仲間たちとするほうがずっと楽しい遊びばかりでした。


あの頃遊んだ友達は、今はどうしているでしょうか。久しぶりにちょっと声でも聞いてみましょうか?(館)

Posted: Nurie : 17年02月11日

1月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.63  今月はブラジル編です。 

今月は昨年オリンピックが開催されたブラジルのぬりえ本をご紹介いたします。過去には2013年5月、2014年9月にご紹介しています。

   
1冊目は、動物のぬりえ本です。
小さいお子さん向けのようですね。かなり太い線でシンプルに描かれています。ぬりえの反対側には、色見本の絵がついています。絵の下には、その動物の名前が付いていて、その名前にも色をつけるようになっています。
20x13.5cm と小さく、ページ数も10ページと少いことから、安価で、簡単にどこでもぬりえができるように考えられた小さいお子様向けであることがわかります。
このぬりえ本には他にもシリーズで何冊ものぬりえ本が出版されています。


      
2冊目の本は、天使が主役のぬりえとアクティビティーの本です。
どちらかのページにはぬりえ、その反対側のページに迷路や言葉並べ、数字をつないで描いていくというアクティビティーが付いています。サイズはA4サイズです。


どこの国でもお母さん方は、勉強して学んで欲しいので、単にぬりえをするだけでなく、アクティビティーがついているぬりえが好まれているようで、数多くのアクティビティーの本が出版されています。
どちらの本も、表紙はカラフルでブラジルらしいと思いました。


それでは、また来月をお楽しみに。


今月のエントランス

わかみづ
年代:昭和20年代
作者:きいち

若水は、元旦の朝に最初にくむ水のことで、1年の邪気を払うと言われていることから神様へのお供え物や、家族の食事に使用されます。
若水をくみに行くことを「若水迎え」というそうです。


ぬりえ美術館メディア掲載情報

●日本経済新聞の都内の面白い施設やスポットを紹介するコーナーの「知る・見る・歩く」にぬりえ美術館が紹介されました。

展示室のご案内
★今月~2月まで、第7回ぬりえコンテストの優秀作品を展示しています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年01月03日

1月の美術館ニュース(1)

新年明けましておめでとうございます。良いお正月をお迎えのことと思います。今年も皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

   
タイトル:ふくわらい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

1月のエントランスは、「ワクワクお正月」をテーマにしたぬりえを展示しています。

きいちのぬりえはどれも懐かしいものを描いているのですが、この「ふくわらい」は殊に懐かしいと思いました。
昭和20~30年のころはお正月になればお正月の遊びをしたものです。
福笑い、いろはかるたや百人一首、双六(すごろく)、独楽まわし、おてだま、羽根つき、凧あげ等など。


福笑いは誰にでもできるものですから、家族や、お友達、お正月のお客様もいれて楽しく遊べて、大笑いできるのがいいですね。
いろはかるたも子どもたちが好きなものではなかったでしょうか。「い」犬も歩けば棒に当たる。「ろ」論より証拠、「は」花より団子など。他にはどんなかるたがあったでしょう。

双六は、サイコロを振って、前に進んでいきますが、止まった場所によっては後ろに戻らされたり。誰が一番に上がるか、競争しましたね。独楽まわし、これは男の子の遊びです。紐を巻いて、クルッと独楽を回す。見ているだけでも楽しかったです。私自身は小さい独楽しか回せませんでしたが、それでもトライしたものです。

福笑い、久しぶりにやってみたくなりました。(館)

Posted: Nurie : 17年01月03日

12月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.62 今月はタイ編です。

今月はタイのぬりえ本をご紹介いたします。過去には2012年と2014年の10月にご紹介しています。


      

1冊目は、「西遊記」のぬりえ本です。このぬりえ本は、タイのテレビのアニメのぬりえ本かもしれません。
中国のお話ですが、日本でも映画、ドラマ、アニメに展開されていますので、タイでも同様にポプラーなお話であるのかもしれません。
Wikipediaを調べますと、中国語、韓国語、ベトナム語、タイ語で「西遊記」の表示がでていますので、それらの国では自国の物語と同様に良く知られているお話であるのでしょう。
西遊記では、孫悟空の活躍が子どもにとっても大変面白いので、子どもむけのぬりえにも展開されているのでしょう。


      

2冊目の本は、ぬりえだけではないアクティビティーブックです。「Hakaseが日本に行く」というタイトルですが、Brunoという熊とその友達の様々な動物がいろいろな国に行って、その国を紹介するシリーズになっています。
Hakaseが紹介するのはまず富士山、お相撲、そしてお城の桜等など。紹介している絵にある侍の上には旗がありますが、日本の国旗はどのようなデザインか、自分で描くようになっています。着物を着たHakaseのページでは、着物の柄を自分でデザインして描いていきます。
その他折り紙のページ、日本語のページ、日本地図など、日本を勉強していく本になっています。

日本のほかに、アメリカ、オーストラリア、中国、南アフリカ、エジプトが出版されています。


こういう本が日本にもあるといいなと思い、紹介させていただきました。それによって子どもたちは外国にも関心を持てるのではないでしょうか。
例えば今年はオリンピックがありましたので、ブラジルの本などがあったらいいかもしれませんね。
(参考:タイで購入しましたが、出版をしているのはシンガポールの会社でし)た。


では、また来年もお楽しみに!


今月のエントランス


新日本髪
年代:昭和30年代
作者:きいち

昭和30年代に、本当の日本髪ではなく、ご近所の美容院で日本髪風の新日本髪というものが人気になりました。本当の日本髪は、お相撲さんのように鬢付け油をつけて、結わなければなりませんが、新日本髪ならもう少し簡単です。いくつも花飾りをつけて可愛くな

りました。


ぬりえ美術館メディア掲載情報
●東京新聞にて、第7回ぬりえコンテストを開催いたしました。(応募期間:11/12~12/5)
応募いただいた作品の中から、優秀作品を1月~2月まで美術館に展示いたしますのでお楽しみに。


展示室のご案内
★きいちのぬりえの他、きせかえや海外から集めたぬりえ本の常設展示をしています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年12月03日

12月の美術館ニュース(1)

師走となりました。暮れに向かい何かと気ぜわしくなりますが、一年の締めくくりを、しっかりとやって行きたいものです。それには風邪などひかない様に気をつけましょう。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:かんざし
作  者:きいち
年  代:昭和20年代   

12月のエントランスは、「着物で冬を華やかに」をテーマにした着物のぬりえを展示しています。
きいちの着物姿のぬりえには、人気があり、子どもの頃から着物を塗っていたと来館者の方からよくお聞きします。
それはきいちの着物が浴衣のような簡単なものではなく、花嫁さん、舞妓さんのように特別豪華な着物姿が多く描かれていたので、まだまだ豊かとはいえない時代に、少女の心をつかんだのではないかと思います。


当時の子どもたちは着物を着る機会が今よりずっとあり、着物を着るということにも慣れていたのかもしれません。

私の小さい頃の写真を見ますと、4、5才の旧正月に着物を着て、長羽織を着ています。祖母が和裁が出来たこともあり、夏、冬と季節に合わせて着物を作ってくれましたので、季節ごとに着物を着るというより、着せられていたのかもしれません。


会社勤めをするようになり、会社のある銀座には何軒もの有名呉服店が軒を並べていますので、とてもいい目の保養になったものです。
冬の時期は着物を楽しむにはぴったりの時期ですし、着ている人を見るのも楽しいものです。


今年の冬、又はお正月に着物を着てみるのはいかがでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 16年12月03日

11月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 イタリア編 No.61  今月は、イタリア編です。
今月はイタリアのぬりえ本をご紹介いたします。過去に2012年と2014年の4月にご紹介をしています。



1冊目は、ひよこの絵のぬりえ本です。タイトルはひよこのバレリーナというところでしょうか。
卵から生まれて、親鳥と一緒にダンスをしたり、ピヨ、ピヨ、鳴いたり、ひよこ全員で踊ったり、鳴いたりする様子が描かれています。
左側のページに、色見本、右側がぬりえになっています。色使いはシンプルで3~4色くらいですので、小さいお子さん向けのようです。
ひよこの本の他に、「ピノキオの手紙」、「44の猫」など4種類のぬりえ本が出版されています。


   
   
2冊目は、昆虫の本です。ぬりえと学習という副題がついています。
絵は、「バッタ」ですが、左ページのバッタの絵にぬりえをしながら、右ページにはバッタの色見本とバッタについて「跳躍」という解説が書かれています。
色見本は、青みがかった緑とグレーで大変シックな色合いになっています。

それぞれのページの縁取りにカラフルなお花と蝶々が描かれています。このような飾りは珍しいです。


海外のぬりえ本には、色見本があるものが多いです。それを見ながらまず色を塗っていくので、余り考えないですぐに塗れるようです。色見本を塗る過程で色合い、配色を体得していくのではないでしょうか。


きいち時代のぬりえは色見本なしで、自分の好きな色を塗っていったものですが、最近のぬりえ本は、アニメのぬりえ本が多いので、それぞれのキャラクターの色が決まっていますので、その色で塗っていくようです。
それぞれの時代、環境によってぬりえの方法も様々ですね。


では、また来月をお楽しみに。


今月のエントランス

「おそうじ」
年代:昭和30年代
作者:きいち

手ぬぐいで頭を結わえて、手には「はたき」を持っています。お掃除をするときの定番のスタイルですね。昔は「はたき」と「ほうき」でした。今ははたきはハンディモップに、ほうきは電気掃除機に代わりました。便利になりましたね。


ぬりえ美術館メディア掲載情報
●朝日新聞出版「東京ミュージアムさんぽ」で紹介されました。
●訪日外国人向けメディアMATCH で紹介されました。
http://matcha-jp.com

展示室のご案内
★きいちのぬりえのほか、きせかえや海外から集めたぬりえ本の常設展示をしています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年11月12日

10月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.60 今月はスイス編です。

今月はスイスのぬりえ本をご紹介いたします。過去に2012年12月、2015年2月にスイスのぬりえ本をご紹介しています。

今回ご紹介する1冊目のぬりえ本は、ジュネーブで購入したものです。スイスは公用語が何ヶ国語かあり、ジューネーブはフランス語が使われています。
      

「Bonne fete MAMAN」は、お母さんの良いお祭りとでも訳すのでしょうか。お母さんの一日の生活やお母さんと過ごす様子などを描いています。この本をすべて塗ったり描いたりした後は、この本がお母さんへのプレゼントになると説明されています。
可愛いと思うぬりえ本は、やはり絵の印象によるところが大きいと思いますが、このぬりえ本もお洒落で可愛いと思いました。
日本では、アニメのぬりえ本しかありませんので、そういう点では残念だなと思います。


2冊目の本は、同じくジュネーブで購入した海賊を描いたぬりえ本ですが、この本の素材が面白いと思いました。
   

ツルツルしていますので、絵の上に透明のフィルムをのせているようです。表紙にはマジックインクがついています。ツルツルの紙には色えんぴつでは塗れませんので、マジックを使うようにこの画材がついているのでしょう。
海賊を描いた線が大変はっきりとしているので、小さい子どもでも塗りやすいと思います。

2012年12月のスイスのぬりえのご紹介では、黒いページのぬりえ本をご紹介したのですが、今回のツルツルぬりえ本も他では見たことがないものでした。
海外に行ってみますと、本当に珍しいぬりえ本を発見することがありますので、大変楽しいですね。

来月もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

「おんぶしてあげましょう」

年代:昭和30年代
作者:きいち
お人形遊びを背中におんぶしただけで、お母さんのように赤ちゃんをあやすような気持ちになって遊んだものです。あの当時のお人形が今より大きかったからできたことですね。


ぬりえ美術館メディア情報
・読売新聞7月19日(火)付け夕刊、”シティライフ”のコーナーで紹介されました。
・荒川区ACC発行の「ほっとタウン」9月号の”1マイルふらっと散歩”のコーナーで紹介されました。


展示室のご案内
★亜紀の企画展「ぬりえはファッションのテキストブック」を開催し、素敵なファッションのぬりえを展示しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年10月10日

10月の美術館ニュース(1)

良い季節になりました。日本の秋は、何をするにもいい季節ですね。いろいろテーマがありますが、今年はどんな秋を過ごしたいですか。美しい紅葉を楽しむ、読書に勤しむ、さあどのような秋にしましょうか。  


ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


タイトル:おままごと
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
    

10月のエントランスは、「どんなお遊びがお好き」をテーマにしたぬりえを展示しています。

昭和20~30年代の少女にとって一番好きな遊びといえば、やはり「おままごと」ではないでしょうか。お母さんのようにお料理や赤ちゃんのお世話、洗濯をしたりと真似をして遊んでいました。
家の中だけでなく、夏でも日陰の場所に茣蓙を敷いて、おままごとの道具をならべて、お友達と遊んだりしました。赤い実のなる草の実を捜しては、お赤飯に見立てて遊びました。確か「赤まんま」という名前の草だったと思います。身近にあるものを自分たちの遊び道具にして遊べたのですね。


子どもたちだけですと、食べられるものは作れませんが、近所のお姉さんが一緒に遊んでくれたときにはうどんをこねて、本当にうどんを作って食べたことがありました。
今でも忘れられないままごとの思い出です。


その当時子どもたちにとってはおままごとをするのは当たり前のことだったのでしょうね。
地方のお土産品の中にも、木を削ってつくったおままごと用のお茶道具とか陶器でつくられた小さい下駄やぞうりなどが売られていたようで、旅行のお土産にそのようなものを祖母が買って来てくれました。おままごとに使わないで、ケースの中に飾っておいた覚えもあります。


そのうちセルロイドやプラスティック製の道具が現れるようになり、駄菓子屋さんでも子どもが買える値段で出回るようなものも現れました。その時、その時の最新の形のものが作られて、急激に家電化していく様子が子どもたちの遊びの中にも見て取れます。(館)

Posted: Nurie : 16年10月10日

9月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ研究室』No.59 今月はフィンダンド編です。
今月はフィンランドのぬりえをご紹介いたします。以前には2012年9月と2014年7月にご紹介しています。


      
今回ご紹介する1冊目はやはり「ムーミン」のぬりえ本です。フィンランドといえばムーミンというくらい、ムーミンは人気がありますね。
フィンランドの首都ヘルシンキの街の本屋さんや空港にも沢山ムーミンの本や関連商品が溢れていましたが、最近日本でもムーミンのグッズが雑貨屋さんで目にするようになりました。私は女の子のリトルミーが好きで、いくつかグッズを持っています。


今回のムーミンのぬりえは160ページもある小型のぬりえ本です。タイトルは「ムーミン船」とありますが、中味は船に関係ないものが多く、たまたま表紙がこの絵だったという印象です。しかしどれもこれもムーミン谷の仲間たちの可愛い絵が一杯です。
子どもばかりでなく、大人にとってもムーミンは楽しめるぬりえだと思います。


2冊目の本は、昔のワークブックの復刻版です。
      

昔このワークブックで学んだ子どもたちが成長して親になり、自分の子どもたちにも自分が使ってきたワークブックをさせたいと望まれて復刻された本だそうです。
元々このワークブックを作られた人は、フィンランドでは著名な教育者であったそうで、
なかなか楽しいワークブックになっています。


参考に出した絵は、熊の子どもが着替えをしていますが、下にでているアイテムが絵の中にあるかどうかの間違い探しです。
2つ目の絵は、一番左の絵と同じ絵を探し出すというものになっています。
簡単なようですが、似た様な絵の中から正解を探し出すには、落ちついて、丁寧に見ていく必要があります。


フィンランドは、国際学力比較調査(PISA)で1位の国ですが、様々な理由、背景があっての1位ということだと思いますが、ずっと昔からこのワークブックのような形で「考える」ということに力を入れていたことがこの1位という結果につながっているのでしょう。


海外では、日本にないものを発見することができ、とても参考になります。
来月の海外ぬりえ研究室もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

「たまいれ」
年代:昭和30年代
作者:きいち

運動会の玉入れ競争は、単純であるにも係わらずとてもテンションが上がる競技ですね。勝敗もはっきりしていて、負けると悔しい思いをしたものです。運動会では、どんな競技が好きでしたか。


ぬりえ美術館グッズ情報

ぬりえ美術館のオリジナルグッズに「きいち暦」があります。
31枚のぬりえがついた日めくりタイプのカレンダーです。5、10日にはカラーの絵が入り、白黒のページはぬりえができるようになっています。人気のオリジナルグッズです。価格:1295円(税込)


展示室のご案内
★秋の企画展「ぬりえはファッションのテキストブック」を開催し、素敵なファッションのぬりえの展示しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年09月17日

9月の美術館ニュース(1)

残暑は厳しいですが、気分はもう秋です。秋といえば、オリンピックイヤーの今年ならばスポーツに決まりですね。オリンピックによって、関心の高まったスポーツなどもあります。今年の秋は、どんなスポーツに取り組んでみましょうか。
 
ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:まり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
    

9月のエントランスは、「秋はスポーツ」をテーマにしたぬりえを展示しています。
オリンピックのサッカーで、開催国のブラジルが初めて金メダルを手にしました。球場全体が動いているのではと思うほど、観客が喜んでいました。
サッカーはボール一つあれば、誰でも、どこでもできるスポーツなので、貧しい国でも取り組めるスポーツと言われています。そのためサッカーは世界中どこの国でも人気のスポーツです。


それに引き換え野球をしている国は少ないため、オリンピックのゲームに取り上げられませんでした。2020年の東京オリンピックでは再び種目になりましたので、楽しみですね。

日本では、まりというと「まりつき」になって、蹴るという方向には進みませんでしたね。
しかも少女のする遊びに分類されています。サッカー同様にまりが一つあれば、いくらでも遊べたものです。一人でもお友達と二人でも、まりつきを楽しめました。足の下をくぐらせたり、この絵の少女のように、スカートを履いていれば、まりをスカートの下にいれたりして遊んだものです。
昭和30年代の子どもにとって、まりはつくものであって、バレーボールやバスケットボールのように投げ入れたり、投げ落としたりというようなことは、想像できませんでした。やっとそういうボールのスポーツがあるのを知るのは、中学生のクラブ活動を知ってからということになります。


リオのオリンピックで日本中が夢中になりました。2020年の東京オリンピックでまた日本チームを応援しましょう。(館)

Posted: Nurie : 16年09月17日

7月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.57 オーストリア編


今月はオーストリアのぬりえ本をご紹介いたします。
公用語がドイツ語といういことから、ぬりえ本もドイツ語になっています。
今年入手したぬりえですので、最近の流行のぬりえ本の影響を受けてオーストリアでも細密画のモチーフ模様のようなぬりえ本もありました。世界的に流行していることが分かります。


   

さて今回ご紹介する1冊目は、モチーフ模様にもみえますが、流行のぬりえ本ほど細かくなく、子どもにも塗り易い楽しい柄のぬりえ本です。子どもたちが釣りをする様子や、オーストリアでも人気なのでしょう、お寿司のぬりえ、そしてサンダルなどの可愛い柄が一杯のぬりえ本です。男女の性別に関係なくどちらが塗ってもいいぬりえ本です。
日本では、子ども向けにこのようなモチーフの絵のぬりえ本は見かけませんね。


もう1冊は、モザイクのぬりえ本です。
   

先月東京都美術館で若冲の展覧会が開催されましたが、その中にモザイクで表現する動物の絵がございましたが、それを思い出してしまいました。
この本で著されているのは、恐竜やマンモス、狼や海の生物などです。


恐竜の見本の絵がついていますので、それを見ながらモザイクの中を塗っていくになっています。ページの中には、背景として一部色がぬられています。
モザイクというのは、子どもたちにとって小さい枠ですから意外に塗り易いものかもしれませんね。そして絵柄が男の子なら関心の高い恐竜ですから、塗ってみようと思うぬりえ本かもしれません。


いろいろな国のぬりえ本を見ていますと、日本では見かけないテーマがあり、日本にもあったら子どもたちが喜ぶだろうなと思うものが多々あります。


では、また来月をお楽しみに。


今月のエントランス


「たのしいボートのり」
年代:昭和30年代
作者:きいち

女の子が手こぎのボートを漕いでいます。地面を離れ、ボートに乗って水の上を揺蕩う感覚はいつの時代も、年齢を問わずにワクワクするものです。
水の中に手を入れる仕草などから、女の子のはしゃいでいる様子が伝わってくる爽やかな1枚です。


ぬりえ美術館メディア情報
・全国市町村教育委員会連合会の雑誌「時報市町村教委」5月号に館長の「ぬりえの魅力」の記事が掲載されました。


展示室のご案内
★6月~7月は常設展示となります。

Posted: Nurie : 16年07月02日

7月の美術館ニュース(1)

もうすぐ梅雨が明けて、夏がやってきます。今年の夏は気温が高めとの予報です。
夏を乗り切るには体力が必要です。運動と食事に気をつけて、暑い夏を迎えましょう。
 
 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


      
タイトル:こかげのハンモック
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


7月のエントランスは、「夏は海や山へ」をテーマにしたぬりえを展示しています。
 夏をどう涼しく過ごすかは、大きな課題の一つですね。
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」と徒然草に書かれていますので、皆さまもご存知のことかと思います。
最近では、夏の暑さが本当に酷くなり気温が30度以上の日が珍しいものではなくなってしまいました。そのため、最近の住宅事情によりますと、以前は南向きの部屋というものが好まれましたが、今はそうではないそうなのです。余りに暑さが厳しいからです。

夏に、このようなハンモックを見ると、「木陰の中でハンモックに揺られながら昼寝でもする」という姿が想像され、ああ、涼しそうだなと憧れてしまいます。


昭和の20、30年代には、赤ちゃんを寝かすときにハンモックに乗せて揺らしながら寝かしつけたということを思い出します。昔は夏になると、寝るときに蚊帳を部屋の中につり下げて寝ていましたから、ハンモックも同じように部屋の中に吊り下げることができたのでしょう。私が自分で覚えているのですから、もう幼稚園生くらいだったでしょうか。ハンモックでブラ、ブラ揺れているのが面白かったことを覚えています。
以前ハワイに行ったときに、大人でもハンモックで揺られているのを見かけたことがありました。誰もがどこでもハンモックを楽しめるわけではありませんので、うらやましい光景ではありました。(館)

Posted: Nurie : 16年07月02日

6月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.56 今月は ベトナム編です。

今月は、ベトナムのぬりえ本をご紹介いたします。2013年11月と2015年5月にもベトナムの本をご紹介しています。


今回ご紹介いたしますのは同じ出版社からのシリーズの2冊です。
      

ミツバチがお花に色を付けている表紙のぬりえ本は、昆虫のぬりえ本かと思いきや、果物のぬりえ本です。スイカ、オレンジ、イチゴ、パパイヤ、桃、野菜のかぼちゃや玉ねぎなどがあります。
そのほとんどが擬人化されていて、顔や手足がついています。子どもたちにぬりえは面白そうと思ってもらえるように工夫されているのでしょう。

ページの隅に色見本の小さい絵がついていますので、塗りやすいと思います。


もう一冊は、男の子が絵の具で塗っている表紙の本で、人々が仕事をしている様子を描いているぬりえ本です。
   
  
  
交通整理をしているおまわりさん、田植えをするお百姓さん、歌、コックさんなどです。
子どもたちにどのような職業があるのかを教えていくのでしょう。

こちらの本にもページの隅に色見本が付いています。

15ページの薄く小さい本ですので、手軽にぬりえをできるように考えられた本ではないかと思います。
これらの本は、シリーズで12種類のぬりえ本が出版されています。いずれも表紙の絵は、子どもたちや動物や魚などが、絵を描いている姿で、この本がぬりえ本であることがすぐ分かるように作られています。
ベトナムの子どもたちにも沢山ぬりえをしてもらいたいですね。


来月も海外のぬりえ本をお楽しみに。


今月のエントランス

「こぶりになったわ」

きいち、
昭和30年代

フードがついた素敵なレインコートを着た少女。小降りになったので、フードがあれば大丈夫。傘は手にかけて颯爽と歩きます。


ぬりえ美術館メディア情報
・水戸の地域情報誌、「サクラサクライフ」誌に、きいちのぬりえが掲載されました。
・NHK「おはよう日本」で、きいちのぬりえが紹介されました。
・シテイリビングの”調べるミルミル”にてぬりえ美術館が紹介されました。


展示室のご案内
★6月~7月は常設展示となります。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年06月05日

6月の美術館ニュース(1)

水無月、水の季節到来です。今年はひどい豪雨ではなく、しとしとと降ってほしいものです。 傘が手放せない時期でもありますので、傘の置き忘れに気をつけましょう。


 
ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
      

6月のエントランスは、「雨だって楽しく」をテーマにしたぬりえの展示しています。

タイトル:あめがやんだ
作者:きいち
年代:昭和30年代


きいちのぬりえは、毎月2つの版元(メーカー)より発売されていました。その為6月になれば梅雨の時期ということですから、雨の模様、様子を沢山描いています。 てるてるぼうず、どしゃぶりの雨、あめのひ、おしゃれなレインコート姿等など。


そして今月の絵は、「あめがやんだ」と題して雨上がりの様子を描いています。あめがやんだ時には、子どもたちはどういう行動をとるのか、何が楽しいのか、きいちの絵描きとしての視点が面白いと思います。

子どもたちにとっては、雨が降っていれば、それはそれで楽しく、どしゃぶりの雨の中でも出掛けてしまいます。そして雨がやんだら、右手を傘の外に出して、雨水が落ちていないかそっと調べて、安心したというような顔の少女。
道路には、沢山の水溜りができていますが、長靴を履いているから大丈夫。わざわざ水溜りの中を歩いて、家に帰ります。じゃぶ、じゃぶしても、へっちゃら。跳ねが上がっても、気にしない。雨がやんだら、こういうことができるのが子どもにとっては面白くてしかたないのです。


少女の気持ち、子どもの気持ちをよく捕らえていますね。子ども心をいつまでも持ち続けていたきいちだから、描けた雨の日の出来事だと思います。(館)

Posted: Nurie : 16年06月05日

5月の美術館ニュース(2)

「海外ぬりえ」研究室 No.55
今月はドイツのぬりえ本をご紹介いたします。前回は、2012年3月と2014年5月にご紹介しています。


今月の2冊は、絵が可愛いので購入してきたものです。何冊もこの魔法使いの少女の本がでていますので人気の少女だと思われます。
      


一つ目の本は、「数字脚本」と翻訳されますが、ぬりえをしながら”数字”を勉強する本です。表面で問題を解くと、裏面に回答が隠されています。1~5までの数字とコウモリやカエルが書かれているページは、数字の「1」を探す問題のようです。回答をみますと、カエルの絵のところに色を塗り、数字の1のところに、○をしています。次のページは、うさぎ、いるか、ねずみ、カエル、鳥がいます。鳥のところには、サイコロの中に●が一つ書いてあります。これを参考にそれぞれの動物の数がいくつかをサイコロの中に書いていく問題になります。数を覚えていくために、いろいろ工夫されています。


2冊目の本は、同じく魔法使いの少女の暮らしに関する本のようです。
      


最初の絵は、料理に関係する絵のようで、キッチンのストーブや食器棚や食料棚が描かれています。
2つ目の絵は、旅行用のトランクやボストンバッグと少女が描かれています。


この本は左ページはカラーで、色えんぴつ画のようなタッチで絵が描かれていて、右ページが上述のような絵が白、黒で描かれている構成になっています。
色を塗りながら、絵本を作って楽しんでいくのでしょう。

この本は左ページはカラーで、色えんぴつ画のようなタッチで絵が描かれていて、右ページが上述のような絵が白、黒で描かれている構成になっています。
色を塗りながら、絵本を作って楽しんでいくのでしょう。


ぬりえを楽しむには、やはりどんな絵かということが大事です。この絵が可愛いから塗ってみたいという気持ちにさせることが重要だと思います。
ドイツでは、きっとこの魔法使いの少女が可愛いのだと思いました。


いかがでしたか。
来月もまたお楽しみに。海外のぬりえ本をご紹介していきます。


今月のエントランス

「まきばのこ」
年代:昭和30年代
作者:きいち

つなぎを着て、とうもろこしを食べている少女。つなぎは珍しいと思いますが、昭和30年当時にも子ども用にジーンズのつなぎがありました。つなぎを着て、ホッピングをしたり、石蹴りなどをしてていた覚えがあります。本当にきいちは良く観察していますね。


ぬりえ美術館メディア情報
・小学館ウェブサイトPetomorrow http://petomorrow.jp/news_dog/15288 に大人のぬりえサロンの方のぬりえ作品3点が掲載されました。
・京成電鉄「ちょい旅」上野駅~町屋駅特集で、ぬりえ美術館が紹介されています。(4月~6月まで)


展示室のご案内
★春の企画展「童話・絵本のきいち」を開催し、童話・絵本のお話のぬりえを展示しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年05月07日

5月の美術館ニュース(1)

桜前線が北上し、東北、北海道で桜が愛でられていることでしょう。東京では新緑に目を奪われる時期になりました。最近夏の異常気象が言われるようになり、5月頃が一番いい季節かもしれませんね。どうぞいい時間をお過ごしください。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


     
タイトル:やわらかいしばふのうえ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


5月のエントランスは、「どんなファッションがお好き」をテーマにしたぬりえの展示しています。
 芝生の上に淑やかに座る少女。なんとエレガントなワンピースを着ているのでしょう。これは縞柄の服ではなく、柔らかなジョーゼットの生地のプリーツではないでしょうか。
子どもならこの時期、綿の服でも着ているのが普通であったと思いますが、ジョーゼットのような柔らかな素材の服を着れるなんて、なんて素敵なことでしょう。遊んだり、運動しても良いように丈夫な生地の服を着せられそうですが、ぬりえの中の少女は薄い、フワフワとした生地の服を着て、とても優雅に優しく見えます。

昭和30年代に小学生でしたが、あの当時はハレとケと言って、よそゆき(外出着)と普段着というものがはっきりしていて、どこかにおでかけの時は、程度はありますがお洒落したといいますか、よそゆき用の服を着てでかけたものです。


今なら遠足の時には、長く歩いたり電車にのったりしますからカジュアルなものを着るのが当たり前ですが、あの頃は遠足も特別な外出ということになり、お洒落な可愛い服、普段着とは違うものを着ていました。同級生と夏の遠足に行った時、わざわざデパートまで行って、薄いローンという生地のベージュ色の服を買ってもらって、出掛けました。友人たちもそれぞれお洒落した服で写真におすましして、写っています。そんな時代でした。(館)

Posted: Nurie : 16年05月07日

4月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室NO.54  ロシア編

今月はロシア連邦のぬりえをご紹介いたします。
以前には2012年5月と2014年6月にご紹介しています。

      

今回ご紹介しますのは、縦21X横13.8cmと小さいながら123ページもある本です。
中味は、ぬりえばかりでなく迷路やパズル、間違い探しなどいろいろな遊びができる構成になっています。また絵のタイプも1種類ではなくいろいろな絵のタイプが入っています。
この本の絵が手書きであることも魅力的であると思いました。
それぞれのページには、どのように遊んでいくか解説が入っています。


ページ数は多いですが、飽きずに最後まで本を楽しむことができるのではないかと思います。表紙は少し寂しそうな絵ですが、内容は大変濃い本だと思います。

      

もう1冊は、升目の中に模様の練習をしていく本です。この1冊の中に、963個のパターンが入っています。
日本語を勉強しているモスクワの学生たちにぬりえをしてもらったことがありますが、その中の一人が積み木を組みたてるぬりえの中で、積み木のそれぞれの面に違ったパターンを描いた女性がいました。
ロシアでは、このようなパターンを勉強の一環の中で教えているのでしょう。放課後に子どもたちに絵を教える学校でも、パターンを使っているところを見たことがあります。
日本では余り目にしたことがありませんでしたので、大変面白い本だと思いました。


海外には様々な本があるものですね。来月もまた海外のぬりえ本をご紹介いたします。


今月のエントランス

「でんしゃがはしります」
年代:昭和30年代
作者:きいち

少女の体の前に提げているのは、電車の車掌さんをイメージした電車ごっこのカバンです。
この中に切符や切符切りのはさみなどが入っていました。これを提げればすぐに車掌さんです。そして長い綱で大きな輪をつくり、運転手さんと車掌さんが前と後ろに立って輪を持ち、お客様はその間に入って電車遊びをしました。今では余り見かけることがなくなりましたね。


ぬりえ美術館メディア情報

●都営地下鉄4線の車内に、「都電サポーターズ」としてまちの駅が紹介され、ぬりえ美術館も掲載されています。
●京成電鉄「ちょい旅」上野駅~町屋駅特集で、ぬりえ美術館が紹介されています。
4月~6月末まで


展示室のご案内
★春の企画展「童話・絵本のきいち」を開催し、童話・絵本のお話のぬりえを展示しています。

Posted: Nurie : 16年04月02日

4月の美術館ニュース(1)

うか。有名な地でなくても、学校や神社など桜が人々を楽しませてくれていることと思います。春は楽しみが多いですね。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


     
タイトル:ほっぴんぐ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


4月のエントランスは、「あそびましょう」をテーマにしたぬりえの展示しています。
「ホッピング」という遊具が昭和の30年代に流行いたしました。
資料によりますと1957年頃に流行したとありますので、私が小学校2年生の頃になります。ジーンズのつなぎを着て、ホッピングでピョン、ピョン跳ね飛んでいたことを思い出します。ホッピングを使ってどこか目的地に行くということではなく、その場でジャンプをして遊んでいたと思います。

この遊具も、同じ頃流行したフラフープと同じように、ジャンプをしていると胃下垂になるという風評が広まり、下火になっていきましたが、ホッピングは1980年代ころに再び発売され、今ではスポーツ用のホッピングもあり、3メートルも飛ぶことができるそうです。
きいちがぬりえに残しているということは、やはり新しい遊具として東京ではホッピングが流行しているということを感じて、描いていたのでしょう。地方の子どもたちは、それをみて東京ではホッピングというものがあるのだなと理解したことと思います。


今と違って情報の伝達する早さが遅いですから、子どもたちにとってはぬりえでも十分に伝達方法の一つになっていたと思います。きいちのぬりえは毎月新商品が2つのメーカーに各4袋、合計8袋発売されていましたので、流行の情報もタイミングよく発信されていったことと思います。
ホッピングの思い出がありますか。(館)

Posted: Nurie : 16年04月02日

3月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.53   ハンガリー編 

今月はハンガリーのぬりえ本をご紹介いたします。前回2013年12月にクリスマスやアニメのぬりえ本を紹介しています。

1冊目は、ハンガリーのテレビで放送されている人形劇のぬりえ本のようです。
   

表紙や裏表紙には、実写の写真が掲載されています。
中味のぬりえを観てみますと、絵は手書きのようです。日本のアニメのぬりえ本のように線が均一でないところが、懐かしさを感じます。
1ページの中に、豚や動物など一匹を中心にフォーカスされ描かれていて、塗りやすそうです。ページによっては主人公の豚君のドアップの顔があったりします。
ページごとに短い解説が付けられていますので、子どもたちにとってはその絵の意味がよく分かるように工夫されています。
このぬりえ本の紙は、藁半紙のような紙なので、きいちのぬりえ世代の私にはとても懐かしく、温かい気持ちになります。


2冊目は、これは豪華なぬりえ本というよりぬりえをして、絵葉書や飾り物をつくる工作用の本になります。子ども向けというよりは、大人の方向けではないでしょうか。
      

中味は、カードになる絵があり、それと一緒に作り方が写真と文字で解説されています。
絵は見本の絵のように塗っていきます。カードにするため、どのように組み立てていくか、折り線なども裏面に描かれています。

1ページの裏、表で一枚のカードが作れるようになっています。
絵は、象、あしか、コアラ、猫の動物や飛行機にのったパイロット、キャンドルのついてケーキ、クリスマスのもみの木、お花、建物等、様々な絵があります。
それぞれのシーンに応じて、作ってプレゼントしたり、お家に飾っておくのに使えますね。
カードとして使うようなので、この本の紙質はとてもしっかりした紙になっています。


子どもから大人まで楽しめるハンガリーの本でした。

来月も海外のぬりえをご紹介しますので、お楽しみに。


今月のエントランス

「ひなまつりのおきゃくさま」
年代:昭和30年代
作者:きいち 

今日は、ひなまつり。桃の花も一緒に飾っておめかしして、お客様になるのは、楽しいですね。


ぬりえ美術館グッズ情報
「きいちのぬりえ」シリーズの中でもぬりやすい大判サイズのぬりえに最新刊「いとしいペット編」が登場します。昭和の暮らしに寄り添った動物たちの愛らしい姿をご堪能ください。
3月18日の発売予定です。


展示室のご案内
★春の企画展「童話・絵本のきいち」を開催し、童話・絵本のお話のぬりえを展示しています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年03月05日

3月の美術館ニュース(1)

今年の桜前線は、例年より早くなりそうですね。私の田舎は、埼玉県の幸手市ですが、権現堂の堤の桜が大変有名です。土手下に咲く菜の花と桜が一緒に見れることでも魅力の一つとなっています。日本人にとって、桜は特別な花ですね。
 
 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-

タイトル:おひなさまのおかし
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
   

3月のエントランスは、「ひなまつり」をテーマにしたぬりえの展示しています。


「雛祭り」はいくつになってもこころ時めく女性のお祭りですね。
今月のきいちのぬりえに描かれているのは、お雛様のときに飾って、食べるお菓子です。今では普段から美味しいお菓子が手に入り食べられますが、昭和20年~30年代はそうそう美味しいお菓子を毎日食べられるものではありませんでした。そういう時代に、雛菓子は特別なお菓子に位置づけられるものだったのだと思います。
ここに描かれているのは、籠に入ったお菓子ですが、たぶん砂糖で作った果物や鯛などのお目出度いものを形どったお菓子だと思います。その他、雛あられや菱餅などを飾りますね。

菱餅のピンク、白、緑の3色には意味があるそうです。ピンクは、健康と桃の花を意味し、白は清浄と残雪を、緑は穢れを祓うという思いがこめられているのだそうです。菱餅は、強い繁殖力を持つ水草のヒシの実に由来するのだそうです。
ぬりえ美術館のある荒川区は下町ですから、町の中に沢山の餅菓子屋さんがあり、お団子やお饅頭、海苔巻きなどが売られています。春になると草餅がでてきますが、蓬の入った草餅も雛祭りの3月3日のお節句に邪気を祓うために草餅をたべたということに由来があるそうです。


お菓子の話をしていると、お菓子が食べたくなりますね。皆さまのご出身の土地や今お住まいの土地での、雛菓子はどのようなものがありますか。(館)

Posted: Nurie : 16年03月05日

2月の美術館ニュース(2)

「海外ぬりえ」研究室 No.52 今月はカナダ編です。

今月は、カナダのぬりえ本を紹介いたします。2013年6月に一度ご紹介していますので、今回で2回目になります。


1冊目は、「ハリーポッター」です。
   
   


『ハリー・ポッターシリーズ』は、イギリスの作家J・K・ローリングによる小説で、1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの、因縁と戦いを描いた物語です。


第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』が1997年にロンドンで出版され、全く無名の新人による初めての作品であるにもかかわらず、瞬く間に世界的ベストセラーになり、世界的な社会現象となりましたので、皆様のご記憶にもあることと思います。
映画は、2001年から8本のシリーズで公開され、映画も大ヒットを記録しました。


その映画を基にしたぬりえが今回のぬり本えになります。ハリーポッター役のダニエル・ラドクリフや、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンらが描かれていますが、そっくりです。

カナダで見つけた本ですが、欧米の本屋さんではディズニーのプリンセス同様によく見かける本です。

もう1冊は、「面白さ一杯のActibity Book」です。
      


ぬりえだけでなく、番号順に色を塗っていくと絵になったり、迷路、間違い探しなどができるものを「Actibity Book」といいます。
6ページの非常に簡単な作りになっていますので、何か乗り物に乗るときに使うような、駅や空港で売っているActibity Bookと思われます。本と一緒にクレヨンが付いているのは、クレヨンを持っていなくても、これさえ購入すればすぐにぬりえができるように工夫されたものです。


欧米では、ぬりえは”乗り物に乗るときの必需品”なのです。日本ではその風習がありませんので、どうしてと思われるかもしれませんが、フランスでのぬりえの誕生を調べていたときに、馬車から汽車に変わったとき、汽車に乗るのを子どもたちが怖がったために、怖がらせないようにするために、ぬりえ本が誕生したことが分かりました。そこからフランスだけでなく、欧米では、ぬりえは”乗り物に乗るときの必需品”になって今に続いています。


また来月をどうぞお楽しみに

今月のエントランス
「かわいいこいぬ」

年代:昭和30年代
作者:きいち

少女が抱いているのは、柴犬でしょうか。
昭和30年代には、犬、猫の種類も数多くありませんでした。
最近ヨーロッパでは、日本犬が「賢い!」と人気だそうです。


ぬりえ美術館グッズ情報

袋入りぬりえは、昭和20~30年代に販売されていたきいちのぬりえの復刻版です。8枚入り324円で、テーマ別に7種類のぬりえがあります。
人気は洗濯機が描かれた「お手伝い編」と花嫁さんが描かれた「花嫁編」です。
中のぬりえを塗った後は、袋を額に入れて飾ることもできます。お土産にも最適です。


展示室のご案内
★昨年11月に開催しました、ぬりえコンテストの優秀作品を館内に展示しています。(今月末まで)

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年02月06日

2月の美術館ニュース(1)

今年は暖冬ということです。2月は梅ばかりでなくほかの花の便りもいつもより早いかもしれません。身もこころも楽になり、お出掛けしたくなりますね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:ぽちとみけ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
  

2月のエントランスは、「春を待つこころ」をテーマにしたぬりえの展示しています。
タイトルは、「ぽちとみけ」という動物を描いたぬりえです。昭和20年代は、犬や猫の名前といえば、“ぽち”や“みけ”というのが一般的だったのではないでしょうか。
「花咲じいさん」の歌にも、「裏の畑でぽちがなく・・・♪♪」と犬の名前はぽちになっています。
どちらが先かわかりませんが、犬をぽちと命名することが多かったように思います。

みけは、三毛猫から来ていると思います。最近三毛猫が少なくなっていると聞いたことがありますが、犬、猫にも流行があるようです。


犬派、猫派と好みはありますが、昔は両方飼う家も多かったと思います。猫はねずみをとってくれますし、犬は番犬として活躍してくれますから。
私はどちらかと言うと犬の方が好きですが、祖母が猫好きであったのでどちらも飼っていました。


子どもは猫かわいがりしますので、猫をぎゅっと抱いてしまって、猫が嫌がっていたのを思い出します。そういえば猫を抱いて撮った写真があります。地面がぬかるんでいましたので、霜柱が暖かい日差しの下で溶けてぬかるんできていた春の初めの頃のことでしょう。
これから温かくなってくると犬の散歩も楽になっていいですね。犬も喜んでいると思います。


春というと皆様は何を思い浮かべますか。(館)

Posted: Nurie : 16年02月06日

1月の美術館ニュース(2)

「海外ぬりえ」研究室No.51 今月は、シンガポール編です。

今月はシンガポールのぬりえ本をご紹介いたします。
今東京では、新しいぬりえの流行として細密画のような細かい絵のぬりえ本がフランスからやってきて人気となっていて、本屋さんの店頭には様々な細密画ぬりえ本が並んでいます。
この人気はフランスや日本だけのものではないようで、シンガポールのお土産としていただいたぬりえ本もこの種類の本でした。


この本では、シンガポールの名所、旧跡といわれる場所を描いています。その名所を近代科学の申し子のようなロボット君が訪れ、それぞれの場所に馴染みながら、旅をしていく様子が、描かれています。

シンガポールの伝統的な建築物は、中国であったりインド風であったりしますが、その国の建物のベースに伝統的な模様といいますか、形が含まれていますので、そのものがすでに細密画のようです。例えば建物のヒサシやテーブルに描かれた模様や龍の鱗模様などを
現代風にアレンジをして、伝統と現代のミックスの面白い効果をだしています。



表紙に描かれているマーライオンや魚の体に描かれた模様などは可愛らしくて新鮮です。
可愛らしいところが、女性に好まれている点の一つと思います。


インド寺院の建物に描かれている仏様は何体いるのでしょうか。仏様というより
大変人間的です。ロボット君もお参りしています。



建物のほかには、自然が描かれていますが、蓮の花やつぼみ、蓮の実、葉などが幾何学的
な線で描かれていて、美しい曲線を見せています。自然のものでさえ、このような模様になるかと、新しいぬりえ本の魅力を感じます。

このほか、シンガポールの近代的な高層ビル群、田舎の風景、屋台など、シンガポールに行ったら見られる景色をモダンにそして可愛らしく描いています。そこにいるロボット君の愛嬌に笑顔がふともれてしまいます。
これらの細かい絵に引き込まれて夢中になりそうです。

この細密画のぬりえ人気は今年も継続して大きくなっていくだろうと思います。


来月の海外ぬりえ研究室もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

「リレー」
年代:昭和30年代
作者:きいち

現代では、足袋に代わってスニーカーがランニングには欠かせないアイテムです。足下のスタイルは違えど、地面を軽く蹴って走る姿は、今も昔も変わらず、その楽しさを伝えてくれます。


ぬりえ美術館情報

ぬりえ美術館の人気グッズ缶バッジ(小)に、新しいデザインが加わりました!
右側の猫の絵柄は、特にご好評をいただいています。


展示室のご案内
★昨年11月に開催しました、ぬりえコンテストの優秀作品を館内に展示しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 16年01月04日

1月の美術館ニュース(1)

新年明けましておめでとうございます。今年も皆様のこころを温かくするきいちのぬりえをご紹介していきたいと思っております。新年早々の展示には、昨年のぬりえコンテストの優秀作品を展示いたします。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
 
ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


    
タイトル:ぼーるをなげる
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


1月のエントランスは、「冬はスポーツを楽しもう」がテーマのぬりえの展示しています。

冬になるとドッジボールを楽しみませんでしたか。体育の時間だけでなく、休み時間にもボールを持って友達とボール投げをしたり、ドッジボールをして遊んでいた思い出があります。

強いボールを投げる子もいれば、逃げ回っている子もいたり。ボールを上手く受け止められると、どこに投げようかと相手チームを眺めてボールを投げたものです。
ボールを投げたり、当たらないように走ったりしていると自然に体があたたまり、冬の運動としてボール遊びは誰にでも簡単にできるいい運動ではないでしょうか。その他のボールの運動には、バレーボールやバスケットボールなどが思い出されます。


ボールを手に持つことはできませんが、サッカーは最近では野球よりも子どもたちには人気があるようですね。また昨年はラグビーワールドカップでは、日本が五郎丸選手の活躍により3勝することにより、ラグビー人気が急速に高まりました。
ボール一つでいろいろな遊びができ、さまざまなボールの世界に広がっていきます。
子どもたちのスポーツの選択の幅が広がり、それらのスポーツを楽しみ鍛錬していくと、日本のスポーツの将来には大きな希望が生まれてきそうです。


今年はどんなスポーツを楽しみますか。(館)

Posted: Nurie : 16年01月04日

12月の美術館ニュース(2)

今月は、フランスのぬりえ本をご紹介いたします。過去には2012年1月と2014年3月にご紹介をしています。

   
   
今月は、いかにもフランスらしいというぬりえです。 フランスの超有名デザイナーであるイブ・サンローランのぬりえノートです。服のデザインをして、その上にイメージの配色を考えて新しいモードの服を生んで行くファッションの世界。考えてみるとデッサンと色、まさにぬりえの世界ではありませんか?このぬりえノートを見て、気が付かされました。


このぬりえノートは、パリの空港で見つけました。パリにはファッションショーやファッション業界に関わる人が世界中からやってきます。またファッションを学ぶ人たちも沢山いる場所です。そのような人たちにとっては、唾液の的であるサンローランのデッサンがぬりえノートとして存在するということは、やはりパリだな!と思わざるを得ません。

このぬりえノートに自分なりの色をつけて、自分もまたニューモードの作り手になったような気分になるのではないでしょうか。自分たちの勉強のため、また関係する人たちへのお土産として、空港で人気の商品ではないかと想像いたします。


今月のおまけ

こちらは、ぬりえではなく”シール”なのですが、あまりにもかわいい絵なのでご紹介します。描かれているのは、お姫様、妖精、魔法使いなど、女の子の好きなものばかり。
フランスの物なのに、日本のきいちのように三、四頭身であるのも、私がかわいいと思った理由かもしれません。
きっと日本人にも好まれるデザインだと思います。


来年度も海外のぬりえ本を紹介していく予定です。


今月のエントランス

「いいこにおもちゃのはいきゅうだ」
年代:昭和20年代
作者:きいち

沢山のおもちゃを袋にいれたサンタクロース。どこの良い子に配るのでしょうか。


ぬりえ美術館メディア情報
「パズル通信 ニコリ」に、”無心でぬる楽しみ”として紹介されました。

「読売KODOMO新聞」の”進化するぬりえ”の中でぬりえの歴史と共にきいちのぬりえが紹介されました。


展示室のご案内
*きいちのぬりえのほか、海外から集めたぬりえ本の常設展示をしています。

*館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年12月06日

12月の美術館ニュース(1)

今年も最後の月となりました。しっかりと、元気に締めくくって、新しい年を気持ちよく
迎えたいですね。気ぜわしい年の瀬に疲れたら、ちょっと一枚ぬりえでもして気分を落ち着かせてみるのはいかがでしょうか。今年もご来館いただきまして、ありがとうございました。
 
 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


タイトル:クリスマスツリー
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
     

12月のエントランスは、「クリスマス」がテーマのぬりえを展示しています。
クリスマスの時期になると、クリスマスプレゼントは何かしらと、いつも楽しみにされたことでしょう。


昭和30年代に、テレビが家庭に普及していきアメリカのホームドラマが放送され人気に時代、それあのドラマの中にある大きな冷蔵庫やテレビ、綺麗に飾り付けられたクリスマスツリーなどを見せられて、うっとりとして画面を眺めていたものです。クリスマスはあのようにお祝いするのだと知らされました。


昭和20年代後半の頃でしたが、大きなクリスマスツリーは、幼稚園の中で園児や先生とで飾りつけして、クリスマス気分を楽しみました。クリスマスのお遊戯会では、お友達と二人で“ジングルベル”を踊ったことも懐かしいクリスマスの思い出です。

赤いサンタクロースの服を着て、大きなプレゼントの袋を担いで、園児たちにプレゼントを配ったのは、私の祖父でした。体格が良かったので、サンタクロースのおじいさんのイメージにはびったりでした。可愛い孫のために、人肌脱いでくれたのでしょう。


今は美味しいケーキが普段でも食べられるようになり、プレゼントもいつでも貰えるようになり、ケーキやプレゼントが特別のものでもなくなりましたが、「クリスマス」という言葉に特別の魔法があると感じるのは私だけでしょうか?(館)

Posted: Nurie : 15年12月06日

11月の美術館ニュース(2)

「海外ぬりえ」研究室 No.49 今月は、アメリカ編です。

今月は、アメリカのぬりえ本をご紹介いたします。今回で3回目となります。
今回は妖精(Fairlies)とエッシャーのぬりえ本です。

   

妖精のテーマはお姫様と同様に海外のぬりえにはよく見かけるテーマです。ファンタジー、夢というものを感じさせるからでしょうか。
今回は妖精のテーマの本を3冊ご紹介しています。
「Trolls,Elves and Fairies」(巨人、小人、、小妖精、妖精たち),「Deluxe Fairies」、「A-Z Garden Fairies」
どれもお花畑で戯れる妖精たちが描かれています。


海外でのぬりえ本は、子どもたちが塗るための本として作られていますが、今回のぬりえ本に描かれた妖精たちは、子ども、子どもした可愛い妖精もありますが、多くはは大人っぽい姿であるのに驚かされます。ちょっと背伸びをしたい子どもたちの憧れの対象なのかしらと思います。
妖精だけでなく、背景に描かれたお花や草木などを塗ることもできますので、植物などの観察にも役に立つぬりえとして良いと思います。

   

もう1冊は、「エッシャーのぬりえ本」です。
マウリッツ・コルネリス・エッシャーはウッドカット、リトグラフ、メゾティントなどの版画製作でよく知られたオランダの画家(版画家)で、ジグソーパズルのように平面を黒と白の模様で埋め尽くす手法や幾何学的趣向の強い作品を作成しています。
1950年代にアメリカの若者たちに人気となったそうです。


この本では、動物、昆虫、魚、人間、鳥などの連続模様が描かれています。幾何学的な模様ですから、大人の方向けにも面白いと思います。
妖精にエッシャー、海外のぬりえの面白いテーマをご紹介しました。
来月はフランスのぬりえ本をご紹介する予定です。


今月のエントランス

タイトル:『おしゃみせん』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち

母の子どものころ、この町屋辺りでもお三味線の音が聞こえてきたそうです。伝統的なも
のがこれからも続いていくといいですね。


ぬりえ美術館メディア情報
東京都交通局情報誌「ぴっくあっぷ」 10月号に“都営沿線個性派&注目のミュージアム
として紹介されました。


【展示室のご案内】
★きいちのぬりえのほか、 海外から集めたぬりえ本の 常設展示をしています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、 自由にぬりえを塗って楽しんで いただけます。

Posted: Nurie : 15年11月03日

11月の美術館ニュース(1)

11月は、霜月。師走の12月を残すところとなり、なにかと慌しい気分になりがちですが、
冬のピリッとした空気を吸い込んで、さっそうと残りの2ヶ月を乗り切りましょう。
 

ぬりえのこころ  今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:アコーディオンをひいて
作者:きいち
年代:昭和20年代
    

11月のエントランスは、「お稽古」がテーマのぬりえを展示しています。

お洒落な椅子に座って、アコーディオンを弾く少女。
昭和20年代は、アコーディオンは人気のある楽器だったのでしょうか。NHKののど自慢の伴奏にアコーディオンを弾いて人気だった演奏者がいらっしゃいましたが、ポピュラーであったのかもしれませんね。
日本には江戸時代末期にオランダから入ってきたようです。大正時代には、アコーディオンは手風琴と呼ばれたそうです。ちなみにピアノは、洋琴、オルガンは風琴といわれたそうです。

1920年代から30年代にかけて、西欧では軽音楽の全盛期で、とくにフランスではアコーディオンが時代の花形として活躍していました。昭和4年(1929年)にフランス映画「巴里の屋根の下」が日本で大ヒットしたことから、その映画に流れていたアコーディオンの音が大衆に影響を与え、人気となったことが伺えます。


又当時の一流月刊誌が「モボ(モダンボーイの略、今なら進歩的エリート青年の意)の三種の神器とは、ダットサン(車)、ライカ(カメラ)、アコーディオンを持つこと」という記事をあげていることからも、アコーディオンの人気がわかりますね。


小学校の音楽の授業で、アコーディオンを弾いていたのは、背の高い少女でした。大きなアコーディオンを弾く姿が大変素敵に見えて、憧れたものです。(館)

Posted: Nurie : 15年11月03日

10月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.48 今月は、ギリシャ編です。

今月はギリシャのぬりえ第2回目をご紹介いたします。前回は2012年の7月にご案内して
います。
今回のぬりえは、ロードス島に関連するぬりえとギリシャの祝日に関するぬりえ本です。


1、「色を塗って学ぶギリシャの民芸 ロードス島のデザイン」
ロードス島ガレー船などの船、花や鳥などの民芸に見られる主たるデザインが描かれてい
ます。
   
「3段オールのガレー船」は、オールの順序や船の帆に描かれた古代の神を通して、古典
時代のギリシャがこのデザインによみがえらせます。「鷲」は空の絶対的な王者であり、誇り高く未来を展望しています。



「カーネーション」ロードス島の冬季やギリシャのすべての種類の民芸に見られる、もっとも好まれた題材のひとつです。


この本はシリーズになっていて、12種類ものテーマが出版されています。
左ページには色見本がついており、それを見ながら塗っていきます。
子どもたちは、自分の国の文化をぬりえを通じて楽しみながら覚えることができますね。

2.「一年の祝日に色を塗る」
ギリシャの記念日の絵が描かれています。
「復活祭」キリストが復活したことをお祝いする復活祭。赤い卵をぶつけあったり、羊の肉を焼いたりするのが習慣ですが、子どもたちが卵をぶつけあっています。
   

「聖灰月曜日」は、凧揚げをして、その日はお肉を食べないそうです。聖灰月曜日は、イ-スターまでの40日間の最初の日になります。
「3月25日」は、トルコ人によって400年続いた奴隷の境遇から解放されたことを祝う日
です。


海外のぬりえ本を見ていますと、日本のぬりえには無いテーマを時々見ることがあります。
この記念日のぬりえ本も初めてみるものです。自国の記念日を意識的に学ぶことができ
て大変良いアイデアだと思います。

 
今回も珍しいぬりえ本をご紹介できたのではと思います。来月もどうぞお楽しみに。


今月のエントランス

『きんのふねにのるおひめさま』
年 代 : 昭和20年代
作 者 : きいち
1941年に講談社の絵本として「コガネノフネ」が出版されています。その絵本のお話
を元に描かれたぬりえだと思いますが、生憎詳しいストーリーがわかりませんでした。
当時はポピュラーなお話だったのでしょう。


ぬりえ美術館情報
きいちの手ぬぐいが4種類発売されて、大変好評です。 1枚1,200円+税


【展示室のご案内】
★きいち没後10年 「ありがとう 忘れない」第二弾を 開催しています。

★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、 自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年10月05日

10月の美術館ニュース(1)

10月になりますと秋のお祭りやイベントが各地で盛んになりますね。早くも菊祭りなどの声も聞かれます。菊が咲き始めれば、紅葉狩りももうすぐですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:まほうのりんご
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
  
10月のエントランスは、お姫様がテーマのぬりえを展示しています。

きいちは、戦後に仕事を始めるにあたり、絵本をやってみたい気持があり、何冊か絵本を描いています。
その後、戦前にも描いて人気となっていたぬりえを本格的に始めますが、ぬりえの中で絵本的なものを描いています。「まほうのりんご」は白雪姫のお話ですが、シンデレラやチルチル・ミチル、眠り姫、ジャックと豆の木等々、描いています。
あの時代、絵本が買えなくても、ぬりえを通じてお話を楽しむことを子どもたちが出来るようにと思って手がけていたのではないかと想像いたします

白雪姫やシンデレラ、眠り姫など、今ではウォルト・ディズニーの絵が世界的に有名となっていますので、それらの絵を思い浮かべてしまいますが、昭和の20年、30年代に描かれた絵本には、日本人の画家たちが描いたものがあり、それぞれのオリジナリティーあふれた作風で子どもたちを楽しませていました。


今見ても素晴らしい挿絵で、子どもの頃にはどんな人が描いていたかもしらずにそれらの絵本を読んでいたわけですが、とても幸せな時間をもらっていたのだと大人になって思います。個人的には、蕗谷虹児の作品が好きですが、「おやゆび姫」、アンデルセンの「海つばめ」、「シンデレラ」等々、子どもたちに夢を与え、ワクワクさせる絵本を描いてくださっていたと感謝をしています。


子どものころ、どんな絵本を読んでいらしたか、覚えていらっしゃいますか?

Posted: Nurie : 15年10月05日

9月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室No.47   今月はベルギー編です。


今月は、ベルギーのぬりえ本をご紹介いたします。
2冊ありますが、同じ出版社のものです。

   
青い表紙の女の子のすべり台のぬりえ本は、ウィンドサーフィン、山登り、乗り物、プール、凧揚げ、サッカー、バンド(音楽)、犬と散歩、消防士と消防車、スキー、お花の水やり、ボーリング、子どもの用電車、スケートボードなどが、見開きで描かれています。

   
赤い表紙の男の子のラジコンのぬりえ本は、三輪車、インディアン、ヨット、ラジコン、鶏にえさ、雪だるま、バスケットボール、お風呂、玩具の乗り物、すべり台、スキー、キッチン、油絵、子どもの自動車、羊飼いなどが描かれています。

見開きページの一部に色が付いていますので、それを見本にぬりえの部分を塗っていくような構成になっています。
色見本にない部分については、自分の好きな色で塗るのでしょう。


これら2冊の本は、シンプルではっきりとした太い線が描かれていますので、この本の対象の4歳児には、ぬりやいと思います。子どもたちに関心のあるテーマを年間を通して楽しめるように絵が選ばれていますので、いつの時期に購入してもすぐに楽しめそうです。


見開きで絵を見せる事により、広い景色もみせることができるので、ぬりえの使い方に広がりができるようになるのではないかと思いますので、面白い構成であると思います。


それぞれの国で、様々なタイプのぬりえあるものですね。

今月のエントランス

タイトル:『おいけにうつったおつきさま』
作者:きいち
年代:昭和30年代
水面に揺らぐおつきさまを見つめているなんて、まるで平安時代のお姫様のようで、
とてもロマンチック。
月を眺める少女の表情から、あなたは何をイメージされますか?かぐや姫、うさぎさん・・・
そしてどんな色に塗りましょうか。


ぬりえ美術館メディア掲載情報
・8月7日(金)朝日新聞夕刊「各駅停話」に掲載されました。
・8月20日(木)日本テレビNews Every で紹介されました。
・8月31日(月)NHK「ひるまえほっと」でデコぬりえ®が紹介されました。


展示室のご案内
・きいち没後10年「ありがとう 忘れない」第二弾を開催しています。
・館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年09月05日

9月の美術館ニュース(1)

九月になりましたが、まだまだ暑い日が続いております。それでも気分的には、秋の
お月様を愛でる様な気分を味わいたいものです。くっきりとした月を見てみたいですね。

 
ぬりえのこころ 今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

   
タイトル:うさぎのダンス
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
9月のエントランスは、お月様いくつをテーマに月のぬりえを展示しています。


「うさぎのダンス」は、1924年(大正13年)、児童雑誌「コドモノクニ」に発表されましたもので、詩人・民謡・童謡作家の野口雨情(1882~1945)が作詞し、作曲家中山晋平(1887~1952)が曲を付けましたものです。当時、童謡に合わせて踊ることが流行していたそうです。
そういえば私が持っていた「可愛い魚屋さん」のレコードにも踊りがついていたような記憶があります。


それにしても「うさぎのダンス」というタイトルを聞いただけで、踊りだしたくなりますね。「ソソラ ソラ ソラ うさぎのダンス  タラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタラ  あしで 蹴り 蹴り  ピョッコ ピョッコ 踊る ・・・」 きっと幼稚園ではこの歌にあわせて、子どもたちがピョン ピョンと跳ねて踊っていたことと思います。


小さい子どもの頃、「お月様にはうさぎが住んでいて、お餅つきをしている」聞かされて、
中秋の名月の中にうさぎを探したことも思い出します。今でも子どもたちはそのようなお話を知っているのでしょうか?
それとも、7月に日本人宇宙飛行士をのせてロケットが宇宙に飛び立ちましたが、そのようなことを思い浮かべるのでしょうか?


お月様から想像がどんどん広がりますが、子どものころから夢を見て、夢を膨らませていって欲しいものですね。(館)

Posted: Nurie : 15年09月05日

8月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.46 今月は、キューバ編です。
今月は、キューバのぬりえ本を紹介いたします。


1冊目は、「Colorea La Historia」
 歴史をぬりえしよう!というタイトルでしょうか。
      

全ページにキューバの歴史が短い解説とともに描かれています。中にはチェ・ゲバラやカストロも描かれています。
ぬりえは子どもたちがするものですが、小さいときから自分の国の歴史について、難しいという思いをしないで、ぬりえをしながら知ることができるのは、とても良いことだと思います。


2冊目は、「Cantar y colorear」
歌とぬりえとでも訳したらいいでしょうか。
      

左ページには、歌の歌詞、右ページにそれに関するぬりえで構成されています。
歌付きぬりえという本も初めてみるものですが、歴史のぬりえ本同様にぬりえをしながら歌を覚えられるという楽しい本ではないでしょうか。

他の国でよく見るのは、ぬりえをしながら国語や英語や数学を学んでいくというものですが、今回のキューバのぬりえ本は、今までに無い歴史や歌などのコンセプトでした。


ぬりえを通じて、いろいろなことが学べますね。

いかがでしたか? 来月はベルギーのぬりえ本をご紹介する予定です。


今月のエントランス

『ところてん』
作者:きいち
年代:昭和30年代

夏は、“ところてん”がいいですね。実は、ところてんはかなり古い歴史があり、夏の季語にもなっています。
ここ最近は、ところてん突きをしてから食べる機会は少ないと思いますが、あなたはさっぱりと三杯酢や酢醤油派、それとも黒蜜派?
暑い日は敢えて屋外で、冷たく冷やしたところてんをつるっといただいてみたいですね。


メディア掲載情報
8月7日(金)朝日新聞夕刊「各駅停話 都電荒川線 町屋二丁目」にて、ぬりえ美術館が紹介されました。
8月25日(月) NHK総合(11:05~11:54)『ひるまえほっと』にて、大人のぬりえサロンのデコぬりえ®が放映予定です。


【展示室のご案内】
●きいち没後10年 「ありがとう わすれない」 第2弾を開催しています。 
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、 自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年08月08日

8月の美術館ニュース(1)

今年の夏は、どのように過ごされますか。図書館などでゆっくりと本を読むのもいいですね。暑い時間を涼しく過ごすことができます。 外で過ごされる場合は、水分をとって、熱中症には十分に気をつけてください。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:スツールに腰掛けて
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

  

8月のエントランスは、夏のスタイルブックと題しまして、ファッションに関するぬりえを展示しています。


昭和30年代をよく表しているスツールが描かれています。赤とブルーのスツールと大変良く似たスツールが私の家にもありました。色は赤と黒でした。
きいちのぬりえには、その時代、時代の流行、ファッションが描かれていますので、子どもの頃にきいちのぬりえで育った人には、懐かしくて堪らない
魅力があると思います。このスツールを見たら、「そうそう、こういうものがあったわ」と思い出されるからです。

流行のものを描いてはいますが、すこし先端の流行であり、誰でもがそれらの持っていないような早い時期に描いて見せています。まだまだ豊かではなかった時代ですから、そういう新しいものがあるとは知っていても、誰もが買える時代でもありませんでした。


しかし描かれたものは、子どもにとっても、それは格好いいものとして、目に映ったとみえて、きいちのぬりえは大変な人気となり、よく売れたものです。こんなものを着たい、着てみたい、こんなものを欲しいな、という気持でぬりえをしていたのだと思います。


スツールに座っている少女のストライプのパンツも「サブリナパンツ(オードリー・ヘップバーンの映画で流行したパンツ)」のように少し丈が短めで、丁度今の流行と似ていますね。またお隣の四角いスツールに座る猫も三毛や虎のような雑種の猫ではなくて、血統種付き猫のようです。(館)

Posted: Nurie : 15年08月08日

7月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

『でぱーとのしょくどうで』  
年代:昭和30年代
作者:きいち


テーブルにはホットケーキに、ショートケーキ。食べているのはアイスクリームでしょうか。
デパートにお買い物に行くのは、お出かけの中でも一番楽しい場所であり、お買い物のほかに食堂で美味しいものを食べるのは、もっと嬉しい場所でした。

メディア掲載情報
6月23日(火) テレビ朝日『若大将のゆうゆう散歩』で紹介されました。

Posted: Nurie : 15年07月05日

7月の美術館ニュース(1)

『海外ぬりえ』 研究室 No.45  今月は、インド編です。


今月はインドのぬりえ本をご紹介いたします。
前回は2012年11月にインドのぬりえをご紹介しています。

今回ご紹介するのは、モザイクと動物や鳥などのぬりえ本です。

1.「モザイク MOSAIC FUN」
      

この海外ぬりえ研究室では、マンダラのぬりえ本をいくつか紹介していますがモザイクのぬりえ本は初めてとなります。
「モザイクとは、小片を寄せあわせ埋め込んで、絵(図像)や模様を表す装飾美術の手法。
石、陶磁器(タイル)、有色無色のガラス、貝殻、木などが使用され、建築物の床や壁面、
あるいは工芸品の装飾のために施される。この装飾方法は古くから世界的に見られ、宗教画や
幾何学模様など様々なものが描かれており、歴史上、カテドラルの内部空間やモスクの外壁などの装飾手法として特に有名である。」というものですが、確かに海外の教会の建築の中に
みたことがあると思われる方がいらっしゃると思います。

2014年1月にアメリカ編で幾何学的な「キルトとプリズムのぬりえ本」を珍しいジャンルとして紹介していますが、このモザイクもそれに順ずる珍しいぬりえ本です。
ご自分の家の装飾をイメージしながら、塗るのでしょうか。幾何学的に組み立てられて
いますので、配色などはかなり頭脳を使って塗る必要があり、じっくり考えて
取り組むのによいぬりえ本です。


2.「Students'Educational Coloring Books(生徒のための教育的ぬりえ)」
         

鳥や動物が表紙に描かれたぬりえ本です。生徒のための教育的ぬりえとタイトルに
あるように、教育的な言葉がぬりえの下に書かれています。たとえばおんどりの下には、「おんどりのように、毎朝早く起きましょう」と書かれています。ふくろうの絵には、「遅くまでおきているふくろうの真似をしないで、毎晩早く寝ましょう」。
うさぎの絵には、「うさぎのように、フルーツと野菜を毎日食べましょう」と書かれています。
可愛い鳥や動物の絵をぬりえしながら、それぞれの教育を学んでいくことでしょう。


インドは世界の印刷の工場になっていると言われています。様々な国のぬりえ本がインドで印刷されて、海外に送られているのでしょう。


いかがでしたか。来月はキューバのぬりえ本を紹介していきます。どうぞお楽しみに。

Posted: Nurie : 15年07月05日

6月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.44  今月は、スペイン編です。
今月は、スペインのぬりえ本を紹介いたします。

      
1冊目は、久しぶりにマンダラです。テーマはお姫様です。

中の絵は、①いろいろなお姫様、②お姫様の使用する物、鏡や櫛の絵、③お姫様の好きなケーキや紅茶のセット等々、④王子様、⑤蛙の王子様等々、様々なお姫様関連の絵で構成されています。
絵のテーストは少しマンガチックかも知れませんが、気取らない、キュートなお姫様たちがいっぱいです。


塗ってみたいと思うのは、可愛い!とか”素敵”とか”着てみたい”、”食べてみたい”等の自分がしてみたいという動機が一番です。その気持をそそる絵の集まりでとても素敵なマンダラです。


マンダラをみていていつも思うのは、「海外にはどうしてこのように可愛いマンダラの本があるのかしら?」ということです。女の子が好きなテーマの絵であれば、日本でもマンダラを子どもたちが塗ってくれると思うのですが。

      

2冊目は、「怪物」モンスターのぬりえです。でも、とても可愛いモンスターです。
モンスターがバレーをしてみたり、トイレットペーパーで体をグルグル巻きにしたり、お菓子を食べたり、海にもぐったり、様々なモンスターの行動を描いています。
いわゆるきいちのぬりえのような人物の一つの動きだけでなく、モンスターとその背景にストーリー性があるぬりえになっているので、様々な空想が広がっていくぬりえになっています。


スペインでは、幼稚園でも勉強の中にぬりえを沢山取り入れています。そして、自宅でもこのようなぬりえの本を楽しんでいるのだと思います。
いかがでしたか? 来月は、インドのぬりえをご紹介いたします。

今月のエントランス

『バレーのおけいこ』  
年代:昭和30年代
作者:きいち
寄贈:川越公子氏


フリフリのバレーのドレスにパーマをかけた長い髪、そして頭には大きなリボン。当時の少女の憧れがすべてつまっているぬりえです。バレーのお稽古ができなくても、ぬりえの世界でその夢を叶えてもらえました。


人気のきいちオリジナルグッズベ・ス・ト3
ぬりえ美術館ではきいちのオリジナルグッズを販売しています。人気ベスト3は、
1.缶バッジ(小)
2.カレンダー
3.ノートです。
どれも可愛いので、ぜひ手にとってお気に入りのグッズを見つけてださい。


【展示室のご案内】
●きいちぬりえのほかに海外から集めた ぬりえなどを常設展示をしています。 
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年06月13日

6月の美術館ニュース(1)

梅雨の季節を迎える頃となりました。今年は桜の時期が寒かったのですが、6月は梅雨らしい梅雨とでもいいましょうか、穏やかな降雨であって欲しいと思います。

 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

  
タイトル:トモ子ちゃんのバレリーナ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:飯塚 赫子氏

6月のエントランスは、バレリーナ/チュチュに憧れてをテーマにバレリーナのぬりえを展示しています。


赤いチュチュに赤いトーシューズ、可愛いトモ子ちゃんがバレリーナ姿でぬりえになれば、沢山このぬりえが売れたことだろうと想像できます。
松島トモ子は、月刊誌「少女」の表紙モデルを一人で10年間していたそうです。その雑誌の中で、バレー姿を数々見せていただろうと思います。映画に出演するとともに童謡も歌っていたので、子どもたちにとって、今で言う「アイドル」として絶大な人気を誇っていました。
そのアイドルが日本の舞踊ではない外国から来た踊りのバレーをするというだけで、何かお洒落な雰囲気が漂い、当時の少女たちを夢の世界に誘ってくれたのはないでしょうか。


今の子どもたちもこのようなドレスは大好きなようです。館内に「きいちのきせかえ人形」を置いて遊んでいただいていますが、その中にバレーの衣装があるのですが、この衣装が一番人気があります。その背景は、フィギュアスケートです。浅田真央ちゃんらのスケートが人気があるので、そのスケーターの衣装と似ているからのようです。女の子の好きなものは、変わらないのだなと実感します。


いまや日本のバレリーナは世界的になり、数々のコンテストで優勝者を出すほどになっています。戦後70年、時間はかかりましたが、踊りや音楽の芸術の世界や野球、サッカーなどスポーツの世界で通用する人材が出てきているのは、本当に素晴らしいことだと思います。これからも素敵なバレーダンサーが輩出されることを期待しています。(館)

Posted: Nurie : 15年06月13日

5月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.43 今月は、ベトナムです。
今月はベトナムのぬりえをご紹介いたします。前回は2013年11月にご紹介しています。


ベトナムぬりえ本の1冊目は、子どもの遊びをとりあげた本です。
   
   


左ページには、その遊びの解説と思われる文章があり、右ページにちょっと素朴なイラストのぬりえが
描かれています。本の中には、これらの遊びと同じ絵のシールがあり、このシールを色見本としてぬりえをしていくようです。手と手を引っ張りあったり、綱引きをしたり、子どもの遊びはどこでも似たような遊びがあるようですね。


2冊目のぬりえは、鳥と昆虫を描いたぬりえ本です。
      


それらの鳥や昆虫が、人間のように何かをしている様子を描いているのが面白いですね。
ぬりえのページには、点線で四角が書かれていますので、この本にも1冊目と同様についているシールをここに貼って、シールの色を色見本として色を塗っていくものと思われます。

この本はシリーズ化されて、動物、魚、昆虫、車など12種類ものぬりえが販売されています。ぬりえとすぐに分かるように、それぞれのテーマの動物や魚などが、絵筆を握ったり、色鉛筆などの画材を持っている様子が表紙になっています。


ベトナムでは、1960年代から70年代半ばにかけてベトナム戦争がありましたので、親の世代では、ぬりえをしたことがないという人たちもいます。社会情勢が厳しい国では、ぬりえをすることができないこともあるのです。
なんでもない子どもの遊びのぬりえですが、ぬりえは平和であるからできる、平和の象徴かもしれませんね。


来月もまた海外のぬりえをご紹介していきます。


人気のきいちのぬりえ本 ベスト3
きいちの大判ぬりえは、14種類発売されていますが、ぬりえ美術館で人気の大判ぬりえは、
1.秋冬編、2.仲良し編、3.お食事編 です。
是非、手にとってご覧くださいませ。


今月のエントランス

 『しんぶん』
年代:昭和30年代
作者:きいち


大きな新聞を広げて、読む少女。小学生でも新聞を読んで、クラスの中で
発表をしたりしたものです。
小さいころから新聞に慣れていくのは大切なことですね。


展示室のご案内
●きいち没後10年「ありがとう忘れない」 第1弾を開催しています。(5月まで) 
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年05月02日

5月の美術館ニュース(1)

今年のゴールデンウィークは、連続5日間。もし4月29日の昭和の日から5月10日までお休みがとれた場合、12日間の長~い休暇となります。5月のお休みにあれもしたい、これもしたいと楽しみが一杯ですね。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 

タイトル:ひだのこまかいスカート
作  者:きいち
年  代:昭和30年代  

5月のエントランスは、みんなリボンをつけていたをテーマにぬりえを展示しています。
きいちのぬいえの少女は、皆頭に大きなリボンをつけています。二つ付けている少女も描かれています。
リボンでさえ、昭和20~30年代にはちょっと高価なものだったのです。その憧れをぬりえの中で少女の心を満たしてくれる様に、大きなリボンを必ず描いてくれていました。

当時町には小間物屋さんと呼ばれる店があり、化粧品や袋物、アクセサリーなどと一緒にリボンの飾り棚があり、リボンが売られていました。細い幅から広い幅のもの等いろいろありましたが、幅の広いリボンは高級品です。ベルベットのような生地や絹のツルツル輝くような様々な素材のリボンがありました。髪につけなくても、美しいのでリボンを見ているのは、とても楽しいものでした。


1960年代、中学生になると三つ編みした髪に細いリボンを付けていました。三つ編み少女はだれもがリボンを付けていた時代でした。
その後小間物屋さんが無くなっていき、近所の店でリボンを見ることも無くなりました。
洋裁をなさる人向けに、日暮里の繊維街のような所にリボンの専門店があるのかもしれません。


今ぬりえ美術館の「大人のぬりえサロン」では、デコぬりえ®というものを作っています。そのデコの材料のために、頻繁にリボンを探しに行きます。スパンコールの入ったものや金糸、銀糸の入ったもの、様々なリボンをデコぬりえ®のために用意します。
子どもの頃に買えなかった思いを、今大人買いをして晴らしているのかもしれませんが、いつになっても美しいものを見ているのは楽しいものです。


皆さまも子どもの頃はリボンをつけていましたか。(館)

Posted: Nurie : 15年05月02日

4月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.42   今月は、チェコです。

今月は、チェコの人気アニメの「アマールカ」と鳥や学校の先生のぬりえ本を紹介します。

   

アマールカは、チェコの人気アニメのキャラクターで、日本でも人気のなっている森の妖精です。チェコでは、子どもたちが眠る前に観る「お休みアニメ」と称される子ども向けアニメのキャラクターです。日本での人気は、キャラクターの愛らしさやほのぼのとしたストーリーから人気になっているようで、アマールカのグッズの取り扱い店が数多くできています。


アマールカは1973年に放映開始になり、国民的アニメとして親しまれてきました。アマールカは、明るく前向きで、金髪にぱっちりとした目、青い花の冠がトレードマークの妖精で、困っている森の仲間たちを助けるために知恵を絞り、奮闘する日常が描かれているアニメです。
このぬりえ本にも川に落ちてしまったハリネズミや、その他アマールカのアニメにでてくる頭にスカーフをした「女の子」や「どんぐりのぼうや」、「オババ」、「吹雪老人」などのさまざまなキャラクターのアニメの一場面が描かれています。

ぬりえ本では、左のページにアニメの原画でしょうか色見本があり、右ページがぬりえになっています。アマールカやほかのキャラクターなど、大変シンプルな線で構成されています。この素朴さが子どもから大人まで人気となっている理由ではないでしょうか。

 
      


コウノトリが表紙のぬりえ本にも、さまざまな人物や動物が描かれています。このぬりえ本の中にも、アマールカがありましたので、チェコではこの中に描かれた人物や動物のアニメがあるのかもしれません。           
教室で教えるひげの先生や犬とひげの小人たち、みみずと蜂のような昆虫など、このぬりえ本の絵もアマールカ同様にシンプルな線で描かれています。左に見本、右にぬりえという構成も同じです。

 
今回の2冊のぬりえ本は、色彩的にも派手さはなく、黄~緑~茶にプラス赤、青という落ち着いた色合いが、穏やかな印象を与えます。日本では、こういう色彩は子ども向けにはあまり見られないの、チェコの特長が現れていると思います。

 
今月のエントランス

『あしたはえんそくよ』

年代:昭和30年代
作者:きいち
福井紅子氏寄贈

今月は、「楽しい学校生活」をテーマに、ぬりえを展示しています。毎日学校に行くのはたのいいな!そんな子どもたちの喜ぶ声が聞こえそうです。教科書やお弁当の準備をして、「行ってきます!」。
その他昭和の時代の学校生活の様子が描かれていて、懐かしいです。しかし「へのへのもへじ」の落書きは、今の人には何のことか、分からなくなっているかもしれませんね。


メディア掲載情報
・「東京の小さな美術館」に紹介されました。

・3月14日、15日に開催された第36回荒川区産業展に出展いたしました。


【展示室のご案内】
●きいち没後10年「ありがとう忘れない」第1弾を開催しています。(5月まで) 
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年04月04日

4月の美術館ニュース(1)

桜、桜、桜・・・ この季節になるとどうして日本人は桜にときめくのでしょうか。各地で桜祭りが開催されていますので、お出かけして桜を満喫してはいかがでしょうか。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:べんきょうがすんでからあそぶわね
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:小沼 秋成氏寄贈


4月のエントランスは、楽しい学校生活をテーマにしたぬりえを展示しています。 


勉強用の机の「文机」に、座布団を敷いてきちんと座ってお勉強をする少女。実は私も小学校3年生までは、このような机を廊下の隅において、勉強をしていました。いわゆる現代の学習机は、東京に引越しをしてからでした。
きいちがぬりえの中に残しているということは、この当時は座って勉強をする子どもたちが沢山いる時代であったということを表していると思います。

美術館に来館される若い方に、「これらのぬりえに描かれたものがすべてどこの家にも合ったということではなかったのですよ」とご説明をすることがあります。今回のぬりえはその逆で今のような学習机がないという絵になりますが、時代の変遷をぬりえからも感じることができます。


私はまさに団塊世代ですが、祖父母から学校の宿題を終えなければ、遊びに行ってはいけないと躾をされていました。ですからこのぬりえのタイトルである「べんきょうがすんでからあそぶわね」は、とても良く理解できます。
そしてこのような文机に座って、算数の九九を暗記していたことを懐かしく思い出します。覚えるために何度も何度も繰り返していたため、よく覚えているのでしょう。


来館されてぬりえを見るお客様も展示中のいろいろなぬりえから、思い出すことが様ざまにあることでしょう。どうぞお楽しみください。(館)

Posted: Nurie : 15年04月04日

3月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.41   今月は、南アフリカです。

今月は、南アフリカのぬりえ本を2冊ご紹介いたします。

1.「straat Katte」(猫の表紙の本)
   


猫の冒険を描いたぬりえ本です。表紙が四角ではなく、猫の形にあわせて一部カットしてあるところが、面白いです。
中のぬりえは、箱からとび出してきた猫たちが、いろいろな場所に行って見たりやったりした冒険物語になっています。
ページ一面に絵が描かれていて、ひとつの絵自体が大きくて、栓が太いのが特徴です。小さい子どもにとってとてもぬりえやすいのではないかと思います。
ぬりえのほかには、猫が目標物に行き着くにはどのように迷路を抜けていったらいいのか等、迷路のページもあります。


2.「 Colouring & Activitiy book」
      

シマウマのそりに乗ったミーアキャット(?)のカウボーイが描かれたぬりえ本です。
このぬりえ本の珍しい点は、描かれたぬりえのページに、様ざまなメーカーの名前が書かれており、最終的にこの本の収益はチャリティーとして寄付されるようになっていることです。
   

このようなぬりえ本を見たのは、初めてのことです。面白いアイデアだと思いました。
南アフリカでは、このような種類のものが他にもあるのかも知れません。ぬりえのページの他には、数字をつないで線にして絵にしていくページや「そのぬりえの中に何匹の蝶々がいます か」というクイズなども描かれています。


スポンサーのメーカーに関連するぬりえが描かれていますので、本全体としては様ざまな絵で構成されているのは否めないですが、チャリティーということで許されるのでしょう。
1の本と同様に、こちらの絵も一つ、一つが大きく、ページ全体に描かれています。


海外ぬりえ研究室は、41回になりますが、いわゆるぬりえですが、それでも国によってまだまだ見たことも無いアイデアに溢れたぬりえがあるものなのですね。
これからも海外のぬりえをご紹介していたいと思います。


今月のエントランス

『小さいバイオリスト』
年代:昭和30年代
作者:きいち
福井紅子氏寄贈

子どものころには、楽器を習える人が羨ましいと思っていました。友人の一人も、バイオリンを習っていました。そして大人になって、また再び習い始めています。
今は様ざまな楽器を習えるいい環境になってきていると思います。


メディア掲載情報
散歩の達人Mookの「京成線さんぽ(仮)」に掲載されました。


【展示室のご案内】
●きいち没後10年「ありがとう忘れない」 第1弾を開催しています。(5月まで) 
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年03月08日

3月の美術館ニュース(1)

春の足音が聞かれる頃となりました。春の空気が暖かくなり、空が明るくなってくると
気持ちまで温かく広がっていくような気分になります。
明るい色のスプリングコートでも着て、颯爽と外に出かけましょう。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


     
タイトル:ハーモニカをふきましょう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏寄贈


3月のエントランスは、楽器や音のある生活をテーマにしたぬりえを展示しています。


皆さまはハーモニカを吹けますか?


ハーモニカは、1824年頃ウィーンで登場したようです。
最初は輸入品ハーモニカでしたが、日本でも1910年(明治43年)に作られるようになったそうです。大正から昭和初期にかけては流行に敏感な若者の間で人気となり、その頃大学でもハーモニカ・アンサンブルなどが作られ、マンドリンと人気を競ったそうです。
教育現場では、1970年代までハーモニカが使われたようです。

このような歴史のせいか、ハーモニカは音の原点というか懐かしい音に聞こえます。
ハーモニカという楽器は、シンプルでサイズも小さいのでポケットにも忍ばせることができ、どこにでも携帯して楽しめそうです。


最初の質問ですが、私は残念ながらハーモニカを吹くことができません。埼玉の田舎の小学校では習いませんでした。ところが4年生から東京の学校に来てみるとすでに小学校3年生までにハーモニカの勉強が終わっていましたので、習うことができませんでした。
代わりに4年生からは、縦笛を習い始めましたので、これは皆と一緒にならいましたので、学校ばかりでなく、家に帰ってからも良く吹いていたものでした。


昭和30年代は、一般的にハーモニカが広まっていた時代であるので、きいちのぬりえの少女もハーモニカを楽しんでいるのでしょう。(館)

Posted: Nurie : 15年03月08日

2月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.40   今月は、スイスです。

今月は、スイスのぬりえ本をご紹介いたします。前回は、2012年の12月に「Dessins,griboullages et Coloriages」というデザインがお洒落な本と「Gute Nacht!(おやすみなさい)」という黒地に白い線で描かれたぬりえ本を紹介しました。今回は、スイスの自然を生かした可愛いぬりえ本をご紹介いたします。


1.「Essbre und giftige Pilze (食用と毒きのこ)」

野山にある様ざまな食用と毒のきのこを描いたぬりえ本です。大変シンプルなイラストで描かれ、反対側には色見本があり、きのこの名前と解説が書かれています。きのこ類ですから、色が茶色、オレンジ、カーキ色、ベージュなどシックな色に限られていますので、全体的に落ち着いたぬりえ本になっています。
   


日本ですと大人の人たちが塗ってもいいと思いますが、海外ではぬりえは子ども用に販売されていますので、「食用と毒きのこ」を覚えるための本でしょう。


表紙にはきのこの他に花、鳥、蝶々、魚、恐竜等々が描かれていますので、きのこ
シリーズのほかにそれらを描いた本が出版されているものと思われます。

2.「Herbst~Malbuch(秋のぬりえ)」

このぬりえ本は余りにも可愛いので、購入してしまいました。サイズがとても小さいのです。手のひらに乗ってしまうほどです。縦7.5x横10.5cm です。

      

秋をテーマにしたぬりえ本ですので、秋の収穫が中心です。きのこ、かぼちゃ、秋の枯葉、どんぐり、りんご等が妖精のような男の子と一緒に描かれています。
秋の時期に、ハンドバッグの中にこの小さいぬりえ本を入れて、喫茶店や公園のベンチの上でぬりえをしたら、さぞかし楽しいだろうなと思います。ほんの少しの時間があれば、一枚の絵が完成しそうです。


日本には、この種類のぬりえ本を見かけたことはありませんので、あったらいいだろうなと思いました。
「きのこ」と「秋」いずれも自然が美しいスイスで生まれた可愛いぬりえ本です。

今月のエントランス

『ごめんください』 年代:昭和30年代 作者:きいち 福井紅子氏寄贈
お人形を抱いて、おままごとを
する少女たち。今日は、私もおかあさんです。「ごめんください」、「はい、いらっしゃいませ」


大人のぬりえサロンのご案内

Yun先生の作品


毎月第3木曜日に開催しています。そこでは、デコぬりえ®を制作。3D仕様にすることで、
表現の幅に拡がりが出ます。仕上がりの世界観がぐっと変わるのを体感ください。     


【展示室のご案内】
●第5回ぬりえコンテスト優秀作品14点を 展示しています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年02月01日

2月の美術館ニュース(1)

早く春になって暖かくなってほしいですが、春とは名ばかりの2月ですが、それでも梅の花のお花見など楽しみはありますね。寒い、寒いと家の中に閉じ困らずに外に出てみてはいかがでしょうか。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


     
タイトル:トランプ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏寄贈


2月のエントランスは、着物おしゃれアルバムをテーマにしたぬりえを展示しています。
トランプの中にあるスペードやダイヤを描いた大変斬新な柄の着物です。
きいちは、自分が踊りの名取であったこともあり、着物姿を沢山描いています。子どもの頃からセンスがよかったようで、母親や姉妹たちと呉服の買い物に行くときには同行して、選んであげていたようですし、教えもしないのに、生地の名前や柄など覚えてしまったそうです。
またそういうきいちに対して、親たちも叱ったり、禁止をしたりなどもしなかったそうです。そのために、小さい頃から美しいものが好きな青年に育ったのでしょう。

今月は「着物おしゃれアルバム」というテーマでぬりえを展示していますが、最近は着物姿を目にすることが少なくなりました。日本には、四季を反映した柄、縁起が良い柄、平安の昔から公家の装束などに使われた伝統的な文様、様ざまな土地に生まれた伝統の織物など、種類が豊富です。


50年、60年前の親戚の家では、「お蚕さん」と呼んで蚕を飼っていました。その家に遊びに行くと、「サワサワ・サワサワ」と蚕が桑の葉を食べている音がずっと続いていました。
又一昨年新潟の十日町に行ったときにお聞きした話では、以前は十日町と言えば"紬"で有名な土地でしたが、最近は織る人の減少のため織物よりも描く友禅になってしまったそうです。


せっかくの日本の伝統、文化である着物を無くさないでいたいものです。(館)

Posted: Nurie : 15年02月01日

1月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.39  今月は、オランダです。

今月はオランダのぬりえ本をご紹介いたします。 

オランダといえば、やはり「ミッフィー」ですね。

オランダ語では、子うさぎを意味する「ナインチェ」と呼ばれています。
ナインチェは、1955年にグラフィックデザイナーであったディック・ブルーナにより描かれたうさぎを主人公とした子ども向けのお話のない絵本でした。従来の写実的な絵の絵本ではなく、現代芸術運動の流れを汲む当時としては斬新なキャラクターでした。

彼が描くシンプルな線とはっきりとした原色の青、赤、白、黄色、緑の色彩で描かれたキャラクターは子どもたちの人気となりました。この色彩は、ブルーナカラーと呼ばれているそうです。独特の色彩ですね。


日本には、1964年に石井桃子氏の翻訳で「ちいさいうさこちゃん」として出版され、
人気となりました。


ナインチェの絵本は世界約40ヶ国語に翻訳されて広く親しまれていますが、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクではオリジナル名である「ナインチェ」の名前で発行されています。「ミッフィー」とは英語及び英語からの訳による版で見られる名前だそうです。
ただし英語での展開の広さ、日本の大手出版社による販路の大きさや出版媒体の多彩さから、こちらの名前「ミッフィー」の方が広く普及していますね。

ミッフィーは基本的に全て正面か後ろ姿で描かれ、横顔になっているカットはないそうです。これには「キャラクターたちはいつも、本と向き合っているあなたのことを見ている」という、ブルーナの深い愛情のこもった意味があるのだそうです。


さて、ぬりえのほうはさしずめミッフィーの冒険のようなお話で、ミッフィーが凧を揚げて鳥を見たり、スケートをしてみたり、雨の日に傘をさしてみみずを見たりなど、子どもたちが好きな行動をミッフィーがしている構成になっています。


シンプルな中にも温かさのあるミッフィーは、可愛いらしくて世界中で人気となるのも、最もですね。


来月はスイスのぬりえ本をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。


今月のエントランス

『にほんがみ』
年代:昭和30年代
作者:きいち
佐藤 章子氏寄贈

髪を結って、とても豪華なかんざしを飾っています。お正月には日本髪を結った人を見かけたものでした。舞妓さんみたいに可愛いです。


メディア掲載情報
●東京都交通局の情報誌「とでんで」のTODEN-BURARI TABIで、紹介されています。


【展示室のご案内】
●第5回ぬりえコンテスト優秀作品14点を展示しています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 15年01月04日

1月の美術館ニュース(1)

明けましておめでとうございます。今年も皆さま方に楽しんでいただけるように、可愛いぬりえを展示してまいりますので、ご支援賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


    
タイトル:はごいたもって
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

1月のエントランスは、楽しいお正月をテーマにしたぬりえを展示しています。
門松の前で、大きな羽子板をもった晴れ着姿の大変お正月らしいぬりえです。
この少女がもっている羽子板は、実際に羽を付いてもいいのですが、大きくて重すぎますので、飾っておく"飾り羽子板"と呼ばれるものになります。


羽子板は、女の赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月を「初正月」といいますが、日本では遠い昔から初正月を祝って、赤ちゃんの祖父母・おじ・おば・お仲人・親しい友人などが、羽子板を送る習慣がありました。ちなみに男の子には破魔弓を贈ります。

羽子板には初めは絵具で左義長(正月が終って門松などを焼く宮中の行事)を描いていましたが、江戸時代から歌舞伎の俳優を押絵で作って板にはったものが流行したそうです。お正月の羽根突きは、江戸の昔から女の子の遊びです。そしてこの羽子板は、赤ちゃんの無病息災のお守りの意味も持っているのだそうです。


今ではこのぬりえのような風景をみることは少なくなり、女優さんたちのポスターやカレンダーに見ることができるくらいでしょうか。


皆さまの今年一年のご多幸とご健勝をお祈りいたします。(館)

Posted: Nurie : 15年01月04日

12月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.38   今月は、マレーシアです。

1.FUN to Colour

「楽しいぬりえ」とでも訳すのでしょうか。
中は動物、乗り物、お城などの建造物やコックさん等の人物が描かれています。それぞれの絵のページに、英語で「Chef」、「rabbit」など単語が書かれています。
ぬりえをしながら英語を学ぶようになっています。主要な輪郭線は、太い線で描かれています。


2.蜂の絵のぬりえ本

①は、動物と人物が描かれています。そして②は絵の中の部分、部分の名称をマレーシア語で書いてありますので、自国の言葉を絵を見ながら覚えるようになっています。
マレーシアの本ですが、中に「忍者」が描かれていて、面白いなと思いました。

3.Sea Animals

このぬりえ本は、海の生き物を描いたものです。そして、その生き物の名前がマレーシア語と英語で書かれていますので、両方の言葉を覚えることができるようになっています。
カニ、貝、くじら、イカ、いるかなどが描かれています。


日本でも水族館人気がありますが、マレーシアでも子どもたちには人気があるのでしょう。
マレーシアのぬりえ本は、大変基本的なぬりえであると思います。


又、最初に男の子っぽいと書きましたが、子どもでも男女で好みが分かれるものですね。他の国のぬりえ本を見ていても、こちらは男の子、あちらは女の子が好みそうと男女の好みの違いがわかります。しかもそれはだいだいどこの国でも同じようです。

今月のエントランス

『ゆであずき』年代:
昭和30年代 作者:きいち
寒くて冷える日は、あっつあつのゆであずきを食べて温まりたいですね。ねこちゃんも一緒に食べたそうに覗いています。


新商品のご案内

●「きいちの手ぬぐい」が4柄発売されました。1枚 1296円(税込)です。


【展示室のご案内】
●第5回ぬりえコンテストの優秀作品を14点展示しています。

●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 14年12月14日

12月の美術館ニュース(1)

今年も師走になりました。いろいろな出来事が今年もありましたが、大きな事故や災難もなく穏やかに新年を迎えたいものですね。そして来年してみたいことなど、みかんなど食べながら考えてみるのはいかがでしょうか。今年も一年ありがとうございました。


ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

   
タイトル:いしやきいも
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


12月のエントランスは、わくわくする冬の過ごし方をテーマにしたぬりえを展示しています。
いしやきいもを嬉しそうに抱える少女。湯気がでて、美味しそうですね。


皆さまの家のお近くでは、今でもいしやきいもをみることはできますか。ぬりえ美術館の近くでは、まだまだいしやきいもを販売する車を見かけることができます。
私が子どものころの昭和20年代では、お隣の家がお百姓さんでしたので、その家の広い庭の中でもみ殻を積み上げて、その中にお芋をいれて焼きいもを作って食べました。そのような作り方が一番おいしいお芋の食べ方だと思いますが、もうそのような焼き芋は食べられなくなりました。

東京で見かけたような石焼芋屋さんは、ありませんでしたが、私の田舎には、「つぼ焼き」というものがありました。町の中でつぼ焼きや焼きそばなどを作って売っているおじいさんとおばあさんのお店があり、お芋一つがたぶん子どものお小遣いでも買えるような値段であったのだろうと思います。冬になるとそこによくつぼ焼きのお芋を買いにいったものです。


つぼ焼きとは、大きな素焼きの壷の中に火を起こし、つぼの中にお芋を引っ掛けて焼くものです。自宅で蒸かしたりするお芋よりも水分が少ないので、美味しかったですね。
最近浅草とかにでかけますと、大学いもを買います。昔は家でも大学いもを作ったりしたそうですが、手軽に甘い蜜のかかった美味しい大学いもが手に入りますので、嬉しいですね。


皆さまは、どんなお芋の料理がお好きですか。(館)

Posted: Nurie : 14年12月14日

11月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.37   今月は、中国です。
今月は中国のぬりえ本をご紹介いたします。前回は2013年2月に中国で子どもたちに大人気の羊のアニメのぬりえ本などをご紹介しています。


最近の中国の経済的な進歩、進化は大変なものですが、それもここ20年のものです。それ以前は国民にとって厳しい貧しい時代もありました。そのためぬりえをしたことがないという話をいくつも聞いています。
何年か前にフェリス女子大学でぬりえ講座を開催した際に留学していた女子学生が子ども時代にぬりえをしたことがないと言っていました。


また中国の調査をした際にも、子どもが幼稚園などでぬりえをするのを見て、ぬりえとはこういうものかと知ったというお母さんの話を聞いたことがあります。
しかし幼稚園の園長さんなど富裕な家庭に育った人は子どもの頃にぬりえをしましたと言っていましたので、貧富の差が多分にあったと思われます。


さて現在は幼稚園でもぬりえがされますし、本屋さんには沢山のぬりえ本が並んでいます。
今回の本は2冊とも丁寧にぬりえの仕方や線の種類、色の名前などを教えながら、ぬりえを塗っていく手順を教え、さらにはその物の名前や発音まで覚えられるような本になっています。

1.我会画(植物風景)

最初に様ざまな線の形と名前と形の修理と名前を教えるページから始まります。次のページには色の名前とぬりえ方の名前が紹介されています。


次には果物の絵とその果物の名前の漢字と発音が書かれています。その下には、3段階でぬり方が紹介されています。

一色で塗る方法から段々に他の色と一緒に使ってみたり、暈かしてみたりとテクニックが上がっていくようになっています。

2.ト(さんずいに余)色画(動物)

1ページ目に描く動物の名前を漢字と発音で表し、3段階でぬりえをする順番が紹介されています。
2ページ目には、鉛筆やクレヨンなどの画材、線の種類、色の名前が紹介されています。
次のページからぬりえ始まり、92の動物のぬりえがついています。
   

これらの本は低学年向けのぬりえ本と思われますが、一人っ子政策の中国では親たちが子どもの教育に大変熱心です。幼稚園でも単に塗るだけでは親たちが満足をしないといわれると先生方からお聞きしました。
そのために、名前や発音の仕方、どんな順番で塗ったらいいか等学びながらぬりえができる仕組みになっていると思われます。


来月はマレーシアのぬりえ本を紹介いたします。


今月のエントランス

『したまちのこ』年代:昭和30年代 作者:きいち
格子柄の着物をきた少女。黄八丈の着物でしょうか。前掛けをして、お店のお手伝いでもしている様子です。桃割れの髪がかわいいですね。


メディア掲載情報
10/18(土)テレビ東京のアド街ック天国「京成町屋」並びにテレビ朝日 グッドモーニングの「イマ知る・ラボ」で紹介されました。


【展示室のご案内】
●常設展示をしています。

●館内にはぬりえ体験コーナーがありますので、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 14年11月09日

11月の美術館ニュース(1)

10月に大きな台風が2回も来て、あっという間に寒くなってしまいました。この寒さが
紅葉を綺麗にしてくれるといいのですが。皆さまのご近所の紅葉の具合はいかがですか?

ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:みちゆきのこーときて
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


11月のエントランスは、着物姿で美しくをテーマにしたぬりえを展示しています。
道行(みちゆき)を着て、おでかけする少女。お使い物をもっていますから、どなたかのお家を訪問でもするのでしょう。
道行とは、調べてみますと「着物の上に着るもので、洋服にたとえるとコートにあたります。防寒、防雨、防風や、きものや帯を汚さないためなど、実用的な面だけでなく外出時に着物の外観を装うお洒落着にもなっています。 道中着・道行コートは、羽織とは異なりあくまで外出着なので、部屋の中に入るときには脱ぐことがマナーです。」とあります。さらに「礼装、正装の時に着ます。礼装の時は無地の道行を。」となっています。

きいちは着物のことは子どもの頃から母親や姉妹の着物の見立てもしていたようですし、結婚してからもきいちの妻が和裁をしていましたので、大変詳しいのです。それで子ども向けのぬりえですが、「みちゆきのコートをきて」というタイトルで正装での外出には、このようなコートを着てお出かけするものだよと、子ども達に絵を通して教えてあげたのではないでしょうか。
着物がまだまだ人気の時代であったからかもしれません。


最近着物が素敵にみえて、ぜひ自分でも着てみたいと思っています。例えば歌舞伎座に行くなら、どんな着物がいいだろうか。この着物にどんな帯があうだろうか、帯揚げや帯締めはどれだろうかと考え、悩みますが、楽しい悩み事です。
気軽に着物でお出かけできるようになりたいと願っているところです。(館)

Posted: Nurie : 14年11月09日

9月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.35   今月は、ブラジル編です。

今月はブラジルのぬりえをご紹介いたします。
今年のワールドカップはブラジルで開催され、ブラジルは4位と残念な結果でしたが、大変な盛り上がりを見せましたね。
ぬりえでは、前回、2013年5月に「ピノキオ」、「サーカス」、「天使」、「絵の具のキャラクターぬりえ」を紹介しています。


   
①今回は「愉快な遊び」とでも訳すのでしょうか熊とサイの絵のぬりえ本です。2才から4才向けと書かれています。海外のぬりえには、年令別に描かれているものが多くあります。この本の中には、純粋にぬりえ、迷路、番号順にぬっていくものと間違い探しの4種
類から構成されています。小さいうちから、迷路や番号順などを遊びながらぬっているといつしかできるようになっていくものですから、なかなか教育的な本だと思いました。



②あかずきんや白雪姫、眠りの森の美女などの絵を集めた80ページからなるぬりえ本です。ほとんどのぬりえに色見本がついています。絵本のように、それぞれの絵の部分には解説がついています。
塗りながら、ストーリを覚えられます。女の子は、お姫さまが好きですから、このようなぬりえ本は塗り甲斐があり、人気が高いものと思います。


   
③16ページ程度の薄いぬりえ本です。pintarは描くことという意味で、②の本はcolorindoというタイトルで色を塗るという意味ですが、いずれも「ぬりえ」として使われているようです。中には男の子、女の子、動物などが描かれています。
子供たちは顔が大きい、特徴のある顔をしています。ブラジルのぬりえは、個性的ですね。


来月は、タイのぬりえをご紹介いたします。


今月のエントランス

『ぼたもち』
年代:昭和20年代
寄贈者:藤元耿子
ぼたもち作りをお手伝い。沢山作っていますね。仏様にあげて、後で皆で一緒に食べたら、
美味しいでしょうね。


メディア掲載情報
8月2日(土)BS-TBS「おんな酒場放浪記」で紹介されました。


【展示室のご案内】
●祝きいち生誕100年「これからもいつまでも」第2弾を開催しています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんで
いただけます。

Posted: Nurie : 14年09月06日

9月の美術館ニュース(1)

今年7月はサッカーのワールドカップが開催され、世界のスーパープレイに興奮をしましたが、9月は韓国の仁川にてアジア競技大会が開催されます。五輪種目28競技のほか、非五輪8種目で行われます。秋もきっと日本選手の活躍に燃えることでしょう。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



「うえきにみずをやるのよ」
昭和30年代、
飯塚赫子氏寄贈

9月のエントランスは、家のお手伝いをする子どもたちをテーマのぬりえを展示しています。


植木の水やりをする少女。今でしたらホースで水をかけるところでしょうが、バケツにお水をいれ、バケツの中から出ているのは柄杓(ヒシャク)です。右手に持っているジョウロにいれるときに、柄杓を使って入れるのに使います。
水でズボンの裾が濡れたり、汚れたりしないように、裾を捲り上げて、頭にはネッカチーフを結び、しっかりお手伝い用の支度をしています。

植木の水遣りは、季節にもよりますが、朝と晩にしなければなりませんので、毎日の子供のいいお手伝いになります。水遣りは植木ばかりでなく、庭の掃除や家の前の道路などを掃除した際にも、水を撒いておくと気持ちの良いものですね。


荒川区では平成23年12月から、地域ぐるみで初期消火活動を行い、火災による被害を最小限に止めるためとして、町会・自治会の協力を得て、住宅の軒先や植込み、町会会館、防災広場等々に、誰もが容易に使用できる消火用具として赤いバケツが配布されています。


日本では関東大震災のあった9月1日を、1960年に防災の日と定め、国を挙げての防災訓練が行われています。南関東直下地震(首都直下地震)の発生が想定される南関東では、九都県市合同防災訓練の一環として各都県市で総合防災訓練が行われているそうです。
子どもの水遣りから赤いバケツ、防災という話になりましたが、常々防災については気をつけておきたいものですね。(館)

Posted: Nurie : 14年09月06日

8月の美術館ニュース (2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.34   今月は、インドネシア編です。


今月は、インドネシアのぬりえ本をご紹介いたします。前回は2012年8月に紹介をしています。

   


   

1と2は、人物、植物、車などの物とその名前のぬりえになっています。子ども達が名前や分類を覚える際に、絵を使って塗りながら覚えていくための本のようです。


   


3は、インドネシアのそれぞれの地方の建物のぬりえになっています。大きな国であり、又沢山の島々からなるインドネシアは、その地方によって建物に特長があるようです。
ぬりえ美術館の館内に展示している海外のぬりえの中にもインドネシアのぬりえ本がありますが、同じように地方の独特の建物と服装の特長を表したぬりえ本です。
子どもたちが自分の国を理解するために良い本と思います。


   
4.インドネシアの景色や伝統舞踊などを描いたぬりえ本です。左には色見本のページがついています。絵の勉強にもなりそうです。

   
5.ピカチュウ、ポパイ、クレヨンしんちゃんなどが描かれたこの本は、それぞれのキャラクターをどの様に描いていったらよいかを教えるハウツー本になっています。


今回ご紹介した本は、現地の本屋さんで購入したものですが、いずれも薄いタイプのぬりえ本でした。
ジャカルタにある日系の本屋さんでは、日本のアニメのぬりえ本が大変好評とお聞きしました。テレビの影響が大きいようです。
それぞれの国に特長のあるぬりえ本があって、面白いですね。


来月はブラジルのぬりえ本をご紹介いたします。(館)


今月のエントランス

『すいかがとれた』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち

大きな麦わら帽子をかぶり、大きな西瓜の収穫のお手伝いをする少女。たっぷり果汁が入って重そうですね。三時のおやつには、甘い西瓜を食べることでしょう。


メディア掲載情報
●6月17日付 岐阜新聞の"くらし-楽しみ"のコーナーにデコぬりえ®が紹介されました。


【展示室のご案内】
●祝きいち生誕100年「これからもいつまでも」第2弾を開催しています。

Posted: Nurie : 14年08月02日

8月の美術館ニュース (1)

今年も暑い夏となりそうですが、夏のお祭りや旅行などイベントの計画は進んでいますか。いつもと違う事をする、違う世界にいることは、とても良い気分転換になることでしょう。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:かわいいきんぎょ
作  者:きいち
年  代:昭30年代


8月のエントランスは、夏の子どもたちをテーマのぬりえを展示しています。


夏と言えば、金魚!が浮かびます。
夏になるとどこの家でもガラスの金魚鉢に金魚を入れて飼っていたものです。埼玉の田舎や東京にでてきてからも、夏の時期には、金魚をいれた竿をかついで、金魚屋さんが売りにきてもいました。
その金魚屋さんが売り歩くときには、「きんぎょーえー、きんぎょー」という独特の売り声をかけて、町内を売り歩いていました。その売り声を聞けば、あ~、夏が来たのだな、と感じることができました。

縁日では、金魚すくいがあり、子どもたちの人気の屋台だったと思います。丸い枠に薄い紙をはったポイと呼ばれる金魚すくいをもって、ポイの紙を破らずに、何匹の金魚が取れるか競います。 不器用な私が、どういう訳か金魚すくいは得意で、何匹も金魚をすくうことができたので、よく金魚すくいを覚えているのかもしれません。


当時は、着物をよく着ていました。昭和30年代に高度成長で景気が良くなってきたためか、着物が流行したようです。そのため、夏の盆踊りなどは、皆さんが浴衣姿で踊りを踊ったり、見物客の人たちも浴衣姿が見られました。私も、お祭りには半纏や浴衣で山車を引いたりしていましたが、祖母が作ってくれた絽の着物には、大きな金魚が描かれていました。他の子どもたちの着物にも、夏というと金魚がよく描かれていたものです。


赤い金魚、可愛いですね。(館)

Posted: Nurie : 14年08月02日

7月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.33   今月は、フィンランド編です。

今月はフィンランドのぬりえ本をご紹介いたします。前回は、2012年の9月にフィンランドを代表する
ムーミンのぬりえや長靴下のピッピとお姫さまのぬりえ本を紹介しました。

①お花の表紙のぬりえ
   

カラーでないのが残念ですが、今まで他の国のどこでも見たことがないぬりえです。
そのぬりえは縁取りの部分がラメになっていまして、普通は白い紙の上に黒の線が
ありますが、紙も紫、青、緑と地色がついています。地色とラメの色の
コントラストが大変面白いのですが、色をつけてみると更に個性的になってくると思います。
絵の上には、見本となる色のサンプルがついています。
絵の内容は、花、ロケット、鳥、太陽などとてもシンプルな絵になっていますので、
小さいお子さん向けのぬりえと思われます。


②フィンランドの大人のぬりえ

絵本作家のアンヌ・ペルトラさんが大人向けのぬりえを描いていました。
しかもその本は大変人気があるため、2号まで出版されていました。
ぬりえ自体は、前回ご紹介した五味太郎さんの「イタズラ描き」のようなもので、
ぬりえ本に描かれた絵に、自由に自分で付け加えて好きな絵を描いていくものになっています。

アンヌ・ペルトラさんが描く絵本もご紹介します。使われているモチーフが日本的な
模様があったのでビックリしました。

フィンランドでは赤ちゃんが生まれるときに、政府から子どもの誕生時に役立つ商品が
贈られるそうですが、そのギフトの中に、アンヌ・ペルトラさんのこの絵本が入っている
のだそうです。歌の楽譜と歌詞とそれに相応しいアンヌさんの絵がついている歌の絵本です。


③フィンランドの伝統的な玩具
   
 
ぬりえではないのですが、絵にあけられた穴に糸を通していくという伝統的な玩具をご紹介します。
ここにもムーミンが登場します。ムーミンの絵にそって穴が空いています。針に糸を通して、穴を縫っていきます。
糸でぬりえをするようなものかもしれません。面白いですね。


いかがでしたか。それぞれの国に伝統的なものから、革新的なものまでいろいろあって、面白いですね。
来月は、インドネシアのぬりえ本をご紹介いたします。


今月のエントランス
『おにんぎょうさんのいす』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち

お人形さんを椅子に腰掛けさせている少女。お人形さんと遊ぶとき、想像力を働かせて
普段使っている生活雑貨をいろいろな物に見立てて活用していたのでないかと思います。
遊びながらも子どもの成長に役立つことをしていたんですね。


メディア掲載情報
●桐生市のタウン誌「タウンわたらせ」に 大人のぬりえサロンが紹介されました。


【展示室のご案内】
●常設展となります。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 14年07月05日

7月の美術館ニュース(1)

蛍の便りが聞かれる頃となりました。梅雨はもう少し続きますが、雨にも負けずに元気に過ごしていきたいものです。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


 
タイトル:ミルクをあげましょう
作  者:きいち
年  代:昭30年代


7月のエントランスは、お人形をテーマのぬりえを展示しています。


お人形遊びをするときやおままごとをするとき、子どもたちは自分がお母さんになったような気持ちでお人形と接しているのだろうと思います。
女の子の口からでるせりふは、まるでお母さんにいつも自分が言われているようなことを言ったりします。
ミルクをあげる少女は、お母さんが赤ちゃんにミルクをあげている姿を見て、同じようにお人形にもそのようにするものだと思って真似をしています。


それまでお人形は抱っこするとかおんぶするとか寝かすとかしか出来なかったものが、ミルクを飲んでおしっこをするという人間の行動に近い動きができて、よりリアルなものになってきたことが人気となった理由ではないかと思います。


私が持っていたミルクのみ人形はもうセルロイドではなかったと思いますが、樹脂のようなものできていて、まだ髪の毛はついていなくて頭に髪を描いたものでした。
その後カール人形が発売されて樹脂の頭に髪の毛が植え込まれて、ブラシで髪をとくことができるようになりました。ですからこのぬりえの絵のようなものは、私が持っていたミルクのみ人形より後に販売されたものと思われます。
お人形に関しては、人それぞれに思い出や思い入れがあると思います。バービー、リカちゃん、ブライス等など。


貴方はどんなお人形に思い出がありますか。(館)

Posted: Nurie : 14年07月05日

6月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.32   今月は、ロシア編です。


今月はロシアのぬりえ本をご紹介いたします。前回は、2012年5月にお姫さまと恐竜のぬりえ本をご紹介しています。
今回紹介のぬりえ本は、比較的気軽に購入して塗れるわら半紙のような紙に印刷されたぬりえ本です。

   

"海賊のキャプテン”が表紙のぬりえは、ぬりえだけでなく算数や単語、迷路、数字をつないでいって絵の形を現すものなど、様ざまなことが一冊で学べる本になっています。最後のページには、回答が書かれています。小さい本ながら、126ページもありますので沢山のことが学べますね。本の中の絵は、何人かの人が描いていると思われますが、クラシックな印象で、大変雰囲気のある絵で面白いと思いました。


      


動物たちが沢山えがかれたぬりえ本は、①と同じようにぬりえだけでなく算数や単語、迷路、数字などを学ぶ本です。
絵を描いている人は一人で、①同様に個性的な絵になっています。ロシアの民族衣装やマトリョーシカなどが描かれ、それが私達には面白く感じられます。
この本もわら半紙タイプの本となっています。

   

3つ目は、”五味太郎さんのいたずら書きの本”です。私はこの本を日本ではなくモスクワの本屋さんで見つけました。
実はこの本が日本人の五味太郎さんが作っているということがわかり、その後もアメリカのボストン、ロサンジェルスなど海外の本屋さんや図書館で目にしました。
いたずら書きのことをdoodleといいますが、外国では”いたずら書き”という言葉に余り否定的な部分がないようで、他にもdoodleと書かれた本を見かけています。


いかがでしたか? 来月は、フィンランドのぬりえ本をご紹介いたします。


今月のエントランス
『しゃしんをうつします』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち

海外から入ってきた写真技術もすっかり定着し、和装の花嫁さんも記念撮影です。
洋イスに腰を掛けると、着物の直線ラインに動きが出て、より美しくみえますね。やや伏目がちな視線も、少しだけ見える爪先もよく計算された構図で見ているだけで、カメラマンになったような気分になります。


メディア掲載情報
●読売新聞(夕刊)にぬりえ美術が紹介されました。
●FM江戸川で「きいち生誕100年」についてお話しました。

Posted: Nurie : 14年06月01日

6月の美術館ニュース(1)

急に暑くなり、5月末から早、夏日となっている日本列島ですが、今年は昨年より早く梅雨に入りました。降ってもひどい雨にならないといいですね。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


  
タイトル:ふりそでにべーる
作  者:きいち
年  代:昭30年代


6月のエントランスは、美しい花嫁さんのぬりえを展示しています。
振袖を着た花嫁さんが、ウェディングドレスのときにつけるベールを頭につけています。昭和30年代には、このような着物と洋装のミックスのような花嫁姿があったのです。この花嫁さんの髪も日本髪の高島田ではなく普通のヘアスタイルです。当時は洋髪と言って、洋風のヘアスタイルの花嫁姿というのがあったのです。
その後、日本が経済的に発展して生活が豊かになってきますと、このスタイルは消えて、豪華な打掛の着物姿が流行してきました。

現代では、和装の花嫁さんより、ウェディングドレス姿の花嫁さんが多くなり、結婚式のシーズンも秋ばかりでなく、6月も人気のシーズンになっていますね。
ところが最近の結婚式の流行で、女優さんが明治神宮で着物姿に洋髪、白いお花をつけて結婚式を挙げたことから、このようなスタイルが若い方の間で人気となっているそうです。豪華な結婚式の着物ですが、日本髪の高島田ではなく、現代風はヘアスタイルが若い方のお好みのようです。こしてみると、洋服の流行だけでなく、結婚式にも流行があり、流行は廻ってくるということが分かります。


着物かウェディングドレスか、なかなか迷うところですし、お色直しなどで両方の夢をかなえることもできますね。女性が一番美しい結婚式。より美しくみえる服装、髪型、化粧などを考えて、最高の自分を演出して、結婚式に望みたいですね。(館)

Posted: Nurie : 14年06月01日

5月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.31  今月は、ドイツ編です。


今月はドイツのぬりえ本をご紹介いたします。前回は2012年3月に「人魚姫」「眠りの森の美女」「三匹の子豚」をご紹介しています。


今回のぬりえ本は、外国では男の子が好きな題材の「騎士」と女の子が好きな「妖精」、そしてアニメの中から「小さい王様」です。
   
① 最近の日本では余り見かけなくなりましたが、昭和20~30年代の男の子の好きな遊びといえば、チャンバラが挙げられます。刀をもって振り回していたものです。海外では、
日本のサムライにあたる「騎士」が好まれていまして、騎士のぬりえ本をよくみかけます。
この本の中では、ぬりえの他にきせえ、指人形、数字をつないで描くなど様々な遊びが入っています。1冊でいろいろなことが楽しめます。


② 妖精たちのぬりえ本
   
お花や草、きのこなどの妖精たちが描かれています。少女ばかりでなく少年の妖精もいます。海外ではよくこれらの妖精たちの本を見かけます。お姫さまと同様に女の子は妖精たちも大好きなようです。
様ざまな花や草の妖精の姿はとてもロマンチックで想像力を豊かにしてくれます。

③ 最後の1冊は、「小さい王様」のぬりえ本です。
   
きっとこれはテレビのアニメーションで放映されているものがぬりえ本になったものと思われます。このシリーズで沢山の本が出版されています。ページの上や左のページに色見本がついています。この可愛さ、優しさは日本の子どもたちにも好まれるのではないかと思います。


来月は、ロシアのぬりえ本をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!。


今月のエントランス

『ひだのこまかいスカート』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち

スカートのひだが細かいでしょう!とスカートの裾をもって自慢しているような少女。
スカートのひだはプリーツともいいますが、時代、時代で流行があり、この頃細かいプリーツが人気であったのかもしれませんね。


メディア掲載情報
きいち生誕100年について「サンデー毎日」並びに「週刊女性」に紹介されました。


【展示室のご案内】
●春の企画展「祝きいち生誕100年これからも いつまでも」と題しまして、お祝いをテーマのぬりえときいちが掲載されました雑誌を展示しています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、ぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 14年05月10日

5月の美術館ニュース(1)

気候もよくなって、新緑が目に眩しい頃となりました。新生活が始まった方には、だんだん新しい生活にも慣れて、さあ頑張ろう!という時期ですね。五月の爽やかな季節の風や色や香りを感じながら、この時期を楽しんでいきましょう。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



 
タイトル:ぴくにっく
作  者:きいち
年  代:昭30年代
寄  贈:宮崎 ツヤ子氏

5月のエントランスは、春のお出かけ、おしゃれ着のぬりえを展示しています。
家族やお友だちと野原にピクニックにお出かけの少女。
水兵さんのセーラー服に帽子を被ってピクニックを楽しんでいるようです。
最近はいつでもお洒落な服を着れるようになってしまったので、昔のようにお出かけのための"よそゆき着"や"ふだん着"などの区別がなくなってしまいました。
またファッションそのものがカジュアルになっていますので、本当に昔のようなきちんとした"お洋服"というものが見られなくなりました。

昭和の30年代の頃は、今月のエントランスの展示にありますように外出するときには勿論ですが、遠足やピクニックに行くときにも"よそゆき着"を着ていたものです。わざわざ年1、2回の学校の遠足のために新しい服を新調して、それを着ていきました。遠足やピクニックでは、服が汚れそうですから、今にして思えば新調の服でないほうがいいと思うのですが、それが当時の風潮でした。私も小学校の修学旅行のために、デパートに行って買ってもらった新しい服を着ていきました。周りのお友だちも新しい服が多かったです。


セーラー服や細かいプリーツのスカート、ギャザーが沢山入ってふっくらしたスカート、フレアースカートなど、どれも皆当時の少女たちの憧れの服装です。日本全国の少女たちが毎月100万袋のきいちのぬりえを買って塗っていましたが、それにはなかなか着れないお洒落な服を着たぬりえの少女に自分の姿を投影して塗った楽しさが思い出されます。(館)

Posted: Nurie : 14年05月10日

4月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.30   今月は、イタリア編です。

イタリア編の2回目になります。前回は、2012年4月に、イタリアの仮面についてのぬりえ本をご紹介しました。今回ご紹介するのは、お姫さまとピノキオのぬりえ本です。


①お姫さまのぬりえ

日本でも欧米でも、そして世界のどこでもと言っていいほど、女の子はお姫さまが大好きですね。必ず本屋さんにはお姫さまのぬりえが販売されています。
このぬりえは「シンデレラ」と「人魚姫」の2つのお話のぬりえになります。
左ページに色のついた見本があり、右ページがぬりえになっています。
又右の見本ページは、活字体、左のぬりえページは筆記体でストーリーが書かれて
います。イラストがシンプルでぬりやすそうなぬりえ本です。


②ピノキオ

ピノキオのぬりえを2冊ご紹介します。ピノキオの物語、「ピノキオの冒険」は、
イタリアの作家・カルロ・コッローディにより書かれた児童文学作品で、1883年に最初の本が出版されて以来、100年以上にわたり読み継がれている作品です。
イタリアの観光地、フィレンツェなどでは、人形のピノキオが沢山売られているのを
見たことがあります。1940年には、ウォルト・ディズニーで可愛らしいピノキオの映画が作られ、「星に願いを」の歌がヒットするなどして、いまだに人気を保っています。
表紙をみると、マーカーで塗っているのがわかります。海外では、小さい子どもたちは、マーカーを使うことが多いのです。
中は全頁ぬりえになっており、ページの上に短いストーリーがついています。

③ピノキオ

こちらのピノキオは方眼紙の升目をいかした幾何学的な図形を楽しむぬりえになっています。ピノキオのストーリーにそって、話の内容を升目をいかした図形で表現し、そこに色を塗ってみるというぬりえ本です。
このような本は、日本にはありませんし、海外でも珍しいぬりえ本ではないかと思います。子どもたちにとっては、色を塗る以外に、形の勉強にもなりますね。

今月のエントランス

<『無題』  
年 代 : 昭和10年代 
作 者 : ヒデオ

玉手箱を手に、亀の背中にのり竜宮城から帰る浦島太郎のぬりえです。この当時は、お伽噺などを皆が楽しんでいたのでしょう。
昭和10年代はベティーちゃんが人気でしたので、この浦島太郎も少しベティーちゃんに似て、目が大きいです。


メディア掲載情報
東京新聞に「大人のぬりえ サロン」の(デコぬりえ®)が 掲載されました。


【展示室のご案内】
●春の企画展「祝きいち生誕100年これからも いつまでも」と題しまして、お祝いをテーマのぬりえときいちが掲載されました雑誌を展示しています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、ぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 14年04月06日

4月の美術館ニュース(1)

新しい始まりの4月になりました。学校の入学、進学、就職などがありますが、一番心に残るのは小学校の入学ではないでしょうか? 小学校は、子どもながらに緊張する新生活の始まりではないでしょうか。新しいスタートにエールを送りましょう。
 
ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:テフテフサンノ アマヤドリ
作  者:フジヲ
年  代:昭10年代
   

4月のエントランスは、昭和10年代のぬりえを展示しています。
きゅうりの枝に雨宿りをする蝶々。とても想像力豊かな可愛いぬりえですね。きゅうりの葉っぱは大きな雨傘かパラソルのようにモダンな柄になっています。
きゅうりのなかにはそれぞれお部屋が覗いています。
こんな風に、想像ができると何をみても楽しいですね。
子どもたちには、空想の世界に遊んでほしくて、フジヲ時代のきいちはぬりえを創作していたのかもしれません。

今月のエントランスには、「お菓子の國」というぬりえを展示しています。ヘンゼルとグレーテルのお話にヒントを得ていると思われますが、着物を着た少女がいる日本のお菓子の国を描いています。


子どもたちはぬりえが大好きですが、それに対して昭和の17年、28年に美術系の大学教授らから「ぬりえは子どもの創造力をなくす」というぬりえの批判文が発表されています。
これに対してきいちは、「ぬりえは絵画の教育ではない。教育とは無縁のもので、あくまで子どもの遊びである。幼い子どもの情操を養う、心の遊び」だと主張していました。「もし、私が"塗るための絵"とだけ考えて絵を描いていたら、もっと違った、教育的なものを描いていたと思う。しかし、私は美しい絵を描きたいから描いてきたのだと思った。美しい大人なり、子どもなりの絵を描きたかったのである。」ときいちは言っていました。


そんなきいちの考えから生まれた美しい絵が子ども達のこころを捉えて、人気となっていったのです。(館)

Posted: Nurie : 14年04月06日

3月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.29   今月は、 フランス編です。


今月はフランスのぬりえ本の2回目をご紹介いたします。2012年 1月より「海外ぬりえ」研究室を開始した時の第一号がフランスのぬりえでした。
フランスはヨーロッパの中心に位置し、フランスを訪れる観光客が世界で一番多い観光大国です。


芸術、ファッション、食など多くの視点で世界からの観光客を楽しませています。
日本人にとっては、芸術の都として古くから憧れの地であったと思います。ルーブルを始めオルセー、国立近代美術館、オランジュリー、ギュスターブ・モロー等など数多くの美術館が揃っています。
そして、その美術館のギフトショップには全てと言っていいほど、様々なぬりえ本が置かれています。
美術館を訪れた子どもたちやこれから訪れるであろう子どもたちへのお土産として世界の名画を中心に
ぬりえ本が販売されています。そのような中から、3種類のぬりえ本をご紹介いたします。


①星の王子様

星の王子様(The Little Prince)は、フランス人の飛行士で小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作である小説です。1943年にアメリカで出版されました。
資料によりますと、2009年現在、全世界で8000万部、日本では600万が売られている大変人気のある「星の王子様」のぬりえ本です。
左ページに色見本があり、右ページにぬりえを塗るようになっています。

②王様と皇帝

ルーブル美術館にある王様、王妃、皇帝などの絵を元にしたぬりえ本です。
ルイ16世やナポレオン1世などが描かれています。他にも美術館にある絵の中から”あるテーマ”を取り上げたぬりえ本が販売されています。


③日本(Le Japon)

日本のイメージを外国の方が描いたぬりえ本です。
舞妓さんのイメージでしょうか、日本髪に簪をさしています。日本人からみると本当の日本ではないと思う部分がありますが、とても個性的なぬりえ本で大好きな本です。
日本の他に、アフリカ、エスキモー、インディアンが発売されています。
子どもたちに外国のイメージを教えるために作られたものだと思います。


日本のぬりえというとアニメのぬりえ一辺倒ですが、外国のぬりえ本には様々なテーマがありますので、楽しいですね。
来月は、イタリアのぬりえ本を紹介したいと思います。

今月のエントランス

『おいしいごはんあげるわね』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち
寄 贈 : 林 包明氏

小さいおわんにいれた犬の餌。
今はもちろんペットフードですが、20~30年代のワンちゃんの餌といえば、家の残りものでしたね。
当時は、犬の散歩などしている家などありませんでした。番犬かわりにどの家にも犬がいたように思います。


メディア掲載情報
●東京リビング3月8日号に掲載されました。

●読売カルチャーの冊子であるよみカル2014年春号、「よみカルのある街”町屋編”」に掲載されました。


【展示室のご案内】
●春の企画展「祝きいち生誕100年 これからも いつまでも」と題しまして、お祝いをテーマのぬりえときいちが掲載されました雑誌を展示しています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがあり、ぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 14年03月05日

3月の美術館ニュース(1)

皆さん、3月ですよ。春ですよ。3月と聞いただけで、「春が来た!」という気持ちになりせんか。ところで、皆さまにとって、春の色はどんな色でしょうか。桜の花のピンク?菜の花の黄色?草木の新芽の黄緑?春の色を考えているだけでも、心がウキウキしてきますね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

   
タイトル:カナリヤにえさを
作  者:きいち
年  代:昭30年代


3月のエントランスは、ペットをテーマにしたぬりえを展示しています。
カナリヤ、手乗り文鳥、十姉妹など小鳥を飼うことが、昭和20~30年代の私の小学生の頃に流行をしていました。伝書鳩などを飼う友人もいました。
私の家では、祖父がカナリヤを専用の小屋で飼っていました。赤い羽の色を色良く出すためにと、人参を食べさせたり、いろいろ工夫をして飼っていたようです。
赤塚不二夫氏の「おそ松くん」の六つ子の名前のなかに「十四松」がありますが、それは鳥の十姉妹からとっていたそうですから、その当時の鳥人気の影響があったのではないでしょうか。

日本も終戦後の貧しさから少しづつ抜け出し、十姉妹やカナリヤ、文鳥などの鳥を飼うような余裕がでてきて、流行したのではないでしょうか。十姉妹やカナリヤ、文鳥には、伝統的な日本的な趣味ではなく、少し洋風のモダンな匂いやお洒落な雰囲気が感じられたものです。
例えば柴犬や秋田犬、土佐犬などは伝統的な昔からいる日本の犬ですが、昭和20~30年代に流行した犬は、スピッツでした。真っ白で、毛がフサフサとして、この犬も洋風な感じがしたものです。
今、美術館の前を様々な種類の犬たちが行きかっていますが、あの当時は、動物の種類も少なくて、上述のように決まりきったものばかりでした。
皆さまの思い出のペット、または今可愛がっているペットは何でしょうか。(館)

Posted: Nurie : 14年03月05日

2月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.28 今月は、 アメリカ編です。
今月はアメリカのぬりえ本をご紹介いたします。2013年1月に第一回目のアメリカ編を
お伝えしています。


1.第二回目の今回は、4冊のぬりえ本をご紹介いたしますが、その中には、いろいろな国のぬりえを見ている中でも一つ、珍しいジャンルのぬりえがあります。欧米には、「マンダラ」というジャンルがありますが、少しマンダラに似ているのですが、幾何学模様のキルトの柄とプリズムのデザインのぬりえです。
      


日本でもキルトは大変な人気で、今年も「第13回東京国際キルトフェスティバル」が東京ドームで開催されますが、キルトを作る際にも色彩は大事ですね、その訓練にもなるようなキルトデザインのぬりえです。


プリズムのデザインも、キルトと同様に幾何学模様やお花のような自然のデザイン、光の屈折を表した模様などを、色を塗ってカラフルにイマジネーションを広げていくものです。日本には、このようなぬりえはありませんね。

2.次は、THE BIBLE(聖書)のぬりえです。
      

旧・新約聖書からとった絵で綴られた聖書のぬりえです。162ページもある分厚いぬりえ本になっていて、ぬりえを通じて聖書を覚えるとともに、塗りながら目と手のつながりを向上させ、色を学び、絵を理解していくことができます。
聖書について大変分かりやすい本であると思います。


3.ハワイのワイキキビーチにありますHalekulani(ハレクラニ)ホテルのぬりえ本です。
      

お土産にいただいたぬりえなんですが、これはHalekulaniホテルに宿泊すると子どもたちにプレゼントされている本ではないかと思います。
ぬりえのページだけでなく、数字の色分けで塗ったり、迷路があったりとアクティビティーブックにもなっています。これがあれば、子ども達も宿泊先で飽きるということがありませんね。


ぬりえと言えども、様々な種類のぬりえがあるものですね。
さて、来月はフランスのぬりえをご紹介いたします。(館)


今月のエントランス

『シーソー おもしろいなー』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち
公園に行くと、ブランコとシーソーは、必ずといってよいほどありますよね。ブランコは一人乗りできるけれど、シーソーは、二人仲良く互いの息が合ってこそスリル満点の楽しい遊具ですね!!大人になってもまた乗ってみたくなりませんか。


メディア掲載情報
●1/14(火)TBSTV 「はなまるマーケット」でデコぬりえ®が紹介されました。

●1/14(火)日本TV「元気のアプリ」で 館長の活動が紹介されました。


【展示室のご案内】
・ぬりえコンテストの優秀作品と常設展示をしています。
・館内には、「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 14年02月05日

2月の美術館ニュース(1)

 
寒さが厳しい日が続いています。それでも外に目をやりますと新芽が芽吹いたり、花がほころび始めたりと、春に向かって自然は動いているようです。
寒いと家に篭ってばかりいないで、梅の香に誘われてのそぞろ歩きもいいかもしれません。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

タイトル:いねむり
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


2月のエントランスは、二人仲良くをテーマにしたぬりえを展示しています。
今月の一枚は、大変珍しいぬりえをご紹介いたします。二人仲良く音楽会や学芸会などに参加をしているのでしょうか。ところが左の女の子は、眠くなって居眠りをしています。しかも、鼻からちょうちんをぶら下げています。右の女の子も、鼻ちょうちんにはびっくりした様子を見せています。

昭和20~30年代には、子どもたちのなかに鼻をたらしている子がよくいたものです。外に遊びにでかけるときに、ハンカチやちり紙などをポケットなどにいれてでかけないものですから、途中で鼻がでてしまったら、かむことができません。鼻をそのままぶら下げている子どもたちがいたんですね。それに、遊びに夢中で鼻どころではなかったということもあります。そんな子どもたちの様子をきいちはぬりえに描いていたんですね。面白いですね。


きいちは観察眼の鋭さで、子どもたちの日常生活の様子を切り取って、いろいろなものを描いて見せてくれています。二人でシーソーや自転車に乗る、弟や妹の子守りをする、お母さんの肩たたきをする、お母さんと一緒にお風呂に入る等々、当時の子どもたちの様子が分かりますね。


きいちのぬりえの多くは、素敵なお洋服や着物、ちょっと上流の生活ぶりなどに女の子の夢や憧れを満たすものが多いのですが、日常的なことも忘れずに描いていたのです。(館)

Posted: Nurie : 14年02月05日

1月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.27 今月は、 英国編です。


今月はイギリスのぬりえをご紹介いたします。頂いた時期がクリスマス時期前であったことから、クリスマスのサンタさんのぬりえをはじめ、魔法使いのおばあさんや英国の休日の過ごし方のぬりえなど、ホリデー絡みのぬりえ本となりました。
どの本にも共通して言えるのは、アクティビティーブックといいますが、単にぬりえをするだけでなく、単語を覚えたり、パズルをしたり、色わけをした番号の通りに色をぬってみる等の様々なことを学ぶことができる本でした。


①グレートブリティッシュホリデーブック
      

イギリス人の休日の過ごし方をテーマにしたぬりえ本です。
車で海や山にお出かけしたり、ロンドン市内を見学したり、つりをしたり、様々な楽しい過ごし方が取り上げられています。最後のページには、回答がつけられていますので、アクティビティーの正解を確かめることができます。

②サンタ イズ カミング ツー マイ ハウス カラリング
   


子どもたちは、クリスマスにサンタさんがお家にやってきて、靴下の中に自分の欲しいプレゼントが届くことを願っています。サンタさんが来てくれるかなあと願う子どもたちの様子からサンタさんが家にきて、帰るまでが絵本のように綴られています。


③ルーム オン ザ ブルーム カラリング ブック
   


魔法使いのおばあさんが猫や犬のお友だちと一緒にドラゴンと戦って最後には蛙や鳥などまでお友だちにして、幸せになって空を飛んでいくという、②と同じように絵本のようになったぬりえ本です。絵の上に短い文章がついています。
このぬりえ本には、様々の素敵な絵のシリーズが販売されているようです。


イラストが現代的(今風)でありながら大変可愛らしいもので、おしゃれなぬりえ本であると思いました。
いつかイギリスのぬりえも調査してみたいと思っています。(館)


今月のエントランス

『晴れ着でトランプ 』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち
お正月の楽しみは、晴れ着を着ることでした。そんな晴れ着で遊ぶトランプ遊び。華やかなお正月風景ですね。


ぬりえ美術館展示情報
● ぬりえコンテストの優秀作品を展示しています。

【展示室のご案内】
・ぬりえコンテストの優秀作品と常設展示をしています。
・館内には、「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 14年01月05日

1月の美術館ニュース(1)

明けましておめでとうございます。今年も皆様のご健勝とご多幸を、お祈りしています。
今年はきいちの生誕100年の年になります。きいちの可愛さをこれからも末永くお伝えしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
タイトル:うめのはな
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
   

1月のエントランスは、新年の寿ぎをテーマにしたぬりえを展示しています。
豪華な晴れ着、新日本髪にはたっぷりの簪をつけ、手にはハンドバッグとうめのはなをもって、「はい、ポーズ」という絵でしょうか。
昔は晴れ着とかよそ行き、普段着と着るものがはっきりと分かれていました。いつも、いつもいい服や着物は着せて貰えませんでした。

その晴れ着やよそ行きは、お正月やお誕生日などの日に買ってもらい、特別の日にだけ着たものです。大事に着て、それらが古くなると普段着として日常生活に下ろして着ることができました。
「うめのはな」のような豪華な着物、なんて素敵なのでしょう。昭和20~30年代にこのような豪華な着物を着ることができる少女がどれほどいたでしょうか。なかなか着ることができないので、ぬりえを買ってこの少女に自分を投影して、こんな色の着物が着たいな、と思って多くの少女がぬりえをしていたと思います。


きいちのぬりえは毎月、毎月新しいぬりえが販売されていました。1月はお正月、2月は豆まき、3月はお雛様、4月は桜等、季節観があふれてぬりえが毎月描かれ、現在に残されています。


私はジェルネイルを毎月塗ってもらっていますが、その小さい爪の中にも季節観を考えて描いてもらっています。爪の中にまで季節観を考えるのは、やはり四季がある日本に生まれた日本人だからかしらと思います。今年も季節が感じられるぬりえをご紹介していきます。(館)

Posted: Nurie : 14年01月05日

12月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.26 今月は、 ハンガリー編です。

ハンガリーのぬりえをご紹介いたします。
12月ですので、最初にクリスマスのぬりえ本をご紹介いたします。
右ページにぬりえがあり、左ページにはその絵の物語のようなものが書かれています。
絵は手描きで書かれています。手書きで絵の物語が描かれているぬりえ本は、他にもあります。
   


2つ目のぬりえ本は、ぬりえの他に迷路や印に描かれた色でぬっていくぬりえ、その他指示により数を学ぶ等のアクティビティーがついてぬりえ本です。1つ目の本より、絵のタッチがモダンなぬりえ本です。
どの本も、子どもたちにぬりえを楽しんでもらいたいと願って制作されているのがわかるハンガリーのぬりえ本でした。
   

3つ目はアニメーションと思われる猫とおじいさんの物語のぬりえです。ぬりえの中にシールが入っています。大変お洒落なアニメーションの絵です。
   


4つ目のぬりえ本は、背景に色がぬってあるという珍しいぬりえ本で、このようなぬりえ本は初めて見ました。
見開きの1ページ目は1本の色鉛筆で白地になっている部分をぬり、サンプルで紹介している絵は、3本の色鉛筆をつかって塗る様になっています。最後の見開きページは、絵の部分が全て白になっていますので、その部分を塗るようになっています。簡単な色ぬりえから始めて、段々にぬりえに慣れていくという構成がとられています。
   


どの本も、子どもたちにぬりえを楽しんでもらいたいと願って制作されているのがわかるハンガリーのぬりえ本でした。


来年も珍しいぬりえ本をご紹介していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。


今月のエントランス

『いしやきいも』
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち

この絵からも美味しそうなお芋の匂いがしてきそうですね。石焼いも屋さんは今でも車でやってきてくれますね。食べながら歩いたり、又はポケットの中にいれて、家まで急いだり。冬の美味しい味覚ですね。


ぬりえ美術館展示情報
●ぬりえコンテストの優秀作品を展示しています。

【展示室のご案内】
・ぬりえコンテストの優秀作品と常設展示をしています。
・館内には、「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年12月08日

12月の美術館ニュース(1)

今年は秋を通り越して、いっきに冬になり、寒さが厳しい冬になりそうです。
モコモコの暖かい服装やホカホカと体を温めてくれるスープなどで風邪をひかないようにして、新年を迎えてください。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:ふわふわしてあたたかいわ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
  

12月のエントランスは、冬の行事や楽しみをテーマにしたぬりえを展示しています。

着物を着て、うさぎの襟巻をした少女。
ちょうどこの絵のような写真が私にもあります。旧正月に振袖の着物におそろいの羽織を着て、髪にはつまみ細工の花をつけています。髪は"こて"でアイロンをかけて、耳の上にカールをつくっています。うさぎの襟巻を巻いて、おすましした姿の写真が残っています。昭和の29年の5歳の頃です。

この当時子供でもうさぎの襟巻が流行していたのでしょう。別の写真にも、洋服にうさぎの襟巻を巻いた写真が残っています。
この襟巻のなごりは、成人式の女性の白い襟巻に見られますね。洋服になれた若い人には、着物の襟元がなんとなく、スースーして寒い感じがするのでしょう。また大きな毛皮のストールなどを購入できませんから、若い人たちにはあの白い襟巻がふさわしいのでしょう。


きいちのぬりえには、着物姿の少女の絵が沢山描かれています。着物がずっと身近な時代だったのですね。お茶や踊りなどのお稽古をしていない子どもたちでも、お正月、おひな祭り、夏の祭りなど、着物を着る機会が沢山あったものです。
最近若い人たちが、特に夏のお祭りなどに浴衣を着たり、新しい着方で着物にチャレンジしているようで、それは大変嬉しいことですね。


お正月には、初参りなど神社にいく機会もありますから、是非着物をきて、日本の伝統の美しさの着物を楽しんでもらいたいですね。皆様もいかがですか?(館)

Posted: Nurie : 13年12月08日

10月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.23  今月は、 エジプト編です。

エジプトのぬりえをご紹介いたしますが、エジプトらしいぬりえと一般的なぬりえを選んでご紹介いたします。


①エジプトの王様のぬりえ
   

エジプトの様々な神様が描かれたぬりえ本です。表紙には太陽神が描かれています。上下、または左右に色見本が描かれていますので、それを見ながらぬりえをすることができます。
太陽神のほか、創造神のKhum(クヌム)、軍神であり狩猟の女神であるNeit(ネイト)など、エジプト神話の神様たちが描かれています。子どもたちは、このぬりえをしながら、自国の伝統的な神様を覚えていくのでしょう。


②昔のエジプトの動物のぬりえ本
   

紀元前5000年~3150年の岩や記念の石柱や石碑に描かれた動物や鳥たちのぬりえ本です。当時動物がどのようない捉えられていたかがわかります。

③Color Me(私に色をぬって)

数字を覚えるためのぬりえ本です。1には一匹の動物、2には二羽の蝶々など、数字と同じ数の動物や鳥、物が描かれています。同じ系列の本に、アルファベットを覚えるぬりえ本も出版されています。


②と③には、色見本はついていません。


大人も子どもも、気軽にぬりえを通じてで、エジプトのことを学ぶことができますね。


今月のエントランス

「はなよめさま」
年 代 : 昭和30年代 
作 者 : きいち
寄贈者: 明石弘子氏

素敵なはなよめさまになることは、当時の少女たちの一番の憧れだったのでしょう。
その憂いを帯びたお顔からは、単に嬉しさや期待だけでなく、少しだけ不安が入り混じった気持ちが伝わってくるような感慨深い1枚ですね。

ぬりえ美術館マスコミ情報
●東京新聞にて第4回ぬりえコンテストが 開催されます。
●中日新聞社発行読者向け情報誌 「Clife(シーライフ)」11月号 (10月中旬発行)で紹介されます。

Posted: Nurie : 13年10月23日

10月の美術館ニュース(1)

秋がだんだん深まって参りました。読書の秋、芸術の秋、食欲の秋、ファッションの秋など秋になるといろいろなことがしたくなりますね。健康をきづかって、スポーツの秋に挑戦される方もいらっしゃることでしょう。ご自分の時間を有効に使って、楽しんでください。

ぬりえのこころ -今月の一枚- 
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 
タイトル:はなよめさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


10月のエントランスは、花嫁さんをテーマにしたぬりえを展示しています。


1950年代、人々の暮らしが徐々に豊かさを取り戻してくると、花嫁さんの衣装も華やかになってきました。
戦前は黒の留袖が主流だったそうですが、柄の入った振袖を着るようになっていったそうです。 結婚式は自宅や神社での神前結婚式でしたが、公共の式場や施設で執り行うスタイルへの変化をしていきました。
この絵には、振袖の花嫁さんとウェディングドレスの花嫁さんが描かれていますが、実際には昭和30年代の後半頃から、ウェディングドレスが登場してきますが、実際の結婚式では、まだまだ和装の花嫁さんが主流でした。

昭和30年頃、私の叔母が洋裁を習っていまして、洋裁学校で布ではなく、"紙"を使って、水色のウェディングドレスを作りました。生徒さん全員がウェディングドレスを着て写真が写っていたのを思い出します。まだまだウェディングドレスは、珍しいものだったのです。


今では、結婚式も秋に挙げるのではなく、6月のジューンブライドが増えたり、着物の花嫁姿がへり、ウェディングドレスが主流になっているのを見ますと、時代の変化を感じます。


きいちのぬりえには、その頃には珍しいウェディングドレス姿の花嫁さんが沢山描かれています。流行をいち早く感じ取るきいちならではないかと思います。(館)

Posted: Nurie : 13年10月23日

9月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.22 今月は、 スペイン編(3)です。


スペインに、「大人のぬりえ」ときせかえがありました。ぬりえには、はっきりと"大人向け"と書かれています。

きせかえは、大人の女性の下着姿がえがかれています。様々なシーンに合わせた服のシールがあります。本のサイズも大きく、ファッションを学ぶ人たち向けかもしれません。


この本は、取材をしたmtm出版社のぬりえ本です。上の本は、"バルセロナを塗ろう"というタイトルで、バルセロナの街の様々な建築物などが描かれています。
下の本は、花、鳥、動物、建物などが白黒のはっきりした線で描かれ、一部には、花を開くとしたには蝶々や虫などが描かれていたりしています。このような手間のかかる作業を必要とするぬりえ本は、中国で作られているそうです。初めてみるぬりえ本でした。


こちらのぬりえ本は、ディズニー、時計など形のぬりえ、ガウディーの建物のぬりえ、大人の冒険を描いたぬりえ等です。
本当にスペインには、様々なぬりえが沢山販売されています。大人の人に参考になるぬりえ本もあり、絵画に関心が高いのだろうと思いました。ガウディーは、子どもは勿論大人もその建物をみると子ども心をそそられるような自由さにあふれた建物ですから、ぬりえ心も刺激されるというものです。


本の中味については、個々に別途ご紹介していきたいと思います。
お楽しみに。


今月のエントランス

『きょうは十五やね』
年 代 : 昭和30年代 作 者 : きいち


秋の夜長にお月見。今日は着物を着ておすましです。
中秋の名月の鑑賞は中国から伝わってきました。十五夜とは秋の収穫物を供えて五穀豊穣を感謝するためのおまつりです。奈良時代にはすでに宮中などで月見の宴を開いていたそうです。
皆さんもすすきとお団子をお月様にお供えして、十五夜を楽しんではいかがでしょうか。


ぬりえ美術館マスコミ情報
●8/18(日)ニッポン放送薬師丸ひろ子の 「ハートデリバリー」 で紹介されました。
●9/11(水)、NHKワールドの Tokyo Eye で紹介されます。


【展示室のご案内】
8月から10月は企画展「きいちの可愛さは永遠に」を開催しております。
きいちぬりえの変遷をご紹介いたします。「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年09月05日

9月の美術館ニュース(1)

9月はまだまだ残暑が残っていながら、9月の声を聞くと秋らしいファッションに関心がいきませんか。今年は霞がかかったような色合いのグループと黒や濃紺などのダークな色グループが流行するようです。流行色を小物などに生かしてみてはいかがでしょう。
 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



タイトル:ドッチボールのせんしゅ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


9月のエントランスは、秋の楽しみをテーマにしたぬりえを展示しています。

今年の9月といえば、なんといっても2020年のオリンピックの開催国が決まることが大きなビッグニュースではないでしょうか。
昭和39年(1964)10月10日(土)から24日(土)までの15日間、東京オリンピックが開催されました。
当日は、「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます。」の名言がオリンピック放送であったそうですが、快晴の中オリンピックが開催されました。今から49年も前のことですが、東京オリンピックの開催時の興奮を昨日のことのように思い出します。

東京オリンピックは、1940年大会の開催権を返上した日本及びアジア地域で初めて開催されたオリンピックであり、また有色人種国家における史上初のオリンピックでもありました。日本の歴史にとって、第二次世界大戦で敗戦し急速な復活を遂げた日本が、再び国際社会の中心に復帰するシンボル的な意味を持った大会でした。


主催国として日本は金メダル16個、銀メダル5個、銅メダル8個の合計29個のメダルを獲得しました。女子バレーボールや男子体操、ウェイとリフティングなど日本のメダルとともに、このオリンピックで活躍した日本や海外のスポーツ選手の名前を何人も挙げることが出来る程、テレビにかじりついてみていたものでした。

 
オリンピックの感動をふたたび!(館)

Posted: Nurie : 13年09月05日

8月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.21   今月は、 スペイン編(2)です。

今月は、5月に調査をいたしましたスペインのぬりえの概要をご案内いたします。
   


さて、写真①は、いわゆるぬりえ本です。ドラえもんが放映されているそうで、ドラえもんのぬりえもありました。
 ミツバチマーヤ、ディズニーのお姫さまのようなぬりえ、こちらは塗りながら文字が学べるようになっています。
妖怪のぬりえ、紫、青などカラーで纏められたぬりえ本などがあります。

写真②は、女の子が好きなお姫さまやスペインでは大人気のSant Jordi(サン・ジョルディ)のぬりえです。
左上のお姫さまは、アジアの小さいお姫さまというタイトルで、日本的なものもありますが、中国的な絵が多く描かれています。

右上のお姫さまは、マンダラで、お姫さま、王子様、お城などが描かれています。
Sant Jordiは、ドラゴンからお姫さまを守ったサン・ジョルディの物語のぬりえで、絵を塗りながら、文字の勉強もできるようになっています。


今月のエントランス

『あおぞらがっこう』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち
夏休みで学校は長い間お休み。でも今日は、少女が先生役です。うさぎさんやおさるさんにローマ字も教えているようです。
こちらを見る少女の表情は、いつもよりちょっぴり大人な雰囲気がします。「分かる人は手を挙げてね!」そんな声が聞こえてきそうな1枚です。


ぬりえ美術館情報
   


美術館には、ぬりえ本のみならずノートもございます。
背表紙には、和装の女の子のぬりえが付いており、ぬりえも楽しんで頂けるようになっています。
是非手にとってみて下さいね。


【展示室のご案内】
8月から10月は企画展「きいちの可愛さは永遠に」を開催しております。
きいちぬりえの変遷をご紹介いたします。「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年08月03日

8月の美術館ニュース(1)

皆様は今年の夏をどのように過ごされますか?まずは、今年の猛暑をどう涼しく過ごそうか 考えたいですね。
子どもさんの夏休みを考えて、様々ないい展覧会が開催されていますので、美術館や博物館の中で、素敵な展示を見ながら、涼むのはいかがでしょうか。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:はちさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :宮崎ツヤ子氏


8月のエントランスは、ペットや昆虫をテーマにしたぬりえを展示しています。
昭和30年代の小学生たちの夏の思い出といえば、臨海学校や林間学校が上げられるのではないでしょうか。誰が一番日焼けしたか、二学期が始まる日には腕を見せ合って、競争したものでした。
お休みが始まると、早朝のラジオ体操が近所の公園で開催され、毎日参加の印の判子を押して貰ったりしましたね。朝が不得意な私は毎年続けることができなかったものです。


夏休み期間中の宿題も忘れられないテーマですね。
毎日絵日記を書きました。天気を記入しなければなりませんが、毎日書いていないと天気が分からなくなって、困った人が多かったのではないでしょうか。
宿題の中に、毎年昆虫採集もありました。上手に様々な昆虫を捕まえて、きれいに箱に並べて学校に提出する同級生が羨ましかったものです。


今月の絵の「はちさん」のぬりえは、昆虫の精を描いたものですが、蜂は私たちに有効で美味しい蜂蜜を作ってくれるので、私達にとって身近でしかも絵になりやすい昆虫なのでしょう。
きいちは蜂以外にも蝶々やトンボなどの昆虫の精を描いています。擬人化された昆虫は、とても可愛いです。


皆様のお好きなペットが描かれているかもしれません。どうぞ見つけにいらしてください。(館)

Posted: Nurie : 13年08月03日

7月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.20   今月は、 スペイン編(1)です。

今月は、5月に調査をいたしましたスペインのぬりえの概要をご案内いたします。



①この絵は、なんだか分かりますか?これは、バルセロナにあるアントニオ・ガウディ作のグエル公園のトカゲのぬりえです。素材は、先月のカナダのぬりえ編のスポンジボブの素材と同じで黒の部分がベロアになっています。ガウディのトカゲなんて、いかにもスペインを象徴していますね。



②これでビックリしてはいけません。スペインには、著名な画家が沢山います。エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、ピカソ、ミロ、ダリ等など。
プラド美術館を初め、それぞれの画家の美術館がマドリードやバルセロナにあります。それらの画家の絵をこどもたちが見学したときに勉強する絵本やぬりえ等がミュージアウショップに沢山販売されています。表紙も可愛らしく、つい手に取ってみたくなりますね。



③今回マドリードで訪問した幼児学校で、テキストをいただくことができました。幼児学校で現在使っているもので、中にはぬりえをしながら勉強するページが沢山入っています。

スペインでは幼児教育は5才くらいまでで、幼稚園(0歳~3歳児)、幼児学校(3~5歳児)があり、義務ではないが、100%近くが就学していて、義務教育の準備期間としての役割を果たしているそうです。公立の場合は通常、初等学校(6~12歳)に併設されており費用は無料。というわけで、スペインでは、3~5歳児が行くところは、「学校」と呼ばれています。


今月のエントランス

「たなばたさま」
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち
七夕は夏の本格的な始まりを思い起こさせます。願い事を書いた短冊を笹に吊り下げ、織姫と彦星の物語に思いを馳せながら、天の川を見るために夜更かしも許される、夏ならではの特別な行事のひとつです。少女は短冊に何を書いたのでしょうか。わくわくの詰まった1枚です。


ぬりえ美術館情報
●東京下町柴又新聞第8号「下町体験スポット」でぬりえ美術館が紹介されました。
●夏休み中の小学生の子どもさんを対象に、「デコぬりえ®教室」を開催いたします。
開催日時:8月8日(木)1:30~4:00  詳しくはHPをご覧ください。


【展示室のご案内】
7月の館内展示は、常設展示となります。
きいちのぬりえを中心に、子どもの楽しい生活をご紹介しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年07月06日

7月の美術館ニュース(1)

夏がやってくると緑のカーテンが話題になりますが、今年はゴーヤだけでなく、変わった品種を植えるのが流行っているそうです。小さいメロンやへちま、ひょうたん、きゅうり等。また野菜ではなく、お花もあるそうです。どんなエコカーテンが作られているか、楽しみですね。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



タイトル:おえんにちできんぎょかってきた
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :小沼秋成氏

7月のエントランスは、物語をテーマにしたぬりえを展示しています。
昭和の30年代には、子どもたちが大勢いましたから、縁日も賑やかでした。
ぬりえ美術館があります町屋付近にもいくつか縁日が開催され、2つの縁日に友達や家族と出かけていました。

縁日では、玩具、食べ物、遊びものなどがあり、それぞれ好きなものがあったと思います。まずあんず飴などをなめながら、屋台を眺めながら縁日の端から端まで歩きます。綿飴、あんず飴、りんご飴、ソース煎餅、カルメ焼き、これらは今でも縁日で見つけられると思います。


この絵にあるように金魚すくいも大きな楽しみでした。同じような遊びにヨーヨーすくいもありました。すくった金魚は、この絵のようにビニール袋に入れて、持ち帰ることができました。
玩具では、お面やおままごとの道具などがありました。それから、ひよこも販売されていました。ひよこは、東京ではなく、埼玉の田舎でみたものかも知れません。
縁日は、最近では子どもが少なくなってしまったので、あの当時の賑やかさはなくなってしまいましたが、大人になっても、屋台を冷かしながら夜の街をあるくのは、楽しみなものですね。(館)

Posted: Nurie : 13年07月06日

6月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.19  今月は、 カナダ 編です。


今月の海外ぬりえは、カナダのぬりえをご紹介いたします。
カナダのぬりえ本も先月同様に、知人がカナダに行った際に購入して寄贈してくださったぬりえになります。



1.「Lil Bratz」のぬりえは、実は2001年アメリカ生まれのファッション人形のぬりえ本です。アメリカだけでなく、カナダでも人気となっているのでしょう。
Cloe,Jade,Sasha,Yasmin という4人のアイドルがいて、大きな顔にほっそりした体、アーモンド形の目が特徴です。
このぬりえ本は、海外には時々みかけるのですが、200ページほどあるような、非常に分厚いぬりえ本です。中味はぬりえ、パズルの他に、この人形のプロフィールを書き込んだり、予定表を作ったり、それぞれのお人形に着せるTシャツの柄を書いてみたりと自分で文章など書く部分も多く、今までのアクティビティブックとも一味違った本のなっています。このようなタイプのぬりえ本を日本では見たことがありませんので、日本でもこのようなぬりえ本があるといいなと思いました。


2.この本も、初めて目にするものでした。
白・黒の黒の部分がベロアで描かれたぬりえ本です。主人公はスポンジのボブと言います。ベロアの黒い部分に付属品でついているマジックのようなものでぬるとそこに絵が出てくるようです。“100色ものカラフルな驚きが魔法のように現れます”というキャッチコピーが書かれています。珍しいぬりえ本ですね。


3.やっと普通のぬりえ本がありました。
クリスマスのスノウマンが表紙で、中のぬりえもクリスマス関連の絵が描かれています。線がとても太いので、小さいお子さんにはとても描きやすいのではないかと思います。


私も海外の本屋さんに立ち寄ったときには、その国のオリジナリティーを感じられるものや日本では目にしたことがないようなものを探しています。カナダのぬりえには、その貴重性が感じられて、大変面白いと思いました。
来月もお楽しみに。


今月のエントランス

『しかになったおとうと』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち
グリム童話の「森のきょうだい」のワンシーンです。魔法にかかって子じかになってしまった弟を見つめる少女の眼差しには、やさしさと愛情が溢れています。悲境の中にありながらも、美しい心と幸福への希望が表れています。


ぬりえ美術館情報
洗っても絵が消えない「きいちの石けん」が発売されました。石けんの上にきいちのぬりえがついています。
1個 735円(5種類)です。

Posted: Nurie : 13年06月09日

6月の美術館ニュース (1)

だんだん蒸し暑くなってきました。じめじめした梅雨の季節に入りましたが、新暦では日本の6月は梅雨どきですが、旧暦の6月は梅雨が明けた夏の酷暑の頃で、厳しい日照りで水が干上がり、「水の無い月」でした。もうすぐ夏本番。花火や海のレジャーが今から楽しみです。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


6月のエントランスは、物語をテーマにしたぬりえを展示しています。



タイトル:りんごうりのおばあさんにおくりものをするせでい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :宮崎 ツヤ子氏

きいちは昭和22年に仕事を始めるときに、絵本を作りたい気持ちがあり、メリーさんとはなこさんという絵本を作っています。その後戦前からやりなれたぬりえを始めますが、そのぬりえの中に物語のぬりえをいくつか描いています。
今回展示している物語は、「青い鳥」、「オズの魔法使い」、「アルプスの少女ハイジ」、「森の兄弟」そして、ここで紹介している「小公子」です。

子どもの頃に読んだことがあるわ、と思い出される方も多いことでしょう。ニューヨークで生まれたセディが、イギリスの伯爵の祖父の後継者として、母とイギリスに渡っていくお話です。このぬりえは、ニューヨークのブルックリンで生活をしていたセディが別れる前にりんご売りのおばあさんにさよならをする場面を描いています。
昭和20~30年代、月刊雑誌を購入できるのは、クラスで数名という時代でした。それらを回し読みする時代ですので、ぬりえの中に描かれた物語も子どもたちにとっては、とても楽しい読み物兼ぬりえ、又はぬりえをしながら物語を覚えるいい手段であり、わずか5円か10円で物語が楽しめる、いくつもの楽しみがあるものだったのではないかと思います。
ひさしぶりに小公子など、昔読んだ絵本や物語を読みたくなりました。(館)

Posted: Nurie : 13年06月09日

5月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.18 今月は、ブラジル編です。
今月の海外のぬりえは、ブラジルをご紹介いたします。
海外のぬりえ本は、実際に私が現地に行ったものばかりではなく、友人、知人からの寄贈という場合もあります。今回のブラジルは頂いたものになります。

ぬりえ美術館に収蔵のブラジルのぬりえはタイトルこそ違え構成がほとんど同じです。ぬりえをしながら何かを勉強するアクティビティタイプのぬりえというスタイルです。
4冊のぬりえ本をご紹介しますが、中味はぬりえのページ、パズルをするページ、迷路などのページなどで構成されています。


1.の本は、「ピノキオ」のぬりえ本です。左右のいずれかに色見本がついています。

2.の本はサーカスというタイトルのぬりえ本です。ぬりえページの他にパズルや言葉遊びなどがついています。


3.の本は天使たちの絵を通して、ぬりえやパズルや迷路などで構成されています。シリーズ化されているようで5冊所蔵しています。

4.絵の具の絵のぬりえ本は、絵の具のキャラクターがぬりえになったり、同じ形のシルエットを選ぶものやパズルのページなどで構成されています。


先月の韓国のぬりえ本は大変ページ数も多い豪華なぬりえ本でしたが、こちらはその反対に4ページから6ページ、10ページと薄いぬりえ本となっています。
手軽にぬりえをしながら、様々なことを学ばせることがブラジルでは親達に望まれているのかもしれませんね。
本当に国によって、違いがあることが分かります。是非次回もお楽しみに。(館)


今月のエントランス

『しゃぼんだま』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち
しゃぼん玉を膨らます少女、左手に握っているのは牛乳瓶でしょうか?しゃぼん玉の液は、駄菓子屋や縁日の屋台などでも売られていたようですが、家庭にあるせっけんや洗濯用洗剤を薄めて作ることも出来ました。大きくほほを膨らませて、大きなしゃぼん玉を上手に作っていますね。

ぬりえ美術館情報
洗っても絵が消えない「ぬりえの石けん」が発売されました。石けんの上にきいちぬりえの絵がついています。ぬりえ美術館オリジナル商品です。
1個 735円(5種類)です。

【展示室のご案内】
5月の館内展示は春の企画展となります。きいちのぬりえが何故可愛いのか、ご紹介しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年05月06日

5月の美術館ニュース(1)

一番いい季節を迎えました。今年は天候の変化が激しくおかしかったですから、この安定し た季節になると、気持ちまで落ち着いてくるような気がします。何かを始めたり、旅行に でかけたりしてみるのもいいですね。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:ぬりえ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

5月のエントランスは、子どもの遊びをテーマにしたぬりえを展示しています。
4月のニュースに昭和20~30年当時の子どもの遊びについて書きましたが、お手玉、あやとり、ぬりえ、ままごと等が定番のお遊びでした。


きいちは昭和22年からぬりえを「きいち」の名前でぬりえを描いています。初めはバラで販売していたようですが、版元(今でいうメーカー)さんの一人が袋入りぬりえを考えました。

10枚入りのときもあったようですが、8枚入りが用紙のサイズの取り都合から丁度良いということで8枚入りの時代が永かったようです。その後10円になり、5枚入りとなっていきます。


ぬりえは、毎月2つの版元さんより各4袋合計8袋の新作が販売されていました。それらの新作を求めて、少女達は駄菓子屋さんに通ったわけです。きいちのぬりえだけで、毎月100万袋、ピーク時には160万袋のぬりえが売れたそうです。100万人の少女達がきいちのぬりえに心をときめかせてことになります。


今年1月に日本テレビのZIP!という番組で、ぬりえ美術館が取り上げられました。そのテレビをみた小学生や幼稚園生の大勢の子ども達が、放映後にぬりえ美術館に来館してくれました。今の子ども達にとっても、きいちのぬりえの少女は可愛い!と思って、お母さんにねだって、美術館に来てくれたのです。
きいちの可愛さは、本当に永遠不滅です。(館)

Posted: Nurie : 13年05月06日

4月の美術館ニュース (2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.17 今月は、韓国編です。

今月は韓国のぬりえをご紹介いたします。韓国のぬりえの一つは、”Smaile School1"というタイトルで、このぬりえはぬりえをしながら英語を勉強するアクティビティー本となっています。
   

このシリーズはいくつもあるようで、美術館にあるものだけでも、英語の動物名を覚える、英語で「自分の好きなもの」、例えばお人形(doll)や自転車(bicycle)を覚える、英語で赤(red)、黄(yellow)と「色」を覚える本等があります。


日本のぬりえの韓国版では、まず「ハム太郎」と「ミルモでポン」です。
これらの本は、日本のぬりえ本よりサイズ的にも内容的にもかなり豪華版になっています。まずシールがついていますので、シールとぬりえの両方をたのしめるようになっています。ぬりえは、左側に見本がついていますので、それをお手本に、ぬりえをするようになっています。
   

この他にも「ポンポンポロロ」、「シルバニアファミリー」などのぬりえ本が、同じような構成で販売されています。
   

以前中国の出版社に行ったとき、韓国のぬりえは中国でも人気があると言っていましたが、その韓国のぬりえは、日本のアニメのキャラクターのような目のパッチリした女の子のぬりえでした。
韓国のぬりえの傾向ならびに中国の話を合わせますと、日本、韓国、中キャラクターの好みが似ているのではないかと思いました。(館)

今月のエントランス

『おにんぎょうたちに おちゃをあげましょう』
年 代 : 昭和20年代
作 者 : きいち

小さなお茶のセットでお人形たちへおもてなしの用意をする少女。女の子はこうしておままごとをして、大人の真似をしながら、美しい所作やおもてなしの心まで養っていたのでしょうね。少し背伸びをしたおすましの表情も可愛らしいです。


ぬりえ美術館情報

洗っても絵が消えない「きいちの石けん」が発売されました。石けんの上にきいちの絹絵の絵がついています。
1個 735円です。

【展示室のご案内】
4月の館内展示は春の企画展となります。
きいちのぬりえが何故可愛いのか、ご紹介しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年04月07日

4月の美術館ニュース (1)

桜が今年は思いのほか早く咲いて、今は東北方面に桜前線が行っている頃でしょう。桜にはなぜかウキウキこころ踊らされるものがあります。各地に素晴らしい桜がありますので、皆様のお近くでもさぞ楽しいお花見ができることと存じます。今年もどうぞ体一杯に桜を楽しまれてください。


ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:あやとり
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


4月のエントランスは、素敵な着物をテーマにしたぬりえを展示しています。
あやとりをされたことがありますか? なにかあやとりの思い出がございますか?
私はあやとりは、祖母から習いました。二人であやとりをしていると、あやとりの形が次から次へと変わり、終わることがなく、続きました。
祖母は一人あやとりが大変上手でした。今にして思うと、どうしてもっとよく教えてもらい、覚えておかなかったのかと大変残念に思っています。

先日もぬりえコンテストの方のコメントに、当時の遊びについて書かれたものがありましたが、昔は室外ではママゴト、鬼ごっこ、縄とび、室内ではお手玉、おはじき、あやとり、ぬりえなどの遊びを揚げられていましたが、本当にその当時はそういう遊びしかなくて、みんながそれをしていました。どれも特別な道具が必要でもなく、シンプルな遊びで誰でも取り組むことができる遊びです。それらは、手先を使うことが多くて、頭や手先の器用さのためにも良かったのではと思われます。


お手玉は、「日本のお手玉の会」という会が平成4年に作られ、競技会の開催や海外に出て、日本のお手玉を紹介されているようです。お手玉もぬりえ同様にシンプルな遊びですから、外国にも様々な形のお手玉があり、遊ばれているようです。
これからも日本の遊びとして、残っていくといいですね。(館)

Posted: Nurie : 13年04月07日

3月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』 研究室 No.16  今月は、チェコ編です。

今月はチェコのぬりえをご紹介します。

チェコはアニメが盛んな国だそうです。そのアニメの背景には絵本があるそうですが、ご紹介するぬりえ本も大変独創的な印象を受けます。
とても素朴で、温かく詩的な感じのぬりえです。いくつかある本の中から、動物と人間のぬりえを紹介いたします。


①犬のぬりえは、「しりたがりやの子犬とお日様」というタイトルだそうです。それぞれのぬりえに、文章がついています。

②もぐらのクルテクは、すでにご存知の方が多くいらっしゃることと思います。クルテクは人気アニメの主人公だそうです。そのうちマトリョーシカのように人気になるかもしれませんね。
   

③リボンをつけた少女と帽子の犬は、一緒に冒険の旅をするぬりえのようです。


④少年とお父さんのぬりえは、少年が大人や動物とふれあう姿を描いているぬりえです。
   
   
いずれの本も見本のページが付いていますので、ぬりえがしやすくなっています。
サイズもA5サイズで小さめです。このサイズが小さい子どものぬりえには手頃なのかもしれません。


もし皆様も海外に行ったときには、空港や駅の本屋さんにぬりえの本が販売されていますので、海外旅行の記念のお土産に1冊、購入されるのはいかがでしょうか。

今月のエントランス

タイトル : 『もものきにたんざくを』
年 代 : 昭和20年代
作 者 : きいち
寄 贈 : 福井紅子氏

雛祭りは「桃の節句」とも呼ばれています。桃の木に短冊を結び付けている少女は、こちらも春の花である華やかな梅の花模様の振り袖を着ていて可愛らしいですね。


ぬりえ美術館メディア情報
・2月2日(土)TBS 王様のブランチの「豆知識」のコーナーで、ぬりえが紹介されました。
・2月25、26日東京ケーブルTVで、ぬりえサロンが紹介されました。


【展示室のご案内】
3月の館内展示は春の企画展となります。「きいちのぬりえが何故可愛いの」と題して、
きいちのぬりえをご紹介しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年03月06日

3月の美術館ニュース(1)

春はあけぼの、ようよう白く・・・ 春という言葉の響きだけで、こころが明るく温かく
なるような気持ちがします。街中のウィンドウには春の色が溢れています。今年のキーワードは、フレッシュとかジューシーだそうで、黄、橙、緑などの爽やかな色が流行するそうです。


ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



タイトル:おはなみ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
寄 贈 者:川越公子氏


3月のエントランスは、春の行事をテーマにしたぬりえを展示しています。
春の行事は?と問われたら、一番に上がるのは「お花見」ではないでしょうか? 桜は、日本人が一番好きなお花と言ってもいいのではないでしょうか。
実はきいちも桜の花をぬりえの中に一番数多く描いたと言っています。桜の花びらの形が一番バランスがいいそうで、それで一番描いたそうです。その次は蝶々だそうです。いずれも日本の伝統の中に、よく使われていますね。


今でも春になると天気予報のように"桜前線"の予報がテレビ、ラジオで放送され、それを見ながら私たちはお花見にでかけます。桜ばかりでなく、季節、季節に合わせて、どこどこのお花がいいと言っては、お花を見に出かけている日本人はお花好きな人種なのだと思います。
郊外ばかりでなく、2月になると東京ドームで開催される蘭の展示会も大変人気があるようです。その他、バラの展示会も西武ドーム等で開催されますね。


ぬりえ美術館では、4月になりますと薄緑色の「鬱金桜うこんさくら」を見ることができます。染井吉野が開花してから1週間後くらいから咲き始め、2週間ほど咲いています。色が薄緑色から、散る頃になりますと花びらの中に赤い色が入ってきて、2色、3色と色を楽しむことができます。いつかこのうこん桜を見にお出かけください。(館)

Posted: Nurie : 13年03月06日

2月の美術館ニュース (2)

『海外ぬりえ』研究室 No.15  今月は、中国 編です。

今月は中国のぬりえ本をご紹介いたします。
中国は2008年にオリンピックを開催し、2010年には万博が開催されることになっていました。そのように中国に注目が集まっている2009年に北京、上海を訪問し調査を実施いたしました。
北京、上海も繁華街にかなり大型の本屋さんがあり、子ども向けの売り場もかなり充実していました。これは中国が一人っ子政策をしているため、子どもの教育に熱心で子どもの才能を伸ばしたいという親の関心の高さが背景にあります。
ぬりえ本も様々な種類がでていましたが、単に塗るだけではなく、絵の描き方や塗り方を指導した本、中国と英語や数字などを学習できるなど、勉強と関連づけられたぬりえが多く見られました。
   
   
  
絵は韓国のものだそうですが、日本のアニメにでてくるようなお姫さまを描いたぬりえは、大変人気があるそうです。これらのお姫さまは果物、宝石、魔法等のお姫さまが描かれていますが、顔が可愛らしく、カラフルな色合いの服を着て、素敵なヘアスタイルの夢の世界を見せてくれるお姫さまが中国の子ども達を魅了するのだと思います。
   

その他のぬりえ本に、ウルトラマンを初め日本の様々なキャラクターがぬりえ本の中に使われていました。ドラえもん、ピカチュウ、ちびまるこちゃん、クレヨンしんちゃん等々。
今中国で人気のキャラクターは、羊の男の子「喜羊羊」です。様々なものに展開がされていて、人気のほどが分かりました。


今月のエントランス

タイトル : 『はいおまちどうさま』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち

大きなリボンを頭につけ、ウエイトレスさんの格好をした少女が料理を運んでいます。スプーンがついているところを見ると、洋食でしょう。かわいいエプロンにカールした髪、そして洋食。女の子のあこがれがつまった1枚です。


ぬりえ美術館メディア情報
●2月2日(土)~24日(日)まで第3回東京新聞ぬりえコンテ ストの優秀作品を展示いたします。
●藤あや子さんご来館!!
1/22(火)日本テレビ”ZIP!で藤あや子さんが来館されぬりえやデコぬりえ®を楽しまれた様子が放映 されました。


【展示室のご案内】
ぬりえコンテスト優秀作品展示中!!
東京新聞で募集していましたぬりえコンテストの優秀作品を展示しています。
個性あふれる作品をこの機会にぜひご覧ください。

「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年02月08日

2月の美術館ニュース (1)

今年の冬の寒さは昨年来ずっと厳しいですが、春はもうすぐやってきますので、明るい服装とか春のガーデニングの準備など、春を楽しみにこの一月をやり過ごしたいものです。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:ピアノをひくのよ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

2月のエントランスは、昭和の夢見た暮らしをテーマにしたぬりえを展示しています。
昭和20年~30年代のきいちのぬりえを展示していますが、お若い方にはここに展示されているぬりえに描かれているものが、すべて存在する、当たり前のことのように思っている方がほとんどです。40~60年ほどの前のことですが、その頃には、ここに描かれていたことは、ほとんど夢や憧れの世界のことで、実生活とは程遠いものだったのです。

このぬりえに描かれたピアノは、団塊世代にとっては、習ったことがある、習わせられたという方も多いのではないかと思います。親たちが自分の子ども時代には出来なかったからと、子ども達に音楽教育のためにピアノやバイオリンやバレー等を習わせたのです。ピアノがものにならず、途中で諦め、購入したピアノが家に残っているということもよく見かけました。私も小学校一年生のころに、バレーをほんの少しだけ習ったことがあります。そういう風潮が埼玉の田舎の街にも吹いていたのです。戦後に吹いた新しい風に、気持ちは浮き浮きしていたことを思い出します。
その他エントランス展示には、大きなぬいぐるみのお人形を持つ少女やこまごまとしたままごとのお道具と遊ぶ少女や、大きなソファで寛ぐ少女などが描かれています。ぬいぐるみもままごとのお道具も、そういうものが欲しいな、あったら嬉しいなという希望をぬりえに描いて、少女の夢を満たしたものなのです。私もお人形の乳母車を欲しいと思っていましたが、残念ながら手にすることはできませんでした。
きいちはそんな少女の希望をぬりえで叶えてくれました。(館)

Posted: Nurie : 13年02月08日

1月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.13  今月は、アメリカ編です。

昨年から始めた「海外ぬりえ研究室」ですが、何度も調査をしているアメリカをご紹介していませんでした。今月は、アメリカのぬりえ本をご紹介したいと思います。

アメリカでは、2005年、2009年にニューヨーク、2008年にサンフランシスコで調査をしています。
ニューヨークの本屋さん、サンフランシスコの本屋さんには、数多くのぬりえ本が販売されています。美術館ではニューヨークよりサンフランシスコに面白い、いいぬりえ本を数多く発見することができました。
アメリカの幼稚園では、1970年代にNatural Association for The Young Education という協会が子どもたちのアートワークについて、「自由な表現」と「プロセス」を重視せよ、という法案を通したことにより、5才以下の子どもたちは、
自分のできる範囲でする。創造性豊かな表現力 が重要視されるようになり、これらを実践するためには、自分で描いて、塗るということがより実施されるようになり、ぬりえが以前よりされなくなっているとニューヨークのYMCA内にあるナースリー・スクールのサリー園長は最近のぬりえ事情について話してくれました。
   

しかし本屋さんには、様々なぬりえ本が販売され、子ども達はぬりえは楽しいと、塗っています。
「Deluxe]というぬりえ本は、欧米での一般的なぬりえ本です。性別に関係なく、どちらがぬってもいいというぬりえ本になっています。線がはっきりしていて、大変塗りやすそうです。


   
「New York for Kids」はニューヨークの有名スポットのぬりえです。ニューヨークにやって来たお土産として、いいのではないでしょうか。


   
「Famous Women of The Cibil War」は、「南北戦争の有名な女性たち」を取り上げた歴史を学べるぬりえ本です。アメリカには、このような歴史を取り扱ったぬりえ本を他にも見つけることができます。塗るという行為をしながら、歴史的なことが頭に入るではないでしょうか。


2005年当時日本の歌手の”パフィー”がアメリカで人気となっていました。これはぬりえではなくステッカーブックですが、”パフィー”のアニメの本がでていましたので、ご紹介しておきます。(館)



今月のエントランス
タイトル : 『ひだまり』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち

陽だまりで休む少女。髪型や佇まいはどこか大人な雰囲気です。遊びに夢中な少女だけでなく大人にとっても、温かな陽だまりの中では一瞬時が止まるような気がします。とても趣のある一枚です。


ぬりえ美術館メディア情報
●12月20日~1月12日まで第三回東京新聞ぬりえコンテストを開催しました!! 
作品は2月からぬりえ美術館にて展示します。個性あふれる作品をぜひご覧ください。


【展示室のご案内】
1月の館内展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心に展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 13年01月02日

1月の美術館ニュース(1)

新年明けましておめでとうございます。皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
ぬりえ美術館は、開館11年目に入りました。毎年海外で"ぬりえ調査"をしていますが、今年はスペインで実施する予定です。子どもたちがどのようにぬりえをしているのか、調査をします。とても楽しみです。
皆様の新年の計画はどのようなものでしょうか。必ず実現できるといいですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:ぴよぴよひよこさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
 
1月のエントランスは、子どものころのわくわく楽しかった生活をテーマにしたぬりえを展示しています。
子どものころは、どうしてあんなに毎日が楽しく、早く過ぎ去っていったのでしょう。何をしてもワクワクしていたような気がします。
今月のエントランスには、遊びのぬりえも紹介していますが、遊び以外にも楽しかった子どものころの生活に関するぬりえを展示しています。

今、犬や猫のペットが人気ですが、私が子ども頃には犬、猫以外にもうさぎを飼ったり、ひよこなどを飼ったりしていました。埼玉の田舎でしたので、とり小屋があり鶏を飼っていました。鶏のえさなどは大人の仕事でしたので、手伝いはしませんでしたが、うさぎを飼いたいと頼んだときには、自分の仕事として、朝学校に行く前に雑草を刈ってきて、えさをあげてから学校に出かけたものです。

ひよこは縁日とか市で、愛玩用として売られていました。ひよこは小さくて、毛がフワフワしていますので、とても可愛いので、つい「買って!」とおねだりして、買ってもらいました。ところがひよこはとても弱いので、すぐに死んでしまうのが、残念でした。それでも、又次の機会には買ってもらってしまうのですが。
色のついたひよこの記憶がありましたので、ネットで検索をしてみたところ、やはりひよこを沢山買ってもらう手段として、カラーひよこがいたことがわかりました。最近では見ない光景ですが、楽しい思い出の一つです。(館)

Posted: Nurie : 13年01月02日

12月の美術館ニュース 2

『海外ぬりえ』研究室 No.12 今月は、スイス編です
今月はスイスのぬりえ本をご紹介いたします。
スイスは2011年にチューリッヒとジュネーブを訪問し、幼稚園などを調査しました。
チューリッヒはドイツ語圏、ジュネーブはフランス語圏です。以前調査したドイツやフランスの国とで、ぬりえに対する反応が違いました。言語が違うと同じ国の中でも違いがあるかもしれませんので、2都市を調査いたしました。
結果は、ドイツとフランスの調査とまったく同じで、チューリッヒではぬりえに肯定的ではなく、ジュネーブでは積極的に使われておりました。
それでも、本屋さんに行きますとたくさんのぬりえが販売されていました。子ども専用の素敵な本屋さんがチューリッヒにも、ジュネーブにもあり、沢山ぬりえを購入してきました。
ジュネーブの子どもの本屋さんは、そのお店そのものが夢の国のような感じで、ただ本をならべるだけでなく子どもが喜ぶように作られていました。
      

このお店で購入した本の一つが"Dessins, griboullages et Coloriages"です。子どもだけでなく、大人にも適している素敵な本です。中に描かれている絵のデザインが大変お洒落で、レベルの高い本です。ぬりえをしても、自由に絵を描いても、いたずら描きのようにしてもよいというタイトルの本です。

   

チューリッヒで見つけた本は、"Gute Nacht!(おやすみなさい)" という本で、黒い地の中に白い線で絵が描かれています。従来のぬりえとは反対ですね。白い線の中に、色を塗っていくようになりますが、このようなぬりえを初めて見ました。逆転の発想で、面白いと思いました。

最後はジュネーブの本屋さんで見つけたぬりえができる絵葉書です。ちょっとお洒落で可愛いですね。(館)


今月のエントランス

タイトル : 『おしるこ』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち


おもちをのばしながら、おいしそうに食べている少女。この子は、どこでおしるこを味わっているのでしょうか。お家の縁台?それともお店の軒先?背景も、自由に思い浮かべて楽しめる1枚です。


ぬりえ美術館情報
●年末年始のご案内
本年は12月24日(祝)まで、来年は1月12日(土)から開館いたします。
2013年も、ぬりえ美術館をよろしくお願いいたします。


【展示室のご案内】
12月の館内展示は常設展となります。きいちのぬりえを中心に展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 12年12月02日

12月の美術館ニュース 1.

師走になりました。今年の一年を振り返ってみますと、10周年を無事迎えることができて、大変嬉しく思いました。大人のぬりえサロンでしている「デコぬりえ®」も人気となり、シニア向けのイベントである「エキスポS65+」でも紹介させていただきました。新しい方向性のぬりえとして、来年もデコぬりえ®を推進していきたいと思っています。皆様方の今年はどんな年だったでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
12月のエントランスは、冬のすごし方をテーマにしたぬりえを展示しています。


タイトル:おみかんおいしいわ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


最近、みかんは10月頃からでも食べられるようになりましたが、昭和20年代~30年代といえば、冬の果物といったらみかんとりんご位しかありませんでしたね。時期は12月頃。お歳暮としてもよくみかんが贈られていました。みかんやりんごは、木の箱にいれて、上に熨斗紙をかけて送られていました。
味はいまよりずっと酸っぱさがかっていたと思います。今は何でも大変糖度の高い果物が作られるようになって、とても美味しくなりました。

味はいまよりずっと酸っぱさがかっていたと思います。今は何でも大変糖度の高い果物が作られるようになって、とても美味しくなりました。
学校では、みかんをつかって"あぶりだし"をして、遊んだりしました。"あぶりだし"とは、みかんの汁をしぼって、その汁で字や絵を書き、一度乾かし、その紙を火にかざすと文字や絵が出てくるものです。今でも"あぶりだし"などされているのでしょうか。


みかんの食べ方として、みかんを焼いて食べたことはありませんか? 子どものころ、いつも火鉢がありましたので、火鉢の上に網をのせみかんを焼いてたべることも好きでした。暖かいことと、食感が変わるので、冬の間みかんを飽きずに食べることができました。


また夏になると、列車に乗るときに駅の売店に「冷凍みかん」が販売されていて、列車に乗るときの楽しみでした。今年はみかんが豊作だそうです。沢山食べられそうですね。(館)

Posted: Nurie : 12年12月02日

11月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.11  インド編

今月は、インドのぬりえをご紹介いたします。

「colour with pencil」と「DRAWING & COLOURING」というぬりえをご紹介します。
   
「colour with pencil」は色鉛筆で塗っていくぬりえ本です。お花、動物、魚、お菓子などの物の形や、凧上げ、虫とり、バースデーの模様など、動作をしている様子などをとりあげ、見本にしたがって、ぬりえをするように指導しています。見本には色鉛筆の濃淡などもはっきりと分かり、色鉛筆の仕上がりが学べるようになっています。
この会社では、ぬりえ本を様々出版しており、絵筆、クレヨンを使って描く本をはじめ、ジャンボサイズのぬりえ本など子どもたちのために発売しています。

   

「DRAWING & COLOURING」では、色というものは、子ども達を魅了しているが、この本のシリーズでは、子どもの中に生まれつきもっている色と形に対する興味を育むためのものであり、単に塗るためのぬりえ本ではなく、アートを育む本ですと基本方針を述べています。1月から10月まで様々な国のぬりえ本を紹介していますが、基本方針を本に示していたものはなく、インドのこの本が初めてです。

   

さて、中味は様々な線、カーブや波型、尖ったジグザグの線等を描くことからスタートし、見本を見ながら、線を加えたり、色の重ね塗りをしたり、鉛筆やフェルトペン(マジックインク)等材料の違ったもので描いたり、最終的には、立ったり、走ったり、ボール投げをしている人間の行動を描くという構成になっています。
この出版社では、子どもの色と形に対する興味を育み、描いたり、色をぬったりすることを好きになるようにするために10種類の本を発売しているそうです。

インドは、現在世界の本の印刷工場にもなっているそうで、ぬりえに関しても様々な本が出版されているようです。
最近はインドの経済成長も目覚しいものがありますので、子ども達もぬりえを楽しんでいることでしょう。(館)


今月のエントランス

タイトル: 『つみき』
年代:昭和30年代 作者:きいち
寄贈者:新井光男氏

お人形を抱っこしながら、つみき遊びをする少女。積み木は様々な形を自由に作り上げることができるので、楽しい遊びでした。一人で、またお友達といっしょに遊ぶこともでき、コミュニケーションを図れるいい遊びですね。


ぬりえ美術館メディア情報
11月15日(木)~17日(土)の間、「エキスポS65+」が幕張メッセにて開催されます。
アクティブシニア向けに、関連する情報や催しが実施されます。16日(金)と17日(土)の両日、ぬりえ美術館では、「デコぬりえ®」を楽しむ講座を担当いたします。


【展示室のご案内】
11月の館内展示は常設展となります。きいちのぬりえを中心に展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 12年11月01日

11月の美術館ニュース(1)

今年も残すところ2ヶ月となりました。秋も比較的暖かくて過ごしやすい日々を楽しみながら、冬支度の準備を今から整えておくのはいかがでしょうか。年の瀬の忙しい時期をのんびりと過ごせるのではないでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル: おにんぎょうさんのおきかえ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

11月のエントランスは、お人形をテーマにぬりえを展示しています。
このぬりえは、お人形の服を着替える様子を描いた昭和20年代のぬりえですが、現代の少女たちがしているお人形遊びと少しも変わらないと驚かされます。
小さいお人形に服を着せたり、脱がしたりして遊ぶとき、なんだか自分がお人形のお母さんになったような気持ちで、遊んでいたような気がします。その上いつもお母さんに言われていることを、お人形に言い聞かせながら、遊んでもいたような気もします。

このぬりえには、お人形用の箪笥、鏡台、椅子などが描かれています。昭和20~30年当時、このようなお人形に係わる道具まで買ってもらえた少女たちは少なかったと思います。でも遊ぶなら、本物そっくりの箪笥、鏡台、椅子などがあれば、お人形遊びもさぞ楽しかっただろうと思います。
このぬりえはそのような少女の夢を叶えてくれるぬりえだったのではないかと思います。ぬりえを塗りながら、この箪笥は何色にしようか、何を入れようか等考えながら、夢を膨らませて塗っていたのではないかと思います。
今はリカちゃん人形やバービーに、服を初め回りの様々な小物達がすべてお金で購入できるような時代になりました。実物を揃えて、遊ぶことができるのですから、少女たちの想像力や夢が昔よりも大きく膨らんで、心豊かになってくれることを願いたいです。(館)

Posted: Nurie : 12年11月01日

10月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.10 今月は、タイ編です。

タイ王国、通称タイは、東南アジアに位置する立憲君主制国家で、東南アジアの中心に位置し、国土面積は約51万4000平方キロメートル(日本の約1.4倍)ミャンマー(ビルマ)、ラオス、カンボジア、マレーシアと国境を接している国です。首都はバンコクです。

旅行としてたびたびバンコクを中心にタイに行ったことがあり、その中で収集したぬりえ本をご紹介いたします。

首都バンコクでは、東京と変わらない生活水準になっていますので、子ども達も携帯電話を持ち、ゲームに夢中です。しかし、少し田舎に行きますと、まだまだ本の世界をしらない子どもたちもいるそうで、学校の教科書も個人の所有ではなく、学校においてあり、それを共通で使うというところもあると、お聞きしたことがあります。そのような地区では、ぬりえなどを楽しむことはしていないかもしれません。

バンコクでは、街中やマーケットの中の本屋さん、キオスクのようなところで、ぬりえが販売されています。
内容は、歴史ある国ですから、タイの伝統と文化をあらわす物語のぬりえを始めとして、最近のアニメブームを繁栄したぬりえ、そして日本のマンガやアニメのぬりえなど多種多様なぬりえ本がありました。


タイでもっとも人気のあるぬりえは日本のアニメのぬりえだそうですが、タイの民話や物語、世界の童話、タイの生活、文化を伝えるものなどが沢山販売されています。それは、タイ政府の政策として、「子どもたちにタイの伝統文化を伝える」ことを取っているからだそうです。タイは大変重要な政策を実施していると思いました。

   
今回ご紹介するのは、民話の「金の魚」という物語のぬりえです。物語にそってぬりえをしながら、その民話を覚えるようになっています。絵がとてもタイらしく、手描きであることも魅力になっていると思います。



バンコクでは日本のアニメが人気ということなので、「とっとこハム太郎」にぬりえがありましたので、ご紹介します。バンコクでも子ども達は、アニメのクレヨンしんちゃんが好きで、親たちは一休さんを子ども達に見せたいと言うことを聞きました。これなどもまったく日本と同じだなと思いました。



今月のエントランス
タイトル: 『はれぎ』
年代:昭和30年代 作者:きいち

このぬりえは、七五三の時の晴れ着ですね。七五三のときには、小さいながらもお振袖の豪華な着物を着て、気持ちが華やいでいるようです。頭には、大きなリボンがついていますが、このリボンをつけることが昭和30年代の七五三の定番でした。


ぬりえ美術館メディア情報
・10月10日発売の女性誌『ノバリエ』(講談社)に「大人のぬりえサロン」のデコぬりえ®が紹介されます。
・丸ごと1日きっぷ「いっとく」の紹介ポスターにぬりえ美術館が掲載されます。都営地下鉄や都電荒川線などの駅や車内に掲示されるそうなので探してみてください。

【展示室のご案内】
8月~10月の館内展示は10周年記念企画展として、きいちの絹に描かれた美人画や童女画など珍しい作品を展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 12年10月06日

10月の美術館ニュース(1)

厳しい残暑が終わり、本格的な秋を迎えました。今年は暑さ、寒さの差が大きいようですから、美しい紅葉があちら、こちらで見られるようになりそうですね。暑さの疲れもでてくることもあるかと思います、気をつけてお過ごしください。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

   
タイトル: こけしのきもの
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
0月のエントランスは、着物をテーマにぬりえを展示しています。

秋になりますと各地で菊の花の展覧会が開催され、丹精こめて育てられた様々な菊の花が展示されます。
湯島天神では、珍しい江戸菊や巴錦など、約2000株が展示され、その規模は関東一だそうです。菊人形も展示されます。日程:11月1日(木)~23日(金・祝)
スカイツリーで賑わう浅草の浅草寺では、境内の特設会場に、盆養、大作、懸崖、盆栽など約1000点が展示されます。日程:10月16日(火)~11月14日(水)

上記以外にも谷中菊まつり、靖国神社や六義園の菊花展、亀戸天神社の菊祭り、明治神宮の菊花展、新宿御苑では、皇室ゆかりの菊花壇展が開催される予定ですので、10月から11月のお出かけの参考にしてみてはいかがでしょうか。もちろん東京以外にも皆様のお住まいの地区でも開催されていると思いますので、検索してみてください。


菊の花の展覧会が多いのも、菊の歴史が古いからで、1500年まえほどに中国で交配によって生まれたといわれ、日本では、薬草や観賞用として平安時代から入ってきていたそうです。江戸時代になりますと、その栽培が熱心に行われ、新品種が現れるとともにその育て方にも工夫がこらされ発展し、今日の菊花展につながったと思われます。


子どものころ、祖父もこの菊の花を育てていたことを思い出します。又このぬりえのように、菊の花の鉢の前で撮った家族の記念写真も残っています。
きいちのぬりえには昭和の時代が色濃く残されています。これが皆様に懐かしさを感じさせるのでしょう。(館)

Posted: Nurie : 12年10月06日

9月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.9
今月は、フィンランド編です


今月はフィンランドのぬりえをご紹介いたします。
フィンランド共和国は、北ヨーロッパに位置する共和制国家で、北欧諸国のひとつであり、西にスウェーデン、北にノルウェー、東にロシアと隣接する国です。首都はヘルシンキ。
1994年にEU加盟し、2000年にはユーロを導入しました。
2004年度に行われたOECD(経済協力開発機構)のPISA(学習到達度調査)では日本や韓国、香港などの教育熱の高い国や欧米先進国を抑えて学力世界一を誇っている国です。
学力世界一の国、フィンランドでは、ぬりえがどのようにされているのか2008年に調査に行ったことがあり、ぬりえ本を購入してきました。

フィンランドといえば、誰もが「ムーミン(Muumien)」を思い出すのではないでしょうか。そこでムーミンのぬりえ本をご紹介いたします。
   
本屋さんの店頭には数多くのムーミンのぬりえ本が販売されていました。ムーミンをキャラクターにしたグッズ類も様々なお店で販売されています。フィンランドの通訳さんもムーミンのミィーがプリントされたTシャツを着ていましたが、大人の人が来ていても可愛いプリントTシャツでした。ムーミンはフィンランドの国家的なアイドルのようです。


そのほかに「長靴下のピッピ」のぬりえ本もありました。物語からぬりえに展開するぬりえ本があるのだと一つ発見しました。

その他、少女であれば誰もが好きなお姫様のぬりえ本です。冠を頭につけるお姫様や舞踏会のドレスアップをするお姫様、王子様に貴族、道化師など王宮での生活を描いたぬりえ本です。
「ピッピ」と「お姫様」のぬりえ本はコンピューターではなく、手書きで描かれていますが、手書きタイプのぬりえは久々に見るもので、珍しいとおもいました。


フィンランドでは「幼稚園」ではなく、「保育園」と呼んでいますが、保育園は学校ではないので、勉強や技術的なことは教えないそうです。ですから保育園ではぬりえを自由にしていますが、園児の自主性にまかせていました。
ぬりえだけでなく、フィンランドの教育では、個人の自主性を育む教育に力をいれていることを実感しました。その点が、学力世界一になった大事な点であると思いました。(館)


今月のエントランス

タイトル: 『あきのよる』
年代:昭和30年代 作者:きいち

おしゃれをして、すすきの前に座る女の子。秋の夜長に浴衣を着てお月見です。ススキを描くだけで日本の秋を感じることができます。
2012年は、金環日食や金星日面通過等を代表として、空がにぎやかな年ですね。
今年の月は、きれいに見えることでしょう。


ぬりえ美術館メディア情報
荒川ケーブルテレビ「あらまるNEXT」にて、ぬりえ美術館の「大人のぬりえサロン」が
紹介されます。
日時:9月10日(月)~16日(日)
地デジ10チャンネル11:30~/15:00~
地デジ11チャンネル6:00~/8:30~/13:30~/22:30~


【展示室のご案内】
8月~10月の館内展示は10周年記念企画展として、きいちの絹に描かれた美人画や童女画など珍しい作品を展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 12年09月01日

9月の美術館ニュース(1)

残暑が厳しい9月ですが、街のウインドーは秋の深い色合いが美しい装いに模様替えをしています。気持ちだけは季節の先取りで、秋の気分を楽しみたいものです。今年の紅葉狩りの計画を立てるのもいいかもしれませんね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:こすもすがきれい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

9月のエントランスは、お花がテーマのぬりえを展示しています。
コスモスは、風に揺れる姿が儚げで大変可憐なお花です。きいちはコスモスの花が個人的には好きと言っています。
最近は街道沿いや公園にコスモスが植えられて、観光名所となっている地区もあるようです。
浜離宮恩賜公園、鴻巣市の荒川河川敷のコスモス街道、稲毛海岸の千葉市花の美術館、横須賀市長井海の手公園ソレイユの丘等など、東京、埼玉、千葉、神奈川県には上記以外にも沢山のコスモスの名所があるようです。


秋の高い、晴れた空の下で風に揺れるコスモスには気持ちも癒されるような気がします。ぜひ今年の秋の行楽の計画に入れてみてはいかがでしょうか。

コスモスの花言葉は、「乙女の真心」「乙女の愛情」。コスモスの和名は、「秋桜(アキザクラ)」といいますが、それは秋に咲いて、赤・ピンク・白といった色合いで桜のような形をしているため、秋桜と命名されたと言われています。どこまでも桜好きな日本人が秋にも桜のような花を愛でたいとコスモスに秋桜と名づけたのかもしれません。コスモスは秋の季語にもなっています。


先に述べたように、きいちは個人的にはコスモスが好きと言っていますが、ぬりえの絵の背景の中に沢山描いたものは、「桜」だと言います。「さくらが一番多く描いた花じゃないかな。色もそうだけれど、五枚の花びらのバランスがとれている感じが好きなのね。基本的には花はなんでも好んで描くんですが、さくらやコスモス、梅、ガーベラなど、どちらかというと一重の花が好きかな」と「わたしのきいち」(小学館刊)の中に述べています。一重の可憐な花が好きなきいちですが、日本的な花ばかりでなく、ガーベラなども入っているところは、きいちのモダン好みが現れているようです。(館)

Posted: Nurie : 12年09月01日

8月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.8 インドネシア編
今月はインドネシアのぬりえをご紹介いたします。

インドネシアには2008年に行きました。インドネシアには3回程訪れていますが、遡ること20余年程前に行った頃は、ジャカルタ唯一のデパートがまだ日本のスーパーマーケット程度の品揃えでした。
ところが2008年のジャカルタの街には、エルメスやグッチなど海外のブランドのお店が軒を連ねているほど発展をしており、ビックリさせられました。
ぬりえの購入のために書店を訪れると沢山のぬりえが販売され、その周りには子ども達が楽しそうに選んでいました。

今回はインドネシアらしいぬりえということで、インドネシアの島々の民族衣装と建築の違いを取り上げているぬりえ本をご紹介いたします。

27の地区に区分されたインドネシアの島々が3冊の本に別けられて、紹介されています。今回選んだ絵は、Aceh(アチェ)州とSumatera Barat(西スマトラ)州です。Aceh(アチェ)と聞いて、2004年のスマトラ地震を思い出された方もいらっしゃると思いますが、スマトラ沖地震におけるマグニチュード9.1という1900年以降チリ地震についで2番目に大きな地震が起きた場所ですね。
   
このエリアの女性はチュニック丈のブラウスにベストをつけたパンツ姿です。
男性は、更紗のターバンを頭に巻いています。

Sumatera Barat(西スマトラ)の女性はスカート姿でチュニック丈のブラウスに肩からスカーフのようなものがかけられています男性も同様です。

建物はどこも高床式ですが、屋根の形や飾りなどがそれぞれの特徴を出しています。
インドネシアの子ども達にとっても、それぞれのエリアの特徴をぬりえなどを見ながら覚えていくものと思われます。
インドネシアでも日本のキャラクターは大変人気で、違法なのですが、スーパーマーケットでは、きいちの少女がプリントされたTシャツが販売されていました。


今月のエントランス

タイトル: 『おまつりのまんどう』
年代:昭和20年代 作者:きいち
さわやかなストライプの半袖ワンピースで、万灯を持って夏祭りにお出かけ。季節感溢れる1枚となっています。
きいちのぬりえの女の子の髪はパーマの巻き髪に大きなリボンをつけた定番です。お供の犬も花笠でかわいらしく決めています。


ぬりえ美術館メディア情報
荒川ケーブルテレビで「大人のぬりえサロン」のデコぬりえ®の制作過程が紹介されました。


【展示室のご案内】
8月~10月の館内展示は10周年記念企画展として、きいちの絹に描かれた美人画や童女画など珍しい作品を展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。

Posted: Nurie : 12年08月03日

8月の美術館ニュース(1)

今年の節電は、どのように工夫されていらっしゃいますか。荒川区では、「環境・清掃フェアあらかわ」というイベントでゴーヤの苗の配布などがされています。
今年もグリーン・カーテンなどで、夏の節電を楽しみながら頑張りましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:くろんぼちゃん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
8月のエントランスは、夏のおでかけをテーマのぬりえを展示しています。
昭和35年(1960年)に爆発的な人気となったダッコちゃんをつけた少女のぬりえです。ダッコちゃんは、当初「木のぼりウィンキー」、「黒ん坊ブラちゃん」といった名前で売り出されていたそうです。

そのためきいちのぬりえのタイトルは「くろんぼちゃん」になっています。
当時5年生であった私は、たぶん上野のデパートでみつけたのだろうと思いますが、話題になる前に購入していたので、並ばずに購入することができ、田舎のお友達にもお土産に買ってあげたことを思い出します。
まさかその後デパートの売り場に行列ができて、整理券やダフ屋がでるような騒ぎになるとは思ってもみませんでした。
この人形の可愛さは、腕につけることができことと目がウインク(閉じたり、開いたりする)したりすることだとおもいます。夏には日焼けが流行しているような時代でしたから、黒い色は気になりませんでした。出かけるときには、いつも腕につけていたように思います。

女性はお人形やぬいぐるみのような可愛いものがいくつになっても好きだと思います。最近購入したお人形に、ウシの貯金箱があります。バンコクの空港のお菓子売り場の棚の上で、そのウシが輝いていて、引き寄せられるように近づいて、買ってしまいました。しっかりお金を入れて、使っています。
皆様にもきっと思い出のお人形がいくつもあることでしょう。(館)

Posted: Nurie : 12年08月03日

7月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

タイトル: 『アイロンカケ』
年代:昭和10年代 作者不明

ぬりえのベティーさんは、おままごとでお人形のお洋服のアイロン掛けをしています。お母さんのまねでしょうか。
女の子の水玉のエプロンやお人形のリボンに当時の少女たちの憧れがつまっています。かわいらしい犬の後ろ姿やランプ・アイロンなどのモチーフにも注目してみてください。

ぬりえ美術館メディア情報
①NHKラジオ第一「土曜あさいちばん」で ”デコぬりえ®”が紹介されました。
②全国銘産菓子工業協同組合発行の 「あじわい」の”菓子のある風景” のコーナーできいちのぬりえが 紹介されました。

【展示室のご案内】
6月~7月の館内展示は常設展となります。きいちのぬりえを中心とした展示となります。「ぬりえ体験コーナー」もありますので、懐かしいぬりえの世界を観て、塗って、体験してください。

Posted: Nurie : 12年07月01日

7月の美術館ニュース(1)

スカイツリー人気は、これからの夏休みにむけてさらに盛り上がりそうですね。日暮里駅前から東京スカイツリー経由錦糸町行きの急行都バスが運行されています。土日・休日のみ一日4便あり、15分で到着と早いのです。今月は、ぬりえとツリーの旅はいかがでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:金魚ヤサン
作  者:作者不明
年  代:昭和10年代

7月のエントランスは、昭和10年代のぬりえを展示しています。
今月展示していますのは、昭和10年代のぬりえです。特にベティーさんのぬりえを中心に展示をしています。
今月の一枚に選んだ「金魚ヤサン」は着物姿のベティーさんですが、日本人が描いているぬりえですので、顔はベティーさんですが、していることはすっかり日本人の
ベティーさんという点が大変笑えて面白いぬりえになっています。

お給仕するベティーさん、ボート遊びをするベティーさん、床屋さんのベティーさん、お客様もベティーさんです。いかにこの時代にベティーさんが人気であったかが分かりますね。
このベティーさんに関しては、「ベティ・ブープ図鑑」安野隆コレクション2002年発行に詳しく紹介されていますので、ご参考にしていただきたいとおもいます。この本のサブ・タイトルは、「戦前からの人形・おもちゃ・駄玩具・羽子板・時計・レコード・着物他」とつけられています。
安野隆氏がコレクションした1930~1960年に生まれたベティ・ブープのグッズの数々が紹介されています。いかに数多くのベティーさんグッズがあったか、人気となっていたかが伝わってきます。
子ども向けの玩具類であれば、人形、カレンダー、状差し、ぬりえ、かるた、積み木、シール、うつし絵、ノートブック、絵合わせ、ご飯茶碗、湯のみ、お面、ハンカチ、おもちゃのバケツ、太鼓、めんこ、ぬりえはがき、羽子板等々販売されていたようです。今80代の方々は、これらのベティーさんのおもちゃで遊んだことでしょう。(館)

Posted: Nurie : 12年07月01日

5月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

『おきゃくさまにおしょくじを』
作者:きいち
年代:昭和20年代

お膳は、座卓やテーブルがない時代には、畳で食事をするのに欠かせない道具でした。流行のテーブルウェアは、文字どおりテーブルの上を彩る食器類で、おもてなしを演出することを指しますが、お膳もまた、ぬりえのような女の子によって運ばれてくるテーブルウェアの一つだったのではないでしょうか。

5月19日(土)あわからバラの市開催
バラの市を盛り上げるために、盛り上げ隊として、ぬりえ美術館もご協力しています。
5月12日(土)~6月3日(日)の期間、“バラのモチーフ”を身につけてご来館のお客様には、入館料を50円割引いたします。
バラ柄の服、バッグ、バラのブローチ、コサージュ、髪飾りなど、バラのモチーフなら何でも結構です。
あらかわのバラ市を楽しみながら、ぬりえ美術館にご来館ください。

ぬりえ美術館メディア情報
京成電鉄の情報誌『京成らいん』5月号で紹介されました。

【展示室のご案内】
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日

6月の美術館ニュース(1)

5月22日にスカイツリーがオープンいたしました。ぬりえ美術館のある町屋からはバスで 浅草まで20分ほどで行かれ、浅草のいたるところからスカイツリーが見えます。
ぬりえ美術館~浅草~スカイツリーの下町ツアーはいかがでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:はりもの
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

6月のエントランスは、昭和の暮らしのぬりえを展示しています。
着物の洗い張りをしている少女。タイトルは、「はりもの」となっています。今月は、「はりもの」のほかに「むしぼし」、「しょうじはり」、「つるべいど」、「ぎょうずい」、「こもり」など昭和の暮らしを思い出させるぬりえを展示しています。
昔であれば、どの家でも必ずしていた家事でしたが、戦後60余年がたち、すっかり最近では見かけなくなった家事の様子がぬりえの中に残されています。

最近私はお掃除ロボットの「ルンバ」を購入したのですが、スウィッチを押すだけでクルクルと動いて、台所で朝食を準備する間に、お部屋を掃除してくれますので、大変助かっています。
 昭和20年代~30年代、子どもの頃に祖母の家事仕事を見ていて、女性の仕事は大変だなあと思っていました。子ども心に「きっと便利な物が出てきて、家事を楽にしてくれる」と確信していました。その後、洗濯機、掃除機、炊飯器がでてきて、家事が急速に楽になりました。そして、ついには、自分で掃除をしなくても、機械がしてくれるようになりました。
 日本は急速に高齢化が進み、世界で高齢化率ナンバーワンの国となり、昭和22年生まれの団塊世代が今年65歳になり、「高齢者」と呼ばれるようになりました。これらの高齢者のために
きっと「介護ロボット」や高齢者の身体の動きを助ける「機能ロボット」などが開発されてくるのではないかと考えています。家事が楽になったように、身体の不自由になった方々のために、
ロボットがお役にたつ時代が来るのではないでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日

6月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

タイトル: 『おねえさんの三めんきょう』
年代:昭和30年代 作者:きいち
昭和の時代、三面鏡は、桐ダンスと並んで嫁入り道具の一つに数えられた大人の女性だけのものでした。
ぬりえの女の子は、リボンを付けた自分の姿を確認したくて覗きに来たようです。ちょっとはにかんだ表情は、背伸びの表れでしょうか。鏡の前の空間を憧れの場所として、特別視していた当時のことを教えてくれる一枚です。

ぬりえ美術館メディア情報
①朝日新聞夕刊「美博なう」 に掲載されました。
②NHK Eテレ団塊スタイルで ぬりえが紹介されます。 (6/29 アンコール放送)

【展示室のご案内】
6月~7月まで、館内の展示は常設展示となります。
ぬりえが体験できるぬりえコーナーもございます。懐かしいぬりえを観て、塗ってぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日

5月の美術館ニュース(1)

緑、みどり、ミドリ!!
草樹の新緑が目にまぶしい輝きの季節となりました。GWのお休みにお気に入りの緑を探しに、お出かけになりませんか?

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:おかしわもち
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

5月のエントランスは、食べ物のぬりえを展示しています。

四季に恵まれた日本では、お菓子も季節、季節にあわせた美しいお菓子や行事、神事に由来するお菓子などがあり、日本に生まれた幸せを感じることができます。
春になれば、おひな様をたのしむ雛菓子があり、桜を代表とするさくら餅、花見団子、よもぎの草餅、おはぎ、わらびもちなど、毎月のように季節のお菓子を楽しむことができます。

五月になれば、柏の葉にくるんだ柏餅を食べずに過ごすことはできません。柏餅は、5月5日の端午の節句の供物とされますが、柏の葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされています。柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重~十代将軍家治のころといわれ、参勤交代で江戸から全国に行き渡ったといわれています。  
また四国地方などの近畿圏以西では、端午の節句には「ちまき」を食べるそうです。童謡の
「せいくらべ」の中に「ちまき」が出ていますので、思い出される方もいらっしゃるでしょう。
地域により違いがあることも面白いものですが、最近は情報が行き渡って、ちまきや柏餅をどこでも食べられるようになりました。
例えば関西で節分に食べるとされている恵方巻きが、商戦にのって関東にも広まり、さらにはのり巻きだけでなく恵方巻き仕様のお菓子まで誕生しています。
柏餅の餡は、こし餡、つぶし餡、味噌餡があり、お好みで選ぶことができます。皆様はどの餡の柏餅がお好きでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日

4月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 NO.4

今月は、イタリアの「仮面」がテーマのぬりえ本をご紹介いたします。
仮面の発祥のベニスでは、15世紀身分の違いで衣服が決まっていたので、カーニバルで身に着ける仮面やマントにより身分の違いを全てをなくすことができたので、貴族や役人、神父や庶民までも仮面を身に付け、身分に関係なくリドット(カジノ)やオペラ座を共に楽しんだのだそうです。
イタリア語ではマスケラと呼ばれ、この本のタイトルもMASCHERE(マスケラ)と名づけられています。その後17世紀から18世紀にはヨーロッパ大陸全土の宮廷でヴェネツィア式仮面舞踏会は人気となったそうです。
ぬりえ本に描かれている仮面の人物は、伝統的にその衣装と性格がきまっており、特徴的なものは下記のようなものですが、子どもの頃からこのようなぬりえをして、それぞれの名前と性格を覚えていくのだと思われます。

①アルレッキーノ 継ぎ合わせた色鮮やかなまだら模様の衣装を着た道化師姿の召使です。額に瘤のある悪魔を表した黒い仮面を着けています。常に貧しく、空腹でいますが、持ち前の機知とユーモアで権力を持つ登場人物たちを笑い者にしていきます。

②ブリゲッラ
緑で縁取られた白いスモックとパンツを着て、金銭欲を強調するオリーブグリーン色の仮面を着けています。世知に長けた策士で、ペテン師でもあります。一方、優れた音楽家でもあり、ギターを携えた姿で表されることもあります。


③プルチネッラ
イタリア南部のナポリ出身の召使で、くちばしのような長い鼻のある仮面を着け、若い雄鶏のような容貌をしています。愚鈍と明敏、臆病と大胆と対立するどちらの性格にもなることが出来ます。哲学的で憂鬱な夢想家でもあります。

海外のぬりえ本の特徴の一つに、色見本のぬりえがついていることが挙げられます。このぬりえ本も左側のぺージに色見本があり、右側をぬりえするようになっています。
パリでぬりえ展を開催した際に、ぬりえを塗ってもらったことがありますが、参加者の一人が、「フランスのぬりえには色見本がついていたので、簡単に塗ることができたが、きいちのぬりえは色見本なしに塗らなくてはいけないので、時間がかかった」と感想を話された方がいました。

今日本では、キャラクターのぬりえ一辺倒ですから、そのキャラクターの色が決まっていますので、自由に好きな色をつけることはできません。色見本のあるぬりえと同じようなことになっています。
昭和20~30年代のぬりえは、塗る人によって同じ絵でも違いがあることから、「十人十色」と言われたものです。想像性の幅もひろがりますので、自由に塗れるぬりえを楽しんでいただきたいと思います。
(参考:仮面の名前とキャラクターは、箱根の森ガラス美術館より)

ぬりえ美術館メディア情報
①京成電鉄「下町日和きっぷ」折込チラシで紹介されました。
②4月13日(金)NHK Eテレ「団塊スタイル」でぬりえが介されます。

今月のエントランス

タイトル: 『えんそく』
年代:昭和20年代 作者:きいち
今であれば、遠足の服装はカジュアルで汚れてもいいような服と思いますが、昭和20~30年代は「遠足もお出かけ」ということで、普段着とは違う服を着せてもらいました。
だから子どもたちは、嬉しそうな顔をして得意げに胸を張って歩いています。
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

【展示室のご案内】
3月~5月までの展示は、10周年企画展を開催しています。色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日

4月の美術館ニュース(1)

今年は春の訪れが少し遅いようですね。桜便りがやっと聞かれるようになりました。
日本人にとって、桜の花は格別にこころを躍らせる花ですね。まだほんの1分咲きの桜の下で お花見をしている人もいたりします。はやく、満開の桜を楽しみたいですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:りょこう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
4月のエントランスは、春のおでかけのぬりえを展示しています。
 
今年は春になるのが少し遅いようですが、春という言葉を聞いただけでも、こころ浮き浮きしてきます。春のエネルギーがそうさせるのでしょうか。
春になったら、何をなさりたいでしょうか。やはり一番に挙げられるのは、お花見だと思いますが、そのお花見を地元だけでなく、どこか有名な桜の名所で見たいと
お出かけされる方も多いのではないでしょうか。

ぬりえの少女も、遠足ではなく、家族と一緒にどこかに旅行するのでしょう、素敵な洋服に帽子、そしてトランクを持っています。
裏面の「えんそく」にも書かれていますが、昭和20~30年代は普段着とよそゆき着があり、普段とは違うことをする旅行やえんそくにはよそゆき着、いわゆる良い服を着てでかけたものでした。時には新しい服を買ってもらって、出かけたものでした。

このぬりえは現代のぬりえと同じように、線だけで描かれています。以前は髪の毛は黒く描かれていましたが、髪さえ白い部分を残したままになっています。このように線だけのぬりえになるのは、昭和40年代近くになってからのものです。きいちの特徴である太い足も、細くなっていますね。この頃にはバービー人形やリカちゃん人形などのほっそりとしてお人形が誕生してきた影響で、足も細くなっていったと思われます。またきいちの少女の特徴である、丸い、大きな目がアイラインを引いたような "切れ長の目"になっています。

昭和20年から30年代まで20年にわたり、きいちはぬりえを描いていますので、時代の変化や少女の要望にあわせて、ぬりえの少女も変ってきていることが、このぬりえから見て取れます。(館

Posted: Nurie : 12年06月09日

5月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

『おきゃくさまにおしょくじを』
作者:きいち
年代:昭和20年代

お膳は、座卓やテーブルがない時代には、畳で食事をするのに欠かせない道具でした。流行のテーブルウェアは、文字どおりテーブルの上を彩る食器類で、おもてなしを演出することを指しますが、お膳もまた、ぬりえのような女の子によって運ばれてくるテーブルウェアの一つだったのではないでしょうか。

5月19日(土)あわからバラの市開催
バラの市を盛り上げるために、盛り上げ隊として、ぬりえ美術館もご協力しています。
5月12日(土)~6月3日(日)の期間、“バラのモチーフ”を身につけてご来館のお客様には、入館料を50円割引いたします。
バラ柄の服、バッグ、バラのブローチ、コサージュ、髪飾りなど、バラのモチーフなら何でも結構です。
あらかわのバラ市を楽しみながら、ぬりえ美術館にご来館ください。

ぬりえ美術館メディア情報
京成電鉄の情報誌『京成らいん』5月号で紹介されました。

【展示室のご案内】
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日

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