師走になりました。今年はどんな年だったでしょうか。慌しい月ではありますが、少しでも余裕をもって過ごして、明るい新年を迎えたいですね。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:かわいいおひめさま しんでれら
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
12月のエントランスは、「夢見るお姫さま」をテーマにしたぬりえを展示しています。
今年10月に大判の「きいちのぬりえ」に追加された新刊は「世界の童話編」です。童話の中の主人公が集められています。
まずカラーの表紙は、頭に珊瑚と真珠の髪飾りをつけた人魚姫から始まります。マッチ売りの少女、シンデレラ、アリババ、親指姫、ヘンゼルとグレーテルにでてくるお菓子のお家、魚のお姫さま、青い鳥のチルチル、白雪姫等など可愛いお姫さまや主人公が集められています。
主人公は可愛いお姫さまが中心ですが、男の子のアリババやチルチルなども描かれています。
きいちは戦後絵本作家になりたいこともあり、ぬりえの世界の中で童話を描いて子どもたちに見せていたのです。ぬりえの袋の中には8枚ほどのぬりえが入っていましたので、その8枚の中に童話のストーリーを描きました。絵本は買えなくても、ぬりえを通じて子どもたちは童話のお話を知り楽しんでいたことでしょう。
白雪姫、眠れる森の美女などどうしてもディズニーの絵を思い浮かべてしまいがちですが、昭和20~30年代には日本の著名な画家たちが子ども向けの講談社等の絵本に素敵な絵を描いています。とてもいい子ども時代を過ごしていたのだなと大変有難く思っていますが、きいちもその一人だったと確信しています。(館)