10月になりますと秋のお祭りやイベントが各地で盛んになりますね。早くも菊祭りなどの声も聞かれます。菊が咲き始めれば、紅葉狩りももうすぐですね。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:まほうのりんご
作 者:きいち
年 代:昭和20年代
10月のエントランスは、お姫様がテーマのぬりえを展示しています。
きいちは、戦後に仕事を始めるにあたり、絵本をやってみたい気持があり、何冊か絵本を描いています。
その後、戦前にも描いて人気となっていたぬりえを本格的に始めますが、ぬりえの中で絵本的なものを描いています。「まほうのりんご」は白雪姫のお話ですが、シンデレラやチルチル・ミチル、眠り姫、ジャックと豆の木等々、描いています。
あの時代、絵本が買えなくても、ぬりえを通じてお話を楽しむことを子どもたちが出来るようにと思って手がけていたのではないかと想像いたします
白雪姫やシンデレラ、眠り姫など、今ではウォルト・ディズニーの絵が世界的に有名となっていますので、それらの絵を思い浮かべてしまいますが、昭和の20年、30年代に描かれた絵本には、日本人の画家たちが描いたものがあり、それぞれのオリジナリティーあふれた作風で子どもたちを楽しませていました。
今見ても素晴らしい挿絵で、子どもの頃にはどんな人が描いていたかもしらずにそれらの絵本を読んでいたわけですが、とても幸せな時間をもらっていたのだと大人になって思います。個人的には、蕗谷虹児の作品が好きですが、「おやゆび姫」、アンデルセンの「海つばめ」、「シンデレラ」等々、子どもたちに夢を与え、ワクワクさせる絵本を描いてくださっていたと感謝をしています。
子どものころ、どんな絵本を読んでいらしたか、覚えていらっしゃいますか?