三月と聞くだけで、何だか心がウキウキしてきます。春の明るい青空に暖かい空気、それに草木の青さ。終わりと始まりの時期でもありますから、心が騒ぐのかもしれませんね。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
3月のエントランスは、「西洋風は憧れ」をテーマにしたぬりえを展示しています。
朝食時に、トーストしたパンにバターを塗る少女。
今と変わらぬ光景ですが、トースターの形が昭和30年代のものですね。
トースターの歴史を紐解いてみると、昭和30年に、「自動式と手動式のポップアップ型トースターが発売された。どちらも上部にパンを入れる窓があり、手動式は外部に付いているハンドルを操作することでパンを上下させるもので、自動式はパンを入れて焼き上がるとパンが自動的に窓から1/2ほど出てくるものでした」とあります。昭和40年代になって、オーブン式のトースターになっていきます。
昭和35年頃から昭和45年までの1960年代から1970年代の高度経済成長期には、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の3種類の家電製品は三種の神器と呼ばれ、これらの製品が急速に家庭に普及していったわけです。これらの家電が入ることにより、日本的な家事が大きく変化をしていくことになりました。これ以降も家電は様々なテーマで、進化を遂げています。
きいちのぬりえの中では、身近にある生活の中から、トースター、掃除機、洗濯機などの最先端な商品を取り上げてぬりえに描いています。当時はどこの家にもあるものではない商品は、やはり少女たちにとっても“憧れ”の物だったことでしょう。
どのような家電に思い出がありますか?(館)