本来であれば7月にオリンピックが開催されていたはずでしたね。今年の夏は暑さが厳しいと予報されていますので、マスクは外せませんが、熱中症にも気を付けて過ごしましょう。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:きんぎょすくい
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
7月のエントランスは、「暑い夏を吹き飛ばそう」と題しまして、夏の遊びがテーマのぬりえを展示しています。
昭和の時代、夏の風物詩と言えば、浴衣を着て縁日やお祭りでの金魚すくいではないでしょうか。
コロナウィルスの前までは、浅草に来る外国の観光客たちにも、金魚すくいが話題になっていました。
可愛い金魚ですが、実は金魚の先祖は、およそ1700年前に中国は長江で発見された突然変異の赤いフナだそうです。西暦3世紀頃のことで、その後10世紀には宮廷で飼育されるようになり、尾びれの改良などが進んで徐々に華やかな姿へ進化すると、金運をもたらす魚として「金魚」と名付けられたそうです。
さらには金魚は人が創り得る唯一の“生きた芸術”と言われているものだそうです。出目金、
リュウキン、ランチュウ、タンチョウ等など、色や形が美しい金魚が沢山いますね。
中国から日本へは室町時代末の大阪に入ってきて、江戸中期になりますと藩士が副業として
金魚養殖を始め、大量生産されるようになり、庶民の間にも金魚人気が広がるようになったそうです。
子どもが沢山いた昭和20~30年代は縁日も定期的に開かれ、どこの縁日や夜店も夏になると金魚すくいをはじめいろいろな屋台が出ていて、それらを一店、一店回ってみるのが楽しみであったものです。
金魚すくいは上手でしたか?(館)