明けましておめでとうございます。今年のお正月は静かに家でお過ごしになったことと思います。皆さまのご健勝とご多幸をお祈りいたします。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。タイトル:おしょうがつのにほんがみ
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
1月のエントランスは、「新年を迎える喜び」と題しまして、お正月がテーマのぬりえを展示しています。
1月1日になると、心から新しい一日が始まる、12月31日とは全く違う日に感じるのは、私だけでしょうか。
昔から元旦を特別な一日として暮らしてきた日本人の感覚が、現代になっても私たちの血の中に生きているのではないかと思います。
さてお正月の日本髪ですが、今では浅草の浅草寺に行っても、見かけることが少なくなってきましたが、昭和20~30年代にはお正月というと日本髪や新日本髪を結う女性が沢山いらっしゃいました。
私の家は美容院でしたので、12月31日なると髪を結ってもらいたいお客様たちで夜遅くまで忙しかったです。私は娘ですので、お客様が待っていらっしゃる時には髪を結ってもらえません。それで日本髪を結うときは、母の先生の美容院に行って新日本髪を結ってもらいました。小学校5年か6年生の頃です。このぬりえの女の子は黄八丈のような着物を着ていますが、正に私も黄八丈を着ていました。下町の娘さんらしい恰好ですね。
大学生になったころには、母のお客様の中に浅草で日本髪を結っていたという、いわゆる髪結いさんという方がいらして、その方に結っていただいたことがあります。初めて鬢付け油を付けてもらいました。今にして思えば大変良い経験でした。(館)