東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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1月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.24

2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。


「それから、家内は、毎日、雨の日も風の日も、上福岡にある教会へとお参りに通っていました。夕方の六時から夜のおつとめが始まるんです。どこに出かけていても六時までには帰って来て、それに参加する暮らしが十年も続きました。祭礼の時には、私もかり出されましてね。私自身は宗教に頼って、なんとかしてもらおうって気はなかったけど、とにかく彼女は真剣でした。あまりに熱心な様子に会長さんも感心していましたね。

彼女がそこまで思い詰めるようになったのは、私の責任ですからね。申し訳ないなと思うんですが、私の場合は絵を描き始めると、その中に入り込んでしまって、周囲のことなどお構いなしになってしまう。そんな私だから便りにならないと、家内は教会へすがるようになったのかもしれませんけど・・・」


「家内の宗教活動が終わりに近づいたころ、私は童女百態シリーズを描き始めました。七十歳ぐらいの時です。そろそろ”ぬりえのきいち”からは卒業したい、そんな時期でした」


童女百態シリーズとは、雛祭りや羽根つきや盆踊りなど、主に日本の文化や風習にそって、童女の姿を日本画として表したもの。かわいらしいぬりえやきせかえの中の女の子たちが、より細やかな描写によって生まれ変わった作品である。
着物の柄ひとつにしても、まるでプリントしたような精密に描くため、描き終わるとくたくたになるが、ぬりえを描いていた時よりずっと充足感がある。


「家内は教会に通ったおかげで、今は幸せになれたと言っています。で、私もね、画家として童女に真剣に取り組もうと閃いたのには、もしかすると、神様の影響が一つにはあったのかもしれないと・・・。でも、第一に感謝する相手は家内ですよね、やっぱり」 
書き込めば書き込むほど、ますます、まさに似てくる童女百態の少女たち。それは彼のまさに対する感謝の表れでもあるのかもしれない。

今月のエントランス


JP006682_db-640.jpgおしょうがつのおみやげ」
きいち
昭和30年代

お正月のお休みにお父さん、お母さんとお出かけして、買ってもらったのでしょうか。
それともお年玉で買ったのでしょうか。いずれにしてもお正月は楽しかったですね。


ぬりえ美術館情報並びにメディア情報
☆荒川、文京、千代田のケーブルネットワークの「あらぶんちょ!散歩」でぬりえ美術館が紹介されました。
☆第11回ぬりえコンテストの優秀作品13点を館内に展示いたします。(2月迄
同時にHPにも掲載しています。


展示室のご案内
★1月~2月はコンテスト優秀作品を展示しています。
★館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたします。

Posted: Nurie : 21年01月05日 | 美術館ニュース

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