明けましておめでとうございます。今年も穏やかで明るい年でありますよう、お祈りしています。きいちのぬりえの少女たちはいつも健やかに輝き、皆様を温かくしてくれるでしょう。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:大きな羽子板もって
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
1月のエントランスは、「美しい着物アルバム」と題しまして、着物をテーマにのぬりえを展示しています。
美しい着物を取り上げましたが、きいちのぬりえに描かれた着物は、舞妓さんなどが数多く描かれていることもあり、豪華な着物姿が多いです。
ご紹介のぬりえは、お正月に振袖の着物を着て、大きな歌舞伎役者の押絵羽子板を持って、お淑やかに記念写真をとっている、という絵柄でしょうか。
お正月の飾りにこのような大きな押絵羽子板を床の間に飾ったりいたします。祖父の家にも何枚かの押絵羽子板があり、成人式の祖父宅での写真撮影のときには、この絵のように羽子板を持って、庭で写真をとったことを覚えています。
「はねつきしましょう」の絵には、振袖に羽織を着た女の子が描かれていますが、昔は振袖でも羽織を着たのですね。私の5才くらいのお正月の写真にも袖は振袖ではありませんが、長い羽織を着た姿が写真に残っています。冬に羽織を着ることは、昭和20年代後半から30年代の着物の流行であったのでしょう。とても豪華な感じがします。
きいちのぬりえの中の着物姿では、浴衣にしても振袖で描かれたものが多いです。日常から離れて、夢のような世界を少女達に描いてみせるためには、普段とはちょっと違う姿を描いたのでしょう。
お正月には着物で街を歩いてみたいですね。(館)