海外ぬりえ研究室No.57 オーストリア編
今月はオーストリアのぬりえ本をご紹介いたします。
公用語がドイツ語といういことから、ぬりえ本もドイツ語になっています。
今年入手したぬりえですので、最近の流行のぬりえ本の影響を受けてオーストリアでも細密画のモチーフ模様のようなぬりえ本もありました。世界的に流行していることが分かります。
さて今回ご紹介する1冊目は、モチーフ模様にもみえますが、流行のぬりえ本ほど細かくなく、子どもにも塗り易い楽しい柄のぬりえ本です。子どもたちが釣りをする様子や、オーストリアでも人気なのでしょう、お寿司のぬりえ、そしてサンダルなどの可愛い柄が一杯のぬりえ本です。男女の性別に関係なくどちらが塗ってもいいぬりえ本です。
日本では、子ども向けにこのようなモチーフの絵のぬりえ本は見かけませんね。
先月東京都美術館で若冲の展覧会が開催されましたが、その中にモザイクで表現する動物の絵がございましたが、それを思い出してしまいました。
この本で著されているのは、恐竜やマンモス、狼や海の生物などです。
恐竜の見本の絵がついていますので、それを見ながらモザイクの中を塗っていくになっています。ページの中には、背景として一部色がぬられています。
モザイクというのは、子どもたちにとって小さい枠ですから意外に塗り易いものかもしれませんね。そして絵柄が男の子なら関心の高い恐竜ですから、塗ってみようと思うぬりえ本かもしれません。
いろいろな国のぬりえ本を見ていますと、日本では見かけないテーマがあり、日本にもあったら子どもたちが喜ぶだろうなと思うものが多々あります。
では、また来月をお楽しみに。
「たのしいボートのり」
年代:昭和30年代
作者:きいち
女の子が手こぎのボートを漕いでいます。地面を離れ、ボートに乗って水の上を揺蕩う感覚はいつの時代も、年齢を問わずにワクワクするものです。
水の中に手を入れる仕草などから、女の子のはしゃいでいる様子が伝わってくる爽やかな1枚です。
ぬりえ美術館メディア情報
・全国市町村教育委員会連合会の雑誌「時報市町村教委」5月号に館長の「ぬりえの魅力」の記事が掲載されました。
展示室のご案内
★6月~7月は常設展示となります。