『海外ぬりえ』研究室 No.13 今月は、アメリカ編です。
昨年から始めた「海外ぬりえ研究室」ですが、何度も調査をしているアメリカをご紹介していませんでした。今月は、アメリカのぬりえ本をご紹介したいと思います。
アメリカでは、2005年、2009年にニューヨーク、2008年にサンフランシスコで調査をしています。
ニューヨークの本屋さん、サンフランシスコの本屋さんには、数多くのぬりえ本が販売されています。美術館ではニューヨークよりサンフランシスコに面白い、いいぬりえ本を数多く発見することができました。
アメリカの幼稚園では、1970年代にNatural Association for The Young Education という協会が子どもたちのアートワークについて、「自由な表現」と「プロセス」を重視せよ、という法案を通したことにより、5才以下の子どもたちは、
○自分のできる範囲でする。○創造性豊かな表現力 が重要視されるようになり、これらを実践するためには、自分で描いて、塗るということがより実施されるようになり、ぬりえが以前よりされなくなっているとニューヨークのYMCA内にあるナースリー・スクールのサリー園長は最近のぬりえ事情について話してくれました。
しかし本屋さんには、様々なぬりえ本が販売され、子ども達はぬりえは楽しいと、塗っています。
「Deluxe]というぬりえ本は、欧米での一般的なぬりえ本です。性別に関係なく、どちらがぬってもいいというぬりえ本になっています。線がはっきりしていて、大変塗りやすそうです。
「New York for Kids」はニューヨークの有名スポットのぬりえです。ニューヨークにやって来たお土産として、いいのではないでしょうか。
「Famous Women of The Cibil War」は、「南北戦争の有名な女性たち」を取り上げた歴史を学べるぬりえ本です。アメリカには、このような歴史を取り扱ったぬりえ本を他にも見つけることができます。塗るという行為をしながら、歴史的なことが頭に入るではないでしょうか。
2005年当時日本の歌手の”パフィー”がアメリカで人気となっていました。これはぬりえではなくステッカーブックですが、”パフィー”のアニメの本がでていましたので、ご紹介しておきます。(館)
今月のエントランス
タイトル : 『ひだまり』
年 代 : 昭和30年代
作 者 : きいち
陽だまりで休む少女。髪型や佇まいはどこか大人な雰囲気です。遊びに夢中な少女だけでなく大人にとっても、温かな陽だまりの中では一瞬時が止まるような気がします。とても趣のある一枚です。
ぬりえ美術館メディア情報
●12月20日~1月12日まで第三回東京新聞ぬりえコンテストを開催しました!!
作品は2月からぬりえ美術館にて展示します。個性あふれる作品をぜひご覧ください。
【展示室のご案内】
1月の館内展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心に展示しています。
「ぬりえ体験コーナー」もありますので、ぬりえを塗って楽しんでください。