風薫る季節となりました。新緑の美しさを眼にも身体の中にも取り込んで季節を楽しみたいですね。行楽に疲れたら、静かにぬりえでもいかがでしょうか。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:おけいこがえり
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
5月のエントランスは、「おけいこしましょう」をテーマにしたぬりえを展示しています。
黒繻子の襟をつけた振袖で、お稽古をしてきた少女。踊り、長唄、お三味線、お茶、どんなお稽古だったのでしょう。
このように豪華な着物ではありませんでしたが、踊りのお稽古に行くときには、着物に着替えて行きました。昭和の初期のころにはこの荒川の下町でも、長唄、お三味線の音が聞こえてきたそうです。いろいろなお稽古事がされていたのですね。
昔からお稽古始めは、6歳の6月6日から始めると良いと言われてきました。歌舞伎の役者さんのお子さんたちを見ていると6歳よりも以前からお父さんの舞台やビデオをみて、歌舞伎を学んでいる様子を見ると本当に小さいときから始めるのがいいことがわかります。
最近では将棋の藤井六段の活躍が目覚しいですが、藤井六段は五歳の時におじい様おばあ様から手ほどきをうけたそうです。小さい子には難しいものだからとチャレンジしないのではなく、トライしてみることが大事なのだと思います。
何事も吸収力の高い子どものころに親たちが子どもに関心をもって、遊んだり学ばせたりすることは大事なことですね。
ぬりえは小さいころの遊びですが、集中力を養う遊びでありますので、小さい頃から好きな絵をぬりえしながら集中力が養えたらいいのではないでしょうか。(館)