海外ぬりえ研究室No.66 今月はドイツのマンダラ編です。
海外ぬりえ研究室のNo.2で海外で子どもたちがしている「マンダラ」についてご紹介していますが、久しぶりにマンダラ本をご紹介いたします。今月はドイツのマンダラです。
私が海外の幼稚園で子どもたちがどのようにぬりえの調査をしているときに、特にドイツではぬりえはあまりしていないが、「マンダラ」はよくします。と先生たちが言っていました。
ドイツでぬりえをしないことはまた別の機会にお話をいたしますが、1990年代にマンダラが入ってきて、それは日本で言う癒しのようなイメージで幼稚園に広がっていったようです。白い紙に黒の線で描かれているので、「ぬりえ」ではないのですか、とお聞きすると、「マンダラはぬりえではありません。マンダラはマンダラです」という答えが返ってきました。
使用法としては、ドイツの幼稚園では今月のテーマとか今週のテーマというものを子どもたちの幼稚園生活の活動に生かしています。そしてその月のテーマが「月や星」であれば、月や星を描いたマンダラを子どもたちに塗らせています。海賊がテーマになれば、海賊を描いたマンダラが使われます。
マンダラの定義としては、円の中に左右対称に絵が描かれているということが基本です。そこから発展して、円からすこし離れていくマンダラの絵や左右対称ばかりでもないものもでてきます。円の中の絵も様々です。
今月の一冊目の本は花模様や太陽、宇宙船と土星など基本的なマンダラになっています。
二冊目の本は妖精をテーマにしたマンダラですが、円の中からでて人魚が丸く円を描いているようなマンダラもあります。妖精は一般的なぬりえにもよく描かれるテーマで子どもたちに人気があるようです。
マンダラでは、色見本がついていないものが一般的のようです。マンダラもぬりえも本屋さんでは、一緒に売られています。
欧米ではマンダラをよく見ますので、また来月は他の国のマンダラをご紹介いたします。
今月のエントランス
「あおいおそらにくさのおか」
作者:きいち
年代:昭和20年代
昭和20年代のぬりえの特徴の一つは「目」です。竹久夢二、蕗谷虹児、高畠華宵などが描いていた女性たちのように"潤んだような目"を意識して描かれていました。でうから少女達はもの静かな印象です。戦後2年目の昭和22年からぬりえを描き始めましたが、帽子にワンピース、とてもお洒落な少女を描いています。まだまだ誰もこのようなお洒落ができなかった時代ですから、少女たちは喜んでぬりえをしていたことでしょう。
ぬりえ美術館展示情報
○春の企画展開催中
「きいちの春夏秋冬」と題しまして、春・夏・秋・冬の可愛い少女たちのぬりえを展示しています。
展示室のご案内
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。