10月に大きな台風が2回も来て、あっという間に寒くなってしまいました。この寒さが
紅葉を綺麗にしてくれるといいのですが。皆さまのご近所の紅葉の具合はいかがですか?
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:みちゆきのこーときて
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
11月のエントランスは、着物姿で美しくをテーマにしたぬりえを展示しています。
道行(みちゆき)を着て、おでかけする少女。お使い物をもっていますから、どなたかのお家を訪問でもするのでしょう。
道行とは、調べてみますと「着物の上に着るもので、洋服にたとえるとコートにあたります。防寒、防雨、防風や、きものや帯を汚さないためなど、実用的な面だけでなく外出時に着物の外観を装うお洒落着にもなっています。 道中着・道行コートは、羽織とは異なりあくまで外出着なので、部屋の中に入るときには脱ぐことがマナーです。」とあります。さらに「礼装、正装の時に着ます。礼装の時は無地の道行を。」となっています。
きいちは着物のことは子どもの頃から母親や姉妹の着物の見立てもしていたようですし、結婚してからもきいちの妻が和裁をしていましたので、大変詳しいのです。それで子ども向けのぬりえですが、「みちゆきのコートをきて」というタイトルで正装での外出には、このようなコートを着てお出かけするものだよと、子ども達に絵を通して教えてあげたのではないでしょうか。
着物がまだまだ人気の時代であったからかもしれません。
最近着物が素敵にみえて、ぜひ自分でも着てみたいと思っています。例えば歌舞伎座に行くなら、どんな着物がいいだろうか。この着物にどんな帯があうだろうか、帯揚げや帯締めはどれだろうかと考え、悩みますが、楽しい悩み事です。
気軽に着物でお出かけできるようになりたいと願っているところです。(館)