『海外ぬりえ』 研究室 No.37 今月は、中国です。
今月は中国のぬりえ本をご紹介いたします。前回は2013年2月に中国で子どもたちに大人気の羊のアニメのぬりえ本などをご紹介しています。
最近の中国の経済的な進歩、進化は大変なものですが、それもここ20年のものです。それ以前は国民にとって厳しい貧しい時代もありました。そのためぬりえをしたことがないという話をいくつも聞いています。
何年か前にフェリス女子大学でぬりえ講座を開催した際に留学していた女子学生が子ども時代にぬりえをしたことがないと言っていました。
また中国の調査をした際にも、子どもが幼稚園などでぬりえをするのを見て、ぬりえとはこういうものかと知ったというお母さんの話を聞いたことがあります。
しかし幼稚園の園長さんなど富裕な家庭に育った人は子どもの頃にぬりえをしましたと言っていましたので、貧富の差が多分にあったと思われます。
さて現在は幼稚園でもぬりえがされますし、本屋さんには沢山のぬりえ本が並んでいます。
今回の本は2冊とも丁寧にぬりえの仕方や線の種類、色の名前などを教えながら、ぬりえを塗っていく手順を教え、さらにはその物の名前や発音まで覚えられるような本になっています。
1.我会画(植物風景)
最初に様ざまな線の形と名前と形の修理と名前を教えるページから始まります。次のページには色の名前とぬりえ方の名前が紹介されています。
次には果物の絵とその果物の名前の漢字と発音が書かれています。その下には、3段階でぬり方が紹介されています。
一色で塗る方法から段々に他の色と一緒に使ってみたり、暈かしてみたりとテクニックが上がっていくようになっています。
1ページ目に描く動物の名前を漢字と発音で表し、3段階でぬりえをする順番が紹介されています。
2ページ目には、鉛筆やクレヨンなどの画材、線の種類、色の名前が紹介されています。
次のページからぬりえ始まり、92の動物のぬりえがついています。
これらの本は低学年向けのぬりえ本と思われますが、一人っ子政策の中国では親たちが子どもの教育に大変熱心です。幼稚園でも単に塗るだけでは親たちが満足をしないといわれると先生方からお聞きしました。
そのために、名前や発音の仕方、どんな順番で塗ったらいいか等学びながらぬりえができる仕組みになっていると思われます。
来月はマレーシアのぬりえ本を紹介いたします。
今月のエントランス
『したまちのこ』年代:昭和30年代 作者:きいち
格子柄の着物をきた少女。黄八丈の着物でしょうか。前掛けをして、お店のお手伝いでもしている様子です。桃割れの髪がかわいいですね。
メディア掲載情報
10/18(土)テレビ東京のアド街ック天国「京成町屋」並びにテレビ朝日 グッドモーニングの「イマ知る・ラボ」で紹介されました。
【展示室のご案内】
●常設展示をしています。
●館内にはぬりえ体験コーナーがありますので、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。