新しい年が始まりました。今年は新天皇陛下の即位という大きな慶事がまっています。
新しい年が明るく穏やかな年でありますよう願っています。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:ふじむすめ
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
1月のエントランスは、「踊りのお稽古」をテーマにしたぬりえを展示しています。
きいちは一人娘の踊りお稽古の送り迎えをするうちに、ミイラ取りがミイラになり自分も踊りの名取になってしまったという踊り好きです。晩年に会った際にも、もう一度舞台で踊りたい、と語っていたほどです。
きいちのぬりえの中には、有名な踊りのタイトルを付けたぬりえや踊りの練習風景、お稽古の行き帰りの様子等など、踊り関係のぬりえが沢山描かれています。
今回の「ふじむすめ」は有名な踊りの一つです。
歌舞伎座でも玉三郎をはじめ女形の役者さんが華麗に踊る演目です。衣装にも藤の花が描かれていて美しいですし、藤の花の枝の小道具が踊りに連れて軽やかに揺れて華やかです。踊りを習った人なら一度は踊ってみたい演目ではないでしょうか。
小学校の4年生から藤間流の踊りを習っていましたので、中学生になったときに三越劇場でこの藤娘を踊ったことがあります。その思い出は少し色あせた写真に残っています。
日本舞踊を習ったことから、踊りは長唄に乗って踊りをしますので、長唄も好きです。美術館を始める前に二年間ほど習ったことがあります。美術館の仕事が忙しくなり足が遠ざかりましたが、唄を聴くと、いいものだなあとうっとりします。やはり、日本人の血でしょうか。
歌舞伎座にも久しぶりに行ってみることいたしましょうか。(館)