秋が深まってまいりました。何をしてもいい季節ですね。読書、絵画鑑賞、映画など文化的なことから、スポーツ、食べる事まで、楽しいことばかりですね。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:おぎょうぎがわるいですね
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
10月のエントランスは、「何を食べますか」をテーマに美味しい食べ物のぬりえを展示しています。
寝そべって、おせんべいかビスケットを食べながら、雑誌を読んでいます。昭和20~30年代は、畳の生活が中心ですから、こういう格好をして食べると、美味しいですし、雑誌を読むには、こういうスタイルが一番です。
でも、きいちは、ぬりえを塗ってくれる女の子たちに、「おぎょうぎがわるいですね」と警告をしています。それでも、このぬりえに共感する子ども達は、全国に沢山いたことと思います。
今月のテーマに食べ物を選んだのには、昭和20~30年当時はまだまだ貧しくて、食べ物のぬりえを塗るのも食べた気持ちになって嬉しかった、という来館者様の声を聞いていたので、テーマにしてみました。
「せいようりょうり」「おいわいのたい」「おたんじょうびのケーキ」等など。色々ときいちはぬりえに描いていますが、「せいようりょうり」をこの当時に描いているとは、驚きです。まだまだ西洋料理をたべられる子ども達は本当に少なかったと思います。又「おたんじょうびのケーキ」の大きな事。こんなに大きなケーキはどこで買えて、誰が食べられたのでしょう。どちらも心からの憧れの対象になったことでしょう。
子どもの頃に、大人になったら、お金持ちになったら、「バナナをお腹いっぱい食べたい、と願っていた」と語ったスポーツ選手の言葉を思い出します。
皆さまはどんな食べ物を思い出されますか。(館)