早く春になって暖かくなってほしいですが、春とは名ばかりの2月ですが、それでも梅の花のお花見など楽しみはありますね。寒い、寒いと家の中に閉じ困らずに外に出てみてはいかがでしょうか。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:トランプ
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
寄 贈:福井 紅子氏寄贈
2月のエントランスは、着物おしゃれアルバムをテーマにしたぬりえを展示しています。
トランプの中にあるスペードやダイヤを描いた大変斬新な柄の着物です。
きいちは、自分が踊りの名取であったこともあり、着物姿を沢山描いています。子どもの頃からセンスがよかったようで、母親や姉妹たちと呉服の買い物に行くときには同行して、選んであげていたようですし、教えもしないのに、生地の名前や柄など覚えてしまったそうです。
またそういうきいちに対して、親たちも叱ったり、禁止をしたりなどもしなかったそうです。そのために、小さい頃から美しいものが好きな青年に育ったのでしょう。
今月は「着物おしゃれアルバム」というテーマでぬりえを展示していますが、最近は着物姿を目にすることが少なくなりました。日本には、四季を反映した柄、縁起が良い柄、平安の昔から公家の装束などに使われた伝統的な文様、様ざまな土地に生まれた伝統の織物など、種類が豊富です。
50年、60年前の親戚の家では、「お蚕さん」と呼んで蚕を飼っていました。その家に遊びに行くと、「サワサワ・サワサワ」と蚕が桑の葉を食べている音がずっと続いていました。
又一昨年新潟の十日町に行ったときにお聞きした話では、以前は十日町と言えば"紬"で有名な土地でしたが、最近は織る人の減少のため織物よりも描く友禅になってしまったそうです。
せっかくの日本の伝統、文化である着物を無くさないでいたいものです。(館)