東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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6月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.6  ☆きいち生誕105年☆
今年はきいちの生誕105年に当たります。これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しましてきいちについてご紹介いたします。


フジヲ時代からの引き続きで、最初はA4サイズぐらいのものをバラで販売していだが、二十二年ごろからは、B5より一回り小さめの判にして、袋入りで売り出すことになった。ぬりえ本体はざら紙の髪質のあまりよくないものに印刷したが、袋は鮮やかなカラー印刷。少女たちのコレクションにも耐え得るものとなった。袋入りにして、一年間くらいは十二枚セット・五円で売り、物価の上昇に伴い、十枚、八枚と枚数はすくなくなっていったが、売れゆきに影響はなかった。


一向に新しい家を買う気配のない、そんな様子を見兼ねて、家を買ってくれたのは石川松声堂の主人だった。足立区の梅島に敷地面積五十坪、建坪二十坪ほどの家が用意された。間取りも十畳・六畳・六畳・三畳と広く、快適な住まいだった。
中古物件だったため修繕が必要で、その経費と家具の代金は山海堂が持った。きいちに一枚でも多くの売れる作品をあげてもらうために貢ぎ物合戦を展開するような向きもあったのだ。

「片方が画料を上げれば、もう片方も負けじとアップしてくれる。私としては値上げ交渉もせずにするするとギャラが上がっていくから楽でした。他のぬりえ作家に比べると私の絵は卸値も高くて、普通二円五十銭以下のところ、私のは二円七十銭で、それでも小売店では私のぬりえのほうを仕入れていったというから、その辺の好意には甘えていました。でも、飲んだり遊んだりするのに時間を費やすから、極端な話、仕事なんてゆっくりやる時間はないの。


私が描いていたのは、石川松声堂と山海堂と合わせて、月にぬりえ六十四枚、表紙十六枚でしたが、一晩に三十二枚のぬりえを一気に描き上げるなんてことも珍しいことではなかったですね」


それでも「きいちのぬりえ」はマンネリ化することはなく、平均すると月に百万セット、最高時には月に百六十万セット売れた。
いつの間にか「ぬりえ作家は楽して儲かる」ということが定説になり、喜一の家にも、弟子入り志願の若者がたびたび訪れるようになる。
*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「つくしつみ」
なんてエレガントにつくしをつんでいるのでしょう。このエレガントさが、きいちの絵の特徴の一つであるかもしれませんね。そして今の若い人に言わせると、「色っぽい」になるのかもしれません。最近はつくしを見つけえることが難しいかもしれませんね。


ぬりえ美術館展示情報
○今年は蔦谷喜一生誕105年です。
展示室では「踊りの稽古」「仲良しは楽し」などのぬりえを展示しています。


展示室のご案内
☆6~7月は常設展示をしています。
☆館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 19年06月01日 | 美術館ニュース

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