残暑が厳しい9月ですが、街のウインドーは秋の深い色合いが美しい装いに模様替えをしています。気持ちだけは季節の先取りで、秋の気分を楽しみたいものです。今年の紅葉狩りの計画を立てるのもいいかもしれませんね。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:こすもすがきれい
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
9月のエントランスは、お花がテーマのぬりえを展示しています。
コスモスは、風に揺れる姿が儚げで大変可憐なお花です。きいちはコスモスの花が個人的には好きと言っています。
最近は街道沿いや公園にコスモスが植えられて、観光名所となっている地区もあるようです。
浜離宮恩賜公園、鴻巣市の荒川河川敷のコスモス街道、稲毛海岸の千葉市花の美術館、横須賀市長井海の手公園ソレイユの丘等など、東京、埼玉、千葉、神奈川県には上記以外にも沢山のコスモスの名所があるようです。
秋の高い、晴れた空の下で風に揺れるコスモスには気持ちも癒されるような気がします。ぜひ今年の秋の行楽の計画に入れてみてはいかがでしょうか。
コスモスの花言葉は、「乙女の真心」「乙女の愛情」。コスモスの和名は、「秋桜(アキザクラ)」といいますが、それは秋に咲いて、赤・ピンク・白といった色合いで桜のような形をしているため、秋桜と命名されたと言われています。どこまでも桜好きな日本人が秋にも桜のような花を愛でたいとコスモスに秋桜と名づけたのかもしれません。コスモスは秋の季語にもなっています。
先に述べたように、きいちは個人的にはコスモスが好きと言っていますが、ぬりえの絵の背景の中に沢山描いたものは、「桜」だと言います。「さくらが一番多く描いた花じゃないかな。色もそうだけれど、五枚の花びらのバランスがとれている感じが好きなのね。基本的には花はなんでも好んで描くんですが、さくらやコスモス、梅、ガーベラなど、どちらかというと一重の花が好きかな」と「わたしのきいち」(小学館刊)の中に述べています。一重の可憐な花が好きなきいちですが、日本的な花ばかりでなく、ガーベラなども入っているところは、きいちのモダン好みが現れているようです。(館)