桜、桜、桜・・・ この季節になるとどうして日本人は桜にときめくのでしょうか。各地で桜祭りが開催されていますので、お出かけして桜を満喫してはいかがでしょうか。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:べんきょうがすんでからあそぶわね
作 者:きいち
年 代:昭和30年代
寄 贈:小沼 秋成氏寄贈
4月のエントランスは、楽しい学校生活をテーマにしたぬりえを展示しています。
勉強用の机の「文机」に、座布団を敷いてきちんと座ってお勉強をする少女。実は私も小学校3年生までは、このような机を廊下の隅において、勉強をしていました。いわゆる現代の学習机は、東京に引越しをしてからでした。
きいちがぬりえの中に残しているということは、この当時は座って勉強をする子どもたちが沢山いる時代であったということを表していると思います。
美術館に来館される若い方に、「これらのぬりえに描かれたものがすべてどこの家にも合ったということではなかったのですよ」とご説明をすることがあります。今回のぬりえはその逆で今のような学習机がないという絵になりますが、時代の変遷をぬりえからも感じることができます。
私はまさに団塊世代ですが、祖父母から学校の宿題を終えなければ、遊びに行ってはいけないと躾をされていました。ですからこのぬりえのタイトルである「べんきょうがすんでからあそぶわね」は、とても良く理解できます。
そしてこのような文机に座って、算数の九九を暗記していたことを懐かしく思い出します。覚えるために何度も何度も繰り返していたため、よく覚えているのでしょう。
来館されてぬりえを見るお客様も展示中のいろいろなぬりえから、思い出すことが様ざまにあることでしょう。どうぞお楽しみください。(館)