今年も残すところ2ヶ月となりました。秋も比較的暖かくて過ごしやすい日々を楽しみながら、冬支度の準備を今から整えておくのはいかがでしょうか。年の瀬の忙しい時期をのんびりと過ごせるのではないでしょうか。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル: おにんぎょうさんのおきかえ
作 者:きいち
年 代:昭和20年代
11月のエントランスは、お人形をテーマにぬりえを展示しています。
このぬりえは、お人形の服を着替える様子を描いた昭和20年代のぬりえですが、現代の少女たちがしているお人形遊びと少しも変わらないと驚かされます。
小さいお人形に服を着せたり、脱がしたりして遊ぶとき、なんだか自分がお人形のお母さんになったような気持ちで、遊んでいたような気がします。その上いつもお母さんに言われていることを、お人形に言い聞かせながら、遊んでもいたような気もします。
このぬりえには、お人形用の箪笥、鏡台、椅子などが描かれています。昭和20~30年当時、このようなお人形に係わる道具まで買ってもらえた少女たちは少なかったと思います。でも遊ぶなら、本物そっくりの箪笥、鏡台、椅子などがあれば、お人形遊びもさぞ楽しかっただろうと思います。
このぬりえはそのような少女の夢を叶えてくれるぬりえだったのではないかと思います。ぬりえを塗りながら、この箪笥は何色にしようか、何を入れようか等考えながら、夢を膨らませて塗っていたのではないかと思います。
今はリカちゃん人形やバービーに、服を初め回りの様々な小物達がすべてお金で購入できるような時代になりました。実物を揃えて、遊ぶことができるのですから、少女たちの想像力や夢が昔よりも大きく膨らんで、心豊かになってくれることを願いたいです。(館)