水無月、水の季節到来です。今年はひどい豪雨ではなく、しとしとと降ってほしいものです。 傘が手放せない時期でもありますので、傘の置き忘れに気をつけましょう。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
6月のエントランスは、「雨だって楽しく」をテーマにしたぬりえの展示しています。
タイトル:あめがやんだ
作者:きいち
年代:昭和30年代
きいちのぬりえは、毎月2つの版元(メーカー)より発売されていました。その為6月になれば梅雨の時期ということですから、雨の模様、様子を沢山描いています。 てるてるぼうず、どしゃぶりの雨、あめのひ、おしゃれなレインコート姿等など。
そして今月の絵は、「あめがやんだ」と題して雨上がりの様子を描いています。あめがやんだ時には、子どもたちはどういう行動をとるのか、何が楽しいのか、きいちの絵描きとしての視点が面白いと思います。
子どもたちにとっては、雨が降っていれば、それはそれで楽しく、どしゃぶりの雨の中でも出掛けてしまいます。そして雨がやんだら、右手を傘の外に出して、雨水が落ちていないかそっと調べて、安心したというような顔の少女。
道路には、沢山の水溜りができていますが、長靴を履いているから大丈夫。わざわざ水溜りの中を歩いて、家に帰ります。じゃぶ、じゃぶしても、へっちゃら。跳ねが上がっても、気にしない。雨がやんだら、こういうことができるのが子どもにとっては面白くてしかたないのです。
少女の気持ち、子どもの気持ちをよく捕らえていますね。子ども心をいつまでも持ち続けていたきいちだから、描けた雨の日の出来事だと思います。(館)