6月の美術館ニュース(2)

今月はスコットランドのぬりえをご紹介いたします。

スコットランドと聞いてすぐに頭に浮かぶものといいますとスコッチウィスキーとネス湖のネッシーというと余りに単純すぎますが、そのネッシーが表紙になったスコットランドのぬりえとぬりえをしながら学ぶことができる本です。
      
残念ながらネッシーは、表紙だけでなかにぬりえはありませんでした。内容はスコットランドの様子がわかる様々な景色やスコットランドのタータンチェック等のぬりえが左ページにあり、右ページにはクロスワードパズルや番号をつづけて絵を浮かび上がらせるもの、スコットランドの動物のクイズなどで構成されています。

日本の場合は、ぬりえ本といいますとぬりえだけで構成されたものがほとんどですが、海外のぬりえは一般にぬりえだけのものと今回の本のタイトルにあるように「ファンブック」(楽しみの本)とか「アクティビティーブック」という名前で、子どもの成長に役立つ作業や工作をさせながら学ぶことができる本がいろいろ販売されています。

欧米の方々は、日本と比較すると不器用といわれています。そのために欧米では様々なキッチン用具がいろいろ開発されているのだとおもいます。
日本やアジアの人たちの器用さは、お箸を使うことが役に立っているのではないかとアジアの国を調査して感じています。

海外では、子どもたちのために、工作などに工夫を凝らした、「アクティビティーブック」が考案されて、楽しみながら手先を養っているものと思われます。本だけでなく、本にビーズや糸などのキットがついているアクティビティーブックなどもあります。
少女なら、昔私たちがリリアンに夢中になったようにそれらの本とキットを使って、ビーズのブレスレットを作ったり、編み物をしたりするのではないでしょうか。日本でもアクティビティーブックが楽しめるようになるといいですね。(館)

今月のエントランス

タイトル: 『おねえさんの三めんきょう』
年代:昭和30年代 作者:きいち

昭和の時代、三面鏡は、桐ダンスと並んで嫁入り道具の一つに数えられた大人の女性だけのものでした。
ぬりえの女の子は、リボンを付けた自分の姿を確認したくて覗きに来たようです。ちょっとはにかんだ表情は、背伸びの表れでしょうか。鏡の前の空間を憧れの場所として、特別視していた当時のことを教えてくれる一枚です。

ぬりえ美術館メディア情報
①朝日新聞夕刊「美博なう」 に掲載されました。
②NHK Eテレ団塊スタイルで ぬりえが紹介されます。 (6/29 アンコール放送)

【展示室のご案内】
6月~7月まで、館内の展示は常設展示となります。
ぬりえが体験できるぬりえコーナーもございます。懐かしいぬりえを観て、塗ってぬりえの世界を体感してください。

投稿者 Nurie : 15:56 | コメント (0) | トラックバック

2012年06月02日

6月のぬりえ美術館ニュース(1)

5月22日にスカイツリーがオープンいたしました。ぬりえ美術館のある町屋からはバスで浅草まで20分ほどで行かれ、浅草のいたるところからスカイツリーが見えます。
ぬりえ美術館~浅草~スカイツリーの下町ツアーはいかがでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:はりもの
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

6月のエントランスは、昭和の暮らしのぬりえを展示しています。
着物の洗い張りをしている少女。タイトルは、「はりもの」となっています。今月は、「はりもの」のほかに「むしぼし」、「しょうじはり」、「つるべいど」、「ぎょうずい」、「こもり」など昭和の暮らしを思い出させるぬりえを展示しています。

昔であれば、どの家でも必ずしていた家事でしたが、
戦後60余年がたち、すっかり最近では見かけなくなった家事の様子がぬりえの中に残されています。
最近私はお掃除ロボットの「ルンバ」を購入したのですが、スウィッチを押すだけでクルクルと動いて、台所で朝食を準備する間に、お部屋を掃除してくれますので、大変助かっています。
昭和20年代~30年代、子どもの頃に祖母の家事仕事を見ていて、女性の仕事は大変だなあと思っていました。子ども心に「きっと便利な物が出てきて、家事を楽にしてくれる」と確信していました。その後、洗濯機、掃除機、炊飯器がでてきて、家事が急速に楽になりました。そして、ついには、自分で掃除をしなくても、機械がしてくれるようになりました。
日本は急速に高齢化が進み、世界で高齢化率ナンバーワンの国となり、昭和22年生まれの団塊世代が今年65歳になり、「高齢者」と呼ばれるようになりました。これらの高齢者のために
きっと「介護ロボット」や高齢者の身体の動きを助ける「機能ロボット」などが開発されてくるのではないかと考えています。家事が楽になったように、身体の不自由になった方々のために、ロボットがお役にたつ時代が来るのではないでしょうか。(館)

投稿者 Nurie : 15:52 | コメント (0) | トラックバック

2012年06月02日

5月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.5
今月はロシアのぬりえをご紹介いたします。
   ロシアにはエルミタージュ美術館にすばらしい収蔵品があるということは、非常に有名なことと思いますが、ロシア美術についてはあまり知られていないと思うのは、私だけでしょうか。

ロシアには2007年の5月に行き、ぬりえの取材をいたしました。その際に本屋さん、スーパーマーケットなどを訪れ、ぬりえを購入してきました。
ロシアの本屋さんでは、大変感激いたしました。ロシアの人は本好きだということが分かりました。探している本を読めるように、椅子やテーブルが店内に置かれています。日本と大きく違うと思った点は、展示の方法です。本棚に背表紙をみせて並べるのではなく、単行本も絵本なども表紙を表にして、展示されていることでした。そのために、どんな本かとてもよく伝わってきました。

とくに絵本では、ロシアの絵の力や美的センスが大変高いことが分かりました。どの本も絵が素敵なので、皆買ってきたいほどでしたが、本類は大変重いので、全て購入するわけにもいかず、大変残念な思いをしました。
ぬりえ本のコーナーも同様で、ぬりえ本の表紙を前面にだして、展示をしていました。
   
ぬりえ本を購入する際は、できるだけその国らしい絵のぬりえ本を選ぶようにしています。今月のぬりえ本は、背景にある建物や人物の服、食器などがとてもロシアらしいと思います。
ロシアの子ども達もこの美しいお姫様や恐竜の絵に胸をときめかせてぬりえをしていることでしょう。

そのほかにロシアのぬりえ本を見ていますと、1950年代を感じさせるクラシックな絵のぬりえ本も購入しました。クラシックな絵がきいちに通じるノスタルジーを感じたからです。
又年齢の低い子ども達には、鳥や魚やいちご等、一つのぬりえが大きく描かれていて、単純で塗り易いぬりえが販売されています。
長靴を履いた猫や眠れる森の美女などの物語のぬりえ、もちろんディズニーのぬりえも沢山販売されていて、幼稚園でも子どもたちは喜んでディズニーのぬりえを塗っていました。

ぬりえではありませんが、すばらしい絵本の絵を一枚紹介したいと思います。絵本は「雪の女王」です。見ただけでその緻密さ、美しさが理解いただけると思います。
いつか機会がありましたら、ロシアの絵を見ていただきたいとおもいます。

今月のエントランス

タイトル:『おきゃくさまにおしょくじを』
作者:きいち
年代:昭和20年代

お膳は、座卓やテーブルがない時代には、畳で食事をするのに欠かせない道具でした。流行のテーブルウェアは、文字どおりテーブルの上を彩る食器類で、おもてなしを演出することを指しますが、お膳もまた、ぬりえのような女の子によって運ばれてくるテーブルウェアの一つだったのではないでしょうか。

5月19日(土)あわからバラの市盛り上げ隊のお知らせ
バラの市を盛り上げるために、盛り上げ隊として、ぬりえ美術館もご協力しています。
5月12日(土)~6月3日(日)の期間、“バラのモチーフ”を身につけてご来館のお客様には、入館料を50円割引いたします。
バラ柄の服、バッグ、バラのブローチ、コサージュ、髪飾りなど、バラのモチーフなら何でも結構です。
あらかわのバラ市を楽しみながら、ぬりえ美術館にご来館ください。

ぬりえ美術館メディア情報
京成電鉄の情報誌『京成らいん』5月号で紹介されました。

【展示室のご案内】
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

投稿者 Nurie : 11:54 | コメント (0) | トラックバック

2012年05月01日

5月の美術館ニュース(1)

緑、みどり、ミドリ!!
草樹の新緑が目にまぶしい輝きの季節となりました。GWのお休みにお気に入りの緑を探しに、お出かけになりませんか?

ぬりえのこころ~今月の一枚~
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

5月のエントランスは、食べ物のぬりえを展示しています。

タイトル:おかしわもち
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

四季に恵まれた日本では、お菓子も季節、季節にあわせた美しいお菓子や行事、神事に由来するお菓子などがあり、日本に生まれた幸せを感じることができます。
春になれば、おひな様をたのしむ雛菓子があり、桜を代表とするさくら餅、花見団子、よもぎの草餅、おはぎ、わらびもちなど、毎月のように季節のお菓子を楽しむことができます。

五月になれば、柏の葉にくるんだ柏餅を食べずに過ごすことはできません。柏餅は、5月5日の端午の節句の供物とされますが、柏の葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされています。柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重~十代将軍家治のころといわれ、参勤交代で江戸から全国に行き渡ったといわれています。  
また四国地方などの近畿圏以西では、端午の節句には「ちまき」を食べるそうです。童謡の「せいくらべ」の中に「ちまき」が出ていますので、思い出される方もいらっしゃるでしょう。

地域により違いがあることも面白いものですが、最近は情報が行き渡って、ちまきや柏餅をどこでも食べられるようになりました。
例えば関西で節分に食べるとされている恵方巻きが、商戦にのって関東にも広まり、さらにはのり巻きだけでなく恵方巻き仕様のお菓子まで誕生しています。
柏餅の餡は、こし餡、つぶし餡、味噌餡があり、お好みで選ぶことができます。皆様はどの餡の柏餅がお好きでしょうか。(館)

投稿者 Nurie : 11:44 | コメント (0) | トラックバック

2012年05月01日

4月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.4
イタリアのぬりえ「Colora Maschere」

今月は、イタリアの「仮面」がテーマのぬりえ本をご紹介いたします。
仮面の発祥のベニスでは、15世紀身分の違いで衣服が決まっていたので、カーニバルで身に着ける仮面やマントにより身分の違いを全てをなくすことができたので、貴族や役人、神父や庶民までも仮面を身に付け、身分に関係なくリドット(カジノ)やオペラ座を共に楽しんだのだそうです。
イタリア語ではマスケラと呼ばれ、この本のタイトルもMASCHERE(マスケラ)と名づけられています。
その後17世紀から18世紀にはヨーロッパ大陸全土の宮廷でヴェネツィア式仮面舞踏会は人気となったそうです。
ぬりえ本に描かれている仮面の人物は、伝統的にその衣装と性格がきまっており、特徴的なものは下記のようなものですが、子どもの頃からこのようなぬりえをして、それぞれの名前と性格を覚えていくのだと思われます。


①アルレッキーノ 継ぎ合わせた色鮮やかなまだら模様の衣装を着た道化師姿の召使です。額に瘤のある悪魔を表した黒い仮面を着けています。常に貧しく、空腹でいますが、持ち前の機知とユーモアで権力を持つ登場人物たちを笑い者にしていきます。

②ブリゲッラ 緑で縁取られた白いスモックとパンツを着て、金銭欲を強調するオリーブグリーン色の仮面を着けています。世知に長けた策士で、ペテン師でもあります。一方、優れた音楽家でもあり、ギターを携えた姿で表されることもあります。

③プルチネッラ イタリア南部のナポリ出身の召使で、くちばしのような長い鼻のある仮面を着け、若い雄鶏のような容貌をしています。愚鈍と明敏、臆病と大胆と対立するどちらの性格にもなることが出来ます。哲学的で憂鬱な夢想家でもあります。

海外のぬりえ本の特徴の一つに、色見本のぬりえがついていることが挙げられます。このぬりえ本も左側のぺージに色見本があり、右側をぬりえするようになっています。
パリでぬりえ展を開催した際に、ぬりえを塗ってもらったことがありますが、参加者の一人が、「フランスのぬりえには色見本がついていたので、簡単に塗ることができたが、きいちのぬりえは色見本なしに塗らなくてはいけないので、時間がかかった」と感想を話された方がいました。

今日本では、キャラクターのぬりえ一辺倒ですから、そのキャラクターの色が決まっていますので、自由に好きな色をつけることはできません。色見本のあるぬりえと同じようなことになっています。
昭和20~30年代のぬりえは、塗る人によって同じ絵でも違いがあることから、「十人十色」と言われたものです。
想像性の幅もひろがりますので、自由に塗れるぬりえを楽しんでいただきたいと思います。
(参考:仮面の名前とキャラクターは、箱根の森ガラス美術館より)


今月のエントランス

タイトル: 『えんそく』
年代:昭和20年代 作者:きいち

今であれば、遠足の服装はカジュアルで汚れてもいいような服と思いますが、昭和20~30年代は「遠足もお出かけ」ということで、普段着とは違う服を着せてもらいました。
だから子どもたちは、嬉しそうな顔をして得意げに胸を張って歩いています。

ぬりえ美術館メディア情報
①京成電鉄「下町日和きっぷ」折込チラシで紹介されました。
②4月13日(金)NHK Eテレ「団塊スタイル」でぬりえが介されます。

【展示室のご案内】3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。
体感してください。

投稿者 Nurie : 17:14 | コメント (0) | トラックバック

2012年04月03日

4月の美術館ニュース(1)

今年は春の訪れが少し遅いようですね。桜便りがやっと聞かれるようになりました。
日本人にとって、桜の花は格別にこころを躍らせる花ですね。まだほんの1分先の桜の下でお花見をしている人もいたりします。はやく、満開の桜を楽しみたいですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:りょこう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

4月のエントランスは、”春のおでかけ”のぬりえを展示しています。

今年は春になるのが少し遅いようですが、春という言葉を聞いただけでも、こころ浮き浮きしてきます。春のエネルギーがそうさせるのでしょうか。
春になったら、何をなさりたいでしょうか。やはり一番に挙げられるのは、お花見だと思いますが、そのお花見を地元だけでなく、どこか有名な桜の名所で見たいと
お出かけされる方も多いのではないでしょうか。
ぬりえの少女も、遠足ではなく、家族と一緒にどこかに旅行するのでしょう、素敵な洋服に帽子、そしてトランクを持っています。

裏面の「えんそく」にも書かれていますが、昭和20~30年代は普段着とよそゆき着があり、
普段とは違うことをする旅行やえんそくにはよそゆき着、いわゆる良い服を着てでかけたものでした。時には新しい服を買ってもらって、出かけたものでした。
このぬりえは現代のぬりえと同じように、線だけで描かれています。以前は髪の毛は黒く描かれていましたが、髪さえ白い部分を残したままになっています。このように線だけのぬりえになるのは、昭和40年代近くになってからのものです。きいちの特徴である太い足も、細くなっていますね。この頃にはバービー人形やリカちゃん人形などのほっそりとしてお人形が誕生してきた影響で、足も細くなっていったと思われます。またきいちの少女の特徴である、丸い、大きな目がアイラインを引いたような "切れ長の目"になっています。
昭和20年から30年代まで20年にわたり、きいちはぬりえを描いていますので、時代の変化や少女の要望にあわせて、ぬりえの少女も変ってきていることが、このぬりえから見て取れます。(館)

投稿者 Nurie : 17:08 | コメント (0) | トラックバック

2012年04月03日

3月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.3
ドイツのぬりえ「Malbuch」
   
   
今回はドイツの「手書き」のぬりえという、現在では珍しいぬりえをご紹介いたします。出版社はケルンにあり、2007年に訪問したことのある会社です。ぬりえを専門にする会社で、販売先は大きなスーパーマーケット。安い価格だがグレードは高いというぬりえを販売しています。スーパーマーケットでの販売は、幅広く多くの人々に買っていただけるからだそうです。
この会社の特徴は、「手書き」にこだわり絵を作っていることです。そのためにスペインのバルセロナに注文して描いてもらっているとのことでした。何故ならスペインには、手で描くという伝統があるのだそうです。ちなみにトリックフィルム(アニメーション)に関しては、ベルギーに伝統があるそうです。
この会社ではDie Biene Maya(ミツバチマーヤ)のぬりえを作っているのですが「ミツバチマーヤ」はドイツのテレビでも放映され、主題歌が大変な人気で、知らない人はいないくらいの物語のぬりえということです。テレビのキャラクターがだんだん多くなっているけれども、オリジナルの作品作りに力をそそいでいるそうです。きいちの時代にも日本では手書きのぬりえでしたのでこのぬりえ本には大変関心を持ったのですが、やはり会社のオリジナリティーを出すために手書きということにこだわったものと思われます。日本のぬりえはほとんどキャラクターものですが、このようにこだわりをもったぬりえがでてきて欲しいものです。

この本のぬりえは、眠りの森の美女、シンデレラ姫、三匹の子豚など童話からとられたもので構成されています。この会社のぬりえは、手書きで書かれた線のため、線が柔らかく、見ていても人に優しい印象を与えます。又線が太いので子ども達が塗る際に、はみ出しにくいので塗りやすく、又紙面に対して、多くの絵が紙面いっぱいに描いてあるので、子どもにも見やすいぬりえだと思います。

この会社の担当者にベストセラーをお聞きしてみたところ、
・一番のベストセラーは、「プリンセス(お姫様)」のぬりえで、ピンクの表紙が大事 なポイントだそうです。ピンクとお姫様が人気なのは、日本でもまったく同じです。 女の子の夢は世界共通ということですね。
 又ファンタジーを感じられるように、「マーメイド」「バレエ」「ポップスター」な どが人気ということでした。
・男の子向けには、「騎士」のもの、その他、自動車、サッカーのぬりえだそうです。
・数字の順番に線をつないで描いていくものにも人気があるそうです。

その他に、ドイツでは、「子馬の絵」が人気だというので、理由を聞いてみたところ、ドイツでは乗馬が盛んで、自分の馬を持ちたいという思いがドイツ人の生活の中にあるのだそうです。事実、本屋さんにも子馬のぬりえが多く販売されていました。
日本では、馬は我々の生活には入っていないのでイメージしにくいのですが、さすがにドイツならではの発想のぬりえであるのだと思いました。

参考(出版社)
SCHWAGER&STEINLEIN Kinderbuchverlag
http://www.schwager-steinlein-verlag.de

今月のエントランス


タイトル: 『しんじゅのおうぎ』
年代:昭和30年代 作者:きいち

豪華な扇を持ってこちらにほほえむお姫様。手袋や花飾りが、ゴージャスさを引き立てています。真珠がいっぱいついた扇って、一体どんな色をしていて、どんな風に輝くのでしょう。ぬるときに想像がはたらく、宝石のような1枚です。

ぬりえ美術館メディア情報
「都電荒川線お散歩Book」に沿線の見どころとして、紹介されます。3月下旬発刊予定。

【展示室のご案内】
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

投稿者 Nurie : 11:10 | コメント (0) | トラックバック

2012年03月02日

3月の美術館ニュース(1)

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
  

タイトル:まんじゅひめ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、お姫様、王子様のぬりえを展示しています。

万寿姫は、御伽(おとぎ)草子「唐糸(からいと)草子」の主人公です。源頼朝(よりとも)を討とうとして捕らえられた木曾義仲の女房唐糸の娘で、頼朝に歌舞を披露して褒美(ほうび)に母を放免してもらったというお話です。
昭和30年代、私の子どもの頃には日本の民話などのお話が絵本や劇やラジオなどを通じて、広められていました。安寿と厨子王のお話など、美しい絵本として読んだ覚えがあります。しかし残念ながら、私には「まんじゅ姫」の物語にについては、覚えがありませんでした。しかし、ぬりえになるくらいですから、かなり一般的に知られていた物語と思えます。

この絵は袋の表紙絵ですが、裏には、牢の前でまんじゅ姫が中にいた母の唐糸と出会う場面が描かれています。他にもう一枚、旅にでて母をさがすまんじゅ姫の姿のぬりえがあります。ぬりえ美術館には、この3枚の絵しかありませんが、袋の中味はまんじゅ姫の物語を説明したぬりえであったのかもしれません。
   
まんじゅ姫のほかには、「桃太郎」や外国の物語の「親指姫」や「ピーターパン」などのぬりえが描かれています。ぬりえをしながら、絵本を読むように物語を覚えるようになっていたものと思われます。
皆様はどのような民話、童話をおぼえていらっしゃいますか。(館)

投稿者 Nurie : 11:04 | コメント (0) | トラックバック

2012年03月02日

2月の美術館ニュース)2)

『海外ぬりえ』研究室 No.2
今月の海外のぬりえは、マンダラのぬりえをご紹介いたします。
フランス、イタリア、ドイツ、アメリカなど、欧米では子ども達がマンダラのぬりえをよく塗っています。

マンダラとは、丸い円の中に左右対称に描かれた絵のことを総称しています。マンダラは、1990年代に出てきたそうで、特にドイツでは「マンダラはぬりえではなく、癒しです」と言って、いわゆるぬりえとは区別をして、取り扱われています。他の国でもマンダラのぬりえとは言わずに、マンダラはマンダラと呼ばれています。
   

日本では、マンダラといいますと仏教寺院にある宗教的なマンダラをイメージしますし、日本で販売されているマンダラはほとんどが宗教的なマンダラです。
今月のぬりえ本は、「私はマンダラに色をぬります」というタイトルの本で、フランスで購入しましたが、出版元はベルギーです。

表紙は今海外で人気がある海賊、パイレーツの絵です。パイレースですから、男の子向けのようですね。この絵が大変可愛らしいので、さらにマンダラの魅力を増していると思いますが、このように可愛らしい絵のマンダラが日本には全然ないことが残念です。
中味には、星、中国人の女の子と男の子、野菜などが描かれています。どれも可愛いですね。

マンダラの使い方としては、ドイツやフィンランドの幼稚園では、その月にテーマとかその週のテーマなどをもって、学習をしています。昨年訪問したスイスの幼稚園でも、訪問した月は、「海賊」がテーマでした。そのようなときには、海賊のマンダラを子ども達に塗らせます。またフランスなどでは、例えば12月のクリスマス時期であれば、星やクリスマスイメージのマンダラを塗っったりしています。

マンダラの効用としては、左右対称に絵がありますので、子ども達の手の運きをスムーズにするのに良いそうで、その後の文字を書く際に役にたつといわれています。又ドイツで言われているように、「癒し」という子ども達の心を落ち着かせる点についても良いといわれています。ドイツのある幼稚園では、マンダラをするときやぬりえをする時には音楽をかけてぬりえをさせると言っていた幼稚園もありました。

日本では、キャラクターぬりえが一辺倒ですが、ぜひ21世紀の新しいぬりえとして、日本の子ども達のために、可愛い絵のマンダラを作っていただきたいと願っております。

今月のエントランス

タイトル: 『テープにうたをふきこむの』
年代:昭和30年代 作者:きいち

テープレコーダーに向かって歌を歌う少女。一生懸命真剣に歌う姿が伝わってきます。
オープンリールのテープレコーダーが発売された頃のぬりえと思われます。新商品が出るとぬりえの中にもこういうものがあるという意味で描かれたのですね。

お知らせ
NEW 大判ぬりえ2冊 発売!!
小学館から新しいきいちのぬりえ本が2月1日より発売されました。今回は昭和のくらし編とおしゃれ編の2冊です。
「デコぬりえ」にもトライしてみましょうとデコぬりえの方法も紹介されています。

【展示室のご案内】
2011年11月~2012年2月まで、館内の展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心とした、昭和20年~30年代のぬりえの展示となります。懐かしいぬりえの世界を観て、塗って、体験してください。

投稿者 Nurie : 14:41 | コメント (0) | トラックバック

2012年02月05日

2月の美術館ニュース(1)

大変厳しい寒さが続いておりますが、この一ヶ月を乗り越えれば、日差しも明るく、穏やかな春がやってきます。暖かい甘酒やお汁粉などを飲んで、身体を温めて、元気にお過ごしいただければと思います。春は、そこまでやってきていますよ・・・

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   
タイトル:バレー
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
2月のエントランスは、お稽古のぬりえを展示しています。

可愛い少女が素敵なバレエシューズを履き、フリフリのバレエのコスチュームのチュチュを着て、ポーズをしています。バレエに人気があるのは、少女たちがこのコスチュームのチュチュに憧れるからではないでしょうか。
日本でのバレエの歴史は、わずか90年ほどの短いもののようです。1912年帝国劇場に招かれたイタリアのジョバンニ・ビットリオ・ローシーが専属俳優にバレエを教えたというのが定説のようです。戦後、1957年(昭和32年)モスクワからボリショイ・バレエが来日し、この機を境に、1958年に日本バレエ協会が設立され、日本の現代バレエの向上に効果を上げているそうです。

昭和30年代といえば、雑誌「少女」の表紙モデルをしていた松島トモ子がバレエを習っていて、その彼女のバレエ姿がよく雑誌に掲載されていました。バレエの衣装のチュチュは、外国の香りがするファンタジーに溢れた衣装やダンスに、目を奪われ、少女たちはバレエに憧れを持つようになったと思います。そしてバレエはできなくても、漫画に描かれたバレエのストーリーやぬりえに描かれたバレエを踊る少女に自分を重ねて、その憧れや夢を膨らませていたものでした。

実は私も小学校一年生のときに、自分が通っていた幼稚園でバレエのレッスンを始めることになり、ほんの少しの間、バレエを習ったことがあるのです。埼玉の田舎の町にもバレエ教室ができるほどに、その頃はバレエ熱が広まっていたのかもしれません。
今ではカルチャーセンターで大人の女性たちがバレエを習うことができるようになり、簡単に昔の夢をかなえることができるようになりましたね。(館)

投稿者 Nurie : 14:37 | コメント (0) | トラックバック

2012年02月05日

1月の美術館ニュース(2)

『海外ぬりえ』研究室 No.1
2012年は海外のぬりえ本をご紹介していきたいと思います。

まず第一番の今月は、私が大好きなぬりえ本から始めていきましょう。
その本は、パリの美術館で購入したものですが、この本のシリーズはルーブル美術館でもオルセー美術館でも、マルモッタン美術館でも、購入することができます。
フランスを始め欧米の美術館においてあるぬりえ本の対象層は、子ども達です。子ども達がルーブルに絵を見に来て、その帰りに「今日は、モネを見たからモネのぬりえを買いましょう」という記念や思い出、又は絵の勉強のために作られているものです。

日本では、”大人のぬりえ”が人気となっていますが、海外ではあくまでぬりえは子どものものです。しかし、子どもが対象と言っても、大変よく作られていて、日本であれば”大人のぬりえ”として、大人の方たちがぬってもいいような素晴らしい出来栄えのものが沢山あります。
今回紹介するのは、Au clair de ma plume という出版社のぬりえです。これらはシリーズになっていて、ぬりえ美術館にはモネ、ゴッホ、ピカソ、ルノアール、ルーブルのぬりえ本があります。解説もフランス語だけでなく、英語のぬりえもあります。パリらしくお洒落なぬりえ本です。
   
   

それはそれぞれの画家のイメージであわせて、本が色分けされていて、その色の艶のあるサテンのリボンが結ばれていることです。モネは緑、ゴッホは黄色、ピカソは青、ルノアールは淡い水色、ルーブルは赤で演出されています。

中味を見てみましょう。
見開きのページに見本の絵とぬりえがあります。ぬりえの線が、日本の名画のぬりえ本のように細かくありません。ですから複雑な印象がなく、子どもでも塗りやすいと思われます。線が細かすぎないことは、大変重要なことだと思います。線に忠実になるあまり、全ての線を描いても絵を複雑にしすぎるだけで、ぬりえをしてみようと思う気持ちを失くしてしまう恐れがあります。その点、この本程度の線は、丁度良いと思います。

見本の絵には、重要なポイントも解説されています。
モネ、ゴッホ、ピカソ、ルノアール、貴方はどのぬりえをしてみたいですか。

参考:Au clair de ma plume 出版社
ホームページはこちら

今月のエントランス

「藤娘」
作者:フジヲ 年代:昭和10年代
折り笠に藤づくしの衣装を着て藤の花の精になって踊る少女。とても華やかで妖艶な雰囲気を醸し出しています。踊りの中でも中心的な演目の一つですね。

ぬりえ美術館メディア情報
イラストノート21号 (1月中旬発売)蔦谷喜一が特集に取り上げられます。

【展示室のご案内】
2011年11月~2012年2月まで、館内の展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心とした、昭和20年~30年代のぬりえの展示となります。懐かしいぬりえの世界を観て、塗って、体験してください。ぬりえ体験コーナーがございます。

投稿者 Nurie : 15:38 | コメント (0) | トラックバック

2012年01月02日

1月の美術館ニュース(1)

新しい年を迎えました。ぬりえ美術館は、今年の8月で10年を迎えます。
今年は、より皆様方との絆が結べますよう、10周年記念企画展を開催し、楽しんでいただけるよう努めてまいりたいと思います。今年もご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:紫式部
作  者:きいち
年  代:昭和10年代
1月のエントランスは、昭和10年代当時のぬりえを展示しています。

今月は、「フジヲ」という名前でぬりえを描いていた昭和10年代のぬりえを展示しています。
この紫式部のような平安時代の女性を初め、歌舞伎の演目の絵や大正ロマンのような少女、そして洋風なキューピーの可愛い絵まで、様々な絵を見ることができます。
テレビがなかった昭和10年代ですから、歌舞伎の舞台や映画、ラジオから流れる講談や落語などから歴史やお話が伝わっていったと思われます。子ども達もぬりえを通じて、歌舞伎や講談などで語られる歴史を覚えていったことでしょう。

この時代の特徴のひとつに、非常に詳細に絵が描かれていることが挙げられます。この上に色を塗って遊んだのかしらと首をかしげたくなるような、これだけで完結している絵を描いています。寄贈していただいた昭和10年代のぬりえには、このような絵に色をつけたぬりえをいただいていますので、確かにこのような絵で遊んだことは確かなようです。
紫式部は源氏物語の作者として大変有名な方です。この絵は紫式部が源氏物語を、石山寺で書いている図かもしれませんね。源氏物語に関するぬりえは見つかっておりませんが、可能性として光源氏や紫の上などを描いていたかもしれません。そう考えると、ぬりえって、とても神秘的で面白いものですね。(館)

投稿者 Nurie : 15:34 | コメント (0) | トラックバック

2012年01月02日

12月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房
ヘラ絞りは天職
(有)秀光堂の代表の千葉宣政さん(61)は、ヘラ絞りという金属加工技術の職人です。工業技術にあこがれて、15歳で宮城県から上京して以来、この道一筋。修業した秀光堂の看板を受け継いで昭和50年に独立し創業。美術工芸の魅力を持つヘラ絞りを天職と決めて自らの技術を磨く傍ら、東京芸術大学などから要請されて教授や学生に技術指導を行い、平成14年に荒川マイスターに認定を受け、平成18年からは区のインターンシップ事業の協力企業として若い人材の育成にも尽力。伝統技術の伝承や産学連携、地域復興にと幅広く活躍しています。

どんなに硬い金属でも、様々な形状に加工
ヘラ絞りとは、金、銀、銅をはじめ、ステンレスや真ちゅう、アルミなどの金属の板を「ヘラ」と呼ばれる工具を使って木型に押し付けながら圧延加工する技術です。一つひとつ手づくり工芸なので、多品種少量の受注生産が主体。定番の製品は花器、貴重品ケース、食器、インテリア用品などですが、「深絞り」「大物加工」の技術を持つ千葉さんは、優雅なデザインの照明用器具や寺社の屋根を飾る大型の擬宝珠(ぎぼし)、さらには特殊用途の医療用品などの特別注文もこなします。「お客さんに喜んでもらえるのが一番うれしい」という根っからの職人です。最近は、溶接技術を身に付けた次男の貴浩さん(33)との共同制作が増え、ヘラ絞りと溶接を融合した新たな製品作りを探り、後継者につなぐユーザー開拓に力を入れているところです。

身近に見学・体験できる伝統技術
(有)秀光堂は、区内の小学校で使用される教材で、荒川区の産業を象徴する工場として紹介され、テレビや新聞、雑誌にも度々取り上げられています。その現場を実際に見学する子どもたちも多く、ヘラ絞りの工芸品づくりを体験したいと訪ねる人もいます。今年の夏には中国の四川省成都市から来日した民間視察団も千葉さんの匠の技を見学し、アルミ製カップ作りを体験しました。身近にある伝統技術に触れてみませんか!
住所:東日暮里3-29-2 営業時間:午前8時半~午後7時 
定休日:日曜日 TEL:03-3803-5967
参考:あらかわ産業ナビ

今月のエントランス

「かんざしさして」作者:きいち 年代:昭和30年代
片手に大きな荷物を持って、つまみかんざしをさしている町娘。オシャレをしていったいどこへ行くのかしら?
ふりそでの着物がとてもお似合いです。

ぬりえ美術館メディア情報
東京メトロ発行「BONJOUR! METRO 冬号」に掲載されました。

【展示室のご案内】
2011年11月~2012年2月まで、館内の展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心とした、昭和20年~30年代のぬりえの展示となります。
懐かしいぬりえの世界を観て、塗って、体験してください。

投稿者 Nurie : 11:36 | コメント (0) | トラックバック

2011年12月03日

12月の美術館ニュース(1)

師走になりました。今年はいろいろなことがありましたね。
皆様の心の中にも様々な思いがあることと思います。この12月をより思い出深いものにして、又新たな気持ちで、新しい年を迎えたいものです。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
    

タイトル:ぬりえ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
12月のエントランスは、着物をテーマにしたぬりえを展示しています。

こたつに入って、ぬりえをする少女。今よりずっと寒かった昭和の20年、30年代。冬は外で遊ぶことよりも、室内遊びをすることが多かったですね。
ぬりえの遊びは、明治の時代から冬の遊びとして、考えられていたことが文献にでています。

そのことを反映して、ぬりえがよく売れたのは、北海道であったそうです。今は暖冬になりましたが、当時は東京でも雪がよく降っていたものでしたので、東北、北海道ではさらに雪深かったと思われます。室内で遊ぶには、ぬりえが最適だったのでしょう。

来館者のお声をお聞きしますと、冬の時期でないときでも、風邪や熱などで布団やベッドに寝ていないといけないときには、少しでも良くなるとぬりえを買ってもらって、布団に寝ながらぬりえをしたということを何人もの方からお聞きします。じっと家に篭っていなければいけないときに、1時間でも2時間でも無心に時間を過ごすことのできるものは、ぬりえだったのでしょう。

師走は何かと気ぜわしい時期になります。そんなざわざわした気分の時には、心を落ち着かせるために、ぬりえはちょうど良いクールダウンさせてくれるアイテムではないかと思います。
たった15分でも30分でも、ぬりえに色を塗ってみる。そうすると頭の中が空っぽになって、気分がスッキリいたします。
年末の忙しいときこそ、ぬりえを塗ってみることをお勧めいたします。

きっと新年の新しい目標など、いい考えが浮かぶのではないでしょうか。(館)

投稿者 Nurie : 11:32 | コメント (0) | トラックバック

2011年12月03日

11月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房

伝統から派生した布団のリフォーム事業
花嫁わた(株)は、社歴130年を刻む布団事業の老舗です。創業時の明治から昭和の時代にかけては新品の布団の製造・販売が主体でしたが、平成に入ってからは布団の「リフォーム」専門に転換。さらに2年前、6代目の代表取締役として経営を引き継いだ吉村祐介さん(39)が経営にベンチャー魂を注入して布団リフォーム事業をより鮮明にし、日本人には欠かせない布団文化を進化させる新たな業態を切り開き始めています。

仕立て直しシステムが震災の被災地支援にも貢献
花嫁わた(株)の布団リフォームは、使い古しの布団を洗浄・仕立て直して新品同様の布団に再生する事業です。粗大ゴミとして焼却するのでなく、資源としてリサイクルするので、環境・資源対策上も好評です。社内ではIT化を進めて、全国から綿、羽毛、羊毛の布団のリフォーム注文を受け、顧客(家庭)から宅配便で引き取り、前橋、山梨、埼玉などの工場で再生したうえ、宅配便で返送するシステムを構築しています。

「あきらめていた布団が見違えるようによみがえった」といった反響が多く寄せられ、着実に客層を広げています。東日本大震災の折には、被災地の惨状を目の当たりにした吉村さん自身の発案で、首都圏の家庭で不要になった布団を回収・仕立て直して被災地に無償提供する支援を行い、話題を集めました。
独自のリフォームシステムが災害時にも役立つことを立証したわけですが、将来的には「いつでも手軽に、布団がリフォームできることを広く知ってもらい、その専門企業として知名度を高める仕組みをつくるのが目標」と吉村さんは話しています。

楽しい見学・体験ツアーも
本社の展示コーナーでは、布団づくりの歴史を示す写真や機材が公開され、仕立て直しのビデオ映像も用意されています。「予約制のワークショップ」「わた操り」なども体験できます。見学・体験をご希望の方は事前にお問い合わせください。
花嫁わた(株)(布団仕立て直し)
東日暮里6-49-18 営業時間:午前9時半-午後5時 
定休日:日曜日・祝日 TEL:03-3803-3311

今月のエントランス

「オ買物」
作者:ヒデオ
年代:昭和10年代

たくさんの荷物を持って人形店から出てきたオシャレな少女。大好きな人形をたくさん買えてとても嬉しそうな表情をしています。家に帰ったらお人形と何して遊ぼうかなっと考えながら愛犬と帰る姿が、とても可愛らしいですね。

ぬりえ美術館メディア情報
京成電鉄、「下町日和マップ」に、ぬりえ美術館が掲載されました。

【展示室のご案内】
2011年11月~2012年2月まで、館内の展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心とした、昭和20年~30年代のぬりえの展示となります。懐かしいぬりえの世界を観て、塗って、体験してください。

投稿者 Nurie : 10:45 | コメント (0) | トラックバック

2011年11月03日

11月の美術館ニュース(1)

秋の深まりとともに、すぐそこまで冬が顔を覗かせています。
今年も残り1ヶ月、いろいろなことがあった2011年でしたが、残りの月日を元気に笑顔で
過ごしていきたいですね。
     
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
11月のエントランスは、豆ぬりえを展示しています。

タイトル:大売出し
作  者:不明
年  代:昭和20年代

昭和10年代から20年代初め頃には、テーマ的にもいろいろ面白いぬりえがたくさんあります。
今回展示している「豆ぬりえ」といわれる小さいサイズのぬりえもたくさん販売されていたようで、ぬりえ美術館の収蔵品の中にもたくさんの作品があります。
このキューピーさんのチン問屋さんのぬりえのサイズは、7.5x5.5という本当に小さいものです。同じ絵を普通サイズの絵で見たことのあるぬりえがありますので、普通のぬりえをサイズを小さくして売っていたものと思われます。
日本は「縮(ちぢみ)の文化」といわれますが、小さいと可愛らしいので、子どもたちには好まれたのではないでしょうか。今見ても、とても可愛らしくて、塗らなくても持っていたいと思わせます。
今回展示しているのは、キューピーさん、ベティさん、すずめ、イタズラチビ子ちゃんなど、
大変個性的なぬりえを展示していますが、これらのテーマが昭和10年代から20年代初めには流行し、好まれていたぬりえなのでしょう。
これらの豆ぬりえは2、3枚が袋に入っていて、それらの袋が束になっているところから、好きな袋を一枚引き抜く形で販売されていたそうです。昭和23年当時で、一袋で1円くらいだったそうです。
このぬりえを寄贈してくれたのは、私の祖母の田舎の親戚の女性です。東京から遠い福島の田舎町で、彼女が一生懸命色を塗って、収集し、大事に保存していたぬりえです。やっと展示をする機会ができて、彼女も喜んでくれていると思います。(館)

投稿者 Nurie : 10:40 | コメント (0) | トラックバック

2011年11月03日

10月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房

森田商店(べっ甲細工)
江戸べっ甲の伝統工芸を究める
森田商店は、江戸時代の装飾文化を伝える江戸派のべっ甲細工の老舗工房です。6代目の森田孝雄さん(61)は、高校卒業以来、この道一筋。先祖代々200年に及ぶ伝統技術を受け継ぎ、家業のべっ甲細工を究めています。器用な手先を生かして、小物の製品づくりを得意とし、おしゃれな人が好むべっ甲製の装身具分野で、伝統工芸の維持・普及に努めています。

貴重な材料を大切に次代へつなぐ
べっ甲細工は、赤道近くに多く生息する海亀の一種「タイマイ」の甲羅が主材料。斑(ふ)と呼ばれる独特の黒模様と奥深い光沢、肌触りが魅力で、昔から家具や装飾品を中心に愛用されています。くし、かんざしをはじめ、帯留め、ネクタイピンなどのアクセサリーも定番製品ですが、森田さんは指輪、腕輪、ペンダントといった実用的な装身具のほか、眼鏡フレームの修理を積極的に受注したり、携帯電話用ストラップなども製作し、通販ルートの販売にも力を注いでいます。

心配なのは、動植物の絶滅を防ぐワシントン条約で「タイマイ」の国際取引が制限され、貴重な資源となっていること。 森田商店は、 希少化する材料を有効利用する”修理”の仕事に本腰を入れ、べっ甲細工の技術と作品を次代につなぐことに力を入れています。後継者育成にも熱心で、次男の淳さん(27)を7代目と決め、コンピュータを使った機械加工を導入するなど新たな展開を始めています。

製作工程や細工道具を披露
工房には、べっ甲細工の昔ながらの道具が置かれ、タイマイの甲羅を細工して、さまざまな作品に仕上げていく職人技が見学でき、手に触れて細工する体験もできます。森田商店では「多くの人にべっ甲製品の魅力を知ってほしい」と見学者を歓迎しています。

森田商店(べっ甲細工)
東尾久1-16-10 営業時間:午前9時~午後6時 
定休日:日曜日 TEL:03-3892-3641

参考:あらかわ産業ナビ

今月のエントランス

「ももたろう」
「桃太郎」は有名な童話の一つです。桃太郎は鬼退治に行く途中、犬、サル、キジと出会い、皆におばあさんが作ってくれたきび団子をあげて、一緒に鬼退治に向かいます。
たとえ怖くて強い鬼が相手でも皆で力をあわせて戦えば怖いものはありませんね。

ぬりえ美術館メディア情報
●株式会社日本出版社より「個人美術館に行こう」(仮題)に、ぬりえ美術館が掲載されました。
●㈱メイトの「Nurie2 ぬりえの本」で館長のお話ときいちのぬりえが掲載されました。

【展示室のご案内】
・8月~10月の企画展は「少女の憧れ、 夢。ぬりえがすべてだった展」と題して、夢あふれるぬりえを展示しています。
・第2回東京新聞ぬりえコンテストの優秀作品18点も同時展示しています。

投稿者 Nurie : 16:29 | コメント (0) | トラックバック

2011年10月09日

10月の美術館ニュース(1)

 
紅葉の便りが聞かれる頃となりました。自然の営みの中で、人々のこころを喜びや慰めてくれる草花や木々、本当に有難いものですね。ぬりえ美術館のある通りにも、たくさんの鉢植えの花々が多くの人々を楽しませています。どうぞ下町の路地を散策にいらしてください。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

10月のエントランスは、童話がテーマのぬりえを展示しています。


タイトル:あかずきんさんとおはなたち
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

今月は童話や昔話のぬりえを展示しています。赤頭巾ちゃん、おやゆび姫、シンデレラ、ガリバー、ねむり姫、しらゆき姫、桃太郎などのぬりえをエントランスでは展示しています。
どのお話も有名ですので、皆様も小さい頃からそれらを絵本やディズニーのアニメ等でご覧になっていることと思います。特に最近では、ディズニーの影響が強いので、
しらゆき姫、シンデレラ、ぬむり姫などの印象は、ディズニーの絵で覚えているという方が多いのではないでしょうか。

そういう意味で、昭和20年代~30年代に描かれたきいちのぬりえに見るしらゆき姫、シンデレラ、ぬむり姫などの絵の印象はディズニーとも違っていて、とても見ごたえのある面白いものになっているのではないかと思います。
きいちは戦後ぬりえを始める頃、絵本を作ってみたいと考えていた頃があり、絵本ができないなら昔話や童話などをぬりえで作ってみるのも、子どもたちが大いに楽しめるからよいと思って、ぬりえに描いたのではないかと思います。私が収集しているぬりえにひとつの童話のすべてのストーリーの絵がないのは残念ですが、ちゃんときいちのしらゆき姫、きいちのシンデレラになっているのは、素晴らしいと思います。
昭和20年代~30年代の子どもたちの人気のお話を手ごろに購入できるぬりえで展開しているおかげで、それらに色をつけることにより、より具体的に子どもたちはどのようなお話かを知り、理解することができたのではないかと思います。(館)

投稿者 Nurie : 16:21 | コメント (0) | トラックバック

2011年10月09日

9月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房のご案内
これまで「モノづくり見学・体験スポット」をご紹介してまいりましたが、見学・体験スポットは下表の11カ所があります。ぜひ、荒川区の魅力あるモノづくりの現場を実感してください
事業所名
■(株)日興エボナイト製造所(ゴム製品製造)荒川1-38-6 TEL(3891)5258 
☆エボナイトの研磨体験ができます(体験費用500円~)
■(有)竹中雛人形製作所(衣裳着人形)町屋1-21-7 TEL(3892)9969 
☆カードケースの製作ができます(体験費用500円)
■(株)マツダ自転車工場(自転車製造)東尾久1-2-4 TEL(5692)6531 
☆オーダーメイドサイクルの試乗ができます(体験費用無料)
■森田商店(べっ甲細工)東尾久1-16-10 (3892)3641 
☆根付などのべっ甲細工づくりができます(体験費用3,000円~)

■(有)三味線かとう(三味線)東尾久6-26-4 TEL(3892)6363 
☆三味線の演奏体験ができます(体験費用無料)
■浅野工芸(貴金属加工)西尾久2-4-8 TEL(3892)7199 
☆御香立てなどの製作ができます(体験費用1,000円~)
■(有)秀光堂(金属加工)東日暮里3-29-2 TEL(3803)5967 
☆金属加工品の製作ができます(体験費用無料)
■都行燈(株)(各種照明・行燈製造)東日暮里4-26-10 TEL(3803)1755 
☆オリジナル照明器具の製作ができます(体験費用5,000円~)
■花嫁わた(株)(ふとん仕立直し)東日暮里6-49-18 TEL(3803)3311 
☆布団リサイクルの布を使った草履づくりができます(体験費用3,000円)
■竹工芸翠屋(竹工芸)西日暮里3-13-3 TEL(3828)7522 
☆竹工芸の製作工程の見学のほか、賞を受賞した作品が見学できます
■(有)堀川鋳金所(美術工芸鋳造)西日暮里6-43-8 TEL(3893)1442 
☆メダルなどの製作ができます(体験費用4,000円~)

見学や体験を希望する場合は、必ず事業所にお問い合わせください。繁忙期や作業の都合上、ご希望にそえない場合もあります。「モノづくり見学・体験スポット」を紹介したパンフレットもご用意しております。
区内の公共施設などで配布しておりますので、ぜひご覧ください。
【問合せ】観光振興課(3802)3111内線461

ぬりえ美術館メディア情報
・「U-CAN 美術館ガイドブック手帳」に掲載されました。
・都営交通発行「ぴっくあっぷ9月号」に掲載されました。

今月のエントランス

「こっぷの音楽」
作者:きいち
年代:昭和30年代
女の子がコップをたたいて音を出している「こっぷのおんがく」。
少しずつコップの中のお水の量を加減して、音階を作ります。うまくドレミファソラシドが作れたら、いざ演奏。何の曲を弾こうかな?
コップを弾くと響く、素敵なメロディ。楽しそうな音楽が聴こえてきそうですね。

【展示室のご案内】
・8月~10月の企画展は「少女の憧れ、 夢。ぬりえがすべてだった展」と題し て、夢あふれるぬりえを展示してい ます。
・第2回東京新聞ぬりえコンテストの 優秀作品18点も同時展示しています。

投稿者 Nurie : 12:14 | コメント (0) | トラックバック

2011年09月03日

9月の美術館ニュース(1)

夏の残暑がまだ続いていますが、もうしばらくの辛抱です。今年はクールに過ごすための商品が数多く販売されていますね。それらを活用したり、ご自分の工夫を重ねて、乗り切りましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:うたっておどって
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :小沼秋成氏
9月のエントランスは、音楽がテーマのぬりえを展示しています。
「歌は世につれ、歌につれ」という言葉がありますが、歌はよく自分の思い出と繋がっているものです。幼稚園時代、小学校、中学・高校時代、大人になって、その時々の時代の歌がいろいろと浮かんできます。
大正~昭和の童謡ブームの時には、その歌にあわせて踊りが振付けられて、レコードの中の歌詞カードにつけらていたそうです。
思い出すのは、「可愛い魚屋さん」のレコードだったと思いますが、確かに踊りの振り付けが付いていました。それを見ながら自分の家で踊った覚えはありませんが、当時は歌に振り付けがあったというのは、今考えますと、面白い事象ですね。

歌ではありませんが、絵にも思い出があります。ずっと覚えている昔の童話のワンシーンがありました。ところがストーリーもタイトルも忘れていましたので探す手立てがありませんでした。その絵は、正装した若い女性が、水たまりにパンを置いて、パンの上を歩くというものでした。子どもでしたが、貴重なパンを水たまりに入れるなんて、とビックリしたのでしょう、強烈な記憶として残っていました。
あるとき蕗谷虹児さんの本を見ていましたら、私の記憶の絵と同じ絵を発見したのです。それは「海つばめ」というお話でした。永年のモヤモヤが一気に晴れました。たまたま7月に横浜で開催されていた「蕗谷虹児展」に行き、その絵を見てきました。こんなに素敵な絵本で育ったのだと蕗谷虹児さんに感謝しました。
歌も踊りもお話も、幼い子どもたちにとってはどれも成長に役立つ大事なものですね。(館)

投稿者 Nurie : 12:10 | コメント (1) | トラックバック

2011年09月03日

8月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房

(株)ムラマツ車輌(リヤカー製造) http://www.muramatu-s.co.jp/
●現代に甦る「リヤカー」60年の技術
ムラマツ車輌は、今年が創業60周年の貨物運搬器具や業務用什器類の老舗メーカーです。特に、数少ないリヤカーのメーカーとして全国的にも有名です。2代目社長の村松孝一さん(63)は、小回りの利く簡便な搬送車両「リヤカー」の技術を現代に受け継ぎ、その特色を生かして独自の「物を運ぶ」分野を次々に切り開いて、リヤカーの新たな歴史を刻んでいます。今では、産学連携による製品開発にも取り組み、若手技術者も積極的に採用して斬新さを加味し、リヤカーに明るい展望を描いています。

●「物を運ぶ」分野で活躍中
小回りの利くリヤカーは、交通規制や狭い道の多い都市部には最適の搬送手段。自転車と一体化することで、排気ガスゼロのエコ車としても見直されて人気が出ています。すでに、宅配便のデリバリーカートや、食品店・弁当店の食材配達車として活躍していますが、特に「電動アシスト付きの貨物用三輪自転車」は物流・物販業界向けを中心にヒット製品の様相をみせています。リヤカーを利用した屋台も定番の製品で、新たな注文が絶え間なく続き、地震など災害時の緊急用貨物運搬用具として備蓄されるケースが増えています。また、リヤカーは、アフリカの発展途上国からも注目され、村松さんは政府ODAの一環としてタンザニアからの研修生を受け入れ、さらに現地に赴いて、リヤカー製造を指導した経験も持っています。

●職人集団の新製品づくりをご覧ください!
ムラマツ車輌のホームページでは、「リヤカー博物館」を開設して、リヤカーの歴史の解説や技術伝承に努めているほか、テレビ、新聞、雑誌などでもたびたび紹介されて、知名度を高めています。
 工場を訪れる(要予約)と、町工場の雰囲気を実感しながら、リヤカーの製造工程が見学でき、時にはオリジナルの新製品も見学できます。

今月のエントランス

「たくさんおかいもの」
年代:昭和30年代 作者:きいち

8月は、「食べ物」をテーマにしたぬりえを展示しています。
「たくさんおかいもの」の子どもは、重そうな袋を抱えつつも、足取りは軽やかで、何だか浮き浮きとしているように見えます。ネッカチーフを頭に巻いて、フリル付きのエプロンを掛けた姿は、お洒落なウエイトレスさんのようです。袋から見えるフランスパンが、より一層、少女を素敵にみせています。

大人気の缶バッチに新シリーズ登場!
   
   
上:缶バッジ大 直径5.5cm(400円)、下:缶バッジ小直径3.2cm(250円)
美術館オリジナルグッズの缶バッチシリーズがリニューアルしました。今回もレトロでかわいい、きいちの描く女の子達のバッチが勢ぞろい。バッグやポーチにつけたり、プレゼントにもどうぞ。

【展示室のご案内】
8月~10月の企画展は「少女の憧れ、夢。ぬりえがすべてだった展」と題して、夢あふれるぬりえを展示しています。
第2回東京新聞ぬりえコンテストの優秀作品18点も同時展示しています

投稿者 Nurie : 12:54 | コメント (0) | トラックバック

2011年08月03日

8月の美術館ニュース(1)

今年の夏は、節電がテーマになりそうですね。エアコンより扇風機に注目が集まっています。
緑のカーテンも人気のようで、市町村でも緑のカーテンをお勧めするため、講習会などを開催しているそうです。緑の植物を通して流れる空気は、涼しく感じられるでしょうね。

エントランス展示
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

ぬりえのこころ -今月の一枚-

8月のエントランスは、食べ物がテーマのぬりえを展示しています。

タイトル:ホットケーキ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
今日のおやつは、ホットケーキにフルーツ。ナイフとフォークで上手に食べます。
「食べ物のぬりえをするのも、好きでした。」と来館者の方からお聞きすることがあります。きいちのぬりえに出てくるものは、実際その当時に子どもたちがしている生活よりもワンランクもまたはそれ以上に素敵な生活が描かれていましたので、バナナやメロン、ホットケーキにデコレーションケーキなどがぬりえに描かれていると、「わー、こんなものを食べたいな」
「食べたら、どんなに美味しいだろうな」という思いをこめて、ぬりえをしたことでしょう。その当時の子どもたちが食べているものは、日本の伝統的な和菓子や駄菓子でしたから。

先日上海でも同じようなお話を聞きました。上海はいまや高層ビルが乱立する大変進んだ街になっていますが、これはここ20年ほどの成長の結果だそうです。上海万博が昨年開催されましたが、日本での万博が1970年に開催されましたので、ちょうどその頃と同じような時代なのではないかと感じました。
今までであれば中国の方も、お汁粉やあんこ等植物性の甘味を食べていたものが、この成長で外国のケーキやお菓子の味を知り、それらの美味しさに目覚めたそうです。
東京には世界中の美味しい食べ物が集まっています。 新しいものを取り入れるのにも抵抗がなく、これほど多くの種類の食べ物を食べている国民はいないのではないかと思います。
夏バテにならないように、美味しいものを食べて暑い夏を無事に過ごしましょう。(館)

投稿者 Nurie : 12:51 | コメント (0) | トラックバック

2011年08月03日

7月の美術館ニュース2

モノづくり見学・体験スポットの人気工房
森田鞄製作所は、昭和24年の創業以来、かばん一筋の老舗です。2代目の栗田行雄さんは、創業者の先代からトランクケースと呼ばれた旅行かばんの製作を学び、その技術を基礎にボストンバッグやショルダーバッグのような”ソフトな作りの革かばん”の領域を開拓してきました。この道40年のキャリアを積み重ねて、「森田鞄」のブランドを定着させ、次々と新商品を開発して「鞄作家」としての評判も広がるなど、輝きを放っています。

◆こだわりの「親子二世代で使える鞄」
森田の皮かばんは、「親子二世代で使える鞄」がキャッチフレーズ。そのノウハウは、デザイン面だけでなく、便利な機能と長持ちする堅牢性にあります。「シンプル・イズ・ベストが基本。多目的に使える機能を備え、破損しにくい縫製を施し、使い込むうちに革のツヤがでる革かばん」が特徴です。

2代目が開発した「トラベルボストン」は、発売してから20年以上も人気を保ち、ロングセラーを続ける代表商品。最近は軽量かばんに力を入れ、老若男女が多様に使える全天候タイプの「デイリーショルダー」がヒット商品となっています。
販売は通信販売を主体にお客さんに直接販売し、ユーザーの声

を商品づくりに反映するとともに、オーダーメイドや修理にも対応。販売コストを最小限に抑えて、低価格を長く維持するという商法も受けている背景の一つです。

◆人気商品の秘密が見える!
職人が手づくりする「森田鞄」は、荒川区が運営する「あらかわショッピングモール」の売れ筋商品トップ3の常連です。全国的に人気があり、年々、ブランド力を増して、不況知らずにファンを広げ、海外からのオーダーも目立ち始めています。
その人気を裏付ける商品が工房のショールームに展示され、革かばんの製造工程を3代目の栗田真さんをはじめ、スタッフが親切に紹介してくれます。また、革製ストラップにオリジナルの焼印を入れる体験もできます。

参考:あらかわ産業ナビ

ぬりえ美術館メディア情報
・都電荒川線の100周年を記念してるるぶより都電沿線ガイドが7月に発行されます。沿線ガイドにぬりえ美術館も紹介されています。
・6/29 (水) テレビ東京、7スタ ブラッチにて紹介されました。

今月のエントランス

タイトル:「はなび」 
年代:昭和20年代
作者:不明
線香花火は今も人気の手持ち花火。単色の火玉がパチパチとか細い火花を散らしたかと思うと、その玉が落ちて…その何ともいえない儚さに心癒され、昔から親しまれてきました。
朝顔の浴衣を着て、背筋を伸ばした美しいうしろ姿で静かに線香花火を見つめる少女はまるで立派な大人の女性のようです。この日本女性の美しさはこれからも受け継いでいきたいものですね。

【展示室のご案内】
7月9日より、第二回東京新聞ぬりえコンテスト作品の中より、優秀作品18点を館内展示をしています。
ぬりえ体験コーナーもございますので、ごゆっくりお楽しみください。

投稿者 Nurie : 16:29 | コメント (0) | トラックバック

2011年07月05日

7月の美術館ニュース1

今年の夏は、節電がテーマになりそうですね。エアコンより扇風機に注目が集まっています。
緑のカーテンも人気のようで、市町村でも緑のカーテンをお勧めするため、講習会などを開催しているそうです。緑の植物を通して流れる空気は、涼しく感じられるでしょうね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
  
タイトル:ゆあがりでいいきもち
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

7月のエントランスは、浴衣がテーマのぬりえを展示しています。
湯あがり、浴衣というと縁台というイメージがでてきますが、最近では縁台というものを見る機会も少なくなりましたね。
昭和30年代、夏になると縁台が庭先に出され、そこで氷水を飲んだり、おじさん達は将棋をさしたり、夜になると外のほうが涼しいので、蚊取り線香などをおいて、団扇で扇ぎながら夕涼みをしたものです。

今や都会ではエアコンの室外機の熱のため、外気温度が高いため、外で夕涼みをするということがなくなりました。しかし、今年の夏は「節電」をテーマに、人々の暮らしぶりが様変わりをするかもしれませんね。
私達、日本人は夏でもお風呂に入り、涼を取るという方法を知っています。以前、ドイツの方が日本に旅行したときのお話を聞いたことがあります。夏休みに日本に旅行に来て、一日のツアーの終わりに、お風呂を勧められたが、暑い時期に暑いお風呂に入ることが理解できなかったそうです。しかし、実際に体験してみたら、日本の夏にはお風呂に入ることのほうが、涼しくなることを体感して、ビックリしたと話されていました。日本人の夏以前11月頃ドイツのバーデン・バーデンの温泉に入った時のこと、温度が低くてビックリ。寒がりの私は一番温かい温泉に首までつかっていましたが、それでももっと熱ければいいのにと思いながら入っていました。ドイツの方は体温、体力が違うのでしょうか。その低い温度の温泉でも皆さん元気に、嬉しそうに利用されていました。
節電の今年の夏、扇風機、蚊取り線香、ステテコ等など、昭和30年代の昭和に活躍したものが、見直されそうですね。(館)

投稿者 Nurie : 16:25 | コメント (0) | トラックバック

2011年07月05日

6月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房

ミニ厨房庵は、ドールハウス用品の工房です。家業の金属プレス加工業を営んでいた河合行雄さんが、ドールハウス教室に通い始めた妻の朝子(ともこ)さんに金属製ミニチュア鍋を製作、プレゼントしたのを機に、平成17年、自社工場の一角を工房に改築しました。それから、国内のドールハウスイベントへの出展を重ね、オリジナルの製品づくりで注目を集め、平成22年には念願であった海外での出展を果たし、国外からも注目を集めています。
◆家族で作る「12分の1」サイズの精巧な作品
「ドールハウス」は海外では親子代々受け継がれる家宝として扱われています。建物や家具など、それぞれの作家によって作りだされた作品を親子代々集めて1つのハウスを完成させていくため、製作するサイズは「実物の「12分の1」が世界基準になっています。これらの小物は美術品として扱われ、高い技術力が要求されます。
 ミニ厨房庵では家業の金属加工業で培ってきた技術科を生かして製作しています。なかでも、銅やステンレス、銀など金属を素材にして製品は希少で、それが国内外で評判となっています。
工房は、主催者の行雄さんが金物類を加工して作品を製作し、無機質になりがちな金属類に温かみをもたせるよう店長の朝子さんと娘のあさみさんが粘土などで小物を作ります。
海外出展のときは、「ミニ厨房庵」ではなく、3人のイニシャルを入れた「TYA Kitchen」という作家名で活躍しています。家族で作る商品点数は600点を超えています。
◆ドールハウスの魅力を実感してください。
ミニ厨房庵では、発足以来、工房への見学が増え、展示販売をするようになりましたが、「みなさんにドールハウスをもっと知ってほしい。もっと観ていただきたい」と、開店6年目の今年に入りリニューアルしました。
工房では展示会で人気を集めた「お店屋さん」シリーズなどの作品が展示され、家族で取り組む製作現場が見学できます。自分だけのミニチュア製品つくりを体験することもできます。

今月のエントランス

「おかたをたたきましょう」
年代:30年代 作者:フジオ
今ではあまり見かけなくなった縁側は、日本の家の中でも、よく日の当たる所で、おじいさん、おばあさんがすわっていたものです。
肩をたたく女の子も、肩をたたかれているおばあちゃんも優しくほほ笑み、二人の絆が伝わってくる一枚です。
 
ぬりえコンテスト開催!!
東京新聞にて、第二回ぬりえコンテストの募集をしています。
締め切りは6月15日(水)
東京新聞HPからも、「ぬりえ台紙」をプリントアウトできます。
http://www.tokyo-np.co.jp/ad/nurie/
ご応募お待ちしています。
優秀作品13点を館内に展示いたします。

【展示室のご案内】
6月~7月は、常設展となります。
ぬりえ体験コーナーもございますので、ごゆっくりお楽しみください。
尚、東京新聞ぬりえコンテストの優秀作品は7月より展示予定です。

投稿者 Nurie : 12:56 | コメント (0) | トラックバック

2011年06月10日

6月の美術館ニュース(1)

6月は「水無月」。水の月ですね。最近の雨は、しとしとの雨というよりは、どしゃぶり、ゲリラ豪雨など一気にどっと降るような雨が増えました。時々訪問するパリでも、以前は6月と言えばカラッとしていたものが、この頃では日本の梅雨のように雨がしっかりと降る、といわれるようになったそうです。これも気候の温暖化のせいでしょうか。

今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:なわとび ふたりとび
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
6月のエントランスは、絆・仲良しがテーマのぬりえを展示しています。
縄跳び、ゴム跳び(ゴム段)、石けり、鬼ごっこなどなど、学校で、家のまわりで、子どもたちは大勢いで一緒に遊んでいたものでした。原っぱやお寺の境内、空き地など、広々としたところもまだ沢山残っていて、そこは子どもたちの大事な遊び場でした。
子どもの数が多かった時代ですので、家にいるよりも「外で遊んでおいで」と家の外に追い出された時代でもありました。

一緒に遊ぶのが当たり前、そういうものだと思っていましたから、その中で人間関係の対応の仕方をいろいろ体験していくことができました。兄弟が多ければ、兄弟の中に社会が生まれますが、さらに友人達の間で社会を学ぶことができました。
ドイツの幼稚園でぬりえ調査をしていたとき、その幼稚園では、日本のように年齢別のクラスではなく、1つのクラスに3歳から5歳までの年齢の違った子供たちが集まっていました。ドイツでも兄弟が少なくなっているので、年齢別の子どもたちがいることにより、年長の園児が年少の園児の面倒を見ることもできるようになり、クラスに他を思いやる心が生まれてくると園長先生がおっしゃっていました。
3月の震災以降、日本では従来以上に絆、仲間の必要性を感じているのではないかと思います。
人間一人では何もできません。 支えあって行きたいものです。(館)

投稿者 Nurie : 12:47 | コメント (0) | トラックバック

2011年06月10日

5月の美術館ニュース(2)

モノづくり見学・体験スポットの人気工房
荒川区の魅力の1つである、”技術”をもった会社をご紹介いたします。

都行燈㈱は、明治時代に創業、134年の歴史を刻む和風照明器具製造の老舗です。木工芸をきわめて、日本古来の行燈を中心にした木製の和風照明器具作りを伝承し、現在は、4代目の木崎雅徳さんが家業の伝統を受け継ぎ、「あかり職人」の新たな領域を切り開いています。若い4代目は、高校在学時から和風照明に魅かれて、この道20年余のキャリア。オリジナルな照明づくりに徹し、心身の照明コンサルタントとしても活躍しています。
都行燈の製品は、古来の照明スタイルを残しながらの斬新な製品づくりに定評があります。「時代の移り変わりを反映して、デザインや昨日も多様に変化している」と、著名な建築家が設計する手の込んだ照明器具を開発するなど、最新技術との融合にも積極的に取り組んでいます。
独創的な和風照明に特化都行燈のショールームには、意表をつくようなデザインの行灯や一見して照明器具とは思えない製品が展示されています。
都行燈では、2年ほど前に「あかりのワークショップ」を開設。見学や行燈制作の体験希望者が増えたため、「モノづくり見学・体験スポット」として工房をリニューアルし、自分だけの「オリジナル照明器具」の手作り体験が楽しめます。職人の伝統技を感じながら、自分だけの行燈を創ってみませんか!
130年余の老舗の技を受け継ぐ都行燈(株)
(和風照明器具製造)東日暮里4-26-10 TEL: 03-3803-1755
http://www.miyako-andon.com/index.html
参考:あらかわ産業ナビ

ぬりえ美術館周辺花だより
花の時季(5月から6月中頃)には、荒川区内の都電沿線には区民の方々とともに育てた140種13,200株のバラが色とりどりに咲き乱れます。
このバラは、荒川区のボランティアの方々が植栽したり、維持管理をしてくださっています。
そんな緑と花にあふれる荒川区のバラを都電に乗って見にいらっしゃいませんか。

今月のエントランス

「はとぽっぽ」
年代:30年代
作者:きいち

今月は、動物をテーマにしたぬりえを展示しています。「はとぽっぽ」に描かれている女の子は、おめかしをしています。どこかに出かけた先で、はとを見つけたのでしょうか。
子どもの頃、休日に遠くへ出かけると、見慣れない風景だけでなく、そこにいる動物たちにも、興味津々だったような気がします。
爽やかな日が続くこの時期、身近な生き物までも生き生きとしています。
そんな動物を見たり、触れることは、昔も今もこどもたちにとっては、楽しいひと時なのでしょう。
      
【展示室のご案内】
企画展「きいちのモード展」開催中!! 
きいちぬりえの魅力の一つに、きいちのモードがあります。
昭和20~30年代に少女を夢中にさせたきいちの素敵なお洒落をご紹介いたします。
どうぞごゆっくりお楽しみください。

投稿者 Nurie : 17:41 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月02日

5月の美術館ニュース(1)

花の季節がやってきました。ゴールデンウィークには、東北でも桜が満開になることでしょう。
花は人のこころを慰め、癒し、温かい気持ちにしてくれますので、少しでも被災者の方々の心が和むことでしょう。
荒川区は都電荒川線沿線に華やかなバラが何種類も咲き乱れます。陽気の良い春の一日、お花めぐりはいかがでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:なかよくおのみ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井紅子氏     

5月のエントランスは、ペットのぬりえを展示しています。
犬や猫は昔から私たち人間と共存し、生活してきました。最近は犬のセラピーなどが研究され、老人などの慰めになり、刺激もして元気にしてくれるなどの効果が言われています。
先日アメリカでの1つのセラピーがドキュメンタリーとして紹介されていました。それは、刑務所から出所してきた少年たちが虐待や捨てられた犬を訓練することにより少年たちを教育していく施設のドキュメントでした。

少年たちは悪い環境の中で成長したり、虐待されてきたため、刑を犯し、出所してきても、心を閉ざして、誰とも話せないような少年たちでした。ところが同じような境遇の犬を育てることにより、少年も犬もお互いにこころを開くようになり、自分を取り戻し、信頼とか安心という感覚を持つことができるようになっていくのです。
3ヶ月ほどの訓練で、犬は怖がらずに飼い主と上手くやっていけるようになっていきます。訓練を受けた犬は、その後新しい飼い主に貰われていきます。
新しい飼い主と自分が訓練した犬が、それからどのように生活をしているのか、ビデオを見せられたとき、少年たちは犬がいなくなって寂しいけれど、幸せそうに暮らす犬の姿をみて涙を流していました。
ここでの犬の訓練を通して、自分を教育した少年たちの再犯率は非常に低いそうです。犬や猫が私たち人間に与えてくれる力というものは大変な力があるのですね。(館)

投稿者 Nurie : 17:38 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月02日

4月の美術館ニュース(2)

荒川区観光大使特集 其の4
荒川区では、平成19年度より区にゆかりのある著名人4人が「荒川区観光大使」に任命されています。
今月は、アーティストの城戸真亜子さんが薦める荒川区の散歩コースを紹介いたします。

お勧め観光スポットは南千住界隈。
城戸さんはこのエリアにカラフルなオブジェを作っています。昔からこの当たりの人々が暮らしてきた川の手の楽しみを今の時代にも伝えたいと思いで作ったオブジェだそうです。又お天気の良い日には、素盞雄神社も四季折々の花が楽しめ、天王祭のお神輿も必見。「奥の細道」に旅立つ芭蕉に思いをはせながら訪ねてみてはいかがでしょう。
①南千住駅→②リバーハーフコートの仲間たち→③汐入公園の水辺→④素盞雄神社

春になってだんだんあたたかくなってきました。少し足をのばしてみませんか?

【城戸 真亜子さんプロフィール】1961年8月28日 生まれ
愛知県名古屋市出身のタレントおよび洋画家。
荒川区南千住在住、荒川区観光大使のほかに、
中部国際空港株式会社顧問、テレビ東京番組
審議会委員、中日本高速道路CSR懇談会委員。

(参考:荒川区ホームページ)

☆モノづくり見学・体験スポットの人気工房☆
(有)三味線かとう 東尾久6-26-4 03-3892-6363
http://www.shamisen-katoh.com
三味線かとうの店主の加藤金治さんは、日本の伝統的弦楽器である三味線の皮張り職人です。15歳の時からこの道一筋。平成元年に「三味線かとう」を開業。以来、三味線の活路を拓く試みを次々と実現して新風を吹き込み、話題を集めています。
世界初のエレクトリック三味線の開発をされ、大音量の洋楽器と三味線との合奏の幅を広げ、エンターテイメントの世界に大きなインパクトを与えました。
毎年の「ちとしゃん亭」という三味線イベントを企画・主催しており、店舗内では三味線の見学に丁寧に対応する傍ら、平成21年に店舗の2階に自前の小ホール「Chito-Shan」をオープン。稽古や発表会の場として、また人気演奏家のライブの開催など「三味線普及の基地」として活躍しています。

和の音色を楽しみにお気軽にお訪ねしてみてはいかがでしょう。
(参考:あらかわ産業ナビ)

今月のエントランス

「はやくきれいなはなよさけ」作者:きいち 年代 昭和30年代
春の花といえば、チューリップ。植木鉢に球根を埋めて、お水をあげて、花の咲くのを待ちました。小さい植木の鉢の水遣りは、子どもたちの仕事。
花の咲くのが待ち遠しいですね。

ぬりえ美術館マスコミ情報
4月13日発行の「まんがの達人」にぬりえ美術館が紹介されています。

展示室のご案内
企画展「きいちのモード」開催中!!
きいちのぬりえの魅力の一つに、きいちのモードがあります。昭和20~30年代に少女を夢中にさせたきいちの素敵なお洒落をご紹介いたします。どうぞごゆっくりお楽しみください。

投稿者 Nurie : 16:43 | コメント (0) | トラックバック

2011年04月01日

4月の美術館ニュース(1)

3月11日に東北関東地震が起こりました。大変大きな地域にわたる大災害となりました。
被災者の皆さまにはお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧、復興を願っています。
前に向かって一歩づつ、ゆっくり進んでいきましょう。
    

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:はなのなわとび
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

4月のエントランスは、春のお花のぬりえを展示しています。
花を編んで作った縄跳びで、遊ぶ少女。
子どもの頃には、春になると畑は一面レンゲの花でピンク一色になりました。レンゲ畑に入り、夢中でレンゲの花を繋いで、ブレスレットやネックレス、そして長く繋いで縄跳びなどを作ったものです。

又レンゲ畑の中を、ごろごろと体を転がして、遊んだりもしました。ワンピースはすっかり茎や葉っぱの色の緑に染まってしまい、叱られたりしました。
昭和の子どもたちは、誰しもレンゲにつながる思い出を持っているのではないでしょうか。
ところがあんなに広がっていたレンゲも最近ではすっかり見えなくなって、さびしい思いもいたします。
ぬりえ美術館の近所にあります都立尾久の原公園の原っぱには、レンゲはありませんが、シロツメクサが生えています。遊びに来た子どもたちが、昔の私たちと同じように、シロツメクサをつんで花束にしたりして遊んでいます。女の子たちは、いつでもお花が好きなのですね。同じことをしているのを見て、嬉しくなります。そして、このような遊びが伝承していくといいなと思います。

これからの季節、様々な色の花が咲き始めます。今回震災を受けた東北にももうすぐ春が来て、美しい花が咲き、きっと人々の気持ちを慰めてくれるものと思います。
春よ来い! 花よ咲け! いっぱい咲け! (館)

投稿者 Nurie : 16:40 | コメント (0) | トラックバック

2011年04月01日

3月の美術館ニュース

今年は寒さが厳しい日が多かったですから、春が待ち遠しいですね。
そして3月は、卒園、卒業、転勤など様々な区切りの月でもあります。
新しい世界、新しい出会いが待っているので、明るい月にしていきたいものです。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや、テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:たのしいおつかい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :新井 光男氏

3月のエントランスは、少女たちの家事のお手伝いのぬりえを展示しています。

昭和20~30年代は、子どもたちがよく家事のお手伝いをしていました。ぬりえの中にも、その様子が様々に描かれています。子守、お洗濯、庭仕事、お料理作り、そして、お買い物等など。
小さい子どもたちにとって、お買い物を頼まれることは、ドキドキする冒険のような、そして、お姉さんになったような気持ちにさせてくれるお手伝いではないでしょうか。
最近では、テレビ局が「はじめてのおつかい」という番組が作られ、子どもたちの奮闘振りや緊張などを写して、人気番組になっています。子どもたちの頑張る姿に、ついつい見ていることらまでウルウルとさせられてしまうこともあります。
私も祖父母からお使いを頼まれると、小さい買い物ですが喜んでしていました。何故かといいますと、買い物先のお店では、小さい子どもがお使いにくると、「お駄賃」と称して、飴などのお菓子をくれたからです。いい事をすると、いい事があるのだと、次にまた喜んでいくようになったものです。
何事も最初は上手に出来なくても、回を重ねるごとに出来るようになっていくものです。子どものうちからお手伝いをしているといいですね。(館)

荒川区観光大使特集 其の3
荒川区では、平成19年度より区にゆかりのある著名人4人が「荒川区観光大使」に任命されています。
今月は、落語家・三遊亭好楽さんが薦める荒川区の散歩コースを紹介いたします。

お勧め観光スポットは我が町西日暮里3丁目かいわい、ここで十分楽しめます。
JR・京成日暮里駅から谷中方面に向かいます。右側に本行寺、先へ行くと経王寺、右へ折れて啓運寺、そして仁王門の養福寺、その先進むと浄光寺、大きなすわ鳥居をくぐってお諏方様(諏方神社)。
ここは日暮里、谷中の総鎮守。お参りしてから少し戻って、富士山の見える富士見坂、坂を下って右から順に青雲寺、修性院、左へ行くと法光寺、南泉寺、まっすぐ谷中銀座に出て左の「夕やけだんだん」を上ると十カ寺目の延命院。心が洗われた気分で老舗の「中野屋」つくだで佃煮のお土産を買って、本行寺の隣、「川むら」で一杯やっておそばをたぐって何も言うこと無し。これぞ最高の観光スポット。

①日暮里駅→②本行寺、経王寺→③啓運寺、養福寺、浄光寺→④諏方神社→⑤富士見坂→⑥青雲寺、修性院、 法光寺、南泉寺→⑦谷中銀座、夕やけだんだん、延命院
(出典:荒川区ホームページ)

春になってだんだんあたたかくなってきました。少し足をのばしてみませんか?

【三遊亭好楽さんプロフィール】
1946年8月6日生まれ B型。
本名、家入 信夫(いえいり のぶお))
落語家。円楽一門会所属。
東京都豊島区東池袋生まれ 荒川区西日暮里在住。
1981年9月 真打昇進。

☆☆荒川区から見えるスカイツリー☆☆
荒川区公式ホームページには区内から見えるスカイツリーということで色々な角度で撮影されたスカイツリーの写真映像が紹介されています。

どこからの眺めか画像を頼りに、探検するのも楽しいですし、まだまだ紹介されていない絶景スポットを求めて荒川区内を探検するのも楽しそうですね。

また、3月下旬には汐入公園内に汐入タワーも完成いたします。
タワーは高さ11m、展望台は8mの高さになるこちらの展望台からもスカイツリーがとてもよく見えるとのことです。暖かい日差しに誘われておでかけにいかがでしょうか。

荒川区から見えるスカイツリー

今月のエントランス

「まちまでおつかいたのしいな」
年代20年代 作者:きいち

今月は、「子どもたちのお手伝い」の様子を描いたぬりえを展示しています。
お買い物、お洗濯、お掃除等など、昭和の子どもたちは家のお手伝いをよくしていました。なかでもお買い物に行くことは、子どもにとってちょっぴりお姉さんやお兄さんのような気分になって、嬉しかったのではないでしょうか。
皆さまはどのようなお手伝いをしていたでしょうか。そして、お子様にもお手伝いをしてもらっていますか。


ぬりえ美術館スタンプできました
ぬりえ美術館オリジナル、きいちの少女をデザインした美術館スタンプが出来ました。着物姿、ドレス姿の2種類があります。
ご来館の際には、どうぞスタンプを押印してください。

【展示室のご案内】 
企画展「きいちのモード展」開催!! 3月5日~5月29日まで開催
きいちぬりえの魅力の一つに、きいちのモードがあります。
昭和20~30年代に少女を夢中にさせたきいちの素敵なお洒落をご紹介いたします。
どうぞごゆっくりお楽しみください。

投稿者 Nurie : 10:52 | コメント (0) | トラックバック

2011年03月02日

2月の美術館ニュース

梅の便りが仄かな香りとともにやってきました。寒さが厳しい中、一番最初に咲いて春を知らせてくれる花が梅の花ではないでしょうか。 梅の花はとても品種が多いそうで、「実梅」は約100種類、「花梅」は300種類以上あると云われているのだそうです。
温かい日をみつけて、梅見に出かけでみてはいかがでしょう。

今月の一枚

タイトル:しゃみせんのおけいこ
作 者: きいち
年 代:昭和30年代
寄贈者:福井 紅子氏
2月のエントランスは、少女たちのお稽古事のぬりえを展示しています。
今月の一枚は、「しゃみせんのおけいこ」をしているぬりえです。
日本の少年、少女は、日本的なものと洋風なものと沢山の習い事がありますね。
三味線は、和の代表的なお稽古の一つであると思います。学校教育にも邦楽が取り入れられてきたようですが、それは大変いいことだと思います。
私は日本舞踊を小学校から中学生まで5年ほど習いましたが、そのお蔭で歌舞伎を見に行って、歌舞伎が体や耳に心地よく、理解しやすいことを経験しています。
09年に中国のぬりえの調査をしたことがあります。中国は現在一人っ子政策をしていますので、子どもの教育に大変熱心です。学問だけでなく、幼稚園での課外授業も盛んだそうで、スポーツ、絵画など習い事をしているそうです。
子どもの才能はどこにあるかわかりません。親たちが子どもに関心をもって、子どもの好きなこと、関心を持っているものに注意を向けて、才能を伸ばしていって欲しいものですね。(館)

荒川区観光大使特集 其の2
荒川区では、平成19年度より区にゆかりのある著名人4人が「荒川区観光大使」に任命されています。先月の片岡鶴太郎さんに続き、今月は、競馬評論家・井崎脩五郎さんが薦める荒川区の散歩コースを紹介いたします。

西尾久出身の井崎さんは、フジテレビ日曜の競馬中継に1983年からレギュラー解説者として出演し、現在も『みんなのKEIBA』の番組内、また東京スポーツ等の紙面で独特のデータ予想を駆使し、当たり外れを超越した「明るい予想」を競馬ファンに披露し、人気を博していらっしゃいます。

そんな井崎さんのお薦め散歩コースは、都電荒川線の「荒川車庫前 停留場」を出発し「あらかわ遊園」から隅田川沿いに歩き「都立尾久の原公園」を巡るコース。

公園近くの露店でおつまみを買って、池にはサギ、空にはカモメと自然豊かな公園で、日当たりの良いベンチに座って過ごす時間は、浮世離れしており何物にも代えがたい気持ちの良いものとコメントされています。

ギャンブルが持つ博打のイメージを持ち前の人情と明るさで、親近感を持つものへと変えてしまう井崎さん。その魅力は、中学生まで過ごした荒川の地で培われたものといえるかもしれません。

井崎 脩五郎(いさき しゅうごろう)プロフィール
1947年7月23日生まれ
競馬専門紙『ホースニュース・馬』に所属していた競馬評論家。
豊富な知識は、競馬にだけにとどまらず、TBSテレビ『噂の!東京マガジン』の“中吊り評論家”など複数の評論家の肩書きで、幅広い分野で活躍している。

今月のエントランス

「もりばな」
作者:きいち
年代30年代 
作品タイトル「もりばな」とは”盛花”の意で、口が広く背の低い水盤形式の花器にいける花のことを指します。
口が狭く丈のある壷や瓶等、いわゆる花器にいけるのに比べ、花留の剣山を用いることができる盛花は、花の傾向を選ばずにいけることができるため、初心者が勉強しやすいそうです。
作品の少女も習い始めの頃しょうか。自身が、いけているお花の一部になったかのように初々しい、所作も愛らしいですね。

美術館グッズ紹介:缶バッジ(全5種類)
バッジの絵柄は、思わず誰もが目を留めてしまうようなインパクトを持つ選りすぐりの女の子たちです。
作品を通じてきいちが子ども達に捧げた”女の子の憧れの世界”を小さなマルにぎゅっと詰め込んだこだわりの一品です。
止め具としてファッションに取り入れるもよし、シンプルなデザインのエコバッグ、トートバッグ等にワンポイントとしてお付け頂くのもお薦めです。

展示室のご案内
昭和20年~30年代のきいちを中心に常設展示しております。ぬりえ体験コーナーもございます。どうぞごゆっくりお楽しみください

投稿者 Nurie : 11:46 | コメント (0) | トラックバック

2011年02月06日

2011年1月の美術館ニュース

新年明けましておめでとうございます。今年も皆様が健やかに、お幸せにお過ごしなさいますようお祈り申し上げます。ぬりえ美術館では、作品の展示、ニュースなどを通して、皆様のお顔がにっこり、こころがあたたかくなるように努めていきたいと思っております。
今年もご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

ぬりえのこころ、今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
1月のエントランスは、昭和30年代に大人気であった映画の女性のスターの方々のぬりえを展示しています。


タイトル:ひばりちゃんのおなつ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :福井 紅子氏

今月の一枚は、「美空ひばり」さんのぬりえです。
きいちは、昭和の少女の遊びやお洒落ファッション、風俗など少女の関わる絵のほかに、当時大人気であった映画界の男優さんや女優さんのぬりえも描いていました。
何故、このようなぬりえが描かれたのか、その当時の子どもたちの状況を考えてみたいと思います。
昭和30年代は、日本映画の黄金時代でした。テレビが一般家庭に普及する以前、娯楽といえば映画でした。
最盛期の入場者数は11億人を超え、日本人ひとりが年間10本以上の映画を見ていた計算になるそうです。子どもたちはチャンバラ映画、青年層は日活アクション映画が人気だったそうです。大人気の映画の俳優さんのブロマイドは、子どもたちにとってはなかなか手に入るものではありません。本の付録によくブロマイドがついていましたが、月刊誌を購入できる子どもたちは、クラスの一握りで、本はまわし読みできても、付録は本を購入した人のものですから、ブロマイドを手にいれることはできませんでした。
しかし、ぬりえで俳優さんたちの顔を描いてあげれば、子どもたちにでも手にいれることは可能です。そのようなつもりで、きいちは人気の俳優さんやスポーツ選手の顔を描いたのではないでしょうか。(館)

新年あけましておめでとうございます。昨年は、「はやぶさ」の帰還に日本中が沸きました。厳しい社会の嵐や未来への不安でくじけそうになっている我々の心の救いになりました。誰もが「はやぶさ」に、辛くても、諦めずに頑張れば未来への明るい希望に繋がっているということを感じたいと思ったからでしょう。
「はやぶさ」とは反対に、無縁社会等という冷たい言葉も生まれました。
私達が望んでいるのは、温かいこころではないでしょうか。
ぜひぬりえ美術館で、こころ温かい時代であったきいちのぬりえに描かれた世界を楽しんでください。きっと、ほかほかとしてくることでしょう。
今年もぬりえ美術館をよろしくお願いいたします。

荒川区の観光大使がいるのをご存知でしょうか。
荒川区では平成19年度より区にゆかりのある著名人が4人「荒川区観光大使」として任命されました。今年2011年は、荒川区の観光大使が薦める荒川区の魅力やお勧めのスポットを皆さんにも紹介します。

今月は片岡鶴太郎さんを紹介します。
芸能界に限らず多方面のご活躍は、誰もがよく知っているところですが、片岡鶴太郎さん「荒川生まれ荒川育ち」でいらっしゃいます。
そんな鶴太郎さんのあげるお勧め散歩コースは、四季毎の自然が豊かな日暮里南公園をかわきりに日暮里繊維街と諏訪神社を巡るコースです。箱単位で多種多様な品が揃う卸問屋街。下町ならではの空気を皆さんも味わってみては如何でしょうか。

【片岡鶴太郎プロフィール】 
1954年12月21日生まれ。荒川区西日暮里出身。
幼少の頃より役者になることを夢見、学校ではものまねのうまい人気者として親しまれた。高校卒業後、片岡鶴八に弟子入り。3年後にはものまねで東宝名人会、浅草演芸場に出演。その後、テレビのバラエティ番組などで広く大衆の人気者となる。現在は役者として、画家として、ドラマ・映画・演劇など様々なメディアで活躍中。

今月のエントランス

「トモこちゃんのどろひめんこ」
作者:きいち
寄贈者:飯塚赫子氏

松島トモ子は、今ならAKB48の少女たちのような大変なアイドルでした。雑誌に、映画に大活躍。昭和20~30年代の少女がバレーに憧れたのは松島トモ子のバレリーナ姿を雑誌などで見た影響かもしえません。
今回は着物姿ですが、どろんこ姫という作品からとったものでしょう。


美術館メディア情報
●るるぶ『東京遊び場コンプリートガイド』
東京近郊おでかけスポットガイドに見学・鑑賞スポットとして美術館が掲載されました。
●『東京ミュージアムグッズ図鑑』
美術館の所蔵品として“きいちのぬりえ&着せ替え”が紹介 されました。

【展示室のご案内】
フランスのぬりえ展を開催中です。
昭和20から30年代のきいちを中心に常設展示をしております。ぬりえや体験コーナーもございます。どうぞごゆっくりお楽しみください。

投稿者 Nurie : 12:51 | コメント (0) | トラックバック

2011年01月02日

12月の美術館ニュース

1年の終わりを迎えました。毎年月日の経つのが早くなるような気がしています。
1年を振り返り、来年の計画をゆっくり考えてみたいものです。皆様の1年は、どのような1年であったでしょうか? 来年も素敵な年になりますよう、お祈りしています。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
12月のエントランスは、きいちの素敵なモード、ファッションがテーマのぬりえの展示でございます。


タイトル:みどりのくつとみどりのようふく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :福井 紅子氏
なんておしゃれな服なのでしょうか? 襟元にリボン飾りがつき、襟元とスカートには、違う色の生地が使われ、刺繍が入っています。
昭和20~30年代に、このような素敵なお洋服はどこにでも手に入るという服ではありませんでした。街の洋品店には、買いたくても素敵な商品は余りないのですから、作って貰うことになります。婦人雑誌にはモデルさんが着た婦人や子ども用の写真とそれらの型紙が掲載されていました。それらの本の中から好きな服を見つけて作ってもらうのです。洋裁が出来た母や叔母に作って貰った服のことを今でも覚えています。
「ひまわり」や「それいゆ」の中原淳一さんは、戦前の時代からスタイルブックとして服のデザインや着こなしを提案されていました。今見てもすこしも古臭くなくて、現在でも通用するエレガントで上品なデザイン、スタイルです。それらの素敵なデザインの服が、街にあふれるようになるのには、まだまだ時間が必要な時代でした。(館)

町屋・スカイツリーおススメ・ビュースポット
連日ニュースでも話題に挙がっている東京スカイツリー。完成すると高さ634メートル、世界一高い自立式電波塔になるそうです。すでに近くまで足を運ばれ、目の前でご覧になられた方も沢山居られることでしょう。
そのスカイツリー、実はこの荒川区からもご覧になれることにお気づきでいらっしゃいますか。南千住駅付近等からもよく見えるそうですが、都電「荒川区役所前」やその付近から都電とスカイツリーを一緒に写った素敵な写真が沢山ホームページで紹介されています。

都電とスカイツリーのツーショット
都電荒川線「熊野前」付近より撮影

■スカイツリーのオフィシャルホームページ■
http://www.tokyo-skytree.jp/

平成22年度
“荒川区の振興と発展に貢献した功労者”表彰を受賞

去る11月25日に当館館長の金子マサが荒川区より功労者表彰を受けました。
平成14年8月の美術館開館より8年、今回の表彰が更なる地域の文化交流を産み、
世界を結ぶ契機となるよう、より充実した活動に努めていきたく思います。

今月のエントランス

「赤いケープ」
年代30年代 作者:きいち

ケープやフードなど、大変先端のファッションを少女の好きな赤で表現しています。
フードやケープの縁には、飾りもついています。ハイソックスもブーツのようで、今でも通用するデザインですね。
小さいバッグをもって、これからクリスマスのお買い物にでもでかけるのでしょうか?

【展示室のご案内】

11月~2月は「お姫様、着物、ドレス」など当館でも人気の高いぬりえの展示をしております。素敵なお洋服は年齢問わず女性の憧れです。ぬりえ体験コーナーもございますので、お好みのお洋服に仕上げてみませんか?
どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください。

投稿者 Nurie : 13:11 | コメント (0) | トラックバック

2010年12月04日

11月の美術館ニュース

霜月の声を聞くと、もう今年も残すところ2ヶ月かと1年の終わりが近づくのを感じます。
今年は夏が大変な猛暑でしたので、どんな冬になるでしょうか。寒くても、暖かくても、楽しく今年の残りの時間を過ごしていきたですね。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

11月のエントランスは、花嫁さんがテーマのぬりえの展示でございます。

「およめさんとおなこうど」 
作者:きいち
年代:昭和20年代
寄贈者:石原真理子氏

花嫁さんが日本髪のお仲人さんに手を引かれて、結婚式会場に向かう様子が描かれています。
花嫁さんは初々しいものですが、初々しさはここに描かれたように少しうつむき加減になっているところに現れています。
昭和20年~30年代の花嫁さんは、ご近所に挨拶周りもしたものです。子どもたちは、綺麗な花嫁さんの姿を見たくて、どこまでもついて歩いて行ったものでした。あの頃一番身近で綺麗なものと言ったら、花嫁さんでした。ですから女の子の一番の憧れは、「花嫁さん」だったのです。

今では結婚式は披露宴を兼ねてホテルやハウスウェディングなどを利用するようになり、ご近所で花嫁姿を見る機会は無くなってしまいました。 また花嫁さんの衣装も和装よりもウェディングドレスが多くなっているようです。和服の豪華さよりも、ドレスの華やかさやお姫様のような気分になれるドレスのほうが人気なのかもしれません。
知人の結婚が決まり、来年結婚式を挙げることになりました。式場は、広島の厳島神社だそうです。昔からここで挙げたいと願っていたのだそうです。海の上の神社での式とは、何とロマンティックなことでしょう。今から写真を見るのを楽しみにしています。(館)

伝統工芸技術が脈々と息づく町町屋 vol.6
「竹工芸 翠屋」
11月は「モノづくり見学・体験スポット」の中から「竹工芸 翠屋(みどりや)」を紹介します。
「竹工芸 翠屋(みどりや)」は、江戸の伝統を受け継ぐ、100年3代に渡る「花籠(はなかご)」のお店です。
花籠とは、お花を摘み入れる竹かごのこと。竹の選別に始まり、竹割り・染色・編み上げの全行程を隣接する工房にて行っています。
この技術は二代目・武関翠月(ぶせき・すいげつ)さんの代に荒川区の無形文化財に指定されています。

工房兼店舗では、お客様とのコミュニケーションを大切にし積極的に作業現場を公開しています。2年前に日暮里の名所<夕やけだんだん>に面した場所に新たに出店されました。こちらは『モノづくり見学・体験スポット』として周辺散策の観光客に好評です。
三代目・翠篁(すいこう)さんは2代目と共に制作に励む傍ら、日本伝統工芸展・伝統工芸新作展に昭和61(1986)年より毎年出品し、NHK会長賞や奨励賞を受賞されるほどです。その出品作品は、官公庁や美術館などに収蔵されています。この11月には、初めての個展を開催とのこと。伝統工芸の道30年の節目に創作活動を集大成し、竹の魅力を再発見する作品を披露しています。
プロの華道家などにも愛され、近年では、翠屋の花籠を購入するために来日する海外のお客様もいるのだそうです。
芸術的な伝統工芸のお店ですが、気取ったところはありません。求め易い商品も取り揃えられています。
お店での人気商品は、「一輪挿し」(2500円~)と「バッグ」(28400円~)。特に一輪挿しは、マンションの洋室にも合うと評判です。他にも「箸」(800円)、「耳掻き」(1000円)、「箸置き」(200円~)、「おむすびかご」(1900円~)などの多種多様な商品がズラリと並びます。
これは、竹という素材の良さを広めるべく、自分たちだけでなく他の竹細工職人の作品も販売しているためだそうです。
日本では古くから様々に活用してきた竹のグッズ、日常生活の中に取り入れられてみてはいかがでしょうか。

竹工芸 翠屋
●所在地:荒川区西日暮里3-13-5 ●電話:03-3828-1746 ●営業時間:10時~18時半
●定休日:水曜 ●JR山手・京浜東北・常磐線、京成本線日暮里駅下車徒歩5分
【問合せ先】荒川区観光振興課 TEL03-3802-3111(内線461)
<参考>あらかわ産業Navi

ぬりえコンテスト作品大好評展示中!!
東京新聞主催のぬりえコンテストの優秀作品16点が展示中です。
応募された方のぬりえに対する様々な思いが伝わる作品の数々をご覧ください。
12月まで展示しています。

今月のエントランス
11月のエントランスは、花嫁さんがテーマのぬりえの展示でございます。

「おねえさまのはなよめすがた」
作者:きいち 
年代:昭和20年代
寄贈者:石原真理子氏

季節柄のよい秋と春、それとジューンブライドの6月はウェディングの季節ですね。街角の神社や教会で花嫁さんを見かけると、こちらにまで幸せを分けていただいたようで嬉しくなってしまいます。

投稿者 Nurie : 17:26 | コメント (0) | トラックバック

2010年11月02日

10月の美術館ニュース

暑かった残暑も過ぎ、爽やかで彩り鮮やかな季節になりました。黄色、オレンジ、真紅など日本の秋の紅葉はこころの中まで染めるような深い色合いです。10月にパリで2度目のぬりえ展を開催いたしますが、フランスの黄葉は黄色~茶色です。エリアによって違うものですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:きれいなソファー
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :福井 紅子様

10月のエントランスは、昭和の憧れの暮らしがテーマのぬりえの展示でございます。
大きなソファーに大きなクッションですね。ソファーにはベルベットのカバーでもかかっているのでしょうか。
きいちの描くぬりえには、昭和の20~30年代の普通の人々の生活の中には見れらないような上流の暮らしぶりが描かれていることがあります。
畳にちゃぶ台で暮らしている生活には、このような大きなソファーやスリッパなど、無縁のものでした。
きいちに聞いたことがあります。「どうしてこのような生活が描けたのか?」と。きいちの家は、別荘をはじめいくつか家を持っていたそうです。その中には洋館もあり、そこで暮らしたこともあったそうです。そのような生活の中からきいちのぬりえは生まれてきていたのです。
きいちのぬりえばかりでなく、日本人の好みの中に、自分の生活に密着したものよりも、少し上の生活や美しいもの、良い物を尊ぶ気風があるのではないでしょうか?婦人雑誌をみても、そこには自分の生活よりもワンランク上の生活やグッズ、美容などが取り上げられています。
今になってみれば、この大きなソファーはどこの家にもあるようなものになってしまいましたが、当時の子どもたちにとってみると、大変な憧れの一つであったのです。(館)

荒川区情報 仮称)『吉村昭記念文学館』について
ベストセラー「戦艦武蔵」などで広く知られる歴史小説作家、吉村昭氏は荒川区の
ご出身です。平成4年、荒川区より区民栄誉賞が贈られました。
以来、特別コーナーが日暮里図書館に設置され、吉村氏の原稿や愛用品が展示されています。
平成18年には、荒川区は吉村文学を通してより文学や文化芸術に荒川区民が触れられる場を提供しようと、区の文化推進のため文学館設立を決めました。吉村氏も資料提供をして下さることになっており、平成27年度に開館の予定です。
【吉村昭氏について】
吉村昭氏は1927年荒川区東日暮里に誕生。
1940年旧開成中学校(現開成中学校の前身)に入学。在学中読書に
目覚め、中学2年生のとき作品が校内雑誌に掲載されました。
学習院大学進学後文学を志した吉村氏は、昭和41年、「星への旅」で
太宰治賞を受賞。フィクション執筆を極力避け、徹底した史実調査
に基づく作品群には定評があり、また海を題材にした歴史小説を
多く残しています。当時の文壇では珍しい速筆の作家としても知
られていました。

美術館 10月イベント情報
力作が勢ぞろい!
2010年8月27日(金)付けの東京新聞にぬりえコンテストが告知され、9月22日までに公募された作品の中から、館長金子の厳正なる選考により優秀作品16点が館内に展示されています。この期間に是非お楽しみ下さい。12月まで展示いたします。

今月のエントランス

「ピアニスト」 作者:きいち 年代30年代
団塊の世代が小学生になる頃、その親たちは自分ができなかったピアノやバイオリンを子供たちに習わせるようになりました。
ドレスを着たピアノを弾く少女の姿は、とても華やかで夢がつまっています。

【展示室のご案内】
9~10月は企画展となっております。
昭和40年代のぬりえを展示しております。キャラクターぬりえ、ファッションぬりえ等が出てきました。ぬりえ体験コーナーもございます。
どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください

投稿者 Nurie : 16:55 | コメント (0) | トラックバック

2010年10月08日

9月の美術館ニュース

今年は9月になっても残暑が厳しいですね。涼しげなムードを作って、気分だけでも涼しく、爽やかに過ごしたいものです。
  
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
  
9月のエントランスは、”秋のお洒落の先取り、ドレス姿”がテーマのぬりえの展示でございます。

タイトル:はなたばとテープ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :福井 紅子様

このぬりえを見ると、これは「美空ひばり」のステージの姿をイメージして描いたのではないかなといつも思ってしまいます。
昭和30年代、銀幕の女優さん方は今のタレントさんと違って、はるか雲の上のような存在でしたから、このようなフワフワのドレスを着ている人は、女優さんか歌手の方たちでした。 

映画や月刊誌にみる女優さんたちのポートーレイト写真にも、デザイナーがその方のためにデザインした素敵なファッションを纏っていました。昭和30年代は、エレガントな時代だったのです。
若い方はドレスの女性が何故テープを持っているのかご存知ないかもしれませんが、昭和30年代、歌手が舞台で歌うときにファンが七色の紙テープを投げ、そのテープの数が多いほど人気がわかるというように、テープが付き物だったのです。今はテープが歌手に当たっては危険ということで、テープを投げることはなくなってしまいました。
先日バービーの写真集を見る機会がありました。バービーは昭和37年(1962年)に日本で販売をされています。バービーでは遊ばなかった世代でしたので、バービーをお人形として見ていたのですが、写真集を見ていましたら、バービーは単なる人形ではなく、ファッションドールということに気がつきました。その当時流行していた服を着ているので、写真集はまるでファッションの歴史のようでした。その本の中にもこのぬりえのようなドレスが沢山掲載されていました。
ドレス姿は、永遠の女性の憧れですね。(館)

ぬりえ美術館オリジナル新グッズ ご紹介
『きいち暦』 できました
1日から31日までの日数が印刷されている通年カレンダーです。
年度や曜日に関係なく、ずっとお使いいただけます。
卓上としても、また壁にかけてもお使いいただけるデザインに
なっています。
5日ごとのページは袋ぬりえで売られていた当時のままのカラーで
きいちの色合いが楽しめますし、白黒の日にはぬりえとしてもお使い
いただけるカレンダーです。
毎日日めくりに、きいちの世界が楽しめます。お部屋にひとついかがでしょうか?

美術館 9月イベント情報
東京新聞ぬりえ美術館ぬりえコンテスト開催
ぬりえコンテストを開催いたします。東京新聞の紙面上にあります
きいちのぬりえをご自由に塗って、ご応募ください。少女ばかりでな
く、背景も含めて自由にアレンジして描いていください。
優秀作品13点を選び、10月よりぬりえ美術館に展示させていただ
きます。同時にぬりえ美術館オリジナル缶バッジもプレゼントいたし
ます。
 応募方法
 きいちのぬりえを自由にぬってください。
 ①こどもの頃のぬりえの思い出
 ②この特集の感想、
 ③住所④氏名⑤年齢⑥電話番号を明記の上、下記あて先までお送りください。
 *作品は返却致しかねます。
 *優秀作品の展示は10月~12月までとなります。
 *ぬりえの台紙はB5サイズまでコピーして応募も可能です。
 *頂いた個人情報はこの企画開催のためにのみ使用いたします。
 *優秀作品の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
●ぬりえは下記URLより、ダウンロードも可能です。
 http://www.tokyo-np.co.jp/ad/nurie/

今月のエントランス

「つばきひめ」 昭和20年代 作者:きいち
きいちはつばきの精を描いたものと思われ
ますが、『つばきひめ』といえば、オペラで有名な椿姫が挙げられ
るでしょう。原作は小説で、オペラのほかにもバレエや映画化が
されています。きいちのぬりえにも大きな椿をいくつもあしらっ
たドレスを着たつばきの精、椿姫が華やかに描かれています。
華やかゆえに儚さが強く感じられますね。

【展示室のご案内】
10月まで企画展となっております。昭和40年代のぬりえを展示しております。
キャラクターぬりえ、ファッションぬりえ等が出てきました。
ぬりえ体験コーナーもございます。
どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください。

投稿者 Nurie : 10:13 | コメント (0) | トラックバック

2010年09月02日

8月の美術館ニュース

連日暑い日がつづいていますが、夏の日差しを避けて、木陰の涼しげな場所を探してベランダで育てたミントティーを入れて飲んでいます。ミントティーの淡い黄緑色の色合いが、目に爽やかで、飲めば体からクールになります。
皆様はどのように涼しい生活をされていますか?


タイトル:とんぼおい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者: 阿部俊子様
8月のエントランスは、海や山の行楽がテーマのぬりえの展示でございます。
先月の初旬に鎌倉散策をしてきました。鎌倉では紫陽花が有名ですが、長谷寺で最後の紫陽花を見ることができました。
梅雨の時期から初夏へ季節が変わる頃でしたが、鶴岡八幡宮の蓮池ではピンクや白の蓮の花の上をとんぼが飛んでいました。
「とんぼおい」。昭和30年代、夏になればまるで風物詩といわんばかりに、子どもたちが取り網をもって遊んでいたものです。男の子ばかりでなく、私も上手ではありませんでしたが、蝶やとんぼ、蝉等を捕まえていました。昭和30年代の初めの頃は「玉虫」のような美しい虫が家の近所で簡単に採ることができましたし、蛍も沢山飛んでいたものです。
蛍は一時見られなくなっていましたが、最近では、自然保護の流れから、河川の浄化をするなど、自治体などが取り組んでまた蛍が住む河川などが増えてきていることは嬉しい話です。
6月末に新潟の十日町で本当に何十年ぶりかで、自然の中の蛍を見ることができました。数はそれほど多くありませんでしたが、優雅にフワリ、フワリと飛ぶ姿に見惚れてしまいました。
ぬりえ美術館の近所には、都立尾久の原公園があり、ここはトンボ公園としても有名です。
都心では珍しくなったシオカラトンボや、その他にも約30種のトンボが生息しているそうです。
どうぞ都立尾久の原公園にも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。(館)

■新グッズ ご紹介
『きいち暦』 できました
   
   
1日から31日までの日数が印刷されている通年カレンダーです。年度や曜日に関係なく、ずっとお使いいただけます。
卓上としても、また壁にかけてもお使いいただけるデザインになっています。
5日ごとのページは袋ぬりえで売られていた当時のままのカラーできいちの色合いが楽しめますし、白黒の日にはぬりえとしてもお使いいただけるカレンダーです。
毎日、きいちの世界が楽しめます。お部屋にひとついかがでしょうか?

美術館近隣 8月イベント情報
『圓朝まつり』
日時:2010年8月8日(日) 
場所:谷中全生庵(東京都台東区谷中5の4の7)
    東京メトロ千代田線 千駄木駅1番出口 徒歩5分
三遊亭圓朝法要・落語協会会員物故者回向・扇子お焚き上げ供養
芸人屋台出店(飲食店あり)・奉納落語会(有料)・ゴミ隊パフォーマンス
主催:社団法人落語協会

『親子でJAZZコンサート(無料)』
開催期間 2010/08/28 開催地 ムーブ町屋ムーブホール
イベント内容 ※入場整理券を事前に配布します
【時間】午後3時30分開演(開場は午後3時)
【出演】奥田”スインギー英人”&ザ・ブルースカイカルテット
連絡先 ACC(財団法人荒川区地域振興公社) 電話3802-7111 FAX3802-7117

『勾玉づくり』
石を削り磨いて、勾玉を作ります。
日付:1回目 8月4日(水) 2回目 8月8日(日)
会場:荒川ふるさと文化館
時間:午前9時から午後2時まで
参加費:500円 対象:小学4年生から中学生まで(親子参加も可)
定員:各回20名(申込み順)
※8月4日(水)については定員を超えたため、締め切りました。

今月のエントランス

「ぼーと」  昭和30年代 作者:きいち
夏の行楽期も真っ只中。今年の夏休みは山と海どちらへお出かけになられますか?
あるいは、湖や近郊の池へ足を運び、久しぶりにボートで水辺に散歩へ出かけるのはいかがでしょう。
ゆったりとした時間を過ごすうち、暑さも忘れて楽しい思い出がまた一つ増えることでしょう。

【展示室のご案内】
8~10月は企画展となっております。
昭和40年代のぬりえを展示しております。キャラクターぬりえ、ファッションぬりえ等が出てきました。
ぬりえ体験コーナーもございます。
どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください。

投稿者 Nurie : 10:47 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月03日

7月の美術館ニュース

今年は6月からワールドカップが始まり、サッカー観戦で熱い1ヶ月を過ごされている方も多いことでしょう。日本チームの活躍に新たにサッカーファンになられた方もいらっしゃることでしょう。子どもたちも夏休みには夢中になってボールを蹴っているかもしれません。
夏のスポーツを楽しみながら、体を鍛えていきましょう。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:おとがするはなび
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
7月のエントランスは、夏の遊びがテーマのぬりえの展示でございます。
昭和30年代の夏休みは、ラジオ体操、臨海学校、林間学校、昆虫採集、絵日記、盆踊りなどなどが懐かしく思い出されます。

夏休みは楽しくて、遊びすぎて、8月の終わりにはまだ終わっていない宿題に頭を悩ませ、時間がないと大変な思いもしたものです。夏休みの宿題には工作などの提出があり、本を参考にしたりして、作ったものです。何故か昭和のあの頃は、水族館作りが宿題になったものでした。箱に色のセロファン紙を貼り、海の魚や海草を泳がせて水族館らしく見せたものです。今頃の小学生は、こういうものはもう作らないのかもしれません。
当時は、台風が来ると、今では考えられないことですが、よく停電になっていました。蝋燭の灯りの下で家族が集まっているという事がよくありました。今では懐かしい思い出です。
夏の夜というと、お風呂上りに浴衣を着て、縁台にすわって、花火をしていました。音がする花火は綺麗ですが、大きな音がちょっと怖い。しかし怖いけれども綺麗な花火もみたいと、我慢して大きな花火に火をつけてもらいました。でも好きなものは、線香花火です。線香花火は、パチパチパチと光を飛ばし、そして最後にジーッと光の丸い玉になります。その赤い光の玉を飽きずにずっと見つめていたものです。
線香花火は、日本の花火の美しさの一つではないでしょうか。(館)

町屋 夏のイベント情報
★『オオムラサキ、カブトムシを見に行こう』
6月12日(土)から荒川区立荒川自然公園のオオムラサキ観察園と昆虫観察園が開園。
オオムラサキ観察園では、「NPOオオムラサキを荒川の大空に飛ばす会」が育てたオオムラサキの、餌を食べる姿や、さなぎの脱皮の様子やゲージ内を羽ばたくオオムラサキの姿を専用の飼育ゲージで見ることができるそうです。

その隣の昆虫観察園ではカブトムシが放し飼いにされ、枝に止まっているカブトムシを自由に観察できるとのこと。

オオムラサキは国蝶です。着物の柄にも使われたりすると聞いたことがあります。
まるでビロードの光沢を持つ、うっとりするような美しい翅の蝶を間近で観察するよい機会です。
是非、夏の荒川区をお楽しみください。

【荒川自然公園】
開園日時
オオムラサキ観察園 
6月12日~8月1日までの土・日曜日・祝日 
午前10時~午後4時
昆虫観察園 
6月12日~7月25日まで
(第1・3木曜日を除く)
午前10時~午後4時
休園日 第1・3木曜 入園料 無料

★『熱く陽気に下町カーニバル』
都電荒川線、舎人ライナー両線の熊野前駅からすぐのはっぴぃもーる熊野前という愛称で親しまれている
熊野前商店街は、下町のかおりたっぷりのたたずまい。そして、レトロな顔を持ちますが、もう一つの顔、毎年7月に恒例のサンバカーニバルが催されています。

美術館の帰り道、陽気な下町の顔も楽しまれるのは如何でしょうか。

【'10熊野前カーニバル】
熊野前商店街振興組合
(はっぴいもーる熊野前)
7月31日(土曜日) 午後4時~8時30分

美術館掲載情報
東京都交通局、南海電鉄、阪堺電車の沿線PRパンフレットにぬりえ美術館が掲載されました。
7月11日から阪堺電車と都電荒川線を中心に各社の魅力をPRするパンフレットを配布しています。
配布箇所:都営地下鉄各駅(押上、目黒、白金台、白金高輪、新宿線新宿を除く)
荒川電車営業所、日暮里・舎人ライナー、南海電鉄各駅・阪堺電車主要駅

今月のエントランス

「たなばたさま」
年代30年代 作者:きいち
夏の夜はとても魅惑的で、とりわけ夜空を見るのにふさわしい季節ではないでしょうか。
幻想的な天の川が夜空を横切る七月七日の七夕の星、星の物語があるからです。織女星と牽牛星の二つの星が天の川をはさんで最も光り輝くこの日を、中国は一年に一度のめぐり合いの日と考え、七夕のストーリーが生まれたといいます。
幼い頃に七夕の日には、ぬりえの女の子のように、七夕には沢山お願い事を書いて、夏の夜空を眺めてみてはいかがでしょうか

【展示室のご案内】
6月,7月は常設展となっております。
きいちのむかし懐かしい作品の数々を展示いたしております。
ぬりえ体験コーナーもございます。
どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください。

投稿者 Nurie : 17:02 | コメント (0) | トラックバック

2010年07月06日

6月の美術館ニュース

梅雨の季節がやってきました。梅雨を楽しく過ごす工夫は、梅雨の時期の草花を愛するとか、レイングッズを明るい色で楽しんでみるとか、子どものように水たまりをポチャ、ポチャと 踏んで歩いてみる等など、いかがでしょうか?私は梅雨の紫陽花が好きになりました。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや、テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
    

☆ぬりえのこころ -今月の一枚-
6月のエントランスは、食べ物がテーマのぬりえの展示でございます。

タイトル:おいしいふるーつぽんち
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

「おいしいふるーつぽんち」、なんて心をそそられるタイトルでしょうか。
東京には、"フルーツポンチ"という食べ物があるのだということをぬりえを通じて知った少女も数多くいたことでしょう。田舎に住んでいた少女には、手の届かない食べ物だったと思います。

ぬりえの中には、ホットケーキ、メロン、ケーキやソーダ水など、洋風な食べ物が沢山描かれていました。
昭和30年代のテレビ番組に「ポパイ」があり、そのスポンサーが不二家でした。コマーシャルの時間になると、不二家の商品が季節ごとに紹介されていました。いちごパフェ等が紹介され、コマーシャルを見ながら、よだれをたらしていたものでした。
きいちは昭和22年からぬりえを描いていますので、その当時和菓子や洋菓子、果物など食べるものも大変貴重な時代であったのだと思います。東京と田舎の情報の格差、収入の格差なども今よりずっとあった時代ですから、「食べ物のぬりえをするのも嬉しかった」という来館者の声もよくお聞きします。
絵の中で、見たこともない食べ物のぬりえを塗るだけで、夢の世界に行くことができた楽しい時間であったのではないでしょうか。
皆様の思い出の食べ物は何でしょうか。(館)


伝統工芸技術が息づく街 ~町屋~
6月は「モノづくり見学・体験スポットガイド」の中からべっ甲細工の森田商店を紹介荒川区の伝統工芸職人の中から、「森田商店」を紹介します.

★ 伝統工芸 べっ甲細工「森田商店」
森田商店の6代目・森田孝雄さんは、先祖代々200年に及ぶ江戸派べっ甲細工の技術を受け継いでいます。べっ甲細工はタイマイ(海亀の一種)の甲羅を材料とします。べっ甲細工はかつて、櫛、簪(かんざし)、笄(こうがい)など装飾品が中心でしたが、時代が変わりゆくにつれて、ペンダント、ネクタイピンなどの装飾品や眼鏡フレーム、時計バンドなどの実用品が主になってきました。また、いままでべっ甲で制作していた製品が、ほかのもので代用されるようになってきましたが、森田さんは天然のべっ甲にこだわり続けています。最近では、伝統的な装飾品を製作する傍ら眼鏡のフレームの修理や新たな製品開発に日々、取り組んでらっしゃいます。
見学の内容
作業場において、べっ甲の製造工程等を見学することができます(要予約)。また、様々な作品やべっ甲細工に使用した昔の道具類などの展示をしています。
体験の内容
作業場において、根付等のべっ甲細工づくりを体験することができます(要予約)。
作業時間 2時間 作業費用 3000円~ 
住  所
荒川区東尾久1-16-10 03-3892-3641
営業時間 9:00AM~6:00PM 定休日 日曜日
アクセス 都電荒川線東尾久三丁目 徒歩7分
 日暮里・舎人ライナー 赤土小学校前 東口 徒歩4分

HPはこちらから。

今月のエントランス

「こおりおまちどうさま」
年代30年代 作者:きいち

かき氷が一般の人々に食べられるようになったのは、明治時代からといわれています。いまでは世代を超えた多くの人に愛される夏のスイーツとなっています。シロップをかけて食べる定番の味から地域によって様々なトッピングがあるそうです。みなさんはどんな味のかき氷がお好きですか?

ぬりえ美術館とぴっくす

(株)ぎょうせいより、 館長ならびに大学教授ら3人による「ぬりえの不思議」が発売されました。 海外のぬりえ事情や子どもたちのぬりえの発達状況、ぬりえをする時の子どもたちの脳の状態などについて書かれています。

メディア情報
5月21日発売、交通新聞社 『散歩の達人』特集 北千住 町屋に紹介されました。

【展示室のご案内】
6月,7月は常設展となっております。きいちのむかし懐かしい作品の数々を展示いたしております。
ぬりえ体験コーナーもございます。どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください。

投稿者 Nurie : 16:13 | コメント (0) | トラックバック

2010年05月31日

5月の美術館ニュース

新緑が目にまぶしい季節となりました。空気までもが爽やかな緑に染まるような感じさせいたします。美術館のある荒川区では都電沿線に様々な種類の薔薇が美しく咲き誇ります。
新鮮な空気と薔薇を求めて、さあ出かけてみませんか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-  
 
5月のエントランスは、端午の節句にちなんで男の子のぬりえがテーマの展示でございます。
タイトル:ぼくらのしーそー
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
シーソーは、単純な遊びですが、子どものころには公園などでよく見られた遊具です。
このぬりえと見るとタイトルに「ぼくらのしーそー」とありますように、台の上に板をおいて、自分たちでつくったシーソーのようです。
ギッタン、バッタンとお互いに上になったり、下になったり、いつまでも飽きることなく続けたい遊びでもありました。
ところが近年では、事故防止の配慮から、全国の公園から急激に撤去されている遊具だそうです。

昭和30年代は、物がないために自分たちで工夫をして様ざまな遊びを考え出していましたが、特に本物の遊具がなくても、何でもが遊びになっていったような気がします。オモチャがなくても、何かに見立てて遊んだりしていました。例えば、竹馬ではありませんが、缶詰の缶に穴をあけて、紐を通して、足の指を紐にひっかけて歩いたりしました。お人形遊びでも、お人形がなければ、座布団を二つ折にして、背中におぶったりして、お人形気分を楽しんだりしたものでした。
ぬりえの世界でも、来館者のお声を聞くと、一枚のぬりえからガラスにすかして上から写してコピーをしたり、裏返すと黒の線がみえるので、その線の上をなぞって再びぬりえをしたりと
1枚のぬりえを存分に楽しんでいたことがわかります。今はエコの時代と言われていますが、昔から日本には工夫があったのではないでしょうか。(館)

伝統工芸技術が息づく街~町屋~今月は荒川区の伝統工芸職人の中から、区指定無形文化保持者である田中作典さんの犬張子の技術をご紹介します.

伝統工芸「犬張子」江戸玩具として親しまれる愛らしい表情の犬張子。犬はお産が軽いことから出産を控えた妊婦や出産祝いに贈られました。でんでん太鼓を背負っているのは、素直な表裏のない子に育つようにという意味や、鳴り物は魔よけになるとの願いが込められています。
田中さんは奥さんとの二人三脚で犬張子を今に伝えています。人形生地と同じように桐塑で原型をつくります。胡粉を刷毛で塗り、ヤスリをかけ、和紙を貼ります。その後、天竺木綿で磨くと、表面に胡粉独特の鮮やかさが出ます。絵付は犬張子の表情の決め手となる作業です。細い面相筆を迷うことなく進める手に熟練の技を感じます。忙しい時期は朝から夜の11時まで働き、表に出掛けたことはなかったと言います。
祖父の代から三代続いている犬張子ですが田中さんの代で終わりなのだそうです。何故弟子をとらないのかとお聞きしたところ「この世界で一人前になるのには10年以上はかかる。昭和12年の自分が今弟子をとっても満足に育て上げられるかわからない。」という厳しい返事が返ってきました。ひとつの仕事に真摯に丁寧に向き合ってきた田中さんの重みのある言葉です。
(出展:荒川ゆうネット http://www.arakawa-unet.jp/issue/1001/index.htmll)

★ 都電沿線を彩るバラ5月はバラが最も美しい時期です。今年も荒川車庫前~三ノ輪橋の都電沿線を美しいバラの数々が彩ります。車窓からも十分に楽しめますが、優雅な香りとともにお散歩というのもいいですね。
(http://sangyo.city.arakawa.tokyo.jp/hanamidokoro/

今月のエントランス
「ゴーカート」

年代30年代 作者:きいち
ゴーカートは1950年代に誕生したといわれております。発売当初は、骨組みだけのシンプルなものでした。現在では色や形のバリエーションも豊富になり、遊園地で見られるようなキッズカートから大人用のレーシングカートまで世代を超えて多くの人たちを魅了し続けています。大人から子供まで楽しめるゴーカート、昭和の遊びを再び体験してみてはいかがでしょうか。

【ぬりえ美術館とぴっくす】
各400円美術館オリジナルグッズ第3弾としてご好評いただいている缶マグネットが発売されました。
直径3.8cm5種類 新発売!ネットショップでも販売中です。

【メディア出演】 4/12(月)テレビ東京「ものスタMOVE」で放映されました。

【展示室のご案内】
今月のエントランス3月~5月は企画展【昭和へのノスタルジー】を開催いたします。昭和の風俗を感じさせるぬりえ(当時の映画スター・流行の家電などの絵柄)を展示しております。お楽しみください。

投稿者 Nurie : 17:11 | コメント (0) | トラックバック

2010年05月02日

4月の美術館ニュース

1月遅れの更新となり申し訳ございません。
入園、入学の季節となりました。一年生の体よりも大きなピカピカのランドセル姿がとても新鮮です。これから、元気で頑張ってね!と声をかけたくなります。
社会人1年生の方々も、大志をいただて社会という大きな海に乗り出していってください。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
4月のエントランスは、踊りがテーマの展示でございます。

タイトル:たまや
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:川越 公子氏
「たまや・玉屋」とは、江戸市中でしゃぼん玉を売り歩いた人をさして言ったことばだそうです。
「玉屋」は新しい商売で、幕末に流行しました。
しゃぼん玉は当時、子ども達の遊びとして、人気がありましたので、その情景をとって、風俗舞踊として作られたものです。

小学館から発売されている「わたしのきいち」の中に、「たまや」をおどるきいちの写真が掲載されています。きいちは娘に踊りを習わせたことがきっかけで、ミイラ取りがミイラになり、40歳で名取となってしまったほど、踊りが好きだったようです。ぬりえ美術館を開館する頃、すでにきいちは87歳でしたが、「もう一度、踊ってみたいな」と言っていたことを思い出します。
その影響だと思いますが、きいちのぬりえの中には踊りをテーマにして描いたぬりえが数々あります。「藤娘」「(近江の)お兼」「(羽の)禿(かむろ)」などの演目を描いたものや踊りのおけいこをする姿や踊り用の着物姿などが描かれています。 きいちならではのぬりえではないかと思います。
踊りをテーマに描いたぬりえは美しく、豪華であり、昭和20~30年代の豊かでなかった時代に、「わあ~、素敵」「ああ、このような着物を着たいな」「私も踊ってみたいな」など、当時の少女たちの夢をどんなにかきたてたこととでしょう。(館)

伝統工芸技術が脈々と息づく町町屋 vol.3
『人形結髪職人』
 今月は荒川区の伝統工芸職人の中から、人形結髪の技術をご紹介します。

人形結髪職人とはひとつの人形が完成するまでには、桐塑(桐のおがくずを固めたもの)で人形生地を作る“人形生地職人”、人形生地に胡粉を塗り重ねて顔の形を作り目や髪の生え際などを描く“人形頭職人”、人形頭に髪を付けて結い上げる“人形結髪職人”、できあがった人形頭に胴を付け衣裳を着せて一体の人形に組み上げる“衣裳着人形職人”というように、幾つもの工程を職人が分業して作っています。

人形結髪とは、人形頭に髪の毛を植え込み、結い上げていく技術です。人形の髪にはヨリをかけていない黒く染めた絹糸を使います。人形頭の髪の生え際に沿って筋を彫り、髪を植え込んでいきます。江戸時代は身分や年齢によって髪型が異なり、日本人形にもこのような様々なデザインの髪型が反映されています。荒川区の職人である小島さんはこれらの特徴をふまえて、人形頭に埋め込んだ髪を結い上げることで、人形の種類にあった様々な雰囲気を出すことができるのです。特に女形(おやま)は髷(まげ)が命なのだそうです。 区内には人形づくりに関係する職人が多く、小島さんのほかも、人形頭の高久秀芳さん(区指定無形文化財保持者)や衣裳着人形の竹中重男さん(区指定無形文化財保持者)、竹中温恵さん(区登録無形文化財保持者)などがいらっしゃいます。

今月のエントランス

「(近江の)おかね(兼)」
昭和30年代 作者:きいち
一見可憐な娘が、実は怪力の持ち主のお兼という魅力的な踊りです。
舞台は琵琶湖の湖畔です。暴れ馬が走りまわるのを誰も止められないでいると、お兼がやってきて高足駄で手綱をちょんと踏んで止めてしまいます。そして荒くれた漁師たちが絡んでくるのを簡単に投げ飛ばしたり、「布晒し(ぬのさらし)」を振りながら立廻り(たちまわり)をし、幕になるというものです。
舞踊の名取りであるきいちならではのぬりえですね。

【ぬりえ美術館とぴっくす】
美術館オリジナルグッズ第2弾としてご好評いただいている缶バッチが新しくなりました。
直径5.5cm2種類 新発売!ネットショップでも販売中です。

【展示室のご案内】3月~5月は企画展【昭和へのノスタルジー】を開催いたします。昭和の風俗を感じさせるぬりえ(当時の映画スター・流行の家電などの絵柄)を展示しております。お楽しみください。

投稿者 Nurie : 16:41 | コメント (0) | トラックバック

2010年05月02日

3月の美術館ニュース

弥生、三月と聞くだけで、「春がやってくる♪」とこころが踊るような、ワクワクした気分になります。小さい花壇の中にも春色は生まれてきますし、若草が萌え出でる色や花の色など、街中のウィンドーにも春の色が溢れて、世の中が春の色に彩られていきます。十分に春の色のパワーを感じてみてはいかがでしょうか。
  
ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:あたしのにんぎょうはよいにんぎょう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
3月のエントランスは、ひな祭りやお人形がテーマの展示でございます。

女の子であれば、お人形は大好きだと思います。
ひな祭りは、平安時代ごろに始まるといわれ、宮中や貴族の子女の間で、紙の人形を使ったままごと遊びが盛んになり、雛遊び(ひなあそび/ひいなあそび)といわれるようになったとあります。

「きせかえ人形」をきいちも昭和23年頃から作っていますが、姉様人形は作る人によって、出来上がりは千差万別になりますが、きせかえ人形であれば紙に印刷したものですから、誰がつくっても同じように出来上がります。ですから、ぬりえと同様に普及したものだとおもいます。来館者の方の声にも、色を塗ることが上手でなかった人は、きせかえの方が好きだったとおっしゃる方もいらっしゃいます。ぬりえもきせかえも、誰もができるものという点が共通点ではないかと思います。
今は店頭で、昭和30年代、40年代のようなきせかえを見かけなくなりましたが、来館された小さいお嬢さんたちが館内にあるきせかえ人形で喜んで遊んでいる姿をみます。特にきいちのきせかえのバレリーナのドレスを大変好みます。どうもその背景には、アイススケートの浅田
真央さんのフィギュアスケートの素敵なドレス姿のイメージがあるようです。少女の好きなもの、憧れは、昔も今も変わりませんね。(館)


伝統工芸技術が脈々と息づく町町屋 vol.2
『江戸衣裳着人形』
三月はひな祭りですので、今月は荒川区の伝統工芸の中から、お人形作りをご紹介いたします。

荒川区の伝統工芸技術保持者には、衣裳着人形を作る方、人形頭(にんぎょうかしら)を作る方、人形結髪(にんぎょうけっぱつ)を結う方などがいらっしゃいますが、その中から衣裳着人形師の竹中重男さんについて、ご紹介いたします。

「江戸衣裳着人形」は五大将軍綱吉の頃に生まれた人形です。江戸文化の繁栄にともない、いくたの名士の指導のもとに多くの職人が技術技法を確立し、それぞれの雛人形、五月人形、市松人形、風俗人形などを作り江戸衣裳着人形の伝統の基礎が築かれました。

「衣裳着人形」には、3月の雛人形・5月の武者人形、歌舞伎人形、市松人形などがあり、藁の胴体に手・足を付け、胴組を行い衣裳(裁断・縫い)を着せつけ100を越える工程を丹念に仕上げて頭を付けて完成となります。

竹中重男さんは、祖母・鶴子氏、父・幸輔氏と3代にわたって、この衣裳着人形を手掛けてこられました。竹中さんは、幼少のころより仕事を手伝い、昭和32年から専従するようになり、現在に続いています。
衣裳着人形おいては、手足の動きと衣裳の着せ方などのバランスが最も大事だといわれる。目に見えない部分にも手を抜くことなく、今でも祖母の代からの作り方を忠実に守り続けています。

〈江戸衣裳着人形製作の工程〉
①衣裳作り
人形作りは分業となっており、頭・手・足などについては外注します。
中氏の仕事は衣裳を着せて人形を完成させることで、作ろうとする人形の種類や使用する個所によって、布地や配色や柄などを決めます。
裁断した表地と裏地を縫い合わせた上で、袖や襟、身ごろなどを縫い合わせ、それぞれの衣裳を完成させます。
②着せ付け
雛人形の胴には、稲ワラを一定の太さにまとめたワラ胴が使われています。
この技法も寛永の昔から、今日にそのまま受け継がれています。
このワラ胴をもとに組み上げた胴に、襟を重ねて巻きつけ、糊付けをしていきます。
次に袴、上着などを着せ、人形の姿形に合わせて肩や胸などを綿や木毛で肉付けしながら整えていきます。
③振り付け 完成
人形師は、作ろうとしている人形の姿を頭にイメージしながら、曲げる部分に目打ちを当てて、手足の振り付けをします。この振り付けのコツは、衣裳に自然な折り目が出て、人形が生き生きとした姿になるように作ることです。 これが人形師としての技の見せ所です。

竹中重男(たけなかしげお)さんのURL
http://www.acatv.net/takenaka/参考:あらかわショッピングモール
http://www.tokyo-arakawa.com/

今月のエントランス

「セットをしましょう」 作者:きいち
文化人形、キューピーが流行したあとに、ミルクを飲むとおしっこをするという「ミルク飲み人形」が誕生しました。この人形までは、髪の毛は人形の頭に髪が描かれたものでしたが、人形の体が樹脂になってから、頭にナイロンの髪の毛を植えて髪がカールすることができるという人形が現れ「カール人形」と呼ばれました。人間の髪をくしけずるようにお人形の髪の毛をとかすことができたり、カールすることができるので、この人形も「ミルク飲み人形」同様に大変人気になりました。
ぬりえの少女もお人形の髪をいとおしそうにセットしています。

【ぬりえ美術館メディア情報】
東京新聞したまち版、読売新聞都内版、日本テレビ「スッキリ」にて町屋文化センターで開催された「ぬりえ美術館ニューヨーク展inあらかわ」が紹介されました。

【展示室のご案内】
今月のエントランス3月~5月は企画展【昭和へのノスタルジー】を開催いたします。昭和の風俗を感じさせるぬりえ(当時の映画スター・流行の家電などの絵柄)を展示しております。お楽しみください。

 「ぬりえのおみせやさん」 通信販売情報
○ぬりえのおみせやさんURL http://www.nurie.co.jp/
○ぬりえ美術館URL http://www.nurie.jp/oldhp/ 

投稿者 Nurie : 18:32 | コメント (0) | トラックバック

2010年03月02日

2月の美術館ニュース

2月は節分。立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれの前日を節分といったそうですが、立春の前日だけを特にいうようになったのは、昔の暦で、年の変わり目の重要な日にあたっていたからだそうです。一家の無病息災を祈り、豆まきをする。気持ちが又改まりますね。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

2月のエントランスは、冬の遊びがテーマの展示でございます。


今月は「ぬりえ」を取り上げました。ぬりえ美術館では、昭和20年代~30年代の人気ぬりえ作家、きいちを中心にぬりえを展示しておりますが、戦後のなにも美しいものがなかった時代に、絵の中だけでも美しいものということで、子ども達にぬりえが大変な人気になったそうです。
この絵は昭和20年代にきいちが描いたものですが、駄菓子の問屋さんであるご主人が昭和25~26年ころ、ぬりえが大変な人気で、駄菓子をつめて送る箱の隙間があると、注文がなくてもその隙間にぬりえを詰めて送ったが、クレームなんてなかったと、ぬりえの人気のほどを語ってくれました

ぬりえは室内遊びですから、明治の昔から、夏場より寒い冬場のほうが人気だったようです。
きいちも「北海道で一番売れた。」と雪が多かった地区で人気であったことを語っています。
ぬりえの絵の少女もこたつの中でぬりえをしています。
昭和20年代を背景としていると思わせるのは、少女が着物を着ていることではないでしょうか? 羽織は銘仙でしょうか? 私も小学校時代(昭和36年頃)、学校から帰ると時々着物を着たりしていことを思い出しますが、子どもが日常に着物を着て過ごしていたのですね。
ぬりえを塗る時間は短くなったかもしれませんが、子どもたちはぬりえを好きなことは今でも変りませんね。(館)


伝統工芸技術が脈々と息づく町屋
『江戸つまみ簪』

町屋 ぬりえ美術館のある荒川区町屋。ここはいわゆる東京下町と呼ばれるエリアです。下町のイメージというと江戸の風情を多く残し伝統と人情が息づく町というものではないでしょうか。
そんな荒川区では保存会を立ち上げ、おおむね江戸 時代、あるいは明治初年頃から伝えられる伝統の技術を大切に考えており、地域に、後世につなげようとする活動をしています。
美術館の周辺にも、その伝統技術のひとつで、昔懐かしくて、ぬりえに負けない可愛いものがあります。ぬりえに描かれる女の子も良く見るとこれをつけているかもしれません。江戸つまみ簪です。
江戸つまみ簪とは小さく切った薄地の布をつまんで折りたたみ、組み合わせることにより花や鳥の文様に仕立てた細工を髪にさす簪にしたものです。

色彩豊かで小さな小花がたくさん寄せ集めて作られている繊細な飾りは、一目見て多くの女の子がその可愛い魅力に心ときめかせることでしょう。昨今は若い人の間でも和装が流行していますから注目の小物ではないでしょうか。

古くは参勤交代のあった時代でも、江戸土産として喜ばれていたといわれ、白虎隊の遺品のなかにそれと思われる『つまみ楠玉』が残っていたり、江戸時代の社会風俗を描いた「守貞慢稿」(もりさだまんこう)には文政期に女性の黒髪を飾った描写が記事として残っているそうです。

大切な娘や妻、恋人のために買われたこの簪が持ち帰ったさきでどれほど喜ばれたことか。大事なひとが無事に帰った上に、こんなに綺麗で可愛いものを差し出された時のうれしさは、女性としてはきっととてもとても大きかったに違いないと思います。

今も豊富なアイディアで現代にもマッチする作品が次々に発信されています。簪だけでなく用途を拡げ、ブローチや帯留めなどの作品もあります。

荒川区では年に1度伝統工芸師たちの作品を展示即売する催しをしたり、荒川マイスターの店ということで、いつでもお店で買い求めることができるものもあります。

下町へお越しの際は、ぬりえ美術館ともども、江戸伝統工芸師たちの作品もどうぞご覧になってください。

つまみ簪博物館
http://www.ask.ne.jp/~kanzasi/

荒川マイスター紹介のホームページ


今月のエントランス

「ゆきがふってきた」 作者:きいち
今月のテーマは冬の遊び。女の子が被っているショールから、外の寒さとショールの暖かさが伝わってきます。短いスカートで寒そうにも感じますが、足に色を付ければタイツもまとえます。花柄を付けてあげれば、ショールとお揃いです。
冬は重ね着ができるので、その分色遊びもできて楽しみが増えるのではないでしょうか。


ぬりえ美術館『展示情報』
「ぬりえ美術館ニューヨーク展inあらかわ」
2/20(土)~2/26(金)10:00~17:00(最終日は15:00まで)
町屋文化センターにて展示されます。
文化センター所在地:荒川区荒川7-20-1
電話番号:03-3802-7111

投稿者 Nurie : 17:31 | コメント (0) | トラックバック

2010年02月07日

2010年1月の美術館ニュース

明けましておめでとうございます。麗しい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
今年もぬりえを楽しんでいただける企画をご紹介していきたいと考えております。
どうぞ今年もぬりえ美術館をよろしくお願い申し上げます。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
  
1月のエントランスは、お正月がテーマの展示でございます。

タイトル:はねつきしましょう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

「もういくつねるとお正月
お正月には まりついて
おいばねついて 遊びましょう
はやく こい こい お正月」
(幼稚園唱歌:1900年滝廉太郎作曲、東くめ作詞)

お正月というと、この歌が思い出されます。 
昭和20~30年代の冬に遊びといえば、子ども達が集まって、はねつき、まりつき、凧あげ、独楽まわし、竹馬、押しくらまんじゅうなどをしていました。
室内では、お手玉、あやとり、ぬりえ、リリアンなどなどを楽しんでいました。
浅草の羽子板市で売られているような歌舞伎役者をかたどったような「押絵羽子板」は、床の間に飾り、遊びに使う羽子板は板に絵が描かれたような羽子板で遊びました。羽根には赤や黄色、緑等の色が付けられ、綺麗でした。羽根を連続してつくのは難しいことでしたが、お正月には、はねつきをするものと思って、一生懸命遊んだものです。
今の遊びのゲームには、季節性は感じられませんから少し淋しい気がします。昭和20~30年代当時は自然との関連の中で遊んでいましたから、季節毎に遊びも変りました。温かく風のない陽だまりの中で羽根を突いたり、美しい色合いのリリアンを編んだり、そのようなものしかなかったとはいえ、楽しい子ども時代の思い出です。(館)
 
 
よき新春をお迎えのことと存じます。今月は荒川区にあるオススメ参拝スポットをご紹介したいと思います。
荒川区には素盞雄神社(南千住)、諏方神社(日暮里)、尾久八幡神社(尾久)という代表的な3つの神社があります。地元の人は、親しみを込めてそれぞれ、天王(てんのう)さん、お諏方(すわ)さん、八幡(はちまん)さんとお呼びしています。今年の初詣は荒川区でというのはいかがでしょう。

★尾久八幡素素神社
ぬりえ美術館に最も近い神社は、尾久八幡神社です。八幡信仰のもと尾久の総鎮守として、人々と共に栄えてきました。創建は定かではありませんが、伝えられている最古の棟札には至徳二年(1385年)と記されており、勧請されたのは南北朝以前であることが知られています。御祭神は品陀和氣命(ほんだわけのみこと)、御利益としては出世開運などがあります。ご来館される際に是非お立ち寄りください。
《アクセス》東京都荒川区西尾久3-7-3 都電荒川線「宮ノ前」下車

★素盞雄神社
荒川区南千住・三河島(現:荒川)・町屋・台東区三之輪地域で区内61カ所の氏子をかかえる最も広域な鎮守です。災厄除けの神様である素盞雄大神は、牛頭天王(ごずてんのう)という別名により「お天王(てんのう)さま」と通称されています。飛鳥大神は、商工業繁栄・商売繁昌の「えびす様」として崇敬されています。《アクセス》東京都荒川区南千住6-60-1 都電荒川線「三ノ輪橋」下車

今回はご紹介することができませんでしたが、この他のオススメとして諏訪神社があります。
~その他おすすめスポット『富士見坂』
日暮里にある富士見坂は、都内各地にある「富士見」を冠する地名の中で、現在でも富士山を望むことができる坂です。また、平成16年には関東の富士百景に選ばれました。一月末の夕暮れ時には「ダイヤモンド富士」を見ることが出来るので、荒川区で富士の鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょう。
出典:荒川ゆうネット http://www.arakawa-unet.jp
                     

今月のエントランス

「はなかんざし」
作者:きいち
今月のテーマはお正月。お正月の晴着姿で着物に引けをとらずに目を惹くのがかんざしです。
作品は、名前の通り冬に咲くお花をあしらっており女の子の黒髪を引き立てています。
花かんざしは、もともと上方(京都)で作られたかんざしで、今でも舞妓さんに愛用されています。
また季節によって付ける細工が決まっているのが特徴、1月は、松や寒菊、梅をあしらったものが多いそうです。
小物ひとつまで季節感を目一杯楽しむ当時の装いからは、おしゃれのあり方について教えてもらうことが多いですね。
 
『メディア情報」
・クロワッサン1月10日発売号、「女の新聞」に大人のぬりえサロンの取材記事が掲載されます。
・都営交通の「いっとく」と「まるごときっぷ」(いっとく対象乗車券)告知ポスターにぬりえ美術館が掲載されます

【展示室のご案内】
11月~2月はニューヨークで展示をしたぬりえをご紹介いたします。
ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。

○ぬりえのおみせやさん
「ぬりえのおみせやさん」 通信販売情報きいちのぬりえやグッズを、インターネットでもご注文いただけます。
配送先もご指定いただけますので、プレゼントなどにもご利用いただけます。
※ぬりえ美術館のホームページ(ブログ)から「ぬりえのおみせやさん」に入れます。
※お電話・FAXなどでもご注文いただけます。
URL:http://www.nurie.co.jp/ 

投稿者 Nurie : 13:58 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月01日

12月の美術館ニュース

1年の中でも、心弾むイベント、クリスマスを迎えます。今年は「おひとり様クリスマス」をホテルが企画をしているそうですが、お一人でも誰かとご一緒でも、どうかこころ豊かに温かいお気持ちで過ごしていただきたいと思います。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
12月のエントランスは、クリスマスがテーマの展示でございます。

タイトル:クリスマス
作  者:ヒデオ
年  代:昭和10年代

クリスマスの思い出は、どのような思い出でしょうか。
きいち世代の私は、田舎におりましたが、幼稚園の学芸会かクリスマスの会で、"ジングルベル"をお友だちと二人で踊った思い出があります。 昭和30年頃の思い出です。
今年はエントランスの展示に、昭和10年代のぬりえを展示していますが、すでに昭和10年代でもクリスマスを祝っていたのですね。
クリスマスの歴史をひも解くと、フランシスコ・ザビエルとともに伝来してから450年の歴史があるそうですが、その間にキリスト教の禁止などがあり、明治後期・日露戦争と第一次世界大戦の間頃にはキリスト教徒の行事という枠を超えて、既に日本文化となっていたようです。
日本のクリスマスプレゼントの習慣は、すでに明治時代に始まるそうで、1906年(明治39年)12月18日付の読売新聞は、救世軍による「貧しい人々へのクリスマスプレゼント」について、"籠に果物やパン・菓子・玩具などを詰め込んだものを、3万人を越える貧民に手渡した"と書かれているそうです。
大正時代になると、クリスマスプレゼントの習慣は、すっかり人々の生活の中に根をおろすようになったのだそうです。ですから、昭和10年代のぬりえにも、数多くのクリスマスの模様が描かれているのも不思議はありませんね。
今年も楽しいクリスマスをお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。(館)

いよいよ師走 !残り少ない今年をもっと楽しく!!
☆荒川区12月のイベント行事

第30回記念 あらかわの伝統技術展
日時: 12月18日(金)・19日(土)・20日(日)午前10時~午後5時 
会場: 荒川総合スポーツセンター
内容
荒川区内に住む伝統工芸の職人さんを中心に約70名が勢揃い。
30回を記念して江戸の里神楽(19日)、
寄席・文化財トークセッション(20日)などのイベントも行われます。

伝統工芸品の実演・展示・販売
伝統工芸品の抽選会(19・20日)
体験コーナー(19・20日)
※開催期間、内容等は変更される場合もございます。

第九演奏会
日時:12月13日(日)午後3時開演(午後2時30分開場)
会場: サンパール荒川  大ホール

区民の方々を中心に、公募により集まった150名を超える団員が歌う恒例の「第九演奏会」です。初心者から経験者までそれぞれの目標に向かって努力を積み重ねてきた半年間の成果をご披露いたします。
また、今年は東京藝術大学からソリストを迎え、リニューアルした荒川第九をどうぞお楽しみください。

ぬりえ美術館メディア情報
12月8日に発売されるサンデー毎日に、館長が購入してきた「オバマ大統領のぬりえ」に関する記事が掲載されます。

●今月のエントランス

「テンプルチャンノユメ」
作者:ヒデヲ
今月はクリスマスがテーマです。その中の「テムプルチャンノユメ」のテムプルちゃんとは、1930年代の世界中のアイドルであったシャーリー・テンプルのことです。
テンプルちゃんは、日本人形を抱いて天使に見守られ夢の中です。アメリカ人のテンプルちゃんと日本人形の組み合わせは、いかに日本でテンプルちゃんの人気が高かったかということを物語っているのではないでしょうか。

【展示室のご案内】
11月~2月はニューヨークで展示をしたぬりえをご紹介いたします。
ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。
 
通販のご案内
○ぬりえのおみせやさんURL http://cart03.lolipop.jp/LA01064511/
○ぬりえ美術館URL http://nurie.jp/  「ぬりえのおみせやさん」 通信販売情報きいちのぬりえやグッズを、インターネットでもご注文いただけます。
配送先もご指定いただけますので、プレゼントなどにもご利用いただけます。
※ぬりえ美術館のホームページ(ブログ)から「ぬりえのおみせやさん」に入れます。
※お電話・FAXなどでもご注文いただけます。

投稿者 Nurie : 12:15 | コメント (0) | トラックバック

2009年12月03日

11月の美術館ニュース

今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。

タイトル:アオイトリ チル チル
作  者:フジヲ(きいちの戦前のペンネーム)
年  代:昭和10年代

11月のエントランスは、蒼い鳥や童話などがテーマの展示でございます。
 今年のエントランスの展示は、昭和10年代のぬりえを展示していますが、様々な作家さんがこの時代に、「青い鳥」を描いています。
「青い鳥」はモーリス・メーテルリンクの1908年(明治41年)の作品ですが、日本には岩波文庫に1927年(昭和2年)に翻訳されて発行されました。メーテルリンクの作品の中でも、特にこの「青い鳥」は、世界的にも人気となった作品ですから、日本で翻訳されて発売と同時に人気となったのでしょう。ぬりえにも数々の「青い鳥」のぬりえが見られます。

昭和20年以降、きいちは本名の「きいち」でぬりえを描いていますが、そのサインには必ず小鳥が描かれています。 その小鳥は「青い鳥」からとった印なのです。昭和20年代には、"しおり"も制作していますが、制作会社名は、「AOITORI」です。
きいちの小さい小鳥のマークは、きいちのぬりえ時代からぬりえが無くなった後、晩年に描いていた日本画で描いた童女の絵にも付けれていました。その形は、一匹の小鳥が、「きいち」という名前をくわえているというサインになっています。
一貫して小鳥をマークにしていたきいちには、よほど「青い鳥」にこだわりがあったものといえます。それは、小さい子ども達に幸せになってほしい!という希望をぬりえの中に、こめていたからなのです。
今月紹介している「アオイトリ チルチル」の絵には、「フジヲ」の名前の後ろに黒いトリが見えます。小鳥のサインの初めではないかと考えております。(館)

☆荒川区のもんじゃ焼き
「もんじゃ」といえば月島が取り上げられますが、荒川区も負けてはいません。
荒川区内には、荒川・町屋を中心に70以上のもんじゃ焼き屋があります。
もんじゃは、もともと子どものおやつでした。駄菓子屋のお店の奥には、必ずといっていいほど鉄板が備え付けられ、そこでもんじゃを焼いて食べていました。区内には駄菓子屋が多くあったことが荒川区内にもんじゃ焼き屋が多くある要因の一つといえるでしょう。
荒川のもんじゃは、今でもなんと!100円で食べられるところもあります。値段の安さはまさしく下町ならではです。
香ばしい匂いに誘われて、気軽にお店に入って鉄板を囲んでみましょう。

出てきたもんじゃの具材と汁を豪快に鉄板に流し込んで、作り方・食べ方なんて気にせず、自分の好みで熱々の下町の味、もんじゃを楽しんでみてはいかがでしょう。

○もんじゃの語源
昔、紙が高級品だった時代。鉄板にメリケン粉を薄く延ばし、子どもたちに字を教えていたと聞きます。たとえば、「す」を書いてみる。間違ったら匙で簡単に消せるのがよかったのでしょう。「文字焼き」が、もんじゃ焼きの語源というのも、あながち嘘ではないのかもしれません。

○下町グルメ あんこ巻き
「あんこ巻き」は和菓子そのもの、出来立てのアツアツが美味しい。
子どもたちは、もんじゃ焼きの中にあんこ玉を挟んだりソースせんべいに絡ませたりと、駄菓子屋にある他のお菓子と組み合わせては、おいしく食べる工夫をしたようです。それが、もんじゃ焼きのバラエティの多さに発展していったのでしょう。是非、トライしてみて下さい。
駄菓子屋(もんじゃが食べられる所)の多さを考えると、戦後は日暮里に駄菓子問屋街もありましたから、もんじゃ焼きの始まりはやはり荒川区か台東区でしょうね。

ぬりえ美術館『メディア情報』
●目白大学 人間学部 子ども科
「キャリアデザインⅣ」館長が講師として講演致します。
 11月30日 16:20~17:50
●大江戸朝日 情報スクランブル
 サロン活動の紹介掲載
●FM江戸川に10/22館長が出演いたしました。

今月のエントランス

「かぐや姫」  作者:フジヲ【展示室のご案内】
今月のテーマは青い鳥・童話・昔話です。
日本のおはなしからはかぐや姫を選びました。描かれているかぐや姫は光背のような月の光を頭上に纏い、竹の切断面を台座にして日本舞踊を踊っているかの様な優雅な姿勢で視線を横に流す様は神々しくもあります。
晩秋の夜空は空気も澄みわたり月が美しく見える季節です。幼いころの思い出、物語や
ぬりえをした頃に思いを馳せる・・・
そんな秋の夜長はいかがでしょか。

展示室のご案内
今月のエントランス11月~2月はニューヨークで展示をしたぬりえをご紹介いたします。ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。


投稿者 Nurie : 13:27 | コメント (0) | トラックバック

2009年11月01日

10月の美術館ニュース

紅葉の美しい季節となりました。ぬりえ美術館の中庭には、ウコン桜の木がありますので、桜の紅葉を見ることができます。温暖化のために、東京ではなかなか美しい紅葉をみることがむずかしくなっているようですが、ご近所を歩いてお気に入りの紅葉を探してみるのも、一興ではないでしょうか?

ぬりえのこころ、今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや、テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
10月のエントランスは、キュウーピーさんがテーマの展示でございます。

作者:ヒデオ
年代:昭和10年代

「夕焼小焼(ゆうやけこやけ)」は、1919年に発表された教師で詩人であった中村雨紅の詞に、草川信が1923年に曲をつけた童謡ですが、現在の八王子出身の中村雨紅が自分の出身地の秋の景色を描いたものといわれています。夕日を見ると、つい口にでるほど、日本人になじんだ曲ではないでしょうか。
今月はキューピーのぬりえを展示していますが、キューピーは、作者のオニール自身の要請により日本でも1913年、大正2年に作られることになりました。1925年、大正14年以降になるとセルロイド製が主流になったそうですが、第一次世界大戦で疲弊したドイツに代わり日本がセルロイド製品を多く手がけるようになり、カラフルなキューピーが登場していったそうです。 昭和10年代のぬりえにキューピーが多く描かれているのも、流行が背景にあったわけです。
この絵の作家ヒデオは、昭和10年代に、可愛い絵、美しい絵、ユニークな楽しさにあふれたぬりえ等を描いています。私も大好きな作家の一人です。 
野道の草花や背景の太陽、カラスや寺など大変日本的な描き方をした絵になっていますので、ヒデオもきいちと同様に日本画を勉強した人かも知れません。ヒデオについて何かご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報提供をお願いいたします。(館)

~芸術の秋~おすすめ展覧会
今回は都内のおすすめ美術展をご紹介いたします。

☆弥生美術館『少女の友』展
『少女の友』とは明治41年の創刊から昭和30年まで、日本の少女雑誌史上最も長きにわたって刊行された雑誌です。古くは竹久夢二、与謝野晶子をはじめ、昭和に入ってからは川端康成、吉屋信子、西條八十、中原淳一らが表紙画家として活躍しました。「少女にこそ一流の作品を」というのがこの雑誌の姿勢であり、都会的で女性らしいビジュアルと教養ある内容は多くのハイカラ女学生に好まれました。そして、愛読者集会を開催するなど、読者一人ひとりと向き合う努力もなされていたことも特徴的です。こうした雑誌としてのスタイルは、現在発行されている少女雑誌の先駆けともいえるでしょう。創刊から100年を迎え、今再び『少女の友』に注目が集まっています。
弥生美術館『少女の友』展では、入手困難な当時の雑誌や<紙の宝石>と謳われた優美なふろくをはじめ、色鮮やかな挿絵原画など総数約300点におよぶコレクションを一挙公開します。
日本で最も愛された少女雑誌の魅力に触れてみてはいかがでしょう。

住所:文京区弥生2-4-3
会期:2009年10月1日~12月23日
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

☆その他美術展情報
・国立西洋美術館『古代ローマ帝国の遺産~栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ~』  9/19-12/13
・上野の森美術館『聖地チベット~タポラ宮と天空の至宝~』 9/19-1/11
・国立新美術館『THEハプスブルク』 9/25-12/14
・世田谷美術館『オルセー美術館展~パリのアールヌーボー~』 9/12-11/29
・Bunkamura『ベルギー幻想美術館~クリップフからデルヴォー、マグリットまで~』 9/3-10/25

今月のエントランス

「サアミンナデオケイコ」 作者:不明
今月のテーマはキューピー。キューピーさんの長唄のお稽古でしょうか?昭和十年代、この町屋の下町あたりでも子供たちが長唄のお稽古をしていたそうですが、花柄の可愛い着物を着て三味線を弾く女の子のキューピーと、洋服を着て扇子を片手に唄う男の子のキューピーが、向かい合ってお稽古中。それを見てた猫も加わって、みんなでお稽古しています。長唄などが日常的にされていたからこそ描かれた絵ですね。さて、どんな曲が唄われているのでしょうか。

ぬりえ美術館『メディア情報」
・10月1日に発行される「アーバンライフ・メトロ」の中でぬりえ美術館が紹介されます。東京メトロ全駅の改札口付近にあります。
・都バス情報誌「乗り隊歩き隊」・都電ごちそう停留場に紹介されました。

【展示室のご案内】
8月~10月の企画展として「生誕95年蔦谷喜一展」を開催しています。ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。

投稿者 Nurie : 13:37 | コメント (0) | トラックバック

2009年10月10日

9月の美術館ニュース

秋空になってきました。ぬりえ美術館の近所にあります都立尾久の原公園は、トンボ公園としても知られていますが、アキアカネ、俗称赤トンボが見られるようになりました。
季節の移ろいを感じることができる四季のある日本を楽しみましょう。


タイトル:朝
作  者:たけし
年  代:昭和10年代
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
9月のエントランスは、ベティさんがテーマの展示でございます。
今月のテーマは、日本人が描いた和製ベティさんです。
「ベティ・ブープは、1930年代、マックスとデーブのフライシャー兄弟のマンガプロダクションが生み出したスターです。1931年6月24日、ベティ・ブープはパラマウントのマンガ作品「ビン坊の結社加盟」でビン坊の端役として現れ、その後、またたく間に人気が出て、圧しも押されもせぬスターにおさまりました。
ベティ・ブープは、新聞漫画やコミック雑誌等のキャラクターとしても人気を得ました。顔は流行歌手のヘレン・ケインをモデルにしたといわれ、映画の吹き替えは声優のメイ・クエステルでした。ベティ・ブープは、アメリカ漫画映画史上の最初にして唯一のセクシーキャラクターです。」(日本製ベティ・ブープ図鑑1930~1960 著者 安野隆 光芸出版社)

上記の本の中には、人形、マッチ箱に描かれたベティ、時計、双六、着物の柄になったベティ、漫画本、羽子板に描かれたベティ、絵葉書、めんこ、ぬりえ、積み木などなど、日本で作られたベティ・ブープが掲載されています。いかに1930年代にベティ・ブープが人気であったかが分かります。
その人気のため、アメリカのキャラクターを離れ日本的なベティになっている点が、非常に面白いところでしょう。和製ベティの絵をどうぞお楽しみください。(館)

世界で飛躍する日本のアニメーション
今月は世界で飛躍する日本のアニメーションをご紹介いたします。
☆世界で通用する日本のアニメランキング
2009年8月1・2日に愛知県で開催された「世界コスプレサミット」にちなみ、オリコンが調査したところ、日本国民が選ぶ『世界に通用していると思う“日本のアニメ”』の堂々一位は『ドラゴンボール』であることがわかりました。ドラゴンボールといえば、昨年春に『DRAGONBALL EVOLUSION』としてハリウッドでリメイク話題となったのは記憶に新しいですね。原作には沿わない完全オリジナルということでファンの間では賛否両論でしたが、日本の文化が海外で親しまれているということが再認識された素晴らしい取り組みでした。

    ~世界に通用していると思う日本のアニメ~
1位 ドラゴンボール
2位 ドラえもん
3位 ポケットモンスター
4位 スタジオジブリの作品
5位 新世紀エバンゲリオン
6位 機動戦士ガンダム
7位 ONE PIECE
8位 千と千尋の神隠し
9位 NARUTO-ナルトー
10位 となりのトトロ

☆世界で飛躍する日本のアニメーション
ぬりえ展ならびにぬりえ調査で海外に行ってみますと日本が大変な人気であることを実感します。その中でもマンガ、アニメが日本人気を牽引しています。今回のご紹介のランキングは、日本人が海外でも人気と思う作品ですが、実際にパリやドイツ、ニューヨークなどでも人気の作品は全く日本と変りありませんでした。特にキティーちゃんはニューヨークでもパリでも人気で、子どもから大人まで好まれています。
日本のマンガ・アニメから、カワイイという言葉も世界的に通用するようになっています。きいちの少女は、このカワイイの原点ではないでしょうか?

今月のエントランス

「花嫁」 作者:不明
1930年代、日本のアニメーション界に新風を巻き起こしたキャラクター「ベティ・ブープ」。 日本のキャラクターにはなかった大人びた雰囲気と女性らしい容姿は多くの人たちの人気の的となりました。
ベティと聞くとドレス姿を思い出すかもしれませんが、昭和10年代の日本のぬりえの世界では着物姿や日本髪など、七変化をしています。 決して色褪せることなく輝き続ける彼女の魅力をお伝えしたいと思います。

ぬりえ美術館『メディア情報」
○朝日新聞大江戸朝日9月号に紹介されます。
○都交通局「都電ごちそう停留場」にぬりえ美術館が紹介されます。
○8月28日(金)テレビ東京「レディス4」で紹介されました。

投稿者 Nurie : 15:57 | コメント (0) | トラックバック

2009年09月02日

8月の美術館ニュース

今年の夏をどのようにお過ごしでしょうか?夏の暑さを緑を育てることにより、涼を
とるという方法が人気となっているようです。ベランダで、又は外壁の部分に朝顔やゴーヤ、風船かずらなど、ぬりえ美術館のご近所にも緑のカーテンが増えています。見た目にも涼しげで、気持ちがいいものですね。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:カイランバンデスヨ
作  者:フジヲ(きいちのペンネームです)
年  代:昭和10年代

回覧板をお隣に持参する少女。きっと皆様の中にも子どものころに回覧板を持って行かされたことを思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も子どものころにお隣に持っていきました。又その他にも日掛けの小銭を貯める箱などを毎日お隣まで持って行った記憶があります。そういうものは、子どもの仕事だったのですね。

きいちのぬりえのテーマでは、「お手伝い」が大変人気です。お洗濯、お給仕、お掃除、水まき、子守、お店の手伝い、花壇の手入れ、餌やりなどなど、子どもならではの小さい仕事を手伝うことが一般的でした。近所のお店に買い物を頼まれたりすると、時々お店のご主人が、お手伝いをして偉いぞ!と、お駄賃をくれたりもしたものです。お駄賃は、飴玉のようなものが多かったでしょうか。家では、祖父母からお駄賃としてお小遣いをもらったりしました。
今は、商店が少なくなって、スーパーやコンビ、チェーンのレストランでは、このような人情からみのやりとりは無くなってしまいました。買い物するときに、買い物だけでなく、天気がよいとか、体の具合はどうの等、話しのやりとりがなくなってしまい、少し淋しい気がするのですが、どうでしょうか?
ぬりえ美術館では、できるだけ来館された方々にお声をおかけするようにしています。少しでも、あの頃のようにこころの交流をしたいからです。(館)


区民が選んだ荒川のおすすめ土産
先月に続いて、荒川のおすすめ土産をご紹介いたします。
☆ヤマナカ食品の寒天
館長の最近のマイブームの寒天をご紹介いたします。
今の時期、のどごしが良い寒天は最高です。館長は”あんみつ”にして食べているそうです。ヤマナカ食品では、寒天ばかりでなく、ところてん、こんにゃく、くずもち等もあります。
ところで、寒天とところてんの違いをご存知ですか。ところてんから寒天はつくれるけれど、寒天からところてんはつくれません。かんてんを乾燥させてできたものが、寒天なのだそうです。原料は同じでも、作り方がちがうのですね。
あなたは寒天派、それともところてん派?
住所:町屋1-22-3 03-3895-1964
定休日:日(祝日はできるだけ営業)
時間:午前7:30~午後8:00
場所:町屋斎場のあるサンパール通り、斎場手前左手にあります。


☆朝日屋鯨井商店のお豆腐
館長も毎週1回は食べているのが、朝日屋のお豆腐です。お豆腐も揚げも美味しいですが、ちょっと贅沢したいときには、「ざる豆腐」がおすすめです。お稲荷さん向けには、お稲荷さん専用の揚げもありますよ。お試しください。
住所:町屋3-7-2 03-3809-3753
定休日:日曜日
時間:7:00~19:00
場所:町屋駅前、サンポップ町屋の1階尾竹橋通り沿い

メディア情報
8月10日(月)~13日(木)まで、NHKラジオ深夜便『ナイトエッセイ』で、館長が「ぬりえの不思議」についてお話をいたします。

今月のエントランス

「私等の勤労奉仕」 作者:フジヲ
暑い盛りの真っ只中に、日本は忘れてはならない日を迎えます。子どものころから毎年繰り返えし聞かされてきた人々の最も悲しい苦しい歴史です。
そんなときも無邪気にぬりえをして遊んだのでしょう。昭和10年代のぬりえは今では当時の様子を伝える大事なメディアのひとつとしてみることもできるのではないでしょうか。
時代を知る世代には記憶を呼び起こし知らない世代には時の姿を伝えています

投稿者 Nurie : 16:16 | コメント (0) | トラックバック

2009年08月01日

7月の美術館ニュース

夏の時期、気持ちよく過ごしたいですね。エコを意識して、クーラーの設定温度をすこしゆるめにしたり、打ち水をしてみたり、水盤に水草をいれてみたりなどなど、ご自身のアイデアで昨年と変えてみるのもいいかも知れませんね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:メダカスクイ
作  者:ヒデオ
年  代:昭和10年代

今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
7月のエントランスは、昔の生活や働く少女がテーマの展示でございます。

夏になって、水が恋しい季節です。子どもにとってはなお更でしょう。
今月のぬりえは、めだかすくいをしている少女たちのぬりえです。小さいメダカを網ではなく、竹かごで獲ろうとしているようです。これは絵ですから、竹かごの目は粗いようですが、実際にはもっと目の細かいもので獲ったことでしょう。メダカはすばしっこいので、水の中をあっちにいったり、こっちにいったりしで、楽しい水遊びに1日だっと思います。
メダカといいますと、私は童謡の「めだかの学校」をすぐに思い出します。「めだかの学校」は、1950年(昭和25年)に作詞:茶木滋、作曲:中田喜直によって作られ、1951年(昭和26年)3月、NHKのラジオ番組「幼児の時間」のコーナー「歌のおけいこ」で発表され、1951年4月、NHKのラジオ番組「うたのおばさん」で安西愛子が歌い、安西の歌唱によるレコードも発売されたそうです。1954年(昭和29年)には文部省芸術選奨文部大臣賞を受賞するほどの人気の歌になったそうです。
メダカも自然の中で見つけることはむずかしくなりましたが、荒川区自然公園では、今頃の時期になりますとオオムラサキとカブトムシが放し飼いにされ、餌を食べる姿や、ゲージ内を羽ばたく姿を自由に観察できます。オオムラサキの美しい姿を見学なさってはいかがでしょうか?(館)
■場所: 区立荒川自然公園(荒川区荒川8-25-3) 
■お問い合わせ先 : 荒川自然公園 電話番号03(3803)4042

荒川自然公園「ホタル鑑賞の夕べ」
7月17日(金)、18日(土)の二日間、荒川自然公園で「ホタル鑑賞の夕べ」というイベントが開かれ、
「荒川区ホタルを育てる会」によって放流されたホタルを観賞することができます。
荒川自然公園は、約五万七千平方メートルの広さを誇る荒川区立の区内最大の公園。下水道局三河処理場上の人口地盤に設けられました。公園は白鳥の池を中心とする緑と水辺の景観にあふれた南側と、プールや野球場のある北側の2つのエリアに分かれ、のんびりと散策することができます。
ホタルの鑑賞会は南側エリアの水辺の広場にて開催されます。料金は無料で、定員は各日1000人。
参加は抽選のため、事前予約が必要です。
応募は往復はがきに希望日、代表者(18歳以上)の住所・氏名・電話番号・これまでの参加回数・参加
者全員の氏名・年齢(返信面に代表者の住所・年齢)を明記し、
〒116-0001荒川区町屋2-11ー16 第四峡田小学校内荒川区ホタルを育てる会事務局へ。
(6月21日(日)~7月1日(水)の消印有効。1枚のはがきで5人まで。重複の申し込み、記載漏れは無効)
詳しくはこちらもどうぞ
 http://www.enjoytokyo.jp/OD004Detail.html?EVENT_ID=252405(レッツエンジョイ東京)

区民が選んだ荒川のおすすめ土産
今月は、荒川のおすすめのおみやげを紹介します。
ひとつめは、竹隆庵岡埜町屋店(町屋2-17-2)の「ゆうゆう都電・都電小町」。都電のかたちをした和菓子で、子どもたちにも大人気だそうです。町屋店限定販売。都電でぬりえ美術館にお越しの際は、ぜひどうぞ。
もうひとつは、博多屋(荒川7-50-9)の今川焼。北海道産の小豆を使った自家製のあんこが自慢の今川焼は、普通の今川焼よりひとまわり大きいので得をした気分になります。
荒川へお越しの際は、こんなおみやげをいかがですか。
荒川区のホームページでも紹介されています。
 http://www.tokyo-arakawa.com/osusume_no1/index.html(荒川のおすすめ品 区民が選んだおみやげ編)


今月のエントランス
「山の少女」 作者:フジヲ

大量の薪を背中に背負いながら山道を下る少女。薪を拾った帰りでしょう、空になった弁当を片手に犬を気遣いながら歩いています。重い荷物を背負いながらもどこか楽しそうな彼女の表情は愛らしく、足取りも軽やかです。
このぬりえには日本人の持つ生来の勤勉さや仕事を楽しむという気質が見え隠れしています。

ぬりえ美術館 『メディア情報」
●6月27日(土)毎日放送をキーステーションにTBS系列「知っとこ!」にて、紹介されました。

【展示室のご案内】
6~7月は、夏模様のぬりえを展示しております。ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。

投稿者 Nurie : 16:33 | コメント (0) | トラックバック

2009年07月05日

6月の美術館ニュース

雨模様の季節になりましたが、憂鬱にならずに過ごしたいものです。子ども時代、雨の日の楽しみは「ぬりえ」でした。姉妹やお友達が集まって、一生懸命に塗って雨の日も楽しくすごしたものでした。その当時の思い出して懐かしい時間を過ごしてください。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。6月のエントランスは、お人形がテーマの展示でございます。

タイトル:南洋人形ノ方ガ可愛イワ
作  者:フジヲ(きいちの戦前のペンネーム)
年  代:昭和10年代
今月のぬりえは大変めずらしい絵ですね。お人形の顔を墨汁で黒く塗っています。そして、タイトルは、「南洋人形ノ方ガ可愛イワ」です。
南洋のお人形はその当時は珍しかったのでしょう。珍しいお人形も憧れのひとつだったことでしょう。

人形といいますと、平安時代から雛遊びがあり、源氏物語の中にも、若紫にひな遊びができる家にいらっしゃいとひな遊びのことが書かれています。
女性は、いくつになってもお人形が大好きですね。最近では、キティーちゃんが子どもだけでなく、大人の人たちにも好まれて、人気となっています。その人気は、日本ばかりでなく、広く海外にも広がって、昨年ぬりえ展を開催したパリでも、大変な人気でした。
実は、先日私も何十年ぶりかにお人形を買いました。店頭に飾られていたお人形がかわいらしく、又ハンドメイドということもあり、大小4個も購入してしまいました。その中のひとつは、たまたま今回のぬりえの中の人形のように肌が黒い人形でしたが、愛嬌がある人形でしたので、購入しました。今はすべての人形を籠にいれて飾って楽しんでいます。
ぬりえ美術館の入り口を入ると、昭和30年代のポーズ人形というのでしょうか、お人形を飾っています。その当時はどの家にも、タンスに上に洋風の人形であったり、日本人形であったり
そのような人形が置かれていたものでしたので、思い出される方もいらっしゃると思います。
皆様の家にも、大事にしているお人形があるのではないでしょうか?(館)

モノづくりの街・荒川区を体験
荒川区には約2,600の工場があるのをご存知でしょうか。 また、荒川区内には、日本の伝統工芸技術を受け継ぐ職人さんが数多くいます。古くから受け継がれてきた日本の伝統文化は、江戸時代に町人文化の間で普及し、発展していったのです。
区では、このように荒川区がモノづくりが盛んな街であることを広くPRするために、伝統工芸職人や荒川マイスターの店舗や作業場で見学や体験を行っています。
■森田商店【べっ甲細工】(荒川区東尾久1-16-10)
べっ甲細工の作業場の見学と、昔の道具などの展示をしています。簡単な体験もできます。■株式会社マツダ自転車工場(荒川区東尾久1-2-4)
オーダーメイドサイクルの製造現場の見学、試乗ができます。
高齢者や障がい者用の自転車、コンテスト受賞作品などを展示しています。   
□お問い合わせ/ 荒川区観光振興課 TEL 03(3802)4689
荒川区が作成した「モノづくり見学・体験スポットガイド」が区役所や図書館、観光協力所などで配布されています。この冊子には企業の紹介と、そこでどのようなモノづくり体験ができるかが書かれています。
モノづくりの街荒川区で、様々な体験とともにぬりえの世界をお楽しみください。

今月のエントランス

「タイトル:夕グレ」 
作者:フジオ
(きいちの戦前のペンネーム)
夕暮れどき、農村地方に住む女の子が人形をおぶって歩いています。
妹や弟のいない女の子が、お姉さんになった気分で人形を可愛がって遊んでいるようです。
日本では、江戸・明治時代ごろ特に子守仕事が必要とされ、「ねんねんころりよ」で始まる「江戸子守唄」をはじめ、さまざまな子守唄が生まれました。
この女の子も、子守唄を口ずさんでいるかもしれません。

ぬりえ美術館『メディア情報」●5月1日(金)TBS「はなまるマーケット」
5月22日(金)、NHK番組「いっと6けん」でぬりえ美術館が紹介されました。
●ボシュロム・ジャパンの冊子アイ・コミュニケーションの「眼の記憶」に館長の文章が紹介されました。

【展示室のご案内】
6~7月は、夏模様のぬりえを展示いたします。
ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。

投稿者 Nurie : 17:07 | コメント (0) | トラックバック

2009年06月01日

5月の美術館ニュース vol.77

新緑の緑に空までも翡翠色に染まっているような、素晴らしい季節になりました。
ぬりえ美術館のある荒川区の都電沿線には、薔薇の花が植えられています。この5月になりますと様々な種類の薔薇の花が美しく、香り高く咲き、人気のスポットになっています。
今月も花に誘われて、ぬりえ美術館にいらしてください。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
5月のエントランスは、歌や遊びがテーマの展示でございます。

タイトル:SHIKARARETEシカラレテ
作  者:フジヲ(きいちの戦前のペンネーム)
年  代:昭和10年代

叱られて 叱られて あの子は町までおつかいに
この子は坊やをねんねしな  夕べさみしい村はずれ 
コンときつねがなきゃせぬか
叱られて 叱られて 口には出さねど目になみだ
二人のお里はあの山を 越えてあなたの花の村 
ほんに花見はいつのこと

今月は昭和10年代当時の子供たちの遊びや童謡など歌を描いたぬりえをご紹介していますが、子供たちは、歌を歌いながらぬりえをしたのではないでしょうか?
「叱られて」は、作詞 清水かつら、作曲弘田龍太郎により作られました。清水かつらは「叱られて」の他にも皆さんが良く知る歌が数多く作詞しております。戦前の「靴がなる」「すずめの学校」、戦後は
「みどりのそよ風」等をつくっています。
清水かつらについては、彼の業績を後世に伝え、板橋区成増では毎年「成増童謡まつり」を開催しているそうです。 
和光市でも、ゆかりの童謡詩人・清水かつらの童謡が世代を越えていつまでも歌い継がれることを願い、また日本歌曲の振興・発展に寄与することを目的として「叱(しか)られて」歌唱コンクールを実施されています。
ぬりえ美術館でも"童謡の会"を開館以来毎月第三の水曜日に開催していますが、童謡の歌詞が大変素晴らしい、美しい日本語の言葉にあふれていますので、ぜひ童謡を歌い続けています。童謡にはずいぶん難しい言葉が使われたりもしていますが、歌いながら覚えて美しい言葉が身についていったのではないかと子どもの頃を思い出し、これからも"童謡の会"を続けていきたいと思っております。(館)

荒川区観光 ばらを楽しむ 
都電荒川線は、三ノ輪橋から早稲田間を運行する電車で、都内で唯一の路面電車です。荒川区内の都電の沿線や駅前の広場に、5月~6月中旬にかけて140種類12,600本のバラが咲き誇ります。その様子はまるで、バラの美術館のようです。都電荒川線沿線のこのバラは、社団法人日本観光協会が主催する『花の観光地づくり大賞』において、平成17年度に大賞を受賞しました。
町屋駅前周辺では、ちょうど町屋駅前に着く手前、京成線のガード下近くにさまざまな種類のバラが咲いているのが見えます。

荒川区では、「荒川区観光ボランティアガイド」が、区内の観光スポットや史跡・文化財等をご案内しています。年末とお盆の時期以外にご利用になれます。ご利用希望日の二週間前までに、お電話にて事務局にお申し込みください。対象は、区外からお越しの方でおおむね構成された団体の方です。
ガイドのご利用時間/午前9時30分~午後4時30分の範囲内
お問い合わせ・申し込み/荒川区観光振興課 TEL:03(3802)3111
都電荒川線沿線がバラでいっぱいになる季節に、ぜひ荒川区に足を運び、バラとともにぬりえの世界をお楽しみください。

◇おしらせ: 東京都交通局のHP内で「都電ぬりえ」が楽しめます。以下のアドレスから、「とでん君と行く」をクリックしてください。
URL: http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/fan/todenworld/index.html

<今月のエントランス>

「通りやんせ」作者:きぬよ
『通りやんせ』は、江戸~明治期に成立したといわれます。今では信号の音によく使われているこの歌、ロンドン橋のような遊び方があります。
二人の子どもが両手で関所をつくり、他の子どもたちがその下をくぐります。関所役の子どもたちが、歌の終わりで上げていた手をさっと下ろし、つかまった子どもは関所の役を交代します。昭和初期のこのぬりえには、そんな様子が描かれています。

ぬりえ美術館『メディア情報』
●5月1日(金)、TBS番組
「はなまるマーケット」にて、『東京再発見・都電荒川線で行く下町めぐり』というテーマで美術館が紹介されました。

【展示室のご案内】
「昭和20年~30年代のぬりえ作家展」を開催中です。きいち、まつお、ひでを、フジオなどの作品をはじめ、美智子様のぬりえを展示しています。
ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。

○ぬりえのおみせやさんURL http://cart03.lolipop.jp/LA01064511/
○ぬりえ美術館URL http://nurie.jp/  「ぬりえのおみせやさん」 通信販売情報きいちのぬりえやグッズを、インターネットでもご注文いただけます。
配送先もご指定いただけますので、プレゼントなどにもご利用いただけます。
※お電話・FAXなどでもご注文いただけます。

投稿者 Nurie : 20:20 | コメント (0) | トラックバック

2009年05月01日

4月の美術館ニュースvol.76

陽光きらめく春本番となりました。様々な花の便りが聞かれる頃ですが、やはり花便りは桜の右にでるものはないでしょう。今年も美術館の中庭にあります鬱金桜(ウコンサクラ)の開花を楽しみにしています。うす緑色の涼やかな桜です。今年は是非ぬりえだけでなく、鬱金桜も見にいらしてください。

タイトル:「オハナヅクシノ一バンハ・・・」
作  者:フジヲ
年  代:昭和10年代
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。4月のエントランスは、お花がテーマの展示でございます。

「オハナヅクシノ一バンハ、ハイハイサクラヲハルノハナ
 オハナノシタデゴザヒイテ ママゴトアソビモ タノシイナ」

桜の花の精に見立てた少女のママゴト遊びを描いたぬりえです。タイトルは、絵本の中の言葉のように珍しく文章になっています。昭和24年頃にきいちは、出版社の依頼で5冊ほどの絵本、「メリーさん」と「はなこさん」、その他「テンプルちゃん」「おじょうさん」「お遊び」等を描いたそうです。そのときにはきいちは絵だけ描いて、文章は作家が書いようですが、このぬりえはきいちの絵本とでも言えるようなぬりえになっています。又花の精ということでは、桜のほかにタンポポの精やバラの精など様々な花の精を描いています。
ぬりえの柄にはよく花が描かれていましたが、きいちは「さくらを一番多く描いた」と言っています。「五枚の花びらのバランスがとれている感じが好き」なのだそうです。「さくらやコスモス、梅、ガーベラなど、どちらかというと一重の花が好き」とも言っていました。形のバランスが良いということは、そこに美のバランスがあることです。美を愛し、追求していたきいちが好んだ理由が分かるような気がします。
先日テレビを見ていましたら、今年の春~夏にかけての傘の新製品に「桜の花びらの形をした傘」が誕生したと放送されていました。新製品のアイデアに春の桜をもってくるところは、日本人は桜が好きなだと思わざるを得ません。桜は花の女王なのではないでしょうか。(館)
*参考「わたしのきいち」小学館、「きいちのぬりえ」草思社

「桜 尾久の原公園シダレザクラ祭り」
春、桜が楽しみな季節になりましたね。ぬりえ美術館のウコン桜は4月の上旬に見ごろになりそうです。ぬりえ美術館から北にすぐの尾久の原公園でも桜を楽しむことができ、4月4日(土)には第8回シダレザクラ祭りが開催されます。
この公園は工場の跡地を利用して造られた、荒川区で2番目に広い都立公園で、公園の中心にある池は貴重なトンボの生息地となっています。お祭りで見られる約200本のシダレザクラは、区民の手により植えられたもので、公園の周辺を含めてシダレザクラの名所づくりがすすめられています。お祭り当日にはおはやし、和太鼓演奏などのステージショーや草花即売会もありますし、大賞が来年のシダレザクラポスターに使われる「尾久の原公園シダレザクラのある風景」写真コンクールも行なわれるそうです。
ところで、荒川区のコミュニティバスをご存知でしょうか。このバス、名前を「さくら」といいます。平成17年4月20日に運行を開始したバスで、平成20年に加わった「汐入さくら」を含めて3ルートを走っています。
200本のシダレザクラに、バスの名前も「さくら」。桜がいっぱいの荒川区ですが、調べてみると、サクラは、区の花ツツジとともに昭和54年11月10日に定められた、荒川区の木だったのですね。
荒川区の木サクラでいっぱいになるこの季節、ぜひ荒川区で、シダレザクラとぬりえの世界のお花を楽しんでいってください。

<今月のエントランス>今月のテーマは、花と歌です。

春といえばお花の季節です。花柄のお洋服、お花畑、花摘み・・・と、とくに女の子はお花が大好き。ぬりえの中も、たくさんの花があふれています。
お花に囲まれた女の子、花柄や花の形の服、桜にたんぽぽに朝顔。たくさんの花が咲き始めるこの季節に、ぬりえの世界の中のお花を愛でていってください。

ぬりえ美術館『メディア情報」
●3月25日(水)TBS皇室特別番組
「祝!両陛下金婚式スペシャル世紀のご成婚から50年」に、美智子様のぬりえ、きせかえを貸し出しました。

【展示室のご案内】
「昭和20年~30年代のぬりえ作家展」を開催中です。きいち、まつお、ひでを、フジオなどの作品をはじめ、美智子様のぬりえを展示しています。
ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください

「ぬりえのおみせやさん」 通信販売情報
きいちのぬりえやグッズを、インターネットでもご注文いただけます。
配送先もご指定いただけますので、プレゼントなどにもご利用いただけます。
○ぬりえのおみせやさんURL http://cart03.lolipop.jp/LA01064511/
○ぬりえ美術館URL http://www.nurie.jp/oldhp/  
※ぬりえ美術館のホームページ(ブログ)から「ぬりえのおみせやさん」に入れます。
※お電話・FAXなどでもご注文いただけます。

投稿者 Nurie : 11:23 | コメント (0) | トラックバック

2009年04月04日

3月の美術館ニュース

弥生、三月、春がやってきました。「は・る」という言葉をきくだけで、こころ浮き浮き高揚する感じがいたします。又、春というと直ぐに「花」がイメージされませんか。桃、桜、クロッカス、沈丁花等など。春のいぶきを草花の色合いや香りを通して楽しんでみてはいかがでしょうか。

今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
3月のエントランスは、着物のぬりえの展示でございます。

丸窓から春の梅を見る美人画風のぬりえです。
フジヲは、きいちが昭和10年代にぬりえを描いていた頃のペンネームです。きいちは子どもの頃から絵、特に人物画が得意でした。

17歳のときに、帝展でみた山川秀峰の「素踊」を見て心酔し、自分のしたいことはこれだ!と自覚して、文京区は春日にあった「川端画学校」で日本画を学んでいます。川端画学校を3年ほどで終了すると、昭和10年、21歳で有楽町の日劇前にあったクロッキー研究所に通い、裸婦デッサンを7~8年ほど学んでいます。
戦前アルバイトで始めたぬりえながら、きいちは姉や妹たちとよく見ていた歌舞伎をテーマにぬりえを描くと、確かな技術に裏付けられたきいちの描く美しいぬりえは、たちまち人気となっていったのでした。子どものぬりえとしては、ずいぶん詳細に描かれていますので、塗ったのだろうかという疑問が浮かびますが、今月展示のこの絵のように、実際に寄贈者が塗っていますので、やはりぬりえだったのだと分かります。
子どもの絵だからと、線をシンプルにせずともいいということが昭和10年代の絵から分かります。小さいときには上手に塗れなくても、だんだんと進歩して上手になっていきます。その道筋も大事なことだと思います。(館)
*参考「わたしのきいち」小学館

~都営日暮里・舎人ライナー 開通1周年~
昨年3月のぬりえ美術館ニュースで、ぬりえ美術館への新たな交通アクセスとして開業をお伝えしました、新交通システム「日暮里(にっぽり)・舎人(とねり)ライナー」が、3月で開通1周年を迎えました。
荒川区の日暮里駅から足立区の見沼代親水公園(みぬまだいしんすいこうえん)駅をつなぐこの路線で、足立区舎人地域からJRの通る日暮里までのアクセスが非常に便利になりました。
さてこの路線、全部で13ある駅の名前を見てみると、「日暮里」、「舎人」をはじめ、「高野(こうや)」、「谷在家(やざいけ)」など、読み方の難しい駅名がとても多いです。
「舎人」の由来は、終点の見沼代親水公園駅付近が舎人遺跡の一角だったそうで、新線建設にあたり行なわれた遺跡調査で3~7世紀の邪馬台国卑弥呼の時代から古墳時代の貴重な土器などが数多く出土し、その一部は改札内にも展示されているそうです。また、駅のすぐ近くには中世鎌倉時代に創建されたという「舎人氷川神社」があります。古代には皇族の身辺世話係や牛車や馬車の口取りの役職を「舎人」と呼んでいたそうですし、奈良時代には舎人親王という方もいたようです。
日暮里・舎人ライナーの開通から1周年。「舎人」という名前ひとつで卑弥呼の時代にまでさかのぼれるのはとてもおもしろいですね。
荒川区でも、1周年記念として、荒川区尾久本町通り商店会でフリーマーケットなどのイベントが開催されるほか、荒川ふるさと文化館では江戸から明治以降の日暮里の変化について絵画や古写真などをもとにたどっていく企画展が催されます。
ぬりえ美術館は日暮里・舎人ライナー熊野前駅より徒歩15分、熊野前駅は都電荒川線と連絡しているので隣駅の東尾久三丁目からは徒歩7分です。1周年を機に、ぬりえ美術館できいちのぬりえの世界を楽しんだあと、荒川区から足立区の歴史散策を楽しんでみてはいかがですか。

今月のエントランス

「橋を渡れば川風に鹿の子絞りの帯のいろ」作者:ヒデオ
最近では、和服姿をみかけなくなりましたが、昭和10年代には、農村の子どもたちはクラスの半分以上が和服だったそうです。ぬりえに描かれた着物は、美しく、華やかな着物が多く、女の子たちの憧れの対象として描かれたものが多いのでしょう。
着物の柄、髪飾りの細かい部分まで丁寧に描かれたぬりえ。「和装」のうつくしさをぜひご覧ください。

ぬりえ美術館『メディア情報』
東京都交通局『ふれあいの窓』3月号 舎人線開通1周年記念特集号
東京カタログ 見る、買う のコーナーでぬりえ美術館が紹介されています。

展示室のご案内
「昭和20年~30年代のぬりえ作家展」を開催中です。
きいち、まつお、ひでを、フジオなどの作品を展示しています。
ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください

投稿者 Nurie : 13:49 | コメント (0) | トラックバック

2009年03月01日

2月の美術館ニュース

1年で最も寒い月、2月、如月(きさらぎ)。今年の寒さを節分の豆まきで鬼といっしょに吹き飛ばしましょう。寒いこの二月を上手に過ごすには、豆まきのように体を動かしたり、時にはぬりえをしてこころをリラックスさせたり、心身を柔軟にして乗り切りたいものです。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
2月のエントランスは、擬人化のぬりえの展示でございます。

タイトル:竹屋コーヒーパーラー
作  者:フジヲ
年  代:昭和10年代

「竹屋コーヒーパーラー」は、きいちの戦前のペンネームのフジヲ時代のぬりえです。
 昭和初期のぬりえには、擬人化のぬりえが沢山見られます。擬人化の手法は古くはギリシャにもみられるそうですが、日本にも「鳥獣人物戯画」のような擬人化の絵があります。「鳥獣人物戯画」は12世紀から13世紀(平安時代末期~鎌倉時代初期)に描かれたものですが、その「鳥獣人物戯画」には、本質だけでなく背景などが詳細に描かれていて、その点がアニメや漫画の原点とも称されています。日本文化に独特の描き方が絵巻物に見られるわけで、描き方、その背景にある考え方が、現代の漫画、アニメにまで続いているのです。
 そして、昭和初期のぬりえにも、擬人化のぬりえが描かれ、子どもたちに楽しさを与えていました。描かれていたものは、ウサギ、すずめ、象、ねずみ、犬、猫等々。収蔵品のなかでは、すずめを描いたものが数多くみられます。すずめは、「すずめの学校」や「舌切りすずめ」などの童謡や絵本などもあるように、一番身近な鳥であるので親しみがわき、子どもたちにもわかりやすいということで、数多く描かれていたと思われます。
 「竹屋コーヒーパーラー」は、築地生まれの喜一が若き日に築地のお隣の銀座で過ごしたコーヒーパーラーを思い起こさせるぬりえです。コーヒーパーラーの店内やボーイさんの様子が詳しく描きこまれ、アール・デコ調のモダンなぬりえとなっています。(館)


フランスのぬりえを特集して・・・
昨年の秋、金子館長は1ヶ月間フランス、フィンランド、ベルリンを訪問し、日本のぬりえの紹介とあちらでのぬりえ文化の取材をされてきました。
その様子はホームページでも詳しくご紹介してます。

昨年は日本とフランスの友好150周年記念の節目の年でもありました。展覧会では日本文化に興味をお持ちの方々に多く来場いただき出会いもたくさん交わされました。
パリでのぬりえ展を記念して、11月から今月いっぱいの4ヶ月にわたりフランスのぬりえを特集して展示しています。
現代のフランスのぬりえは、幼稚園の教育プログラムにぬりえが取り入れられているということから教育的という点が意識されています。例えば年齢ステージごとのぬりえ本が多数発行されているというひとつの特色が伺えます。又、日本のように女児向け、男児向けと分けられず、どちらが塗ってもよいような中性的な絵柄が多いことも特色にあげられます。
子どもの遊びの一種としてとらえている部分の多い日本に対し、フランスでは「運筆」を重視し、画材の正しい持ち方、丸や直線などの線に沿ってきれいにぬれるか、(それにより手指を自由に操り、文字を自在に書けるようになる)、色による情操、などなどに教育的効果を楽しみながら得られるように作られています。

また、もうひとつの側面としてフランスといえば、絵画、アートの国という印象をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、名画を題材にしたぬりえも数多く出版され、ルーブル美術館を始め様々な美術館、博物館にぬりえが販売されています。
日本でなら、「大人のぬりえ」と言ってよい名画のぬりえですが、フランスでの名画のぬりえは、すべて子ども向けです。美術館に見学に来て、思い出にまた名画を塗って覚えようとするためのお土産です。
国を、あるいは街を愛する人も多いのでしょうか、パリのセーヌ川やブルターニュ地方の海などといった風景のぬりえもあります。自分で絵は描けないという人にも手軽に絵心をさそわれ、色を塗る楽しみを味わえることでしょう。
そして、珍しい1930年代のアンティークのぬりえも展示しています。色見本が片方にあり、それを見ながら塗るような形式になっており、当時の子どもたちが塗った形跡も残っています。絵そのものが美しいものや、簡素ですがモダンなデザイン性の高さが伺われるものをパリの蚤の市で見つけました。

きいちのなつかしい作品とともに、フランスの香りをぬりえを通して楽しんでいただけたら・・・と思います。日本のぬりえとの違いも感じていただけるものと思います。
(『美術館便り』でも館長自ら現地の様子をお伝えしています。あわせてそちらもお楽しみください。)

<今月のエントランス展示>今月のテーマは「擬人化」

稲作の盛んだった日本ではスズメは大変身近な鳥ですね。うさぎも古くから愛玩用として輸入されて以来親しみのある動物のようです。調べると、白く赤いお目めのうさぎというのは日本で品種として固定化がされたそうです。

そんな動物たちを擬人化して当時の様々な暮らしのシーンに登場させ、誰にでもわかり易く身近に感じ、楽しめるよう描かれたぬりえの数々。おおらかでユーモラスな作品たちを是非ご覧ください。

<ぬりえ美術館メディア情報>
◆細川貂貂々さんのエッセイ漫画『てんてん手帖』にぬりえ美術館にいらしたときの様子が掲載されています。 講談社952円

【展示室のご案内】
フランスのぬりえ展を開催中です。
昨年10月パリにて開催したぬりえ展の紹介とフランスの現代のぬりえや古いぬりえを展示しています。
きいちのぬりえやきせかえも展示しておりますので併せてお楽しみください

投稿者 Nurie : 11:47 | コメント (0) | トラックバック

2009年02月01日

1月の美術館ニュース

明けましておめでとうございます。明るいお正月をお迎えのこととお慶び申し上げます。
2009年も可愛いぬりえ、うつくしいぬりえで皆様に笑顔を差し上げ、ぬりえから生まれるふれあいを広げていきたいと思っております。今年もよろしくお願いいたします。

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
1月のエントランスは、歌舞伎絵のぬりえを展示しています。


タイトル:藤娘
作  者:フジヲ
年  代:昭和10年代

 藤娘は長唄や歌舞伎で演じられる舞踊の題目です。
「藤娘」は、大津絵の「かつぎ娘」に題をとった長唄、日本舞踊の演目でした。初演は1826年(文政9年)江戸中村座、二代目関三十楼。作詞は勝井源八。もともとは絵から出て来た娘が踊ると言う趣向の五変化舞踊のひとつでしたが、歌舞伎役者の六代目
尾上菊五郎が藤の精が娘姿で踊るという内容に変えて舞台演出を一新して以来、そのスタイルが一般的になり、現在では人気の歌舞伎舞踊の一つになっている。(参考:Wikipedia)

 このぬりえは、きいちが昭和の10年代にアルバイトとしてぬりえを始めた時代の絵です。
サインは「フジヲ」となっています。日本画の美人画を学んだきいちであり、歌舞伎座にも近い築地に生まれたきいちは歌舞伎もよく観ていたようで、歌舞伎絵をテーマにぬりえを描いたところ、その華やかさからすぐに人気となったそうです。今回展示の「弥生」などもフジヲが描いたものです。
 昭和15年からアルバイトで始めたぬりえでしたが、日本画の技術で繊細に描いた美しい少女の絵は、人気となりましたが、ブームになる前に翌年太平洋戦争が始まり、きいちも昭和18年に軍需工場に駆り出され、ぬりえを描くどころではなくなっていきました。
 藤娘のぬりえは、昭和20~30年代のきいちのぬりえにも数多く描かれています。多くのお客様から、この藤娘の絵は塗ったことがあるというお声を聞きます。細かい藤の花の房を塗ることは難しいので、小さい頃の記憶に残っているのではないでしょうか。(館)

新年あけましておめでとうございます。
少し前まではお正月といえば、羽根つきや凧あげなど、外に出て遊ぶ子どもたちを多く見かけました。しかし、最近の子どもたちはやはり家の中でテレビゲームなのでしょうか。そういう光景もあまりみかけなくなったように思います。
 きいちのぬりえの中には、子どもたちの遊ぶ姿が描かれているものが多くあります。それらをみると、描かれた当時(主に昭和20~30年代)どのようなものが流行っていたか、どんな遊びをしていたかという当時の文化を知ることができます。
 当館を訪れた方たちの感想を読ませていただくと、同時代を知る人には懐かしく、また当時を知らない若い世代の方たちには新鮮で、尚且つノスタルジックな気持ちになるという方が多くいらっしゃることがわかります。それがきいちのぬりえの不思議なところです。
 当館はノスタルジックでありながら、新たな発見のできる場所なのかもしれません。
 今年もぬりえ美術館をよろしくお願いいたします。

<ぬりえ美術館周辺の初詣情報>

■尾久八幡神社
ぬりえ美術館の最寄駅『東尾久3丁目』から都電で早稲田方向へ。
二つ目の駅『宮ノ前』で下車。大きく立派な社殿が、駅の名前の通
りすぐ目の前です。由緒も古く、勧請は南北朝以前とのこと。
八幡さまは広く庶民の神様として人気です。

■素盞雄神社(スサノオジンジャ)
この地域では最も広域を守ってくださる氏神様で、別名「牛頭天王
(ごずてんのう)」”お天王さま”の呼び名で親しまれています。
(都電三ノ輪橋より徒歩10分、JR・メトロ南千住より徒歩8分)

足をのばせば・・・七福神めぐりも・・・
■浅草七福神  ■谷中七福神  ■隅田川七福神

<ぬりえ美術館・メディア情報>
●1月22日 FM江戸川(84.3MHz)に館長の金子が生出演致します。
 番組:「あしたへ・・・笑顔りんりん」16:40~17:20
●1月28日発売『GISELE(ジゼル)』2月号(主婦の友社)
 特集「大人の乙女WORLD」にぬりえ美術館が紹介されます。

【展示室のご案内】
フランスのぬりえ展を開催中です。
昨年10月パリにて開催したぬりえ展の紹介とフランスの現代のぬりえや古いぬりえを展示しています。
きいちのぬりえやきせかえも展示しておりますので併せてお楽しみください。

【今月のエントランス】

「娘道成寺」
寄贈者:沼川清子氏

日本の伝統的娯楽の一つ、歌舞伎観劇。五穀豊穣を願う三番叟、お正月らしい華やかな狂言や豪華な配役の人気演目が、歌舞伎座・新橋演舞場・国立劇場・
浅草公会堂の4箇所で興行されて
います。
1年の福を願う新年の始まりに希望
溢れる気分を盛り立ててくれます。
皆様は、何をご覧になりますか?

投稿者 staff : 11:05 | コメント (0) | トラックバック

2009年01月09日

12月の美術館ニュース

12月になる前に雪の便りが聞かれ、冬の始まりが早いような今年の冬ですが、経済も
世界的に厳しい冬の時代が始まりました。これからどのように過ごしたらよいのか、ヒントが昭和30年代の暮らしの中にあるような気がします。寒い冬をどのように過ごしていたのか。美術館のエントランス展示のぬりえを参考にしてみてはいかがでしょうか。

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

12月のエントランスは、冬の装い、暮らし方をイメージするぬりえを展示しています。

タイトル:あみもの
作者:きいち
年代:昭和30年代
寄贈:福井紅子氏

「かあさんが夜なべをして 手袋編んでくれた
木枯らしふいちゃ 冷たかろうて せっせと
編んだだよ・・・ ♪♪♪」
 冬の長い夜、昔の人は編み物をして過ごしていた様子が分かる歌ですね。手編みや機械編みで、手袋、靴下、セーターなどを自宅で編んでいたものです。私も中学校で、毛糸の靴下を編んだ覚えがあります。今は、何でも既製品で良いものがありますし、値段も安いものが入手できますから、手編みということが少なくなっているのではないでしょうか。
 昨年11月にぬりえ展でドイツに滞在したときに、冬の季節を過ごすのに、よく手編みをするということをお聞きしました。商店街の毛糸のチェーン店のウィンドーに、ターコイズブルー系の色合いの毛糸を使った素敵なニット商品が飾られていて、思わずお店に入ってしまったことがありました。
 そして、今年の10月、フィンランドのヘルシンキを訪れたとき、ぬりえと編み物の共通点を挙げたイラストレーターの女性がいました。編み物をしていると集中できて、気持ちが癒されるが、ぬりえにも同じようなことを感じると言うのです。編み棒の先に神経を集中して、同じことを繰り返す動作により、気持ちが落着いてくるのかもしれません。
 今年の冬は編み物をなさいますか?それともぬりえをなさいますか?  (館)


ぬりえ美術館&周辺施設のイベント情報!

ぬりえ美術館「ぬりえトーク」
★12月21日(日) 14時~ *館長金子によるぬりえ解説 是非ご参加ください。

荒川河川敷「荒川景観ウオークラリー」
★12月7日(日):荒川・町屋 ★12月13日(土):尾久
お問い合わせ:荒川区都市計画課  電話番号: 03-3802-3111(内2814)

ムーブ町屋「遊び図鑑vol.3」ともだちつくろう!遊びもつくろう!
★12月13日(日)13時~17時 *「町屋駅」下車すぐ。サンポップ町屋4階

ぬりえ美術館「メディア情報」
●『アートをたのしむ東京地図本』に大人のぬりえサロンが紹介されました。
●『保育のひろば』12月号に「再発見!ぬりえの魅力」として特集ページに紹介されています。
●12月2日発行『サンデー毎日』にパリのぬりえ展が紹介されています。

今月のエントランス テーマ:「冬の装い」
「ひばちにあたりながら」/作家:きいち
寄贈者:福井紅子氏/ 昭和30年代
02312400.jpg


ぬりえの女の子は北風だって雪だって何のその、いつでも元気いっぱいです。
毛糸の帽子にマフラー、タートルネックなどの定番アイテムや日本ならではの半纏や火鉢が登場します。エコブームで暖房器具に頼らない地球に優しい日本古来の冬の過ごし方として半纏や火鉢が見直されています。昭和30年代の新しい冬の過ごし方をご覧ください。

<年末年始のご案内>
年内は12月23日(火・祝)まで、2009年は1月10日(土)より開館致します。

【展示室のご案内】
フランスのぬりえ展を開催中です。10月パリにて開催したぬりえ展の紹介とフランスの現代のぬりえ・昔のぬりえを展示します。きいちのぬりえやきせかえも展示しますので併せてお楽しみください。

投稿者 staff : 14:51 | コメント (0) | トラックバック

2008年11月29日

11月の美術館ニュース

秋の気配がいよいよ深く、鮮やかな紅葉の候となりました。赤や黄色に木々の葉が変わっていく様は、1年の最後に木々が身を燃やして、彩を輝かせているのかもしれません。
 今年の色合いはどのようでしょうか。楽しみです。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:バドミントンしましょう
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
寄  贈:福井 紅子氏

11月のエントランスは、スポーツをイメージするぬりえを展示しています。
 北京オリンピックで話題になったスポーツは数々あると思います。水泳(平泳ぎ)、100m走、フェンシング、卓球等々。その中で忘れてならない競技に、バドミントンが挙げられるのではないでしょうか。
 末綱聡子選手と前田美順選手が、アテネオリンピックの金メダリストの中国チームを破って、女子ダブルスで4位に輝きました。
 バドミントンといいますと、羽根つきと同じように考えられがちで、簡単なスポーツと思われてしまいますが、実はボクシングに匹敵するといわれるほどハードなスポーツなのです。「全ての球技の中で打球の初速が最も速いことで、ギネスブックに認定されている。スマッシュの初速は、最速で時速350km以上に達する。更に競技としてのバドミントンは、緩急を使い分ける様々なショットやフットワーク、対戦相手との駆け引き、ダブルスの場合、ペアとのコンビネーションなど多岐にわたる技術を必要とし、パワーや瞬発力とともに持久力の優劣も勝負を左右する、複雑で非常に激しいものである」『ウィキペディア(Wikipedia)』
オリンピック競技であっても日本では、バドミントンはまだまだマイナーな競技でしたので、
中学時代にバドミントン部に所属し、東京都で男女とも2位になったこともあり、少しでもバドミントンに携わった者として、バドミントンが注目されることは大変嬉しいことでした。
 さてバドミントンは、ハードなスポーツの面もありますが、誰でもが取り組めるスポーツという面もあり、子供からお年寄りまで楽しむことができます。ぬりえも誰でも取り組むことができるという点で共通点があります。バドミントンもぬりえもこれから、もっと多くの方にしていただきたいと願っています。(館)

行楽シーズンの到来です
ぬりえ美術館周辺施設のイベント情報!

ぬりえ美術館「ぬりえトーク」
★11月16日(日) 14時~ *館長金子によるぬりえ解説 是非ご参加ください。

荒川河川敷「荒川リバーサイドマラソン」
★11月16日(日)9時40分スタート  *荒川河川敷・右岸を走ります

あらかわ遊園「それいけ!アンパンマンショー」
★11月16日(日) 荒川区荒川8-25-3 *都電「荒川遊園地駅」下車徒歩3分

ムーブ町屋「遊び図鑑vol.3」ともだちつくろう!遊びもつくろう!
★11月8日(土)・12月13日(日)13時~17時 *「町屋駅」下車すぐ。サンポップ町屋4階

【荒川区以外のイベント情報】
★上野の山文化ゾーンフェスティバル<台東区>2008年12月31日(水)まで
★横浜トリエンナーレ<横浜市>今年3回目となる横浜トリエンナーレが開幕。2008年11月30日(日)まで 
★湯島天神・菊まつり<文京区>2008年11月1日(土)~23日(日) ※湯島天神:千代田線「湯島駅」より徒歩2分
★浅草大観光祭<台東区>2008年11月16日(日)まで 

ぬりえ美術館「メディア情報」
●10月6日 徳間書店発行 「自転車さんぽ」で訪れたい場所として、ぬりえ美術館が紹介されています。
●11月8日 NHKラジオ「どよう楽市」の”楽市カフェ”に館長が生出演します。※放送時間 9:15~9:45


今月のエントランス

「ゴルフ」/作家:きいち
寄贈者:林包明氏/ 昭和30年代
日本にゴルフコースができたのが
1901(明治34)年。このぬりえが描かれた昭和30年代には、カナダ・ゴルフカップで中村寅吉が優勝し、ゴルフブームに火がつきます。1959(昭和34)年には、ゴルフ場が全国153ヶ所あったそうです。

展示室のご案内11月はフランスのぬりえ展を開催します。10月パリにて開催したぬりえ展の紹介とフランスの現代のぬりえ・昔のぬりえを展示します。きいちのぬりえやきせかえも展示しますので併せてお楽しみください。

投稿者 staff : 11:19 | コメント (0) | トラックバック

2008年11月08日

10月の美術館ニュース

秋が深まります。今年もこころを豊かにする素敵な展覧会や音楽会、演劇などが開催されます。秋の夜長の長い時間をお好きなもので、こころゆくまで過ごしていただきたいとおもいます。その中に“ぬりえ”も入れていただけると、「うれしいな」と思います。

ぬりえのこころ -今月の一枚-

タイトル:ナカヨクゴホン
作  者:フジヲ
年  代:昭和20年代
寄  贈:田島 志磨子氏

10月のエントランスは、芸術、読書、食欲など秋をイメージするぬりえを展示しています。
 読書ばなれが言われていますが、これは日本だけの話ではなく、ぬりえの調査のために海外の図書館を訪れて取材をしていますと、殆どの国で子どもたちに本を読んでもらうための様々な取り組みがなされていることが分かります。
 ニューヨーク(以下NY)を訪れた際に訪問したミッドタウンの53丁目、ヒルトンホテルの近くのMOMA(NY近代美術館)の前にあるNYパブリックライブラリーの中のドネルライブラリーでは、「サマーリーディングクラス(夏の読書クラス)」と言って、図書館で何を読むかリストをつくり、夏の間にどれだけそのリストの本を読んだか記録する施策や、パーティーやマジックショーなどのパフォーマンスや映画会を開催するなどをしていました。
 面白いと思った施策は、「読み聞かせ」ですが、ドネルライブラリーでは、小さい子どもに読み聞かせをしているそうですが、本を読むことができないような小さい子どもには、「子どもが犬に本を読んで聞かせる」ということをしているのだと聞きました。犬を相手にすると、どうにか子どもは本を読めるのというのです。
誰かのために何かをするということが、小さい子どもにも責任感のような気持ちをいだかせ、それで本を読むことができるようになるのでしょうか。
 本はさまざまな体験をさせてくれます。ぜひ本と取り組んで欲しいと思います。(館)

芸術の秋、読書の秋!

■ぬりえ美術館周辺施設のイベント情報!
【催】都電荒川線沿線ウォークラリー
★10月12日(日) 午前10~午後3時(受付は正午まで) コース受付 町屋駅前停留所 ほか3ヶ所
都電荒川線を利用し、沿線の観光スポットや史跡文化財、商店街などを歩いて巡る催しです。
ぬりえ美術館も1スポットとしてスタンプ台に載っています。また、区内商店街ではお得な割引
サービスの提供や、無料のつまみ食いコーナーを設けて皆さんをお待ちしています。
また、各コースの観光スポットでは、荒川区観光ボランティアガイドが説明を行います。
各コースにあるチェックポイントでスタンプを押して、1コース以上ゴールすると、抽選で
すてきな賞品が貰えるそうです。ぜひ皆さんでご参加ください。
【問合せ】観光振興課 電話番号: 03-3802-3111(内線461)

【花】尾久の原公園 彼岸花の名所
★9月20日~10月10日 荒川区東尾久7-1 *都電荒川線「東尾久三丁目」下車 徒歩10分

【荒川区以外のイベント情報】
★上野の山文化ゾーンフェスティバル<台東区> 2008年9月1日(月)~2008年12月31日(水) 
http://www.city.taito.tokyo.jp/index/000024/045989.html

★横浜トリエンナーレ<横浜市> 2008年9月13日(土)~2008年11月30日(日) 
 今年3回目となる横浜トリエンナーレが開幕。現代アートのお祭りです。
http://yokohamatriennale.jp/

★[秋祭り2008]根津・千駄木下町まつり<文京区> 2008年10月18日(土)・19日(日) <メイン会場> 根津神社
 フリーマーケットや模擬店などが並ぶ、下町の楽しいおまつりです。
http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_event_shitamachi.html

★浅草大観光祭<台東区> 2008年9月14日(日)~2008年11月16日(日) 
浅草寺に江戸の街が再現されます。小判でお買い物もできます。
http://www.e-asakusa.jp/event/sensouji50th.html

★両国ぶらり街かど展
2008年11月16日(日)まで
歴史ガイドボランティアによる歴史文化探訪。ユニークなツアーもたくさんあります。
http://www.kanko-sumida.com/ryougoku/rekishi.html


■ぬりえ美術館メディア情報
●9月27日発行 『ここち』のここち掲示板にぬりえ美術館が掲載されました。
「ここち」は自分の時間を大切にする30~40代の女性を応援する毎日新聞社発行のタブロイド新聞です。
●10月6日 徳間書店発行 「自転車さんぽ」 で訪れたい場所として、ぬりえ美術館が掲載されます。

■今月のエントランス
「ナカヨクゴホン」
 今月のエントランスは、「芸術の秋」「読書の秋」「食欲の秋」をテーマに展示しております。
 この作品の作者のフジヲは、蔦谷喜一こと「きいち」です。戦争以前、「フジヲ」のペンネームでぬりえを
描いていました。お姉さんが弟に、お話の本を読んであげている場面でしょうか。心温まる作品ですね。

投稿者 staff : 16:46 | コメント (0) | トラックバック

2008年09月28日

9月の美術館ニュース

 今年は日仏友好150年の年に当たります。150年前の1858年9月3日に、日仏修好通商条約が締結されました。そのフランスはパリにおいて、9月30日から10月11日まで、ぬりえ展を開催いたします。条約が締結された日を新暦に直しますと10月9日になり、ぬりえ展開催期間中になります。芸術の都であり本物がわかる国と言われるフランスはパリ、パリジャンやパリジェンヌの反響が楽しみです。

00163s.jpg


タイトル:おじいちゃまそんなにいい気持ち
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
寄  贈:川越 公子氏

9月のエントランスは、敬老の日や家族をイメージするのぬりえを展示しています。
 最近、誰かの肩をたたいてあげたことはありますか?
核家族といわれてずいぶん久しいですが、家族の形態が変化してきていますので、このようにおじいちゃんやおばあちゃんの肩をたたいてあげるという姿は少なくなったのではないでしょうか。
  直接肩をたたくことはできなくても、敬老の意を表すことはできるのではないでしょうか。
 ぬりえはその中のひとつにあげられると思います。様々なイメージのぬりえを塗って、おじいちゃんやおばあちゃんに送ってあげましょう。遠くにいてもきっとこころ、気持ちを伝えることができるのではないでしょうか。
 7月に、北海道から老人保健施設で働く20代の方が来館されました。入居者の方のお部屋に
きいちのぬりえが貼ってあり、それが可愛くて、見学に来たとおっしゃっていました。入居者のご老人に、娘さんか息子さん、またはお孫さんがきいちのぬりえ本を送ってさしあげたのかもしれません。又は送られてきた孫さんが塗った絵が貼られていたのかもしれません。いずれにしても、こころ和ませるぬりえです。
 今年の敬老の日には、ぬりえを活用してみてはいかがでしょうか。(館)


ぬりえ美術館周辺施設のイベント情報!
鳴く虫と秋の七草の会】荒川自然公園
★9月13日(土)・14日(日) 荒川区荒川8-25-3 *都電「荒川二丁目駅」下車すぐ

【第28回 あらかわの伝統技術展】荒川総合スポーツセンター
★9月5日(金)~7日(月) 午前10時~午後5時  入場無料
荒川区には江戸の技術を今に伝える職人さんがたくさん住んでおられます。その荒川区内の職人さんたち総勢60余名が一同に会し展示や実演を行います。つまみかんざし、唐木細工、提灯文字、指物、刷毛、木版画摺、寄席文字など熟練した職人さんの手仕事の技を間近で見ることができ、職人さんたちとふれあえる、楽しい和のイベントです。
このように荒川区では手仕事による作品に『荒川ブランド』と銘打って機械に出来ない技術をより広く紹介しています。ハンドメイドの良さを感じられる催しとなっています。是非、いらしてみてください。
■東京都荒川区南千住6-45-5  
◆お問い合わせ先 03-3802-3901
*都電「区役所前」・「荒川一中前」 下車徒歩5分
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/a005/d05200027.html

【皆川号外コレクション展】荒川ふるさと文化館1F企画展示室
★7月19日~9月15日(月・祝日) 午前9時30分~午後5時 入館料100円
故・皆川氏による約65年に渡る号外のコレクションです。規模と水準がら日本一と称されています。
ニュースの重要性が高いかどうか推し量るモノサシとして、号外は時代を刻印するものでもあります。
 ◎企画展記念講演会 「新聞の歴史 号外の歩み」 9月15日(月・祝)午後2時~4時(会場:午後1時30分)
 会場:荒川ふるさと文化館 地下1階視聴覚室 講師:春原昭彦先生(上智大学名誉教授)
■東京都荒川区南千住6丁目63番の1号 
◆お問い合わせ先 03-3807-9234
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/a005/d05200024.html
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/a002/d05200001.html

ぬりえ美術館『メディア情報」
●8月末発売「全国おもちゃ博物館ガイド」にぬりえ美術館が掲載されます。
●9月18日発売エルマガブック「東京アート&カルチャー map」にぬりえ美術館が掲載されます。
●9月25日発売「京成らいん」にぬりえ美術館が掲載されます。


「おかたをたたきましょう」
02027s.jpg

今月のエントランスは「敬老の日」をテーマに、おじいちゃん、おばあちゃん、仲良しの家族が描かれたとても心温まる作品の数々をご紹介しています。

投稿者 staff : 16:45 | コメント (0) | トラックバック

2008年08月30日

8月の美術館ニュース

 8月8日から8月24日まで、北京オリンピックが開催され、熱い戦いが始まります。
 ぬりえ美術館のある荒川区のオリンピックの星は、北島康介選手です。北京での金メダルに一番近い選手です。北島選手、がんばれ!ニッポン、がんばれ!がんばれ、ニッポン!

8月のエントランスは、夏の生活をイメージするのぬりえを展示しています。

タイトル:ぼたもち
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
寄  贈:藤本 耿子氏

 ぼたもちとおはぎ、どう違うのでしょうか?
 ぼたもちは「牡丹餅」、おはぎは「お萩」と呼び名が違いますが、中味は同じもの。ぼたもちは、牡丹の季節、春のお彼岸に食べるもので、あずきの粒を牡丹の花に見立てたもので、おはぎは、萩の季節、秋のお彼岸で、あずきの粒を萩の花に見立てたものだそうです。
 お彼岸におはぎをいただくようになったのは、江戸時代に、お彼岸や四十九日の忌明けに食べる風習が定着したようです。理由は、あずきの赤色には、災難が身に降りかからないようにするおまじないの効果があると信じられていたそうで、古くから邪気を払う食べ物としての信仰が、先祖の供養と結びついたと言われているそうです。
 先日、6月15日(日)に、私が代表をしています山岡鉄舟研究会で靖国神社を正式参拝させていただき、遊就館などを見学してきました。靖国神社には明治以来の戦争で亡くなった英霊がお祭りされていますが、私にも第二次世界大戦で亡くなった伯父がおります。その伯父がぼたもちが大好きだったそうで、まだ日本にいるときには、祖母と母が兵舎までぼたもちを重箱につめて持っていったと、お盆に祖母がぼたもちを作るときに、何度もこの話を聞かされました。
そのため私には、ぼたもちは夏の思い出であり、19歳で志願して亡くなった伯父さんの思い出でもあります。今年も8月15日がやってきます。(館)


夏がきた!ぬりえ美術館周辺施設のイベント情報!
【荒川自然公園 情報】
★「鳴く虫と秋の七草の会」 9月13日(土)・14日(日)
 東京都荒川区荒川8-25-3 *都電「荒川二丁目駅」下車すぐ
【あらかわ遊園 情報】
★子どもプール、オープン 営業日 7月19日(土)~8月31日(日)
★カブト・クワガタ展
 世界最大のギラファノコギリクワガタとアジア最大のコーカサスオオカブトほか12種類のカブト・クワガタを展示します。
 開催期間 7月19日(土)~8月17日(日) *都電「荒川遊園地前」下車、徒歩3分
【荒川ふるさと文化館 情報】
★勾玉(まがたま)作りにチャレンジ!
 穴を開けて、ピカピカに磨きあげ、ネックレスにして持ち帰れます。
●日時:8月3日(日)・8月7日(木)いずれか1日 午前9時~午後2時(午後12時から午後1時までは休憩時間)
●定員:各回20人(区内在住または在学の小学4年生~中学生)
★俳句を作ろう!
 俳句「五・七・五」の世界にふれ、色紙に自分のオリジナルの俳句を作ります。
●日時:8月8日(金) 午前9時~午後3時(午後12時から午後1時までは休憩時間)
●定員:小・中学生30人(申し込み順) 住所:荒川区南千住6-63-1 電話番号: 03-3807-9234


第3回JOMO夏休み全国ぬりえコンテスト
今年も7月20日(日)~8月31日(日)までぬりえコンテストが開催されます。幼稚園児以下の部から一般の部までございます。
ご家族の皆様お揃いでぜひご応募してみてはいかがでしょうか。 URL:http://www.j-nergy.co.jp/nurie/nurie.php


今月のエントランス

今月のテーマは「夏の思い出」です。
夏は浴衣を着てお祭りに行ったり、長期休暇を取って旅行に行ったり、様々な夏の思い出が思い出されます。今回の展示作品の中にもラジオ体操を扱ったものがありますが、ぬりえの中のラジオ体操をしている女の子のように暑さに負けず、元気に夏を乗り切り、今年もたくさんの夏の思い出を作ってください。


ぬりえ美術館『メディア情報』
7月27日NHKラジオ第一「日曜訪問」「ぬりえを文化」にしたいという内容で、館長・金子が登場しました。


【展示室のご案内】
10月26日(日)まで、昭和10年代のぬりえ展を開催します。人気キャラクターベティ・キューピーが登場するぬりえ、役者絵風のぬりえなど、文化レベルの高いハイセンスなぬりえをお楽しみください。

投稿者 staff : 13:58 | コメント (0) | トラックバック

2008年08月03日

7月の美術館ニュース

もうすぐ夏休みがやってきます。夏の楽しみには、旅行が挙げられるとおもいます。昨年日本には840万人もの観光客が来たそうです。2010年に訪日外国人旅行者数を1,000万人とするとの目標でキャンペーンがされていますが、アニメ人気や円安等で2010年を待たなくても1,000万人を達成するかもしれません。頑張れニッポン!

7月のエントランスは、海や夏をイメージするぬりえを展示しています。

金魚の歴史は、中国が発祥とされ、日本には室町時代に入ってきたといわれています。江戸時代の中期には、メダカと一緒に庶民の愛玩物となっていったようです。化政文化期には現在の三大養殖地(奈良県大和郡山、愛知県弥富市、江戸川)の大量生産・流通体制が確立し、金魚の価格が下がったことから本格的な金魚飼育が庶民に普及。幕末には金魚飼育ブームが起こったそうです。明治時代以降は学校での飼育が始まり、第二次大戦後は理科の教材として取り上げられ更に普及したのだそうです。今でも我々にとっては金魚すくいなどを通じて馴染みがありますね。
 大和郡山市では、全国金魚すくい選手権大会を開催しています。下記URLをご参照ください。
http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/kingyo/index.htm
 1994年7月8日には、宇宙酔いなどの研究のため、弥富町(当時)産の6匹のキンギョが向井千秋宇宙飛行士らとともにスペースシャトル「コロンビア」号に搭乗したこともあったそうです。愛玩物としてだけでなく、研究にも役にたっているのですね。
 ちなみに8月第3日曜日は、「金魚すくいの日」だそうです。皆様も金魚すくいに腕をふるってみてはいかがでしょうか。(館)


星に願いを・・・プラネタリウムとぬりえ美術館を訪ねる夏の日!

 星・願い・七夕、胸がワクワクするロマンチックな言葉です。
 七月は、またの名を棚機月(たなばたづき)といいます。七夕はご存知のように、5節句の七夕しつらい。七夕と書いて実は「シチセキ」と読み、七夕の節句といいます。竹に折り紙で作った飾りをつけて色とりどりの短冊にお願い事を記し枝に括ります。女子の手芸上達、習字や和歌の上達を祈った行事で、織姫星が昇るころ供えものや和歌を詠んだ短冊を捧げたのだそうです。織姫星は夏の星空に強く輝くこと座のα星(ベガ)。今年は夜9時頃東の方向を見ると真っ先に飛び込んで来るのが織姫星と彦星。お天気に恵まれると良いのですが。
 ぬりえ美術館のある荒川区の街にもプラネタリウムがあります。レトロな雰囲気の建物の中で星空を楽しめるとのこと。ぬりえ美術館と合わせて町屋の下町散歩に訪れてはいかがでしょうか。
 せめて心に晴れた空を広げ、お部屋で本のページを静かに繰るひと時を楽しむ、ぬりえに夢中になって色に遊ぶひと時をた過ごすというのも、雨の日を楽しく変える方法ではないでしょうか。皆さんも楽しい雨の日の過ごし方たくさん見つけて梅雨も素敵な季節として過ごせるといいですね。


【荒川プラネタリウム館 情報】

荒川区荒川4-19-1(荒川図書館の隣) 
JR三河島駅(徒歩10分)
地下鉄町屋駅、京成町屋駅(徒歩10分)
『区民プラネタリウム』の実施日時
毎月第2土曜日、第4土曜日
受付:13:30~14:00 *投影:約1時間
プラネタリウム館  電話番号: 03-5811-5510

今月のエントランス 「あさがお」


 7月のエントランスは、海・朝顔・花火・金魚と夏の風物をテーマとして展示いたしました。夏のまばゆい日差しの中で、きらきらとちりばめられていく思い出の数々。かけがえない時の一瞬一瞬をあざやかに切り取り誰の心にも夏がひときわ楽しく活気にあふれる季節だという思いを残してくれるでしょう・・・。

【展示室のご案内】

7月27日(日)まで、昭和20年代・30年代のぬりえの中から、「夏」をテーマにしたぬりえの展示いたします。水遊びの様子や、浴衣姿の女の子などが描かれ、当時のファッションや生活を垣間見ることができます。

投稿者 staff : 16:56 | コメント (0) | トラックバック

2008年07月05日

6月の美術館ニュース

 
 5月のアフリカ開発会議、7月のサミット(主要国首脳会議)などが開催され、日本に外国から多くお客様が見えますが、実は今世界の多くの国で日本は大変人気があります。その背景には、日本の“おもてなしのこころ”があるからだと思います。梅雨のうっとうしい時期、身近な人々にも、忘れずにお伝えしたいですね。

タイトル:あめがつよくなってきた
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
 
935s.jpg

6月のエントランスは、雨をイメージするぬりえを展示しています。
 梅雨の時期の思い出は、何がありますか?
わざわざ水溜りの中を、ピチャ、ピチャと入っていったりしたことはありませんか。傘を駅までお父さんのお迎えに持っていったりしませんでしたか。また逆に、お母さんにお迎えに来てもらったことはありませんでしたか。いろいろ思いだされることがありますね。
「あめがつよくなってきた」は、ビニールの雨合羽(レインコート)をきた少女が描かれています。ビニールですから、下の洋服が透けている様子がわかります。昭和30年代に、このような雨合羽が流行したことを思い出します。ピンク色の雨合羽だったように思います。ビニール製ですが、新しく世に出てきた流行の物ですから、それがとてもお洒落だったのです。
この少女も雨が強くなってきたなと空を見上げていますが、なんだかその雨を嬉しがっているようにも見えます。雨合羽があるから、雨が強くなってきても、私は平気よ。と思っているように見えます。子どもの時には、雨も楽しかったということも思い出してきました。
 6月~7月は、ぬりえを通して、日本の夏の知恵ある過ごし方を見ていただこうと思っています。昔は、どのように過ごしていたのでしょうか。ぜひ楽しみいらしてください。(館)

雨が降る日は・・・おうちでぬりえ?!
6月は陰暦で水無月(みなづき)、鳴神月(なるかみつき)、青水無月(あおみなづき)と何か雨を思わせるような異名を持っています。

 豊かな雨の恵みに潤った樹々の青、しずくに輝くあじさいの花の青、雨後に清められた空の青・・・そんな様々な青によるコントラストのイメージを広げ空想に遊べば内にこもる憂鬱さを忘れることができるかもしれません。

 せめて心に晴れた空を広げ、お部屋で本のページを静かに繰るひと時を楽しむ、ぬりえに夢中になって色に遊ぶひと時を過ごすというのも、雨の日を楽しく変える方法ではないでしょうか。皆さんも楽しい雨の日の過ごし方たくさん見つけて梅雨も素敵な季節として過ごせるといいですね。

今月のエントランス 「かあさんむかえにいきましょう」
00661s.jpg

 雨にまつわる幼い頃の思い出といえば、急に降り出した雨でお母さんが学校へ傘を持ってお迎えに来てくれたり、夕方、会社帰りのお父さんを駅まで迎えに行くお遣いをしたりといったことがあるのではないでしょうか。
 北原白秋の「あめふり」にもあるように、歌いだしたくなるようなうれしい気持ちになったものでした。
 今では誰もが仕事を持って忙しいため、なかなか見られない光景となりましたが、雨の日に優しい気持ちになれる、明るい気持ちになれるような風物を探し出すのも素敵なことだと思います。

【ぬりえ美術館 メディア情報】
○女性向けコミック雑誌 『Kiss PLUS 7月号』(6月7日発売)の連載
 「なつカワ手帖」にぬりえ美術館が紹介されます。
○雑誌『ビッグコミック オリジナル 5月号』(5月5日既刊)
 「3丁目の夕日」にぬりえが題材のストーリーが掲載されました。
 ぬりえ美術館にて閲覧していただけます。

ぬりえ講座
船橋市東部公民館にて下記日程で開催されます。
期間:6月20日、 6月27日、7月4日、7月11日
東部公民館ホームページ


【展示室のご案内】
7月27日(日)まで、昭和20年代・30年代のぬりえの中から、「夏」をテーマにしたぬりえの展示いたします。水遊びの様子や、浴衣姿の女の子などが描かれ、当時のファッションや生活を垣間見ることができます。

投稿者 staff : 12:11 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月08日

5月の美術館ニュース

新緑が美しい季節となりました。ぬりえ美術館の近くにある都立尾久の原公園内でも、木々をわたる風が気持ちよく、ウォーキングの人の疲れを癒しています。ゴールデンウィークのお休み等もあり外に行くには大変いい季節です。足をのばして、若葉の緑を楽しまれてはいかがでしょうか。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:あやめ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:川越 公子氏

5月のエントランスは、春の植物・動物をイメージするのぬりえを展示しています。
 五月は皐月といいますが、別名「菖蒲月(あやめづき)」ともいうそうです。
 あやめ、杜若などは東京でしたら明治神宮等で楽しむことができますが、紫色や白など大変上品で気高い感じのする花です。
花の好みはいろいろにあるかもしれませんが、枕草子の清少納言は、「木の花は」において、“木の花は梅、濃くも薄くも紅梅が好き。桜は、花びらが大きくて枝がほそのいのが好き。 藤の花、花房がながく、色うつくしいのがめでたい。卯の花は品格がややおとり、どうということはないけれど、咲く時節が面白い“などと書いている。「草の花」では、秋草が取り上げられています。“なでしこ。おみなえし、ききょう、菊”など。
 このように日本人は、古の昔から季節を楽しみ、季節ごとの花を生活に取り入れて、暮らしてきたのですね。
 大人たちは、季節、季節の花や行事に事寄せて、日々の生活に彩をつけていたのだと思われます。ぬりえの少女も、子供のころから、桜やあやめ、つつじ、藤など、きっとおばあちゃんにつれられてお花見をしてきているのだろうと想像されます。その大人に子どものころから連れられてそのような習慣に慣れていくと、習慣は身について、大人になっても忘れないで、また次の世代に引きついでいかれることになります。
 枕草子の時代から、1000年余。いまも日本人は四季を愛で、日々の暮らしに取り入れ、楽しんでいます。これからも、それが1000、2000年と続いていくことを願っています。(館)


都電沿線のバラ情報!
新緑の美しい季節になりました。
先月は荒川区の区の木である「桜」の見どころ情報を掲載いたしました。今月はバラの名所をご紹介いたします。都内唯一の路面電車である都電荒川線はバラの名所で、5月から6月にかけて停留所や沿線でバラを楽しむことができます。
 「三ノ輪橋駅~荒川車庫前駅」の沿線には140種類、12,600本のバラが植樹されております。特に荒川線終点停留所の三ノ輪橋とあらかわ遊園のある荒川遊園地前は、区民ボランティアがバラの維持管理をしています。
 都電荒川線の1日乗車券は大人400円。初夏のお散歩にバラを眺めにいらっしゃいませんか。

今月のエントランス

5月のエントランスは、緑がいっせいに芽吹き、風薫る爽やかなこの時分に相応しく、陽の光の下、動物や植物など自然の中に身を置いたぬりえをピックアップしてみました。
自然の生命力を体一杯に感じた女の子たちの、はつらつとした表情を見ていると、外気に触れてうれしい様子が感じとれ、見ている私たちも元気にさせてくれるようです。

【ぬりえ美術館メディア情報】
○タブロイド誌『日経23 PLUS』の特集「ゴールデンウィークに楽しみたい美術館・美術展」のなかでぬり え美術館が紹介されています。(4月27日東京23区発行の日経新聞折込)
○日テレG+(ジータス)の番組「おとな館」にて3月~5月の企画展である携帯ぬりえのワークショップの様子が紹介されました。(放映日:4月19日22:00~22:50)

【展示室のご案内】
6月1日(日)まで「携帯絵かき笠尾の絵コミュニケーション展」を開催しております。5月10日(土)13時30分~携帯ぬりえのワークショップを開催します。美術館にてご予約ください。

投稿者 staff : 15:36 | コメント (0) | トラックバック

2008年04月27日

4月の美術館ニュース

桜の花とともに4月が始まりました。入学、就職など新しい物事が始まる月を桜がお祝いしているようです。桜の花は、日本人のこころを表していますが、その美しさ、形から、様々なもの(グッズ等)に展開されています。きいちも整った形から、一番桜を描いたと言っています。

  
 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

fuzio-100.jpg

タイトル:いちねんせい
作  者:フジオ
年  代:昭和30年代
寄  贈:佐藤 章子氏
    
4月のエントランスは、新入生・春の花のぬりえを展示しています。
小学校、中学校、高校、大学と新入生の時は、いくつかありますが、一番思い出深いものは、子どもにとっても、親にとっても小学校ではないでしょうか。思い出すと何か甘酸っぱい、キュンとする思いになります。
 小学校に上がるということは、子どもの人生にとって、大変大きな出来事であり、幼稚園のように先生が面倒を見てくれる場所ではないので、甘えていられない、自分でいろいろなことをしていかなければならないという、新しい世界に船出をしていくような思いがあると思います。
 人生の初めての学び舎である小学校は、子どもたちの人生にとって非常に大事な場所であり、大切な時間であることは誰もが認めることだと思います。その空間、時間を大切に使って欲しいと思います。
 今、ぬりえが大人の脳を活性化することで、「大人のぬりえ」が流行しています。同じことが子どもたちの脳にも言えます。子どもたちがぬりえをしている時の脳測定をしてみたことがありますが、子どもたちにとってぬりえをすることは、「集中力」に非常によいという結果がでています。
最近、学校では子どもたちに集中をさせることは大変難しいと謂われていますが、ぬりえは大変有効ですので、是非活用をしてもらいたいと思っています。集中力がでてくると落ち着いてくるという声をお母さんたちからもお聞きします。又集中しているときの気持ちよさ、集中後のすっきり感を体感すると、他の勉強にも良い影響が現れるのではないかと考えています。
今は、ゲームが人気でぬりえをする年齢も低年齢化していますが、小学校時代にもぬりえを取り入れて、脳の活性化を図っていただきたいと願っています。 (館)


町屋に春がやってきた!
 寒い季節が終り、町屋にも春がやってきました。
 荒川区には、花の名所が多くあります。そのため、荒川区の区の木は「桜」、区の花は「つつじ」というのをご存知ですか。
 美術館の近くでは、シダレサクラの咲くことで有名な都立尾久の原公園があります。尾久の原公園は隅田川の野鳥や昆虫、葦などの湿生植物が生い茂り、自然が自然のまま残されていて、トンボが生息するトンボ公園としても知られています。毎年、4月初旬には「シダレザクラ祭り」が開催され、多くの人々が訪れ、区民の皆さんの憩いの場になっています。
 そして少し足を延ばすと、大人からこどもまで楽しめるあらかわ遊園や、区役所の近くの荒川公園でもシダレザクラやソメイヨシノが咲き、お花見でにぎわいます。
 また、4月中旬から下旬にかけて、都電「小台」駅前からつづくあっぷるロード小台商店街では、ひめリンゴの花が咲き、区民の皆さんに親しまれています。

今月のエントランス
4月のエントランスは、佐藤章子さまと石原眞理子さまより当美術館に寄贈していただいたぬり絵を中心に「春の訪れ」と題して展示しております。
やっと、暖かな春がやってきました。春は入学の季節です。毎年、桜の花を見ると皆さんも新しい服を着て、大きなランドセルを背負ってどきどきしながら学校の門をくぐったのを思い出しませんか。
ランドセルの歴史は古く、日本では江戸時代に幕府が様式軍隊を導入する際に輸入し、オランダ語の呼び名「Lansel」がなまって「ランドセル」になったものだといわれています。
 入学式に向う子供たちの初々しい姿に、春の訪れを感じますね。

【ぬりえ美術館 メディア情報】
○雑誌『nid vol.7』の特集「ローカル電車でまわる春の1dayトリップ」のなかでぬりえ美術館が紹介されています。 (3月21日発売)
○荒川区観光ガイド「あら・モード」にぬりえ美術館が掲載されています。 (4月発刊)
○東京MXテレビ「5時に夢中」の番組「東京乙女デート」で、ぬりえ美術館が取材されます。 (放映予定日:4月10日)
○「日本老友新聞」に”認知症予防に一役”とぬりえの人気やぬりえ美術館が掲載されました。(4月1日発行)


展示室のご案内
6月1日(日)まで「携帯絵かき笠尾の絵コミュニケーション展」を開催しております。4月12日・5月10日13時30分~携帯ぬりえのワークショップを開催します。美術館にてご予約ください。

投稿者 staff : 15:54 | コメント (0) | トラックバック

2008年04月08日

3月の美術館ニュース

春の訪れの3月は卒業シーズンでもあります。巷には卒業する大学生の美しい和服姿を見かけるようになり、華やかですね。皆様の新しい門出をお祝いしたいと思います。
 
 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:ちいさいおだいりさま
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

今月のエントランスは、三月のお雛様のぬりえを展示しています。

 女性にとって、ひな祭りはいくつになってもこころワクワクする楽しい行事のひとつですね。
先日、70代の方からお電話をいただき、そのなかで、「大きなひな飾りを子どもの頃に飾ってもらって、とても楽しみだった。片付ける日の前の夜は、おひな様の飾られた部屋に床を敷いてもらいました」というお話しがでました。
おひな様を3月3日を過ぎても飾っているとなかなかお嫁さんに行かれないと言われますが、昔もそのようなことを言われていたか、お尋ねしてみました。今から60年以上も前のことですが、やはり当時でもそのように言われていたそうで、お母様はお嬢様にお嫁さんに行って欲しいと願って、一生懸命早く片付けられていたことを思い出します、とおっしゃっていました。
 ぬりえの手前には、白酒のとっくりとお菓子が描かれています。菓子は、昔から伝わる伝統の盛り菓子で、金花糖の「鯛(たい)」、「団子」、生砂糖(きざと)の「蝶」や「桜の花びら」「わらび」等など、季節を感じられる品物と色合いで、おひな様の祭りを更に華やかにしてくれます。
 六本木ミッドタウンの有名菓子店のとらやでは、お菓子のほかにギャラリーで春の季節にふさわしく、また、日本人に愛されている代表的な花である「さくら」を取り上げ、お菓子の他に桜の柄の「風呂敷」や桜色の懐紙などの桜のグッズを販売し、好評だそうです。
季節ごとのお菓子やグッズを楽しめるのも、日本の四季が私たちにもたらしてくれる豊かさではないでしょか。 (館)

今月のエントランスは、三月のお雛様のぬりえを展示しています。

 女性にとって、ひな祭りはいくつになってもこころワクワクする楽しい行事のひとつですね。
先日、70代の方からお電話をいただき、そのなかで、「大きなひな飾りを子どもの頃に飾ってもらって、とても楽しみだった。片付ける日の前の夜は、おひな様の飾られた部屋に床を敷いてもらいました」というお話しがでました。
おひな様を3月3日を過ぎても飾っているとなかなかお嫁さんに行かれないと言われますが、昔もそのようなことを言われていたか、お尋ねしてみました。今から60年以上も前のことですが、やはり当時でもそのように言われていたそうで、お母様はお嬢様にお嫁さんに行って欲しいと願って、一生懸命早く片付けられていたことを思い出します、とおっしゃっていました。
 ぬりえの手前には、白酒のとっくりとお菓子が描かれています。菓子は、昔から伝わる伝統の盛り菓子で、金花糖の「鯛(たい)」、「団子」、生砂糖(きざと)の「蝶」や「桜の花びら」「わらび」等など、季節を感じられる品物と色合いで、おひな様の祭りを更に華やかにしてくれます。
 六本木ミッドタウンの有名菓子店のとらやでは、お菓子のほかにギャラリーで春の季節にふさわしく、また、日本人に愛されている代表的な花である「さくら」を取り上げ、お菓子の他に桜の柄の「風呂敷」や桜色の懐紙などの桜のグッズを販売し、好評だそうです。
季節ごとのお菓子やグッズを楽しめるのも、日本の四季が私たちにもたらしてくれる豊かさではないでしょか。 (館)


◆ぬりえ美術館への交通アクセスが広がります。◆

日暮里・舎人ライナー3年3月30日(日)開業。
小田急ロマンスカー3月15日より東京地下鉄(東京メトロ)へ直通運転を開始。

 ぬりえ美術館への交通アクセスとして、新たに加わった路線情報をご紹介いたします。
 新交通システム「日暮里(にっぽり)・舎人(とねり)ライナー」は、日暮里駅~ 見沼代親水公園駅の全13駅を通ります。日暮里から3つ目の駅熊野前(くまのまえ)は、都電荒川線熊野前駅と直結しています。隣駅の東尾久三丁目はぬりえ美術館の最寄り駅となっておりますので、一駅都電を利用されるか、天気の良い日には都電沿いに歩いて来られるのも良いかと思います。
 また、小田急ロマンスカーが東京地下鉄(東京メトロ)へ直通運転を開始することにより、北千住駅~箱根湯本間が開通します。北千住から町屋までは一駅ですので、厚木や箱根方面から来られる方は非常に便利になります。ロマンスカーですので、乗っているうちに旅行気分に浸ってしまうかもしれません。

【ぬりえ美術館 メディア情報】

○雑誌『nid vol.6』の特集「路面電車でワンデイトリップ」のなかで、ぬりえ美術館が紹介されています。(3月20日発売)
○東京電力の会員向けメールマガジン「テポーレ・悠々ナビ」に、大人のぬりえについての記事が掲載されました。

今月のエントランス

 3月のエントランスは福井紅子さまより当美術館に寄贈していただいたぬりえを「弥生月編」と題して展示しております。

 寒さが残る3月上旬。この時分に最初に私たちに春の喜びを与えてくれるのが、桃の節句です。
 きいちのぬりえにも登場する菱餅は白・緑・桃色の3色で構成されていますが、最初は白と緑の2色で、その後桃色(紅)が加わったそうです。
 これは、白い雪の中から緑の芽が出て桃色の花が咲くという春の息吹を象徴しているそうです。
 日本の行事を盛りたてる品々の組み合わせには、必ずといっても良いほど日本古来の祈りと文化の余裕を感じることができます。

【展示室のご案内】

6月1日(日)まで「携帯絵かき笠尾の絵コミュニケーション展」を開催しております。携帯電話で街並みを撮影して、それを下絵としてぬりえをしてもらう携帯絵かきの展示・企画展です。

投稿者 staff : 13:11 | コメント (0) | トラックバック

2008年02月24日

2月の美術館ニュース

新年明けましておめでとうございます。今年も楽しいぬりえの企画、情報発信をしてまいりたいと思っております。今年もご来館をお待ちしています。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:にらめっこしましょう
作  者:フジオ
年  代:昭和20~30年代
寄  贈:佐藤 章子氏

今月のエントランスは、二月の季節を感じられるぬりえを展示しています。

 川崎大師が昨年の11月から仏様のぬりえ「彩色仏画」というものを信徒の皆様に販売しています。このお正月は初詣の参拝の方が明治神宮、成田山についで、第三番目の287万人だったということですから、本堂に書かれていた「ぬりえ」という文字を、287万人の方々がが見たことでしょう。
 川崎大師では、“今ぬりえがブームである”こと、“他のお寺がまだぬりえというものをしていない”ということから、川崎大師平間寺が平成19年に開創880年を迎えるのを記念して、薬師殿を平成20年11月に開設するにあたり、薬師如来の眷属である十二神将のぬりえを作ることにしたのだそうです。
 お寺といいますと、写経や写仏がされていますが、この写仏というものは、筆をつかって仏様を描いていくものだそうで、筆を使わない現代、誰でもできるというわけにはいきません。
 その点ぬりえであれば、子どもから大人まで、誰もが親しめるものであり、下絵がありますので、色鉛筆、絵の具などで好きな色に彩色することができます。これにより、仏様により親しむことができるようになるのではないでしょうか。
 今回川崎大師がぬりえを出したことにより、他のお寺でも仏様のぬりえを始めるようになるかもしれません。
ところでこの絵との関係ですが、川崎大師の名物が達磨です。表参道、仲見世には達磨のおみせが数多くあります。
達磨は、魔除けの意味をもつ赤い衣を着、「七転び八起き」といわれるように、何度転んでも起き上がることから大漁、豊作、商売の縁起物として江戸時代から親しまれているもので、「七転び八起き」の不屈の精神があることから、選挙や合格受験の祈願がかけられるものでもあります。子どもの頃ににらめっこをしたことを思い出しませんか?    (館)

 昭和に幼少期を過ごされた方々には懐かしい“ぬりえ”が、21世紀の大人の遊びとして現在注目されています。
こうしたことから、ぬりえ美術館が各種メディアに取り上げられることも多くなってきました。今回は、自動車ユーザーの会員に向けて発行されている会報『ジャフメイト』と、『東京新聞』に掲載された記事をご紹介致します。


古くて新しい“ぬりえ”
会報『ジャフメイト』では、「はじめて楽しい 大人のぬりえ」として、ぬりえ再発見をテーマにした記事が掲載されました。
なぜ今、“ぬりえ”がブームなのでしょうか?ここに注目した記事ではまず、大人がブームの中心であることを取り上げています。脳のトレーニングになる等の話も追い風になっているようですが、なによりも“貧しくとも夢に溢れた時代へ”の郷愁が大きな理由の一つになっているのではないかということです。
美術館を訪れる方々も「懐かしい!」という言葉とともに、うれしそうな笑顔を見せてくださいます。


“ぬりえを文化に”

1月9日の『東京新聞』では、「懐かしい思い出 ぬりえを文化に」という見出しの下、その活動の発信源となっている当美術館の成り立ちとぬりえの魅力について紹介されました。
 昔から親しまれている“ぬりえ”ですが、ブーム以前、本格的に研究されたことはほとんどありませんでした。当館の館長である金子マサが美術館を設立するにあたり、ぬりえの研究を始めて知ったこと、それはぬりえに関する文献などがなく、文化として未成熟であるということでした。
「ぬりえを文化に」そうした考えのもと、美術館がぬりえ文化を創っていく役割の一端を担っているということを、記事を通じて皆様にお伝えできればと考えております。


今月のエントランス

2月のエントランスは、佐藤章子様、福井紅子様から寄贈していただいたぬりえを「如月編」と題して展示致します。
節分を迎え”春”とはいうものの、まだまだ寒さ厳しい季節の2月。気持ちまで縮こまってしまいそうになりますが、スキーや梅のお花見や、温かいお部屋の中でぬくぬくこたつでぬりえをして、ゆったり過ごすなど、この季節ならではの楽しみを発見して、暖かくなるのを待ちたいですね。

投稿者 staff : 13:58 | コメント (0) | トラックバック

2008年01月27日

1月の美術館ニュース

新年明けましておめでとうございます。今年も楽しいぬりえの企画、情報発信をしてまいりたいと思っております。今年もご来館をお待ちしています。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:いいおしょうがつ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:小沼 秋成氏

今月のエントランスは、お正月のぬりえを展示しています。

日本人にとってお正月は特別な行事のような気がしますが、皆様はいかがでしょうか。12月31日が終わり、1月1日に日が変わると、世の中の空気、雰囲気がまるで違うように感じるのは、私だけでしょうか。
元旦が真新しく、神々しく感じられ、そのような気持ちになると、今年一年の世界の人々の幸福や健康、家族の幸せを願わずにはいられません。
この気持ち、感じ方は、日本人の心の奥深くにあるもの、DNAと言ってもいいかも知れません。
今世界では、日本が大変人気になっています。歌舞伎、能、生け花などの従来からの伝統文化だけでなく、アニメ、マンガ、和食、武道、建築、和食等などが日本文化として、外国の方々に大人気なのです。日本のマンガを読み、日本的な世界観を面白いと思い、日本の柔道や空手などの武道を学ぶ。好きな食べ物は寿司という子どもたちも現れてきました。少し前までは、「日本人はローフィッシュ(生の魚)を食べる」と少し嫌な顔をされたものですが、日本食は健康的な食べ物として寿司は好評です。ほんの一例ですが、このように日本文化が世界に広がっています。

ところが私たち日本人は、日本に生まれただけで、日本のことを知らずにいても、日本人として過ごすことができます。しかし、例えば、外国の人から日本について質問されたとき、上手く回答することができるでしょうか。
日本の伝統、風俗がきいちのぬりえの中にはあります。小さい頃から、子どもたちにぬりえを通して日本を知ってもらうことができたらと願っています。
今年もぬりえについて、ご一緒にお話ししませんか。(館))

『ぬりえを旅する』発刊
ぬりえ美術館館長の金子マサが、世界各国のぬりえ事情を調査。

 この度、ぬりえ美術館館長金子マサによる、世界のぬりえを調査した著作『ぬりえを旅する』が発刊となりました。
 今回調査対象となった国は、●アメリカ編(ニューヨーク・シアトル)●チリ編(サンディエゴ)●ロシア編(モスクワ)●イタリア編(ボローニャ)●ベトナム編(ハノイ)です。
 幼稚園の訪問、先生や親のインタビューとアンケート調査。出版社及び関連施設訪問から各国のぬりえ文化を分析、解説したものです。

『ぬりえを旅する』
小学館スウェア刊
金子マサ・山本紀久雄共著
1,200円(税込)

「本書を通じて、ぬりえの魅力とその広い可能性を感じていただき、ぬりえに触れるきっかけとなれば幸いでございます」 金子マサ

2008 Winter in 町屋
●第3回●ムラマツ製菓
 ムラマツ製菓はウィスキーボンボンなど昔懐かしい味を守り続けている飴菓子製造販売店です。
 初めてウィスキーボンボンを作ったことでも知られている創業120年の歴史あるお店で東京下町、町屋名物の一つです。そのウィスキーボンボンは、チョコレートではなく、お砂糖の衣につつまれている素朴なボンボンです。種類は、ウィスキー、ワイン、日本酒と多彩です。色がカラフルで可愛らしい、そしてちょっぴり大人の味。
 昔懐かしいボンボンを町屋土産にいかがでしょうか?

【ぬりえ美術館 メディア情報】
○JAFMATE1月号に美術館情報が掲載されます。掲載記事はJAFMATEホームページでも、ご覧いただけます。
○12/29(土)9時から放送のテレビ東京『アド街ック天国』(年末2時間スペシャル~京成線タウン特集~)にて紹介されます。
○テレビ朝日『ちい散歩』にて美術館とぬりえサロンの様子が放送されます。1/16(水)頃の放送予定です。

今月のエントランス
 1月のエントランスは小沼秋成さまより当美術館に寄贈していただいたものの中から季節感のある作品を選り抜き展示しております。

 冬の寒さに負けないで羽根つきする姿やおしゃれして出かける姿の元気な女の子。いろりや火鉢で暖をとる懐かしい姿の女の子。ふわふわ暖かでやわらかい猫と遊ぶ女の子をどうぞ見にお出かけください。

【展示室のご案内】
ドイツ展を記念して2月24日(日)までドイツで収集されたぬりえを中心に展示いたします。

投稿者 staff : 15:36 | コメント (0) | トラックバック

2007年12月24日

12月の美術館ニュース

今年も残りわずかになりました。「もう幾つ寝るとお正月♪♪」と新しい年の始まりが待ち遠しいですね。今年最後の月を、締めくくりとして大事にお過ごしください。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:一つあげようきびたんご
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:林 包明様

今月のエントランスは、おとぎ噺のぬりえを展示しています。
「むかしむかし、ある所に子供のいない老夫婦が住んでいました。ある日、お婆さんが川で洗濯をしていると、大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れて来たので、お爺さんと食べようと持ち帰りました。2人で桃を割ると中から男の子が生まれましたので、「桃太郎」と名付けて大事に育てました。
成長した桃太郎は、鬼ヶ島の鬼が人々を苦しめていることを知り、鬼退治を決意しました。両親から黍団子(きびだんご)を餞別に貰い、道中それを使ってイヌ、サル、キジを家来に従え、鬼ヶ島で鬼と戦い、見事に勝利を収め、鬼が方々から奪っていった財宝を持ち帰り、お爺さん、お婆さんの元に返り、幸せに暮らしたとさ」というお話です。
桃太郎は、皆様もよくご存知のお話だと思います。子どもの頃に祖父母に聞いたり、絵本でよんだりして、御伽噺になじんでいったものでした。
きいちのぬりえの中には、風俗や四季の行事の少女の絵ばかりでなく、このように御伽噺や
童話、テレビのキャラクターから題材をとって、子どもたちのために描いています。絵本が購入できない子どもたちも、ぬりえであれば5円~10円の代金ですから、絵本より身近に読んだり、塗ったりできたのではないでしょうか。塗りながら、物語を覚えていったことでしょう。
このぬりえの桃太郎は、誰かの真似ではない、きいちオリジナルの「きいちの桃太郎」になっていて、日本画を勉強したきいちならではの力の入った作品であると思います。(館)


きいちのきせかえー復刻版ー発売!

ぬりえ美術館でも、今年の3月から5月にかけての企画展で、様々なきせかえを取り上げ展示いたしました。
お蔭様で大変好評をいただき、一部は展示スペースに引き続き残され、また、お客様にぬりえを楽しんでいただく体験スペースにも、実際お手にとって遊んでいただけるよう、幾つか紙のきせかえ人形も置いてございます。
「懐かしい、ぬりえ同様きせかえも好きだった」という、お声をいただくことが多く、当時のきせかえの原画が多数見つかったこともあり、ついにきせかえも復刻することとなりました。
可愛らしくカラフルに生まれ変わったきいちのきせかえは世代を超え、ご年配から小さなお子様まで、広く受け入れられ、お楽しみいただけるものと思います。


2007 Winter in 町屋
街を吹く風も冷たくなってきました。ほかほかと湯気がたつ温かいおやつが恋しい季節です。
博多屋さんの今川焼はアンコひと筋。しつこくない甘さでボリューム感ががあると評判です。あつあつはもちろん美味しいですが、冷めても味が落ちないというファンの声もあります。
ぜひ皆さんもぬりえ美術館からの帰り道にお立ち寄りになって、ご家族のお土産としてお持ち帰りはいかがでしょうか。(1個¥100です)


今月のエントランス

今月のエントランスは『桃太郎』をテーマに展示しております。
もうすぐ子ども達の楽しみなクリスマスやお正月です。贈り物に絵本や物語の本をもらって夢中になって読んだり、家族と過ごす楽しいひと時、おとなから昔話を聞いてくつろいだりした風景は今は昔のことなのでしょうか。
『桃太郎』の話も子ども達に人気の日本を代表する昔話のひとつです。
直接、口伝えで聞く物語は時間を豊かにし、温かで、そのとき聞いたお話も風景も、ずっと心の奥深く残ります。家族とそんなひと時を持つのもよいかもしれませんね。


【展示室のご案内】
ドイツ展を記念して2月24日(日)までドイツで収集されたぬりえを中心に展示いたします。

投稿者 staff : 16:00 | コメント (0) | トラックバック

2007年11月25日

11月の美術館ニュース

菊薫り、紅葉の色鮮やかに深まる頃、日本の秋の色鮮やかな景色が人々を誘います。
近所の公園にも、心を和ます秋の気配があるかもしれません。ちょっと外にでてみてはいかがでしょうか。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:かわいいいきょうだい
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:林 包明様


今月のエントランスは、七五三のぬりえを展示しています。
七五三は、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の年の11月15日に、成長を祝って神社・寺などに詣でる年中行事です。
手には千歳飴の袋を提げています。
千歳飴(ちとせあめ)は、親が自らの子に長寿の願いを込めて、そのために細く長い形状の飴になっています。縁起が良い紅白の色に着色されたものが一般的です。袋には、鶴亀(つるかめ)や松竹梅などの縁起の良い図案が描かれていたものです。
七五三の年齢は、ちょうどぬりえをする適齢でもあります。2歳では、まだただ塗りたくる錯画程度の絵ですが、3歳ともなりますと輪郭線の中に上手に塗れるようになります。子供にとって細部には大きな意味があり、幼い子供は、口元などを、くっきり描くことに夢中で、輪郭線をなぞろうとします。
5歳になりますと子どもは全体をとらえ、各部分を観察することができるようになります。
7歳では、もう上手に色分けし、自分の主張で物語性をもって塗ることができるようになります。
 ぬりえの中にも、子どもの成長を見ることができます。子どもたちが塗り終わったら、「よく出来たね!」と成長を祝うように、褒めてあげてください。明日また成長する励みになることでしょう。(館)


11月11日から12月2日まで
ドイツのカールスルーエという都市で、
日本のぬりえ展『Japanishe Nurie-Malerei』と題し、
展覧会を開催いたします。

再び海を渡って、きいちのぬりえを外国の皆さんにご紹介いたします。
前回のニューヨーク展に続いて開催となるドイツ展では、独日協会、カールスルーエ市国際交流センター、ぬりえ美術館の3者共催いたします。
11月11日のオープニングでは館長の金子による講演会や、独日協会の方によるミニコンサートが行われ、会場ではお寿司が振舞われ開催を祝います。
また、11月23日にはドイツの子ども達によるぬりえのコンテストの入賞が発表されます。
ぬりえコンテストはきいちのぬりえが使われます。きもの姿の女の子の作品も中には含まれますが、着物を着る経験のないドイツの子ども達がどのような色彩感を発揮してくれるか楽しみです。その模様はまた後日お伝えいたします。
きいちのぬりえを通して日本の子ども達の生活や、作品のかわいらしさ等をドイツの方々に紹介し、日本文化の交流に寄与することを願っています。

【○○の秋 in 町屋】
秋と言えば芸術、スポーツ、読書、食欲・・・。町屋ではその全てを味わうことができます。このコーナーでは、町屋のおすすめスポットの1つ、都立尾久の原公園をご紹介します。
町屋駅から美術館に来る途中には、下町らしいお惣菜屋さんやお菓子屋さんが軒を連ねています。そこでおやつや、お弁当を買って、美術館のすぐ近くにある尾久の原公園までお散歩してみるのはいかがでしょう。スポーツはもちろん、野草を観察したり、原っぱで読書を楽しむことが出来ます。
本格的な冬が来る前に、町屋でのんびり、秋を満喫してみませんか?

参考URL:
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index016.html
(財団法人 東京都公園協会)


【今月のエントランス】
七五三・秋の気配

今月のエントランスは七五三・秋の気配をテーマに展示しております。
菊の花満開の晩秋の頃、晴れ着を子ども達が、お父さん、お母さんに連れられて神社などへ向かう光景が多く見られるようになります。
子ども達の成長を喜ぶ家族も晴れやかな笑顔。きれいな衣装を着せて貰った子供たちもニコニコ。秋晴れの爽やかさにあいまって何度見てもこちらまでうれしさが伝わってくる、日本のよき伝統行事ですね。

【展示室のご案内】
ドイツ展を記念して2月24日(日)までドイツで収集されたぬりえを中心に展示いたします。

投稿者 staff : 16:32 | コメント (0) | トラックバック

2007年10月27日

10月の美術館ニュース

秋が深まり、静かな時間を満喫できる季節になりました。秋色に染まる景色の移り
変わりを楽しむのもいいのではないでしょうか。ゆっくりとした時間をお過ごしたいですね。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:かいぞくのふっく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:林 包明様


今月のエントランスは、キャラクターのぬりえを展示しています。
今年は、ジョニー・デップ主演の「パイレーツオブカリビアン/ワールド・エンド」のヒットのお蔭で、海賊が人気のようです。背景には、ジョニー・デップ人気とディズニーの人気アトラクションの「カリブの海賊」があるようですが、子供たちは空想の世界が好きですから海賊と聞くとワクワクするのでしょう。
 フック船長といえば、ピーターパンに現れる海賊船の
船長ですが、1953年(昭和28年)には、ディズニーで「ピーターパン」映画が製作されていました。ピーターパンというと、私はディズニーの絵本に描かれた、ピーターパンの絵が頭に浮かんできます。このぬりえも30年代ですからディズニー人気から描かれたものでしょう。
いたずらっ子のピーターパンや妖精のティンカーベルなど、可愛いキャラクターが活躍する
物語ですが、やはり山場はフック船長との戦いのシーンです。悪いフック船長がチクタクワニに食べられてしまうシーンは、怖いけれども、胸をドキドキさせながら読んでいたものでした。
 映画の世界では「海賊を題材にして映画は当たらない」と言われているそうですが、「パイレーツオブカリビアン」のヒットにより、そのジンクスを覆したと話題になりました。
 海賊の物語が人気のように、人々はいつもの自分と違った世界を夢見ることがあるのではないでしょうか。映画や物語には、自分を投影できる要素があります。かつてぬりえにも、自分の
憧れや夢を投影したので、大人気となりました。
別世界への憧れはいつの時代にもあるものだとおもいますが、21世紀は世界の海を自由に
渡っていくパイレーツなのでしょう。(館)


芸術の秋、、、アートの風に誘われて
東京交通局『ぴっくあっぷ』
東京メトロ『ボンジュールメトロ』に掲載

色とりどりに木々の葉も染まる秋。天高く吹く風も心地よく、どこかへぶらりとお出かけしたくなるような気分が高まります。
大切な家族、あるいは友達同士で、素敵な思い出作りに出かけるよい季節です。
秋といえば芸術。そして、東京お出かけスポット代表の1つとして美術館があります。当ぬりえ美術館もその中の1つとして、都営地下鉄/都電荒川線沿線を紹介する「ぴっく・あっぷ」と、東京メトロ沿線の情報季刊誌「ボンジュール!メトロ」に掲載されています。
秋の日の東京散歩、是非当館を訪れてゆっくり、ぬりえを楽しまれてはいかがでしょうか。

WEBでもご覧いただけます
東京メトロHP
http://www.tokyometro.jp/free_paper/index.html東京都交通局HP
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/index.html

◆きく姫さん、ご来館◆
10月1日(月)テレビ朝日 「東京サイト」13:55~にてぬりえ美術館が放映されました。
 過日、ナビゲーターで落語家のきく姫さんがこの取材にみえました。
 10月1日は、「都電荒川線の日」ということで、10月の第一週は、都電荒川線の沿線をきく姫さんが訪ねて、ご紹介するという内容のものでした。かわいいぬりえをご覧になり大変和まれたご様子で、ご自分でもぬりえをご購入。その場で1点作品を塗られて帰られました。


【ぬりえ美術館掲載情報】
○10/5発売 「明日の友」、たまさか紀行に掲載されました。
○11/1発売『月刊到知』11月号「第一線で活躍する女性」に館長が掲載されました。

今月のエントランス
ピーターパン・スーパーマン
今月のエントランスはキャラクターぬりえを展示しています。ピーターパンやスーパーマンなど子どもたちに人気のキャラクターも昭和30年代に、ぬりえ作品として世に出回りました。夢や憧れの気持ちを色に託して遊ばれたことでしょう。絵本や物語に出てくる登場人物を自分の手によって色をつけることにより、より楽しく親しみを持って心の友となることでしょう。


【展示室のご案内】
10月28日(日)までコマーシャルのポスターや商品を中心に、絹絵などの日本画を展示いたします。

投稿者 staff : 16:49 | コメント (0) | トラックバック

2007年09月29日

9月の美術館ニュース

残暑が続いていますが、それでも朝夕の風が少し涼しさを運んでくれるようになりました。
夜は虫の声を聞きながら月を眺めるのによい季節です。
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

【今月の一枚】

タイトル:おままごと
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:林 包明様

今月のエントランスは、林様寄贈の秋の風物をテーマにぬりえを展示しています。
ままごとは子供の遊びの一番といってもいい遊びですから、この絵を見て、「懐かしい!」と思った方は多いのではないでしょうか。
ままごと遊びは、お父さん、お母さん、赤ちゃんなど遊ぶ人たちを家族に見立てた役を振り分けて、食事や炊事等を模倣する遊び、ごっこ遊びのひとつです。
このぬりえには、キッチンやテーブル、まな板にお鍋などが描かれ、まな板の隣には電気洗濯機のおもちゃが描かれています。この電気洗濯機から、三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)の時代である昭和30年代ということがわかります。
ベビーブームの子供たちが大勢いた頃ですから、子供たちが4,5人集まっては、家の中で、また家の外でままごと遊びをしていました。このぬりえのような素敵なキッチンは誰もがもっているものではありませんでしたので、みかん箱をテーブルに見立てるなど、様々なものを見立ててて遊びました。貧しいから、物がないから工夫をして遊んだものでした。
 ままごと遊びから、指先の動きやしぐさや挨拶など、生活の中でのマナーを覚えたりする、親たちのすることを見よう見真似で覚えて、それを自分の行動の中に生かしていくことができたのではないかと思います。
 遊びながら、観察をして真似をして、体験して、理解するなど、遊びから様々に学べることがあります。これからも子供たちに様々な種類の遊びをしてもらいたいと願っています。(館)

【Agora 9月号に“ぬりえ”が採り上げられました】

JALカードの会員やファーストクラスの機内誌であるアゴラの「ビジネストレンド」というトピックスにぬりえが採り上げられました。
アゴラは㈱日本航空から毎月発行される会報誌で、ビジネスの最先端で活躍される世代とその家族をターゲットにしています。この冊子に”ぬりえが”採り上げられるということは性別、年齢共に、より幅の拡がりを見せ、ぬりえが単なるブームではなくてビジネストレンドとして見過ごすことのできない時代の流れであるということではないでしょうか。
ぬりえ文化が更に多彩に拡がり、そして深まって社会を豊かにしてゆくことができたら素敵なことと思います。

【第2回JOMO夏休み全国ぬりえコンテスト審査開催】

7月20日から8月31日の間応募され全国から寄せられたぬりえ作品の審査発表が9月20日に行われます。当館の館長金子も審査にあたります。
入選者には郵送で通知され、優秀作品はJOMOのホームページまたはJOMOステーション店頭ポスターに発表されます。
今年はどんな作品が選ばれるのでしょうか。どうぞ、お楽しみに。

JOMOホームページ
http://www.j-energy.co.jp/nurie/

【今月のエントランス】
林包明様 寄贈ぬりえ

今月は林包明様から寄贈いただいたぬりえの中から秋らしい作品を選びました。9月に入り残暑とはいうものの、すすきなどの草花に秋の気配が見られるこの頃です。 エントランスに飾られたぬりえの作品からも移り行く季節を感じていただきたいと思います。

【展示室のご案内】
10月28日(日)までコマーシャルのポスターや商品を中心に、絹絵などの日本画を展示いたします。

投稿者 staff : 12:23 | コメント (0) | トラックバック

2007年09月01日

8月の美術館ニュース

 今年も暑い夏がやってきます。熱中症にならないように、室内にいてもお水を取るなど気をつけてお過ごしください。
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:あたしににあう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

 今年も各地で花火大会が賑やかに開催されることでしょう。東京でも 隅田川の花火大会(7月28日)を筆頭に、8月に開催されるものは、江東花火大会(8月1日)、いたばし花火たいかい、江戸川区花火大会(8月4日)、東京湾大華火祭り(8月11日)、神宮外苑花火大会(8月16日)と続き、それぞれの地区が特長を凝らして開催されます。
 そんなお祭りに、若者たちが浴衣を着るようになりました。私の知人の男子大学生も花火大会には浴衣をきて見物にでかけると言っております。浴衣であれば、気軽に、しかもカジュアルな感じで着物を着ることができるので、初心者の若い方にも、いいのでしょう。
 花火に、納涼にと、浴衣姿を見るのは、夏の蒸し暑さの中に、清涼な風が吹くようで、見ていても気持ちがすっきりする感じがいたします。
 日本的なものが、海外では大変なブームになっています。車、カメラ、化粧品、和食、酒、マンガ・アニメ等など。各商品が受ける理由は様々あると思いますが、その商品が生まれた根底には日本人の心があると思います。外国の人にはない、日本人の持つ意識、感覚だけれど、その異質なところから生まれたものが、海外では自分たちには無い、魅力的なものとして受け取られているのではないでしょうか。
 着物は日本の代表的な民族衣装として定着していると思いますが、これからは季節により日本人が着物を変え、夏には浴衣というカジュアルな着物があるということを知ってもらえると、海外でも浴衣が広まっていき、着物をより簡単に楽しんでもらえるのではないかと、花火大会に集まる若者の着物姿を見ながら思いました。(館)


第2回JOMO全国ぬりえコンテスト
jomo-news2160.jpgjomo-news160.jpg
今年もJOMO夏休み全国ぬりえコンテストの作品募集が始まりました。応募期間は、7月20日(金)~8月31日(金)。応募用紙はJOMOステーションにて配布されます。子どもから大人まで応募可能です。皆様ふるってのご参加お待ちしております。
詳細は、ホームページ
http://www.j-energy.co.jp/nurie/
●お問い合わせ先
フリーダイヤル0120-150-106(土日除く)


国際ぬりえシンポジウムのご報告

初めてとなる今回のシンポジウムは、一日目はシンポジウムとして「文化」「科学」「芸術」の側面から、各界の専門家の方々による講演とディスカッション、二日目は一般の皆様に広く開放し、ぬりえの魅力をお伝えする市民公開講座でした。
ぬりえはとても大きなパワーを秘めています。それは私たちの心をゆさぶる強大なパワーです。
脳の活性化や心のケアなどの面から大変重要なことで、かつ、必要なことであるということを、今回のシンポジウムで確認することができました。
ぬりえを日本発の文化として日本ならびに世界に紹介していくことの重要性と必要性を
あらためて認識した国際ぬりえシンポジウムでした。

ぬりえ美術館掲載情報
『個人美術館に行こう』
いつでも好きな作家に出会える、そんな親しみの持てる美術館が81館紹介されています。ぬりえ美術館もその中の一つとして掲載されています。


今月のエントランス~夏の風物~「おえんにちできんぎょかってきた」
02128160.jpg
この夏、素晴らしい思い出をつくれたら素敵ですね。

展示室のご案内10月28日(日)まで「コマーシャルにつかわれたきいち」展として、
ポスターや商品、絹絵などの日本画も展示いたしております。

投稿者 staff : 11:48 | コメント (0) | トラックバック

2007年08月16日

7月の美術館ニュース

 今年も暑い夏がやってきます。熱中症にならないように、室内にいてもお水を取るなど気をつけてお過ごしください。

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:いろみずやさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

今月のエントランスは、夏休み開始をテーマにぬりえを展示しています。
 夏休みはだれにとっても嬉しいものですね。子供の頃は、1日が長くて、1日中楽しかったと思い出されます。
 今月は夏の遊びを展示をしてます。しゃぼんだま、つりぼり、水遊び、海水浴等。まだまだ沢山あると思いますが、「いろみずやさん」は、美術館を開館してから、収集されたぬりえの中にいろみずやさんを見つけて、思い出した遊びの一つでした。大人になって、このような遊びをしていたことをすっかり忘れていたのです。
 水の中で朝顔の花を揉んだり、折り紙を揉んで色水にしてりして、瓶や容器の中に入れて遊んだことを、絵を見ながら思い出しました。朝顔や折り紙がないときには、色水ではありませんが、土と水を一緒にして泥水を瓶にいれて遊んだということも思い出しました。
 先日訪問したモスクワの幼稚園では、指、手先のためにビーズで花や動物を作ったり、粘土で動物を作ったりしていました。日本では大人がアクセサリーを作るために、ビーズワークが流行していますが、モスクワでは子供たちのために、ビーズが使われていました。園内でプログラムに取り入れられているぬりえも、運筆や手先が自由に動かせるようにするためということが目的の一つでした。
 最近の日本の子供たちの学力が、世界の中で落ちてきていることがいわれています。日本人は器用といわれていましたが、そのうち、日本でも運筆のためにぬりえをするということが取り上げられるかもしれません。勉強だけでなく、様々な遊びを通じて、体力、学力、器用さなどを見に付けていってほしいものです。(館)

【第一回世界ぬり絵大会】のお知らせ
 来月7月15・16日に「第一回世界ぬり絵大会」が開催されます。ぬり絵の作品応募および大会入場は無料です。
 世界からもぬり絵が集合します。ぬりえ美術館館長金子の講演もございます。出展もしておりますので、ぜひご家族、お友達をお誘いあわせの上、ご参加ください。

●講演日時:7月16日(月・祝日)11時40分~12時
 「こころが元気になる楽しいぬり絵」ぬりえ美術館館長金子マサ

【国際ぬりえシンポジウム】
 参加費:6000円
と き:2007年7月15日(日)12時(正午)~17時
【ぬり絵市民公開講座】
 参加費:無料
と き:2007年7月16日(月・祝日)10時~17時
【会場】京王プラザホテル(東京・西新宿)本館5階 コンコードボールルーム
【世界ぬり絵大会事務局】
株式会社メディカルトリビューン 国際会議イベント部内
TEL:03-3239-6611 FAX:03-3239-7117
E-mail secretariat@world.org http://www.worldnurie.org/

【特設コーナーのご紹介】
1.「元気な脳をつくる脳活性化コーナー」光トポグラフィ装置を用い、ぬり絵の最中に 働く脳を実際に映像でご覧いただけます。
2.「ケータイ絵かき」笹尾敦司氏(東京工芸大学芸術学部助教授)の指導によるハイブ リッドぬり絵を体験できます。携帯電話やデジカメで撮影した写真を、その場で水彩ぬ りえの下絵にします。素敵な水彩ぬりえを楽しんでいただけます。
3.「ぬり絵初心者体験コーナー」初めてぬり絵にチャレンジする人のために、BHA認定 ぬり絵インストラクターが丁寧に個人指導をします。

【今月のエントランス】

夏休みスタート
いよいよ夏休みが始まりました。きいちの作品に登場するこどもたちはみんな元気いっぱい。水遊びがとても涼しそうですね。
皆さんはどのような夏休みを過ごすのでしょうか。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○7月15発行
東京都交通局から発行されている冊子「ぐるっと東京」”もっと知りたい楽しみたい都電荒川線沿線”コーナーに沿線の美術館として紹介されます。
○6月25日発行
着物のミニコミ誌『月刊アレコレ』”美術館紹介”コーナーに、戦前・戦後の希少なぬりえを集めた美術館として紹介されます。

【展示室のご案内】
7月29日まで
「きいちの大判ぬりえ」シリーズに使われたぬりえを展示いたします。

投稿者 staff : 13:05 | コメント (0) | トラックバック

2007年07月08日

6月の美術館ニュース

 今年も梅雨の季節がやってきました。雨を楽しく過ごすには、雨の中に入ってしまうこと、すなわち雨を好きになることが一番かもしれません。雨が降れば、ゆっくり家の中で、読書をする、片付けをする、手紙を書くなどを落ち着いてできると考えてみたらどうでしょうか。
 さあ、雨の日に何をなさいますか?

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:あめがふるからおうちで
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

 今月のエントランスは、雨にまつわるるぬりえを展示しています。
「あめがふるからおうちで」は、雨で外に遊びに行けないので、お家で読書をする少女が描かれています。
 雨の日には、ぬりえも格好の遊び道具でした。テレビもない時代には、色をつけるぬりえが楽しい遊びだったのです。
 ぬりえは世界のどの国の子どもでも楽しんでいるものですが、しかし、ぬりえができなかったという時代や国も世界には、あるのです。
 今ぬりえ美術館では、海外でぬりえに関する調査をしています。その中で、子どもがぬりえをしなかった事例がまれにはあるのです。その理由のひとつは、「戦争」です。ベトナム戦争の頃に子どもだったベトナムの人たち、またベトナム難民として他国に逃れ、今は子どもを持つ幸せは家庭の奥さんとなった人が、「あのころはぬりえどころではなかった」と思い出して涙ぐむのです。だから、自分の子どもには思い切りぬりえをさせたいと述懐しています。
 チリでも軍事政権ができたとき、男の子は勇敢な遊びやスポーツが奨励され、ぬりえなどはしないほうがよいという雰囲気があったそうで、ぬりえはできなかったという事例をお聞きしました。国の強制的な政策におってはばまれた少年時代は、つらかったという。ぬりえが子どもの遊びの代表選手であることを証明する話ではないでしょうか。(館)


【第一回世界ぬり絵大会】のお知らせ
 来月7月15・16日に「第一回世界ぬり絵大会」が開催されます。ぬり絵の作品応募および大会入場は無料です。
 世界からもぬり絵が集合します。ぬりえ美術館館長金子の講演もございます。出展もしておりますので、ぜひご家族、お友達をお誘いあわせの上、ご参加ください。

●講演日時:7月16日(月・祝日)11時40分~12時
 「こころが元気になる楽しいぬり絵」ぬりえ美術館館長金子マサ

【展示会】
と き:2007年7月15日(日)12時(正午)~17時・7月16日(月・祝日)10時~17時
ところ:京王プラザホテル(東京・西新宿)本館5階 コンコードボールルーム
【作品応募】
応募締切日:2007年6月30日(土)第一次締切(展示会当日、会場でも応募できます)
【世界ぬり絵大会事務局】
株式会社メディカルトリビューン 国際会議イベント部内
TEL:03-3239-6611 FAX:03-3239-7117
E-mail secretariat@world.org http://www.worldnurie.org/

審査委員長 日比野克彦(東京芸術大学美術学部先端芸術表現科助教授)

【特設コーナーのご紹介】
1.「元気な脳をつくる脳活性化コーナー」光トポグラフィ装置を用い、ぬり絵の最中に働く脳を実際に映像でご覧いただけます。
2.「ケータイ絵かき」笹尾敦司氏(東京工芸大学芸術学部助教授)の指導によるハイブリッドぬり絵を体験できます。携帯電話やデジカメで撮影した写真を、その場で水彩ぬりえの下絵にします。素敵な水彩ぬりえを楽しんでいただけます。
3.「ぬり絵初心者体験コーナー」初めてぬり絵にチャレンジする人のために、BHA認定ぬり絵インストラクターが丁寧に個人指導をします。

【ぬりえ美術館掲載情報】
“読み聞かせぬりえ”を軸とした親と子のコミュニケーションツール、「ゆめのはこ」創刊号巻頭インタビューにぬりえ美術館が掲載されました。
テーマは「ぬりえの魅力は無限大。」館長がぬりえの魅力について語られています。

【展示室のご案内】
7月29日まで「きいちの大判ぬりえ」シリーズに使われたぬりえを展示いたします。

投稿者 staff : 15:58 | コメント (0) | トラックバック

2007年06月02日

5月の美術館ニュース

皐月、端午、青葉、薫風、青嵐、菖蒲など、5月の時期を表す美しい言葉が沢山あります。
これらの漢字をみているだけで、色合いや場面が目に浮かんできます。その景色は、貴方の
心の原風景かも知れません。素敵な色や情景を思い出してください。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今月のエントランスは、5月の端午の節句の時期に合わせて男の子が描かれているぬりえを展示しています。

昭和31年(1956年)の経済白書に「もはや戦後ではない」と言われ、昭和33年の東京タワーの建設され、昭和39年の東京オリンピック開催にむけて、高速道路や新幹線ができるなど、日本はめざましい経済成長を遂げていきました。三種の神器といわれ、白黒テレビ、電気冷蔵庫、電機洗濯機が憧れの電化製品として庶民が望んでいました。暮しが楽になると、次は自家用車を持ちたいという欲求もでてきました。
時代の要求を感じて、子供のぬりえの世界にも、車が描かれています。実際に、子どもが遊ぶ乗り物としても、三輪車や自転車ばかりでなく、この絵に描かれたような子ども向け自動車も作られていたのでしょう。
一昔前は、日本車は“海外の車の真似をしている”といわれたものですが、今では日本車は海外でも大変な人気です。品質、性能が良く、耐久性が良いと言われていますが、さらにデザイン面にも優れてきて、海外の自動車が日本の車のデザインに似てきているというようなことも起こっています。それだけ日本車が優秀になったと言えるのでしょう。
海外では、アニメやマンガで描かれるようなデザインやラインを、日本製の車や商品の中に見いだして、日本は素晴らしい、凄いと、日本人気は高まっているのです。(館)

【今月のエントランス】
端午の節句に合せて男の子にスポットをあてたぬりえをご紹介しています。
男の子を描いたぬりえは数が少ないのでこの機会にぜひ、ご覧になってくださいね。

【展示室のご案内】
5月27日まで「きいちのきせかえ」を中心に、「昭和10年~40年代のきせかえ」「海外のきせかえ」を展示いたします。

【有名人のきせかえ】
 美空ひばりや「君の名は」など人気映画やラジオドラマに出演した「有名人・スター」もきせかえの対象になりました。
 珍しいきせかえでは昭和34年にご結婚された美智子妃のきせかえ、また昭和38年のミスユニバースコンテストで優勝した児島明子の「ミスユニバースきせかえ」があります。当時の流行や人気がわかります。 
「君の名は きせかえ」

【高橋真琴きせかえ】
 昭和40年代にマンガ・イラストで大人気となった高橋真琴は、昭和9年に三人兄弟の長男として生まれました。
 昭和33年少女マンガ雑誌『少女』で連載を開始してから、星を散りばめた大きな瞳とすらっとした手足の女の子の絵で、多くの少女達を魅了してきました。
 昭和40年以降は文具・ハンカチ・自転車などのイラストも手がけ、一世を風靡しました。
(『少女ロマンス 高橋真琴の世界』 『乙女のロマンス手帖』 より)
●千葉県佐倉には真琴画廊があります。
佐倉市上志津1077-42
043-487-4319
10:30~18:00(正午~1時間休み)月曜日休廊
http://www.macotogarou.jp/
高橋真琴 絵 「パリジェンヌちゃんきせかえ」

投稿者 staff : 15:29 | コメント (0) | トラックバック

2007年04月30日

4月の美術館ニュース

新学期、新生活、新年度など、4月は新しい世界が始まるときでもあります。気持ちを引き立てるように、黄色、オレンジ、赤、ピンクなどなど、様々な明るい色の花々が咲いて、心を元気にしてくれます。ぬりえも色を使いますので、心を元気にしてくれます。色鉛筆を持って、ぬりえを塗ってみませんか?

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今月のエントランスは、きいちの復刻版ぬりえの大判から「春夏編」と「仲良し編」のぬりえの一部を展示しています。
仲良し編の中から、今月の一枚を選びました。「ごめんください」というタイトルです。子どもたちがままごと遊びをしている様子を描いたものですが、この当時は子どもも大変丁寧な言葉遣いだったことが分かります。
タイトル:ごめんください
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

最近ぬりえの調査のために、海外に行くことが多いのですが、今海外では日本的なものが大変人気になっています。日本の料理のお店が増え、アニメ、マンガがどこでも人気です。世界のアニメの60%は日本製というほど普及しています。アメリカでは、ポケモン、フランスでは、1980年代から「アルプスの少女ハイジ」など日本のアニメが人気でした。東南アジアでは、「ドラえもん」が大人気です。ベトナムの子どもたちに、どこの国に行きたい?と聞くと「ドラえもんのアニメがあるから、日本」と答えるそうです。
このアニメの人気から、いま「カワイイ」という言葉が国際的に通用するようになっています。
きいちのぬりえもまさに「カワイイ」です。カワイイの原点と言ってもいいでしょう。
今年も秋にドイツのカールスルーエという都市でぬりえの展覧会を開催します。ドイツでも
現地の子どもたちに、「カワイイ」ときっと言ってもらえることでしょう。 (館)

【今月のエントランス】
大判ぬりえより「春夏編&なかよし編」
今月は、大判ぬりえより「春夏編」と「なかよし編」の一部を展示しています。「なかよし編」の作品には、こどもが生きる世界においてかけがえのない存在である兄弟、友達、ペット等とのコミュ二ケーションの世界が共に描かれています。その活き活きと交わされるお互いの表情は、私たちになかよしが生まれる瞬間とは、どんなものだったかを思い出させてくれるようです。

 

【かべかけきせかえ『少女の友』付録】

上記の絵を描いた村上三千穂は、明治32年福岡県の旧家出身の画家です。
彼女は、日本画家の重鎮である菊池契月の門下生となった後、講談社出版の「少女の友」の口絵や付録に描いた少女画で人気を博します。
当時の大衆文化を研究する上においても欠くことのできない資料であるということは、今回展示している"かべかけきせかえ"の作品の優雅さやその造りをご覧頂いても分かると思います。
「和の書籍とガラクタの店ぶらり的商品」のサイト

 

女の子の作品で「リボンは『少女』の感覚である。」と言った作家らしくドレスのフリルに付いているリボン一つをとってもその結び方、形に単なる少女趣味で終わらせない彼のこだわりをみることができます。
『美しく生きる 中原淳一 -その美学と仕事-』 平凡社

【展示室のご案内】
5月27日まで「きいちのきせかえ」を中心に、「昭和10年~40年代のきせかえ」「海外のきせかえ」を展示いたします。
※エントランスは男の子が登場するぬりえを展示いたします。

投稿者 staff : 14:39 | コメント (0) | トラックバック

2007年04月01日

3月の美術館ニュース

春の明るい日差しや風が心地よい季節となりました。3月は春の始まりと当時に、旅立ちの季節でもあります。多くの思い出を胸に、新しい世界に飛び立つ方々にエールと祝福をお送りしたいと思います。新しい出会い、出来事をどうぞ楽しんで心豊かになってください。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 3月のエントランスは、きいちの復刻版ぬりえの大判から「おてつだい編」のぬりえの一部を展示しています。
0703D02376.jpg
タイトル:ちょっとおつかいに
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏
小学館から復刻されている“大判のきいちのぬりえ”の本のなかでも、「お手伝い編」は大変人気があります。
 昭和20~30年代は、子どもたちが、いろいろ家のお手伝いをしたものです。子守、お掃除、食事つくり、お洗濯などなど。ぬりえの中に当時の様子が描かれています。
お手伝いをするとお駄賃(おだちん)と言って、お母さんからお小遣いがもらえたり、お店のおじさん、おばさんも「よく、お手伝いができたね」とおまけをくれたりしたものでした。だから、嬉しくなって、もっとお手伝いをするようになったものです。
 “今月の一枚”にとりあげた「ちょっとおつかいに」は、おしゃれな格好でエプロンをしてお使いにでかける少女を取り上げました。
今スーパーマーケットでは、“マイバッグ”と称して自分専用の買い物袋を持参するように呼びかけています。環境問題から、スーパーの袋を使わないようにするという考え方がでてきたからです。買い物かごを持ってでかけた昔に戻っているようですが、実は昭和の時代のほうが環境に優しいと言う事が今になってわかったということではないでしょうか。(館)
【今月のエントランス】
大判ぬりえより「お手伝い編」
「きいちの大判ぬりえ お手伝い編」に使われたぬりえの一部をご紹介しています。
寄贈者の福井さんが昭和30年代に水彩絵の具で塗られた大変配色センスの素晴らしいぬりえです。
ぜひ、ご覧になってくださいね。

「くるくるクルミちゃん」
昭和10年代のきせかえコーナーに展示している
「くるくるクルミちゃん」は、画家・松本かつぢ氏が
生み出したキャラクターです。
昭和13年から35年間『少女の友』に連載されました。
ぬりえやきせかえはもちろんのこと、雑誌には、クルミちゃんがデザインされたハンガー・
うちわ・かるた・カレンダーなどが付録になり、大変な人気でした。
070304_kurumi.jpg
【ギャラリー松本かつぢのサイト】 http://katsudi.com/
ドーバー社のきせかえ
アメリカの出版社ドーバー社では、デザイナー、
映画俳優、大統領、歴史上の人物、民族衣装など、370種類以上のきせかえを出版しています。
人形や衣装も精巧に作られており、図鑑のように楽しむこともできますね。
K0002-1-160.jpgK0003-1-160.jpgK0010-1-160.jpg
【Dover Publications】 http://www.doverpublications.com/

【ぬりえ美術館掲載情報】
○50代からの生きかた・暮らしかた応援雑誌『いきいき』4月号に紹介されます。
○ゴルフ雑誌『週刊パーゴルフ』vol.9 3月6号に福井氏から寄贈されたきいちの ぬりえ「いいフォームね」が半世紀前のゴルフぬりえとして紹介されました。
○河出書房ムック『大人の塗り絵クラブ』に”塗り絵の魅力が詰まった 塗り絵 ワンダーランド”として、ぬりえ美術館が紹介されました。

【展示室のご案内】
5月27日まで「きいちのきせかえ」を中心に、「昭和10年~40年代のきせかえ」「海外のきせかえ」を展示いたします。

投稿者 staff : 16:30 | コメント (0) | トラックバック

2007年03月04日

2月の美術館ニュース

今年は暖冬ということで、伊豆方面ではもう桜が例年より早く開花をしているそうです。春に向って、梅、桜、金魚草、フリージャ等の花便りが聞かれるのも楽しみですね。
2月は又受験シーズンでもあります。試験日に雪になるということもありますので、体調などに気をつけて、朗報になりますよう、お祈りしています。

今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
2月のエントランスは、きいちの復刻版ぬりえの大判から「おでかけ編」と「お遊び編」のぬりえの一部を展示しています。

タイトル:ちいさいぐらんどぴあの
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井紅子氏

今でも子ども用におもちゃのグランドピアノは売られているのでしょうか。とても懐かしい楽器です。
 昭和20年代~30年代、私が子どもの頃にはこの黒いグランドピアノが流行っていました。
本物のピアノは弾けないし、習うこともできないけれど、ピアニストになったような気持ちになって、ポロン、ポロン、ポロロン♪♪と弾いていたものです。
 ピアノのほかにも、鉄琴ですとか、ラッパ、カスタネット、タンバリン、太鼓などで遊んだ記憶がありますが、子どもたちは音のでるものが好きですね。大人たちにはうるさがられていましたが、いろいろな音を出して遊んだものです。
 子どもたちは、遊ぶことが仕事ですから、その遊びの中で様々なことを感覚的に体が覚えていいくのだと思います。そのような意味では、いろいろ体験、経験していることにより、子どもの人格の幅が広がっていくのではないでしょうか。(館)

【今月のエントランス】大判ぬりえより「おでかけ編・お遊び編」
年始に発刊された「大判ぬりえ おでかけ編/お遊び編」に使われたぬりえの一部をご紹介しています。寄贈者の福井さんが昭和30年代に塗られた、大変配色センスの素晴らしいぬりえです。ぜひ、ご覧になってくださいね。
きいちのぬりえの“おでかけ編”が年始に発刊となりました。今回は、その表紙を飾る女の子の洋服の柄についてお話します。きいちの描く女の子のファッションは昭和20年代~30年代において、こどもたちにとって決して身近なものではなく憧れの最新デザインでした。その中でもおしゃれの要素として、きいちが好んで用いていますのがチェック柄で今回の“おでかけ編”にも多く取り入れられています。
今日、学生服からカジュアルシャツまで幅広く取り入れられているチェックですが、チェックには多くの伝統とパターンがあります。スコットランドのキルトの模様として知られ今でも人気の高いタータンチェックだけでも、家柄、地方、地位によってその種類はさらに細分化されるそうです。
日本でもチェック柄は、江戸時代に歌舞伎などの舞台で「格子模様」として愛されていましたね。
又07春夏のパリコレクションでは、ギンガムチェックなどもトレンドアイテムとして取り上げられています。
幾何学的で単純明快、この洗練された美しい模様に好きな色を加えることで自分だけのオリジナルパターンを考察してみるのも楽しいですね。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○日本特殊塗料株式の小冊子『NITTOKU NEWS』に“塗り絵の愉しみ”として紹介されています。(2007年新春号)
○まちの情報誌『ぱど』2/9号のご近所美術館特集で“ご近所ミュージアム”として紹介されています。
○見て、読んで、塗って楽しむ河出書房新社の『大人の塗り絵』ムックになつかし塗り絵館コーナで取り上げられています。(2月中旬発売予定)
○2/5の『読売新聞』に“きいちの塗り絵”が掲載されます。

次回展示のお知らせ
3月から5月まで「きせかえ展」を開催致します。皆様から展示をしてほしい
とのご要望も多かった“きせかえ”。懐かしいものから、海外のものまで展示致します。
どうぞお楽しみに。

投稿者 Nurie : 15:54 | コメント (0) | トラックバック

2007年02月04日

1月の美術館ニュース

明けましておめでとうございます。今年も皆様にとってより良い年になりますよう お祈り申し上げます。
今年もぬりえ美術館ならびにHPに遊びにいらしてください。2007年もぬりえに 関する情報を発信して行き、皆様に楽しんでいただきたいと思っております。 
今年もご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

02359-40.jpg
タイトル:いいフォームね
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井紅子氏

1月のエントランスは、きいちの復刻版ぬりえの大判から「お花編」と「お稽古編」のぬりえの一部を展示しています。
お稽古編の中に選ばれたぬりえには、「ゴルフ」をする少女のぬりえがありました。福井様から寄贈されたぬりえは、時代的には、昭和31~32年頃のぬりえです。その時代に、もうゴルフが描かれていたのです。
ゴルフの発祥は、スコットランドで羊飼いの少年が小石を打って穴の中にいれて遊んでいたのが起源であるという説が有力だと言われています。
日本では、1903年(明治36年)に兵庫県の六甲に「神戸ゴルフ倶楽部」を作ったのが始まりと言われています。1926年(大正15年)に第一回日本プロゴルフ選手権が開催されています。その後、第二次大戦後、GHQ(連合郡総司令部)として日本にやってきたアメリカ軍が日本にゴルフ文化を広めていったようで、ゴルフが大衆化されていきました。 
そんな時代の最先端の情報として、ぬりえの少女にゴルフをさせています。ぬりえには、憧れだけでなく、今回のように、流行の先駆けも描かれていたのです。(館)

■今月のエントランス■
大判ぬりえより「お花編・おけいこ編」
昨秋発刊された「大判ぬりえ お花編/お稽古編」に使われたぬりえの一部をご紹介しています。寄贈者の福井さんが昭和30年代に塗られた、大変配色センスの素晴らしいぬりえです。ぜひ、ご覧になってくださいね。

news1.jpgnews2.jpg

※大判ぬりえは、書店や「ぬりえのお店やさん」(ぬりえ美術館のウェブショップ)で ご購入いただけます。

■ぬりえ美術館掲載情報■
○1月6日付東京新聞の町屋特集で、イラスト&マップで紹介されました。
○日本テレビ「ぶらり途中下車の旅」で紹介されます。ぶらりと来館されたのはいったい誰でしょうか? お楽しみに!
放映日 1月27日(土)9:30~
○「荒川区 都電荒川線沿線 まちあるきマップ」
荒川区の観光スポットや史跡、おすすめ品が手に入るお店などの情報が満載の便利なマップができました。
ぬりえ美術館は、町屋の主な観光スポットとして掲載されています。詳しい地図も載っていますので、
このマップを片手に、まちあるきを楽しんでみてはいかがでしょうか。
荒川区の区役所や公共施設、都電荒川線営業所などで手に入ります。

投稿者 staff : 11:55 | コメント (1) | トラックバック

2007年01月12日

12月の美術館ニュース

 今年中は、ご来館いただきまして、ありがとうございました。 今年も、ぬりえについての情報発信がいくつかできたと思っております。秋にニューヨークで実施した海外初の展覧会の開催。12月は、2冊目のぬりえの本、「ぬりえの心理」の発売。
  昨年の「ぬりえ文化」は専門書でしたが、今回は、ぬりえを塗る子どもや買ってあげる親、
人気作家だったきいちの気持ちになって、その立場から書いたエッセー10編からなります。
 ぬりえの関心が高まることを願って書きました。年末・年始にぜひご一読をお願いいたします。

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:せんはづるをつくりましょう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井紅子氏

今月は、きいちの復刻版のぬりえの「着物編」と
「ドレス編」に掲載されているぬりえの一部をご紹介しています。
 昭和20年~30年代には、ドレス編に描かれたようなロングドレスや透けたようなドレスの生地や、裾がフワ、フワに広がったようなドレスは、めったにみかけることができない服装でした。
 お遊戯会や学芸会の劇の中で、洋風の劇を演じるときに、このようなドレスを着たという方もいるかもしれませんが、一般の人にとっては、映画の世界でみるような夢のような憧れでした。
 それが現代では、テレビの中のタレントさんはいうに及ばず、ロングドレスなどがパーティや結婚式などで、一般的に着られるようになり、珍しいものではなくなりました。ところがその反面、着物姿の方が珍しいものになってしまいました。
 ぬりえの世界では、お正月、ひな祭り、夏の浴衣、花嫁姿、など様々に、当時の美しい着物姿が描かれています。自分では着ないけれど、ぬりえの中で、着物をきたような気持ちになって
ぬりえをしてみるのは、いかがでしょうか。(館)


【今月のエントランス】
「大判ぬりえより、ドレス編・着物編」今秋発刊された『大判ぬりえ ドレス編/着物編』に使われた
ぬりえを一部ご紹介しております。寄贈してくださった
福井さんが当時塗られたぬりえです。大変センスの良い
配色ですので、ぜひご覧になってくださいね。

今回発売になりました『大判ぬりえ ドレス編』の表紙を飾る女の子のティアラ。女の子ならドレスだけには留まらず、誰もが一度はティアラをつけることにも憧れを抱くものではないでしょうか。ティアラは弧の形をした冠のことを指し、ヨーロッパの貴族社会を中心にそのステータスを象徴するものとして宮廷行事などで着用されてきました。ヨーロッパでは今でも社公会デビューした子女たちが純白のドレスにティアラを着けて舞踊会のオープニングを飾るという慣習が残っているのだそうです。まるでお伽話に出てきそうな優雅な世界ですね。

渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムでは年明けの1月20日(土)から3月18日(日)まで
「プリンセスの輝き ティアラ展 ~華麗なるジュエリーの世界~」の展覧会が開催されます。
芸術にまで高められたジュエリーの世界をのぞいてみるのも素適ですね。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/index.html

○アメリカのCBSテレビに「大人のぬりえサロン」が取材されました。「UP TO THE MINUTES -LETTER FROM ASIA-」
 という番組において12月に全米で放映される予定です。
○東京放送(TBS)系 BS・CS放送番組「本と出会う」(30分番組)において、下記チャンネルで紹介されます。
 *BSデジタル放送「BS-i」チャンネル
 *CSデジタル放送「TBSニュースバード」チャンネル
 ・12月23日(土) 11:30より 「TBSニュースバード」
 ・12月24日(日)  7:30より 「BS-i」
 ・ 同日    11:30より 「TBSニュースバード」
○主婦たちへ贈るこころのマガジン【清流】12月号で「大人の夢中 楽しいぬりえ」に紹介されました。

投稿者 staff : 15:36 | コメント (1) | トラックバック

2006年12月01日

11月の美術館ニュース

ことしも残すところあと2ヶ月となりました。1年の何と早いことでしょう。 
 今年は、ニューヨークでぬりえの展覧会を開催するなど、ビッグイベントがありました。
 たった1回では、大海に水を一滴落としたような僅かな影響かもしれませんが、今後も海外への情報発信を続けて行きますので、ご支援をよろしくお願いいたします。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。



タイトル:ゆめのおふね
作  者:作者不明
年  代:昭和10年代


今月は、昭和10年代に人気のぬりえの中から
ベティーさんとキューピーさんのぬりえを展示しています。
 「ベティーブープ」は、1930年にマックスとフライシャー兄弟の漫画プロダクションが生み出したスターです。最初は、1931年のパラマウントの漫画作品「ビン坊の結社加盟」でビン坊の端役として現われましたが、その後、瞬く間に人気がでて、一躍スターになりました。
 三頭身のボディ、膨らんだほっぺ、真ん中分けのカールしたヘア、クリクリの目が特徴ですね。
この映画が日本でも上映されるや、大変な人気になり、日本でも和製ベティー(当時の方の発音は“ベッテイさん”)が様々に描かれることになりました。 
和製ベティーさんですから、日本髪あり、着物姿ありと大変ユニークです。ぬりえのほかにも、人形、めんこ、漫画本、羽子板、絵葉書などの玩具から、宣伝広告にもベティーさんは使われていました。今なら、著作権の問題でとてもこのような展開は考えられません。
 その後、戦争の影響で、ベティーさんは、アメリカのキャラクターということで、姿を消していくことになります。
 ユニークな和製ベティーさんのぬりえをお楽しみください。(館)

【今月のエントランス】
「ベティちゃんとキューピーちゃん」

戦前に流行したベティちゃんとキューピーちゃんのぬりえをご紹介します。日本流にアレンジされて、なんともコミカルですね。

 キューピー=世界的に有名なキャラクター“キューピー”は、ローズオニールという女性アーティストが生み出しました。日本には1915年頃から登場。ありとあらゆるものにキューピーが登場するほど大ブームが起きました。キューピーというと、マヨネーズ!?
なぜ、キューピーをキャラクターとして使っているのでしょう?
 「大正時代に日本でもセルロイドの国産キューピーが大流行。創業者である中島董一郎がマヨネーズを発売するにあたり、お年寄りから子供まで幅広く愛される商品に育てたいという思いを込め、人気者のキューピーを1922年に商標にしました。当初は食品工業株式会社だった社名も、1957年に“キユーピー株式会社”に変更しました。」(キューピーマヨネーズ公式HPより)

【ぬりえ美術館掲載情報】
○「日本農業新聞」の「わたしと食」のコーナーに5話に渡って、館長・金子のエッセーが掲載されました。
 (10月2日~6日)
○NTT西日本発行の冊子『Wit Solution Journal』に大人の間でブームのぬりえとして、大人のぬりえ
 サロンが紹介されました。(9月25日発行号)
○共同通信で“元祖「かわいい」が人気”とNYのぬりえ展が紹介され、新聞各紙(京都新聞・東奥日報・
 福島民友・秋田魁新報など)に紹介されました。(10月14日)
○『SQUET10月号』(三菱UFJスクエア)のトレンド・ファイルのコーナーに美術館と脳の鍛錬としての
 大人の塗り絵のブームが紹介されました。
○日経BP社から発行されている「リアルシンプル12月号」に紹介されます。(10月20日発売)
○『活字倶楽部』の「おーちゃんの小説てくてく」コーナーに、イラストレーターおーちさんのイラストで
 ぬりえ美術館の概要が紹介されます。

【展示室のご案内】
9月・10月に開催されたNY展を記念して、NYのギャラリーに展示されたぬりえを展示します

投稿者 staff : 12:24 | コメント (0) | トラックバック

2006年11月05日

10月の美術館ニュース

 秋が深まり、そろそろ紅葉狩りやきのこ狩りなど、目に、食欲に大変いい季節になりました。
四季の有り難さを感じる季節でもあります。
 今年の10月は、ニューヨークでぬりえの展覧会を開催しています。
ニューヨーカーたちが、日本のぬりえの美しさ、可愛らしさに驚きを感じていることでしょう。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

au00093-15-40.jpg
タイトル:おほしさま
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

 いつものきいちの顔と少しちがってみえませんか?
戦争が終了して、2年目の昭和22年、きいちとぬりえの版元(メーカー)の石川松声堂、川村山海堂との共同経営時代の後、昭和23年、版元も石川松声堂と川村山海堂の2社に分かれ、きいちは絵を描くことに専念します。このぬりえは、その頃のぬりえです。
 今月は、「クラシック」とでも呼びましょうか、
昭和20年代初期のぬりえを特集して展示をしています。少し憂いを含んだ表情の少女がこの時代の特徴の一つです。又、タイトルも囲みがなく、「おほしさま」と書かれているのも、珍しいです。その後、タイトルは四角い囲みがつくようになります。
じっとこちらを見つめている少女の目に、引きこまれそうです。きいちのぬりえの少女が、こちらを見ているのは、すでにこの頃から表現されていたのです。星がこぼれ落ちる手は、指先の表現が女性らしく美しく、繊細に表現されています。この表現力が大きなきいちの魅力です。
 クラシックな昭和20年代のきいちのぬりえですが、この時代に塗っていた人々にとっては、
「これが私の塗ったきいちのぬりえ」ということで、大好きな顔なのです。今月は、「きいちクラシック」をお楽しみください。(館)

【今月のエントランス】
今月は『きいちクラシック』
戦後まもない昭和20年代に発売された、きいちのぬりえを展示します。たれ目が特長の優しい雰囲気を持った女の子が描かれています。

au00093-5-40.jpg
ローラースケート
昭和20年代はローラースケートが流行っていたそうです。

 日本にローラースケートが紹介されたのは明治。
昭和初期に各地でローラースケート場が開設され、大衆のスポーツとして人気になりました。
美術館から都電で4駅の「荒川遊園」にもローラースケート場があったそうです。
 昭和20年代ラジオから流れる曲は『りんごの唄』、『東京ブギウギ』など、笠置シズ子、渡辺はま子、
近江俊郎などなどなどの唄歌です。小さな松島トモコも当時のアイドルでした。漫画の世界では、
『リボンの騎士』がこの頃に人気だったと伝えられています。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○主婦の友社発行の団塊の世代をターゲットにした雑誌『ゆうゆう11月号』(10月1日発売)
○農業専門新聞「日本農業新聞」に館長のぬりえや食の話が2日(月)~5日(金)間連載されます。
○日経BP社発行「リアルシンプル12月号」(10月20日発売)

投稿者 staff : 14:11 | コメント (0) | トラックバック

2006年10月08日

9月の美術館ニュース

まだまだ残暑が厳しいこの頃ですが、秋には秋らしい室礼をして、虫の音に耳を傾け、夜の涼風でも楽しみましょう。
  9月の末からは、NYでぬりえの展覧会が開催されます。ぬりえの中に日本の秋を感じてもらえたら嬉しいと思っています。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示替えしています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

00670.jpg

タイトル:あたしはカウガール
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


カウガールの姿だけでもモダンであるのに、そのウェスタンツースの柄は、ビックリするような豹柄です。
1940年代当時西武劇がおおく上映されたこともあるのでしょうが、めずらしい一枚です。
 西部劇のぬりえは他にもぬりえ美術館に所蔵されていますが、その一枚は、たぶん映画のポスターを参考に描いたのではないかと想像しますが、ガンマンの足の間から相手が拳銃を構えている斬新な構図のぬりえを描いています。
 1951年(昭和26年)に、「アニーよ銃を取れ」という映画がアメリカで作られています。従来は男性が中心の描き方をしていますが、アニーよ銃を取れの場合は、女性を主人公にしていますので、少女のカウガールが生まれてきたのかもしれません。いずれにせよ、テーマといい、服の新しさといい、今みても少しも古臭さを感じません。少女の可愛さだけでなく、描かれたテーマなどにも今に通じるものがあるということが、60年以上経っても、若い方々に新鮮といわれ、人気になるポイントなのではないでしょうか。
 戦争が終わり、昭和21年の1年間、月島にいたアメリカ第七師団の兵隊さんの奥様や恋人の肖像画をきいちは絹絵で描いていました。この時の経験が、のちの「きいちのぬりえ」のバタ臭さ、洋風な臭いと言われる所以ではないかと思いますが、お洒落なきいちならではの、素敵なぬりえです。(館)

【洗濯機の歴史】~袋入りぬりえ「お手伝い」、人気の秘密~
fukuro-tetsudai.jpg


現在販売されている袋入りぬりえ7種類の内、人気が高いのは「花嫁さん」と「お手伝い」です。なぜ「お手伝い」の袋ぬりえが人気なのでしょうか?
 答えは「表紙」に隠されています。「洗濯機」が「懐かしい!!!」のです。ハンドルをグルグル回す脱水。“足袋が大変だったのよ、ねぇ~”と思わず知らない方同士語り合ってしまうほど懐かしいもののようです。お子さんやお孫さんに、“昔の洗濯機は”と説明するために買われる方もいらっしゃいます。
 洗濯機についてはお客様のほうがはるかに詳しいと思われますが、歴史について少々ご説明させていただきます。
 洗濯機の国産第一号は1930年(昭和5年)5年後には家庭向けの小型洗濯機が発売されますが、1941年から終戦までは軍需切り替えのために製造中止に。“懐かしい!”と叫んでしまう、家庭用洗濯機は、1953年(昭和28年)“電化元年”が流行語となった頃に登場。
 当時は容量が「キログラム」ではなく「匁」であらわされていたとか。1950年代中頃から、洗濯機は、冷蔵庫・テレビと一緒に「三種の神器」と言われました。1950年代後半には、“みんなが持っているから私も!”という風潮になり普及率50%をこえたそうです。

【展示室のご案内】
今月8月から10月末までの3ヶ月は、9月・10月に開催されるNY展を記念してアメリカのぬりえを展示致します。

【今月のエントランス】
9月・10月はぬりえの展覧会が、アメリカ・ニューヨークで開催されます。それに因みまして、今月はエキゾチックな服装をしているぬりえの女の子をご紹介します。

【新商品のご案内】
大変ご要望の多かった、ぬりえの「着物編」「ドレス編」が、小学館より発売になりました。
着物編は、つのかくしの花嫁さんや舞妓さん、ドレス編は、お姫様や憧れの?スターの
ような女の子が登場します。とても可愛らしいので、ぜひご覧になってくださいね。


【ぬりえ美術館掲載情報】
○JAPAN+9月号にきいちのぬりえが紹介されました。 「JAPAN+」 は日本を海外に伝える官公誌です。
○日経新聞8月22日文化欄に 「乙女のぬり絵 今も夢中」として掲載されました。
○ヘラルドトリビューン(朝日の英文新聞)8月26日付けで、ぬりえ美術館が大きく取り上げられました。

投稿者 staff : 17:31 | コメント (0) | トラックバック

2006年09月07日

8月の美術館ニュース 夏のおやつは?

今年は長い梅雨でした。これから夏本番で、暑くなりそうです。夏休みが始まりましたので
 幼稚園や小学校のお子さん方の来館が増えてきました。お父さんやお母さん、そしておじいちゃん、おばあちゃんと一緒に来館されます。ぬりえの中に描かれた事柄なら、おじいちゃん、おばあちゃんが詳しくその当時のことを解説できますので、ぜひ、お孫さんにご説明してあげてください。きっと楽しい会話になると思います。

ぬりえのこころ -今月の一枚-

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示替えしています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

02093_web.jpg
タイトル:お三じのジュース
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:小沼秋成氏


 三時のおやつを絵にしたものですが、夏のおやつとしてジュースを描いています。今なら100%ジュースがビンや紙パックに入って、オレンジだけでなくリンゴ、グレープフルーツ、グレープなどいろいろな味が選び放題です。この少女のジュースは、どんなジュースでしょうか?
昭和30年代には、ジュースといえば、オレンジでビンに入っていました。他には、粉末のジュース類があり、水に溶かすとジュースやソーダになるものがありました。簡単に作って飲めるのと、子どものお小遣いでも買えるので、随分楽しんだものです。但し、舌が赤くなってしまうようなジュースでした。
ぬりえの少女が座っている椅子も、昭和30年代を表していますね。背もたれは、ビニールなどのひも状のものでできていたと思います。今の若い方がみたら、「素敵!」というかもしれません。
 短い足を精一杯大人になった気持ちになって、足を組んでいる様子には、「どうしてきいちは、こんなに女の子の気持ちがわかるのかしら?」と感嘆してしまいます。私もこんな風にしたワという女性の方は多いのではないでしょうか。
 これから暑くなりますが、喉が渇く前に水分をとって、熱中症にならないように気をつけましょう。(館)


【展示室のご案内】
今月8月から10月末までの3ヶ月は、9月・10月に開催されるNY展を記念してアメリカのぬりえを展示致します。

【今月のエントランス】「夏の味覚」
夏のおやつや夏のデザートなどが描かれたぬりえを展示しています。ケーキやフルーツポンチなどは憧れのおやつでもありました。

おやつ 【お八つ】  =語源は、江戸時代の時間の単位、昼の八つ時(今の午後2~4時)から「お八つ」というようになりました。江戸時代は、甘いお菓子やジュースを飲むのではなく、お腹を満たすための軽い食事だったそうです。 


【ぬりえ美術館情報】
○親子向けフリーペーパー『チルドリン』のおでかけマップに、お休みにいくプレイランドとして紹介されました。

File0058_web.jpg
○JOMO全国ぬりえコンテストのご案内
JOMOでは、小さなお子さん(幼稚園児以下)から小学生を対象に、全国ぬりえコンテストを開催いたします。7月20日(木)~8月31日(木)JOMOステーションにおいてある、コンテスト専用のぬりえの用紙を塗って、どんどん応募してください。お母様には、美味しい全国の有名店のスウィーツプレゼントもあります。ぬりえ美術館館長がこのコンテストの審査委員を勤めさせていただきます。
詳細→http://www.j-energy.co.jp/campaign/paint/ 

投稿者 Nurie : 12:13 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月18日

7月の美術館ニュース 夏がやってくる!

夏休みが待ち遠しい時期になりました。夏の暑さに負けないように、体力、脳力を鍛えましょう。脳力を鍛える一つの方法に、回想療法があります。子供の頃の記憶を呼び覚ますということが良いそうのだそうです。さらに、ぬりえも良いといわれていますので、ぬりえ美術館にくると、いっぺんに両方ができますので、脳力がアップすること請け合いですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示替えしています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
00535-16.jpg
タイトル:うみのみずのなかはあおい
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

今月は、夏のスポーツをテーマにしたぬりえを展示しています。海や山、川、など自然を相手にスポーツをする様子がぬりえにも描かれています。特に今回は、海で遊ぶ絵を選んでいますが、なかなか素敵な水着姿が描かれています。子供でも水着に憧れたり、こだわりをもっていたのではないでしょうか。
私は埼玉生まれのため、小学校にプールがなかったため、いまだに泳ぐことは苦手です。小学4年生で、東京は文京区の小学校に転向したのですが、その小学校にはプールがあって、1年生のころから同級生は水泳を習っているので、もう4年生では、上手な子供たちが大勢いました。夏になると、体操の時間は、プールになりました。クラス対抗なども開催されて、上手な人たちが選ばれて、競争をしたものですが、東京と田舎では、随分と施設の差、違いがあるのだなあと子供心にも感じたものです。最も、田舎では、海や川や沼があれば、そこで泳ぎを覚えていたかもしれませんね。
水泳といえば、前回のオリンピックでは、北島選手が金メダルをとり、ぬりえ美術館がある荒川区はもちろん日本全国がおお喜びをしました。
2008年の北京は、どんなスポーツが活躍をしてくれるでしょうか。楽しみですね。(館)

【展示室のご案内】昭和20年代~30年代のぬりえを展示しています。来月8月から10月末までの3ヶ月は、NY展を記念してアメリカのぬりえも展示致します。

【今月のエントランス】「夏のスポーツ」
夏ならではのスポーツを中心に夏を楽しむぬりえを展示しています。
02127-16.jpg
たいこうぼう 【太公望】  =「釣りをする人」      
なぜ釣りをする人が太公望なのでしょう?これは中国「史記(斉世家)」の故事が由来になっています。
周の文王が狩りに出かけるので占ったところ、"獲物は王を補佐する臣である"と出ました。
狩りに出ると渭水で釣りをしている男に会います。話したところ大変優秀な人物であったため「吾が太公(祖父、古公亶父(ここうたんぽ))、子を望むこと久し」(私の祖父である亶父が待ち望んだ人である)と言い召し抱えました。この故事から釣りをする人のことを太公望と言います。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○『ペイントクラフト』6月号
○日経MJ「ブームの裏側」(6月7日)
○読売新聞の「くらし」コーナー(6月11日)
○『女性セブン』(6月15日発行号)
○日経新聞の「耳より!」コーナー(6月13日)
○『雑貨カタログ』8月号
○障害学習ボランティアセンターの情報誌『おうらい』夏号
■今月も上記のメディアにて、ぬりえ美術館や大人のぬりえサロンが紹介されましたが、今月は、ぬりえ美術館のブログが月刊【広報】に取材を受けましたので、ご紹介いたします。
月刊「広報」は、日本広報協会が自治体等公的団体向けに発行している情報誌です。7月号(7月12日発行)では、組織の活動にブログを活用されている事例を紹介。
ブログ活用事例として、3つの事業所が選ばれました。・図 書 館――横芝光町立図書館、
・大学――梅花女子大学、美 術 館――ぬりえ美術館
①ブログを開設され目的や、②運用上心掛けていること。③効果。④今後の課題・抱負 などが紹介されています。

◆ぬりえ美術館のウェブショップ【ぬりえのおみせやさんオープン】
インターネットでもご注文いただけるようになりました。
配送先もご指定いただけますので、お母様やお友達へのプレゼントにもご利用いただけます。
○ぬりえのおみせやさんURL http://cart03.lolipop.jp/LA01064511/ 
※ぬりえ美術館のホームページ(ブログ)から「ぬりえのおみせやさん」に入れます。
※お電話・FAXなどでもご注文いただけます。

投稿者 Nurie : 13:10 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月03日

6月の美術館ニュース

 梅雨の時期がやってきました。子供の頃を思い出してみてください。雨の日には、外で遊べません。
そんなときは、静かにお家の中で、ぬりえをして遊びませんでしたか? お友達と丸いちゃぶ台を囲み、好きな絵を選び、一生懸命にぬりえをしたのではないでしょうか。
  今は「大人のぬりえ」として、様々なぬりえが発売されていますので、好きな絵柄を選んで
塗ってみるのはいかがでしょうか。脳が活性化されること請け合いです。

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示替えしています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
00404160.jpg

タイトル:しんでれらとジージョ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代後半

今月は、童話をテーマにしたぬりえを展示しています。
6月の梅雨の時期には、秋と同じように本を読んだりして静かに過ごすのに良い時期になります。
今回エントランスに展示しているぬりえは、「親指トム」、「親指姫」、「青い鳥」、「白雪姫」「かちかちやま」などの童話からのぬりえです。
昭和21年にぬりえ作家として再びぬりえを描くことを再 開したきいちは、童話などの昔の話を沢山描いています。
例えば、白雪姫など、今ではディズニーの絵の印象が大変強いですが、ディズニーとは違うきいちらしい個性的な主人公に描かれていて、その点がすばらしいと思います。

今月の一枚に描かれたものは、シンデレラ姫とトッポジージョです。きいちはシンデレラ姫として、美しいドレスにガラスの靴をはいたシンデレラではなく、下働きをしているシンデレラを多く描いています。貧しい少女の方の姿を描くのは、画家としての視点からだと思いますが、塗る側の少女にしてみれば、美しいドレス姿のシンデレラを望んだのではないでしょうか。
トッポジージョは、イタリア生まれの人形劇で、大変な人気者になったネズミの男の子です。
童話や童謡など、ふれる機会が少なくなっていますが、どうぞこの機会にもう一度読んでみてはいかがでしょうか。

【展示室のご案内】きいちが”ぬりえの少女のモデル”にしたテンプルちゃんをご紹介!
シャーリー・テンプル(Shirley Temple)
きいちが”ぬりえの少女の参考にしたアメリカの子役スターの一人です。
世界のアイドルと言われ、1930年代に一世を風靡しました。
4歳で映画にデビュー、1934年にアカデミー特別賞を最年少で取得しました。(当時6歳!)
青い瞳に金髪のくるくる巻毛のテンプルちゃんは日本でも親しまれました。
メンソレータムのリトルナース、不二家も初代キャラクターはテンプルちゃんをモデルにしたものです。

テンプル表160.jpg

【今月のエントランス】「童話・漫画・アニメーション」
家の中で過ごすことが多くなる6月。本をじっくり読むには良い季節かもしれませんね。
ぬりえに描かれた童話の本を読んでみると、新鮮で、新しい発見があるかのではないでしょうか。

【ぬりえ美術館掲載情報】
 下記のメディアにて、ぬりえ美術館の大人のぬりえサロンや秋にニューヨークの展覧会などの活動が紹介されました。
○テレビ東京「レディス4」「昭和30年代 懐かしのおもちゃ」(5月4日に放映)
○毎日新聞朝刊5月19日(金)号に「脳にいいと大人が注目!」ぬりえ美術館人気
○ニッポン放送高嶋ひでたけの特ダネラジオ夕焼けホットライン(5月19日)
○Jウェイブ5月24日(水)RENDEZ-VOUSのコーナーで注目されている大人のぬりえを中心に紹介されました。
○内閣府発行「Cabiネット」5・15 NO.96号にて、ぬりえ美術館の活動が紹介されました。

投稿者 staff : 17:18 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月03日

5月の美術館ニュース

緑深青葉に風も薫る五月となりました。今年は長期の連休がとりやすいGWですが、 ぬりえ美術館にご来館していただきましてありがとうございまし。
巷では、「大人のぬりえ」が話題になっています。先日、私が実験台になって、ぬりえをしている時の脳の測定をしてみました。やはり、"ぬりえは脳を活性化する!!"ことがわかりました。ぜひ、貴方も実際に塗ってみて、気持ちの変化を味わってください

タイトル:あかるいのやまへ
ハイキング
作者:きいち
年代:昭和20年代

お花見が終わりますと、野山はどこも青葉で美しくなります。 そんな新緑が目にしみる明るい野山へハイキングをしにいく少女。
少女は、おむすびかのり巻きのお弁当をボストンバッグにいれて、肩からは水筒をさげてハイキングにお出かけです。
今は、どこでも食事をするのに困ることはなくなりましたね。コンビニはいたるところにありますので、出かける際に、お水もお弁当も持っていかなくても大丈夫になり、大変便利になりました。
ところで、ハイキングに行くのに、こんなに可愛い服装でいいのかしらと思いますが、昔はお出かけ=ハレということで、外出着、よそ行きを着たりしたものなのです。
今は服装もカジュアルなり、服のルールも昔のように窮屈でなくていいのですが、四季を感じる服装とか正装というものが非常に少なくなっているように思います。日本は四季があるので、衣替えなどその時期にあわせて楽しめる服装や着物で言えば季節にあわせた柄などを楽しむ習慣がありました。
四季が生みだす暮らしは日本の掛け替えの無い財産です。季節の美しさ、楽しさを、生活に取り入れて、楽しんでみてはいかがでしょう。

ぬりえのおみせやさんオープン
ぬりえ美術館のウェブショップ「ぬりえのおみせやさん」で、インターネットでもご注文いただけるようになりました。配送先もご指定いただけますので、プレゼントなどにもご利用いただけます。
○ぬりえのおみせやさんURL http://cart03.lolipop.jp/LA01064511/
○ぬりえ美術館URL http://nurie.jp/  
※ぬりえ美術館のホームページ(ブログ)から「ぬりえのおみせやさん」に入れます。
※お電話・FAXなどでもご注文いただけます。

【展示室のご案内】企画展 昭和のぬりえ展 ―昭和10年~30年―
詳細に描きこまれた昭和10年代の日本画風のぬりえから、大きな目に太い足、三、四頭身の皆様には思い出深いぬりえまで、昭和のぬりえの変遷をご紹介いたします。きいちのぬりえの花嫁さん、お姫様、遊び戯れる少女のなかに、今人気のマンガやアニメの原点があったのです!そして今も新鮮。きいちの魅力は永遠です。

【今月のエントランス】「お出かけ」(遠足・動物園)
風薫る5月。お出かけには最適な時期ですね。お出かけをイメージするぬりえをエントランスでは展示しています。
そのエントランスで展示している「インディラさん」についてご紹介!
「インディラさん」はインドから上野動物園に贈られた象です。戦争のために猛獣類は殺され戦後の動物園にはゾウがいませんでした。子供たちによる議会「子供議会」のゾウがほしい!という想いと行動力で、インドからゾウが贈られました。
○名前の由来は?:インドのネール首相の娘さんの名前からインディラと名づけられました。
○いつ?:昭和24年9月に到着し、昭和58年8月に死亡。骨格標本は国立科学博物館に展示されています。 
○メガネ:なぜインディラさんがメガネをかけているのでしょうか?ご存知の方がいらしたら教えてください。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○絵本とキャラクターの雑誌「MOE」5月号に「こだわりいっぱい」の注目展覧会として企画展の"昭和のぬりえ展"が紹介されました。
○荒川区のフリーペーパー「VIVA!荒川」に企画展が紹介されました。
○館長が推薦文を書いています○『子供の脳をきたえる線ぬりえ』(新風社)が発売されました。
○ナンクロ専門誌『オールナンクロ』にパズルの一つとして紹介されました。
○東日本銀行の冊子『ゆうゆう倶楽部』に大人のぬりえとして紹介されました

投稿者 Nurie : 21:48 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月30日

4月美術館ニュース

今年は冬が寒かったにもかかわらず、早い桜の開花となりました。さくらにまつわる歌を、若い方たちも歌って流行しています。「桜」河口恭吾、「さくら」、森山直太郎、「さくら【Maxi】」ケツメイシ、「桜坂」福山雅治、「SAKURA」いきものがかりなど等。卒業、入学の時期には、これらのさくらの歌が思い出の曲になるのでしょうが、皆様の思い出のさくらの歌は、どの歌でしょうか?

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示替えしています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

02233160.jpg

タイトル:おはなみおどり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者: 福井 紅子氏

 桜の花は、日本人にとっては特別の感情を持たせる花ではないでしょうか。3月になりますと開花予報がだされますが、誰もが桜の開花をまっているような気がいたします。
桜と聞いただけで、心が浮き立ってきて、今年はどこの桜を見に行こうかなど、気もそぞろになってしまうのは、日本人のDNAの中に、「桜が好き」というのがあるのかもしれません。
 桜の花を特に愛でるようになるのは、鎌倉時代あたりからで、源氏物語の書かれた平安時代には、梅が好まれていました。その後豊臣秀吉のころに醍醐寺での花見の宴などから、少しづつ花見というものが知られ、桃山から江戸時代になって、お花見は庶民のものになり、桜好きになっていったのです。
 今年の3月にダブリンに行きましたときに、桜のようなピンク色の花を見つけましたので、通訳の方にお聞きしてみました。彼岸桜のような花でしたが、アイルランドでは特別に桜に対して感傷はないということでした。
 今月の一枚の「おはなみおどり」は昭和30年代のお花見をしながら踊っている様子と思われます。満開に咲いた桜の木の下で、飲んだり食べたり踊ったりするのは、格別です。それは空を覆うほどに咲いている桜の花に酔っているからかもしれません。
 ぬりえ美術館のある荒川区では、区役所前や美術館のすぐ近くにある都立尾久の原公園のしだれ桜や荒川自然公園の桜が見ごたえがありますので、ぜひお立ち寄りください。

【ぬりえのおみせやさんオープン】
ぬりえ美術館のウェブショップ「ぬりえのおみせやさん」
がオープンいたしました。今まではお電話やFAX、Eメールなどでご注文いただいておりましたが、これからはインターネットでもご注文いただけます。
ご注文者以外の住所への配送も承りますので、プレゼントなどにもご利用いただけます。
どうぞご利用ください。
ぬりえのおみせやさんURL http://cart03.lolipop.jp/LA01064511/
ぬりえ美術館URL http://nurie.jp  
※ブログ→お知らせ→「ぬりえのおみせやさん、オープン!」からショップに行けます

【展示室のご案内】企画展 昭和のぬりえ展 ―昭和10年~30年―
詳細に描きこまれた昭和10年代の日本画風のぬりえから、大きな目に太い足、三、四頭身の皆様には思い出深いぬりえまで、昭和のぬりえの変遷をご紹介いたします。きいちのぬりえの花嫁さん、お姫様、遊び戯れる少女のなかに、今人気のマンガやアニメの原点があったのです!そして今も新鮮。きいちの魅力は永遠です。

【今月のエントランス】
01885160.jpg
4月は「桜」の季節。桜を中心に春の花をテーマに展示をしています。
エントランスで展示している「きょうにんぎょう」をちょっぴりご紹介!
「京人形」は踊りの演目の一つであり、歌舞伎などでも演じられていますね。お話は、名工左甚五郎が廓で美しい花魁を見初め、花魁そっくりの人形を彫り上げると、その人形に魂が入り、動き出す…という日本版コッペリアです。見た目は美しい花魁なのに、男性が彫った人形なので魂が男。女の魂である鏡を入れると人形の魂は女に。左甚五郎と一緒にとってもコミカルで楽しい踊りを披露します。

ぬりえ美術館掲載情報】
○朝日新聞の情報誌「大江戸朝日」の「今月の下町散策コーナー」で紹介されました。
○テレビ東京「出没!アド街ック天国」町屋の名所の一つとしてぬりえ美術館が紹介されました。(放映日:3月18日土曜日)
○NHK「乙女屋雑貨店」にぬりえ美術館が紹介されました。昔懐かしい少女の遊びを紹介し、それにまつわる思い出を語る番組です。
(放映日:3月27日日曜日)

投稿者 staff : 17:29 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月01日

3月美術館ニュース

心が弾む春がやってきました。お雛様は春一番の楽しいお祭りですね。菱餅に表された桃色、白色、若草色の色には、春の願いを託したのでしょう。どれもこれも元気で明るく、希望に満ちた色です。春の息吹を体いっぱいに感じ取りましょう。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に
合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

02256160.jpg

タイトル:たのしいひなまつり
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者: 福井 紅子氏

雛祭りは、五節句の一つで、桃の節句とも呼ばれます。
五節句は、一月七日《人日の節句》、三月三日《上巳の節句》、五月五日《端午の節句》、七月七日《七夕の節句》、十月十日《重陽の節句》をいいますが、季節の変わり目のことです。
 暦の中で奇数の重なる日をとりだして、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を払うというところから始まったものです。
 三月三日は、農家では本格的な農作業の始まる季節となるので、禊の行事を行い、3日の夕方に、人形に穢れを移して川に流しました。この祓い人形と雛遊びが混同されて、室町時代頃か、桃の節句に雛遊びの人形を飾るようになっていきました。
 源氏物語の中にも、幼い紫の君が雛を出して、いろいろな小道具や小さい家など座敷中にならべて遊んでいる様子や、雛人形の中から源氏の君とした人形をきれいに装束させて参内の真似をさせて遊ぶなど、雛遊びの様子が描かれています。
 
ぬりえサロンに参加している若い女性が、きいちのぬりえに見いだしている良さの一つに
「ハレとケ」の清々しさを上げています。この「たのしいひなまつり」のぬりえのように、ぬりえの中の少女は、正装して華やかです。今、自分たちの生活はカジュアルになって、このように正装する機会は余りないけれども、ぬりえを塗りながら、ぬりえの中に正装したときの気持ちがシャキッとする感覚を味わっているのです。昔私たちが、素敵な服装に憧れたように、キチンとした姿、気分に憧れているのです。皆様は、どのような気持ちになりますか?

【大人のぬりえサロン】
お客様からの問い合わせの多い「大人のぬりえサロン」の様子をご紹介いたします。
 「大人のぬりえサロン」毎月第3木曜日13時30分~15時30分 会費1500円(1回)
お好きな画材で、お好きな絵を塗ります。ある程度塗り終わると先生がアドバイスしてくださいます。
さらに手を加えて、完成させます。終わったら、生徒さん同士で見せ合ったり、写真を撮ったり。
和気あいあいとぬりえをしています。皆さん、月ごとに上達されています!


【展示室のご案内】3月企画展 昭和のぬりえ展 ―昭和10年~30年―
詳細に描きこまれた昭和10年代の日本画風のぬりえから、大きな目に太い足、三、四頭身の
皆様には思い出深いぬりえまで、昭和のぬりえの変遷をご紹介いたします。
きいちのぬりえの花嫁さん、お姫様、遊び戯れる少女のなかに、今人気のマンガやアニメの原点が
あったのです!そして今も新鮮。きいちの魅力は永遠です。

【今月のエントランス】
3月は女の子のお祭り「ひな祭り」。当時みられた色々なお人形をテーマに展示をしています。
子どもの頃はどんなお人形さんと一緒に遊んでいましたか?

【ぬりえ美術館掲載情報】
○雑誌:毎日新聞のフリーペーパー『トクプレ』3月号にぬりえ美術館が紹介されています。
○雑誌:日本ヴォーグ社発行『ペイントクラフト』美術館紹介コーナーに掲載されています。
○ 雑誌:『オレンジページ』3月2日号に脳が若返る大人のぬりえとして紹介されています。
○テレビ:テレビ東京「出没!アド街ック天国」町屋の名所の一つとしてぬりえ美術館が紹介されます。  (放映日:3月18日土曜日21時00分~21時45分)
○テレビ:NHK「乙女屋雑貨店」にぬりえ美術館が紹介されます。昔懐かしい少女の遊びを紹介し、それにまつわる思い出を語る番組です。
 (放映日:3月27日月曜日午後11時00分~11時29分)

投稿者 staff : 11:42 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月03日

2月美術館ニュース

2月は、寒さが一番厳しいときですが、春はもうすぐそこまで来ています。チュウーリップの芽がホンの少し土から顔をだしていますし、木の芽も少しづつ膨らんでいます。
春の訪れを待って、今月も皆様を暖かくするぬりえをご紹介いたします

  館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

au00081-6160.jpg

タイトル:ゆであずき
作  者:きいち
年  代:昭和20年代


 女性なら大好きな甘味の代表のひとつが"あずき"であり、冬の寒い時期に、ホッと体と心をあたためてくれる日本の美味しい食べ物ではないでしょうか。
 お汁粉、ぜんざい、ゆであずき、それから、餡子と小豆をつかった食べ物は沢山あります。小正月の1月15日には、小豆粥を食べる習慣があり、邪気を払い、無病息災を祈りますが、あずきには、良質のたんぱく質、ビタミン類(B1、B2)やカルシウム、リン、鉄、食物繊維など幅広く含まれています。ビタミンB1、B2は、体内で糖質(でんぷん)や脂肪を分解し、カロリーに換えるのに不可欠な栄養素で、これが不足すると体がだるくなったり無気力になったりします。ビタミンB1、B2に富むあずきは、元気の素といえるのです。更に女性にとっては、あずきに含まれるビタミンB2が、体内の代謝を活発にする働きがあり、皮膚を美しく効果があるそうです。
その他、あずきの煮汁には、老化、ガンを予防するサポニンも含まれていて、利尿効果や抗アレルギー作用があり、むくみや免疫力を高めるのに有効であり、食物繊維が豊富で、便秘解消にも効果的ということも言われています。
 冬に小豆粥を食べたり、ゆであずきやぜんざいなどを食べたくなるのは、冬の体に必要な栄養素として、本能的に体が要求しているからなのでしょう。
 皆様も、ゆであずきが食べたくなったのではありませんか?


【今月のエントランス】
まだ厳しい寒さが続く2月。ぬりえの女の子はどのように冬を暖かく過ごしていたのでしょうか。
ぬりえの女の子と一緒にあたたまってください。


【ぬりえ美術館掲載情報】

○雑誌:『週刊文春』に辛酸なめ子さんの連載「ヨコモレ☆通信」のなかで、ぬりえ美術館
およびぬりえサロンが、大人のぬりえの活用法に関連して紹介されました。(12月)

○テレビ:フジテレビ「子育てれび」で子育てにお役立ちの場所としてぬりえ美術館が紹介されました。(放映日:1月20日金曜日11時25分~11時30分

投稿者 staff : 14:01 | コメント (0) | トラックバック

2006年02月10日

1月美術館ニュース 今年は戌年

明けましておめでとうございます。昨年は大勢の方にご来館いただき、また寄贈をしていただきまして、大変ありがとうございました。
ことしも皆様に楽しく、喜んでいただける企画、内容をご提案したいと考えておりますので、今年もよろしくお願い申し上げます。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:かわいいぽち
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

今年は戌年です。かわいい犬を紹介してみました。
きいちのぬりえには、犬や猫などペットがよく描 かれていますが、なかでも犬好きだったせいか、犬がよく登場します。
昭和30年代にもペットブームがあり、スピッツが流行したことがあります。高度成長期に入り、庶民の生活が豊かになってきて、豊かさを示すような、清潔で高級そうなイメージの白い色と、従来の番犬的な犬でなく、ペットとしての犬という意味で、白い犬のスピッツが流行したものと思われます。
最近も犬や猫、その他様々な動物がペットとして飼われているようです。
ぬりえ美術館の近くには、都立の原公園があり、沢山の犬が散歩に来ています。それはいいのですが、困るのが犬の落し物です。この辺りでは、落としたものを流す水やもって帰るための物をもっていない飼い主が多く見られ、美術館の前の通りも汚されて困っています。
ペットを飼うからには、飼い主の方にもそれなりの覚悟をしていただいて、公共のマナーを守ってもらいたいと節に願うものです。
戌年の今年から、正しいマナーでペットを可愛がるようにしてほしいものですね

昨年末にきいちの袋ぬりえを寄贈いただきました。
大事に保管されており、かわいい女の子が表紙の美しいぬりえです。今年もたくさんのぬりえをご覧になっていただける展示を行って参ります。本年も変わらぬご支援、よろしくお願いいたします。
【展示室のご案内】
展示室、窓側の展示(小)ケースはきいち以外のぬりえ作家、中央のケースと壁面はきいちのぬりえを展示しています。

【今月のエントランス】
戌年にちなんで、ぬりえに描かれた犬を展示しています。
今と変わらず人間の身近なパートナーとして、ぬりえにも頻繁に登場します。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○ラジオ:西日本放送に生放送で登場しました。香川県高松での放送でした。
○新聞:日経新聞「NIKKEIプラス1」に「今話題の大人のぬりえ」として、ぬりえサロンの様子が紹介されました。(12月17日(土)に掲載されました。)
○テレビ(パソコンテレビ):USENが運営するパソコンテレビGyaO(ギャオ)の健康番組「MEDOCAL EYE(メディカル アイ)」に心を癒す「大人のぬりえ」として、紹介されました。(放映は12月15日から1週間でした)
○テレビ:フジテレビ「子育てれび」で子育てにお役立ちの場所としてぬりえ美術館が紹介されます。
(放映日は1月20日金曜日11時25分~11時30分です。)

■通信販売を開始しました。商品代金2000円から発送を承ります。(別途、送料と代引手数料がかかります) ご注文は、メール、電話、FAXにてお受けしております。
メールアドレス:info@nurie.jp 
電話:03-3892-5391 FAX:03-3892-5392

投稿者 Nurie : 01:27 | コメント (0) | トラックバック

2006年01月25日

ベティさんのクリスマス

ことしも最終月になりました。12月はすこし寒いという予報がでています。今年の風邪やインフルエンザには十分注意をして、お過ごしください。
今年もぬりえ美術館にご来館していただきまして、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。どうぞぬりえを見て、暖かい気持ちになって、良いお年をお迎えください。

「ぬりえのこころ」-今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

01167_160.jpg

12月は楽しいクリスマスの月です。昭和10年代のクリスマスをご紹介いたします。
このぬりえは昭和10年代に描かれたベティさんのクリスマスのぬりえです。作家は「ヒデオ」です。
昭和10年代にもクリスマスはあったのですね。
70代後半の母に聞いてみましたところ、ぬりえ美術館のお隣には、母の子供のころからカトリックの教会があり、そこでクリスマスを催してくれていたそうです。夢のように楽しい時間だったことでしょう。
 
 そしてこのベティさんですが、当時の人は、ベティさんではなく「ベッテエーさん」と呼んでいたそうです。昭和10年代に、アメリカからミッキーと一緒にベティさんのアニメも入ってきて、大変な流行になり、その人気を受けて、日本人がベティさんを様々に描いたようです。 安野隆氏の「日本製ベティ・ブープ図鑑」光芸出版 4000円によりますと、ぬりえばかりでなく、おもちゃ(お人形、写し絵、双六、めんこ、積み木、羽子板など)や広告(マッチなど)に使われたそうです。 クリスマスの憧れや夢は、今も昔も変わらないようです。ちょっと珍しいベティさんのクリスマスのぬりえをお楽しみください。

【大人のぬりえ】
 来館してくださった方に、実際にぬりえを体験していただいています。
家に帰ると、ゆっくりとぬりえに向き合う時間が取りくいと思いますので、時間がございましたら、どうぞ1枚ぬってみてください。予想外に真剣にぬりはじめ、夢中になってぬっていた子供の頃に一気に戻れます。そして、気持ちが和らぎます。
 *ぬりえギャラリーで、作品の一部をご紹介しております。力作をぜひご覧になってください。

【情報誌に登場!】
○イオンクレジットの有料会報誌に「大人には懐かしい、若者には新しい、ぬりえ」として、紹介されています。

【新聞に登場!】
○「女性に読んでもらいたい」をテーマに政治・経済・文化を発信している女性新聞(12月5日発行号)に「ぬりえを文化にしていく」ことについて紹介されます。

○12月17日(土)日経新聞「プラス1」に大人のぬりえ特集が掲載されます。

【テレビに登場!】
○フジテレビ「子育てれび」で子育てにお役立ちの場所、として紹介されます。
(放映日は1月20日金曜日11時25分~11時30分です。)

○パソコンテレビのギャオ(GyaO)の「メディカルアイ」でぬりえが取り上げられます。
(放映日は12月15日木曜日~1週間です。)
http://www.gyao.jp

投稿者 staff : 16:25 | コメント (0) | トラックバック

2005年12月15日

子供は風の子! 

11月の美術館ニュース
早いもので、そろそろ冬の準備をするころとなりました。
今年は風邪が流行しそうですから、うがいなどをして気をつけてお過ごしください。
ぬりえ美術館では、企画展が終わり11月から常設展に替わります。昭和20年~30年代には、きいち以外にも様々なぬりえ作家がいました。きいちやまつお、ひでを、フジオなどなど、冬の装いを中心に展示いたします。あの頃の冬をどのように過ごしていたか思い出してください。

「ぬりえのこころ -今月の一枚-」
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
00523_16.jpg
タイトル:げんきなこどもはさむくない 作者:きいち 年代:昭和30年代
子供は風の子!といわれ、外を元気に飛び回っているのが昭和の20年代~30年代の子供の姿でした。冬でも、短いスカートや男の子なら短いパンツをはいて、遊んでいたものです。肌がカサカサして、粉がふいたようになってもいました。今のようにクリームを塗るなど考えもつきませんでした。せいぜい手に「桃の花」というちょっと油っぽくべたべたしたクリームをぬるくらいでした。
風がふこうが、寒かろうが、お友達といっしょに縄跳び、ゴム飛び、ドッジボール、鬼ごっこなどなど。大勢で遊びました。大勢で遊ぶことで、遊びの中の社会性を覚えていったように思います。スポーツが上手な子供、苦手な子供、体格のよい子、小さな子、球技が得意な子、走るのが得意な子、いろいろな友達がいました。いろいろな場面で、それぞれの得意なことを伸ばし、発揮できる場面が沢山ありました。
進むべき方向性は、勉強だけ!という画一的でなく、それぞれに発揮でき、自分らしくいられる場所があったと思います。
社会がグローバルになるということは、単一でなく、多様性を認めるということでもあります。
多様性を生かせる社会でありたいものですね。

新商品が発売になりました!
皆様からご要望いただいておりました新商品が発売になりました。『きいちのぬりえ・お手伝い編』『きいちのぬりえ・秋冬編』、「袋入りぬりえ・お姫様」の3種類です。

■『きいちのぬりえ お手伝い編』『きいちのぬりえ 秋・冬編』
出版社:小学館 定価:600円(税込)サイズ・ページ数:A4版・32ページ 
「お年寄り向けに大きなぬりえは出ませんか」とのご要望いただき、お手伝い編、秋・冬編の2種類が発売になりました。お年寄りや小さなお子様に大変塗りやすい大判のぬりえです。

ohimesama_16.jpg
■袋入りぬりえ「お姫様」(8枚入り) 定価:315円(税込)
かぐや姫、人魚姫、乙姫様、親指姫など、憧れのお姫様が入った袋入りぬりえです。

かねてからご要望いただいておりました通信販売を開始しました。
商品代金2000円から発送を承ります。コレクト(代引き)にてお送りいたします。
(送料と代引手数料がかかります)どうぞ、ご利用ください。

【今月のエントランス】
日暮れが早くなり、日増しに寒さが加わって参りました。
今年も残すところ2ヶ月、冬の準備をする季節ですね。今月のエントランス展示は、「冬支度」をテーマに、家での暖かい過ごし方や冬の装いのぬりえを展示しました。

051027shanaikoukoku_40.jpg
【都営交通に掲載されました!】                    
「東京の休み時間」をテーマに、博物館・美術館のひとつとして、ぬりえ美術館が紹介されています。駅のポスターや車内中吊りでご覧ください。都営交通局ホームページでも紹介されています。
 http://www.kotsu.metro.tokyo.jp
トップページ左下「広報誌ご案内」→広報誌を閲覧→東京の休み時間→③「今日は、アートでゆっくり」

051030pazuru_32.jpg
【『タイムスリップパズル・ノスタルジック昭和編』に掲載されました!】(掲載ページ:102・103ページ)
昭和30-40年代の懐かしい歌謡曲、漫画&ヒーロー、テレビ、映画・・・のクロスワードパズルの本です。
ぬりえ美術館が、懐かしい遊びのクロスワードパズルになって、紹介されています。
『タイムスリップパズル・ノスタルジック昭和編』 出版社:白夜書房 定価:680円(税込) 

投稿者 Nurie : 17:42 | コメント (0) | トラックバック

2005年10月31日

うちかけの花嫁さん

本当に暑かった8月から始まりました3周年記念「きいち特別展」も、最終月の10月は、爽やかな秋の深まりを感じるいい季節となりました。
お蔭さまで、今回の企画展の素晴らしい色彩の福井さんのぬりえに、大勢の方が感嘆の声を上げられています。色を塗ったぬりえを見るのも、また楽しいということが解った企画展でした

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

00300_16.jpg   
タイトル:うちかけのおよめさん 作者:きいち 年代:昭和30年代 寄贈者:成山明光氏
女の子のなりたいものは花嫁さんだった昭和20~30年代。ぬりえにも多くの花嫁さんが描かれ、女の子の憧れや夢を満たしました。
この花嫁さんは、内掛けを着ています。昭和40年代~50年代であれば、誰でも着れるようになった打掛ですが、この当時であれば、かなりお金持ちのいいお家の方でしょう。まだまだ内掛けが珍しかった時代でした。
髪には角隠し、簪は鼈甲の簪でしょうか。大きく立派な簪を挿しています。着物の柄は、松竹梅が描かれ、お目出度い、結婚式に相応しい柄となっています。
さて、この当時は、昭和25年頃の平均の初婚年齢というと、女性が23歳、男性が25.9歳でした。平成12年では、女性27歳、男性28・8歳となっています。最近では、青年層の意識が結婚から離れつつあるようです。「いずれ結婚するつもり」の未婚者が減少し、「(今は)まだ結婚するつもりはない」という人たちが25歳以上で増えるなど、結婚はより個人的、内面的機能を果たすべきものと考えられるようになって、結婚の必要性を感じない人たちが増えているようです。戦後60年で、日本も豊かになり、花嫁さんは憧れではなくなったようです。
結婚をしてもしなくても、充実した人生を生きていきたいですね

ぬりえ美術館にいらして、新しい発見があったり、自分の原点をみつけたり、ぬりえを通していろいろな想いを感じていただいているようです。ぬりえは十人十色。感じ方も十人十色。心温まるコメントやイラストをありがとうございました。
皆様の思い出が一杯つまったぬりえ美術館で童心に帰って、秋の1日を楽しんでください。

●ぬりえ体験コーナーで、ぬりえをしていただいた方からのコメントです。
「幼き日を思いめぐらせて今は絵手紙教室へ行っていますが、又違う思いで色をぬり、
楽しく過ごさせていただきうれしく思います。ありがとうございました。」(S.O様64歳)
●ラジオ深夜便をお聞きになって来館されました。
「ラジオ深夜便にて、一昨晩ぬりえ美術館を知り、遠い昔の子供の頃に遊んだことが思い出され、
懐かしさで一杯。来館してまたまた感激でした。」(K.W様78歳)
●お母様と一緒に遊びにきてくれた小学生の女の子です。
「ちかくにたのしいところがあるとは思いませんでした。こんどは自分の家で
ぬりえをやって見たいです。ぬりえがすきになりました。」
●お母様に贈りたいと来館されました。
「88歳の母にぬりえをプレゼントしようかと思い来ました。昔、私に買ってくれた母、
今度は私がプレゼントします。」(E様)

【今月のエントランス】
10月はブライダルシーズンということで、あの頃女の子のなりたかったものNO.1の「花嫁さん」のぬりえを展示しています。

【都営交通で紹介されます!】
この秋「東京の休み時間」をテーマに、博物館・美術館のひとつとして、
ぬりえ美術館が紹介されます。駅のポスターや車内中吊りでご覧ください。
「大人のぬりえサロン」も紹介されています。参加費は1回1500円、第3木曜日
午後1時30分~3時30分に開催しております。お気軽にご参加ください。

【「讀賣新聞」(9月17日発行)に『ぬりえ文化』が掲載されました!】
ぬりえの歴史や文化的価値、ぬりえの未来まで解き明かしたぬりえの専門書『ぬりえ文化』が紹介されました。当館や書店でお買い求めになれます。 
『ぬりえ文化』 著者名:金子マサ・山本紀久雄 
 出版社名:小学館スクウェア 定価:1,500円(税込)

投稿者 Nurie : 14:01 | コメント (0) | トラックバック

2005年10月05日

芸術の秋、音楽奏でましょう

空が澄んで、高くなり秋らしくなってきました。虫の音も聞えてくるようになりました。
今まで暑くて、余り動けなかった分、気持ちの良い季節になりましたので、いろいろなことをしたくなりますね。美術館、博物館、映画、コンサート、スポーツ、秋を存分にたのしみましょう。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

02109_16.jpg
タイトル:ピアノのおけいこ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者: 小沼 秋成氏

ピアノのお稽古が、昭和30年代には、かなり流行していたように思います。
親の世代には、ピアノなど上流家庭でないとありませんし、お稽古をさせてはもらえる環境ではなかったので、戦後、だんだん景気がよくなってくるにつれて、自分の夢を子供に託して、お稽古をさせた家が数多くあったように思います。
その頃には、ピアノ、バイオリン、バレーなど、西洋的なお稽古事に人気が上がっていましたが、下町では、日本舞踊、お習字、そろばんも等もお稽古していました。日本は日本的なものから、西洋的なものまで、習い事が沢山あります。
ピアノは、初めは子供たちも嬉しくて、練習をするのでしょうが、自分の才能に気が付いて、いつしかピアノは物を置く棚状態になっていたように思います。
誰でもが音楽に触れるチャンスが増えたことは、とてもいいことだと思います。そのお蔭で、今日本の音楽も世界的に通用するようになってきていると思います。
誰もが、自由に何でもできる社会がいいですね。

ぬりえの専門書、『ぬりえ文化』が出版されました!

8月を持ちまして、ぬりえ美術館は開館3周年を迎えることができました。
ぬりえは、誰もが遊び、知っているのに、大人になるとすっかり忘れてしまう、不思議な
遊びです。そんなぬりえを研究しようと志し、ぬりえの収集をし、研究をして、ぬりえを楽しむ子供や親たちとの交流を続けているうちに、日本でも世界でも初めての、ぬりえ美術館を開館することになった訳です。
そして早3年、そのぬりえの研究の成果をまとめた本『ぬりえ文化』が9月1日に発売されました。ぬりえの歴史、ぬりえの現状、そしてぬりえをすることが日本の新しい文化創造に大変に役立つものだという、ぬりえの未来まで書かれた、世界で初めてのぬりえの専門書です。この本をきっかけに「ぬりえ」に対して、関心を高めていただけたらと、願っております。
ぬりえを子供文化、児童文化、そして日本の文化としていくために、これからも収集ならびに研究を重ねて参ります。 これからもご支援をよろしくお願いいたします。

File0001_32.jpg
『ぬりえ文化』は、受付、または全国の書店でお求めいただけます。お近くの書店にない場合は、以下の内容を伝え、ご注文ください。
 書名:『ぬりえ文化』
 著者名:金子マサ・山本紀久雄
 出版社名:小学館スクウェア
 定価:1,500円(税込)
また、書店が遠い場合などは、クロネコヤマトのブックサービス(電話:0120-29-9625)へご注文ください。 *代金引換でご利用いただけますが、送料210円(税込)がかかります。

NEWS
■「大江戸リビング」秋号(9月17日発行)に掲載されます!
メイン特集「都営線で巡る。個性がキラリ!の博物館・美術館」(仮)で紹介されます。

■NHKラジオ深夜便で紹介されます!
NHKラジオ深夜便の「東京ぶらり旅」のコーナーで、ぬりえ美術館が紹介されます。
キャスターは室町澄子さん。放送は、9月15日(木)深夜1時~2時の予定です。

■今月のエントランス
芸術の秋、おしゃれの秋をテーマに、展示をしております。たのしそうにおめかしししたり、音楽を奏でています。

投稿者 Nurie : 15:17 | コメント (0) | トラックバック

2005年09月03日

雨の日の楽しみは・・・

梅雨の季節がやってきました。雨になったら、子供のころにもどってぬりえをしましょう。
色鉛筆やサインペン、クレヨンなど、様々な画材をつかって、塗ってみましょう。
梅雨の時期を楽しく過ごせますよ。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します
 
   
タイトル:かわいいバレリーナさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代前半
寄  贈:小沼 秋成氏

6月のエントランスは、可愛いバレリーナたちです。
ぬりえには、女の子の憧れがや夢が様々に描かれています。その中の一つが、バレー、バレリーナでしょう。
バレーの中には、日常を忘れさせる別世界があり、それが少女の心を捉えたものでした。バレーのフリフリのドレス、リボンが可愛いトーシューズ、踊る姿もエレガント。

バレーの世界は、月刊の少女雑誌にマンガで沢山描かれてもいました。松島トモ子さんや浅野寿々子さん、森下洋子さんらのバレー姿が写真で掲載もされていました。バレーの素敵なポーズや華やかなバレーのアクセサリーなどの美しさが、どんなに少女の心に染み込んで、彼女たちの想像の世界で遊んだことでしょう。
私もほんの少しの時間でしたが、小学校1年生の頃に、通っていた幼稚園でバレーのお教室が始まったので、習ったことがありました。埼玉の片田舎でも、新しい風が入ってきたのでしょう。
日本には習い事が沢山あります。日本の伝統的な習い事から、バレーやバイオリンなどの西洋のもの、そしてソロバンや学習塾などのお勉強の習い事、さらにスポーツなど。今はカルチャー教室を始め、自分の好きな習い事が、誰でも簡単にできるようになりました。皆様の子供の頃の夢は何でしたでしょうか?今からでも遅くはありません。夢にチャレンジしてみませんか?

都電とぬりえ

●都電関連の取材が続く
 5月21日、4月につづき香港から来館者があった。やはり香港で3月に発売されたNEXT
MAGASINEをみて、「ぬりえ美術館を見に来たかった」と言って来てくださった。池袋のホテルに泊まり、都電に乗っていつくか途中下車をして楽しんできたそうだ。
 NEXT MAGASINEばかりでなく、最近都電に関連した取材が多くなっている。
暮しの手帖社の別冊「フードテラス」3月号、NTTの社員向け住まいの情報誌である「My
Place」、そして7月発売予定の雑誌「OZマガジン」 などなど。
 ●「古くて新しい」がキーワード
 都電とぬりえには、共通するキーワードがあります。「古くて新しい」ということです。
 今世の中は気が付かないうちに様変わりをしています。従来の考え方がいつのまにか綻びて合わなくなってきているのです。JR福知山線の事故にみるように、事故が起きたのに、助けもせずに出社してしまう社員やボーリングに行った社員など、その社内ではいいと思っていることが、社会の自然の感覚に合わなくって、大変な批判を浴びました。従来からのひずみがでてきたのです。
 ●「変わらないものに良さがある」
 今までの社会では、何でも科学、技術で発明された新しいものがいい物だと思ってきました。その考え方が変わりつつあるのです。「変わらなかったものの方に、特長があり、新鮮である」と感じ始めているのではないでしょうか。
 都電は、東京では唯一残った市内電車です。その一車両の電車ののんびりした旅の感じを、わざわざ田舎に出かけなくても味わえるのです。都電が通る街は、昔在った東京の風景が残っていて、そこには人の呼吸が感じられるような景色があり、こういう景色もいいものだと流行に敏感なマスコミは取り上げているのではないでしょうか。それでなくても、日本の町はどこに行っても同じような景色になってしまっていますから。
 ぬりえも古いものですが、見たり、塗ってみたりすると、そこに描かれたものは昭和の30年代の風俗で、都電と共通するイメージを感じることができるだと思います。昭和30年代は、日本が高度成長時代に入る頃ですから、それ以前の生活があった時代です。そこに今の時代に失われてきた、様々ないい点があったと人々は感じ始めているのではないでしょうか。
 ●古くて伝統あるものの魅力
「文化に古さは欠くことができない要素であり、古くて伝統あるものに人々が集まるのは、古いものには想像力を刺激するタネがある」と文化人類学者の竹村真一さんがおっしゃっています。
都電にもぬりえにもその古さが残されていて、そこに人々は今新たな魅力を感じ始めているのだろうと思います。
 先日の香港のお客様も、香港で失われてしまった景色や事柄(ぬりえ)を求めてきたのではないでしょうか。

投稿者 Nurie : 23:46 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月02日

新緑の季節のぬりえ

薫風、青嵐、皐月のころ、風は草木の緑の香りをのせてやってきます。目には見えないけれど、まるで若葉の緑や濃い青に染まったように、風はその色さえも変わってきます。
 この空気を胸いっぱい吸い込んで、緑の若さを感じましょう。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

5月のエントランスは、爽やかな新緑の季節をイメージしたぬりえを展示しています。
みどりのそよか~ぜ いい日だね~  ♪♪
あざやかな みどりよ 明るい みどりよ~
ただいちめんに たちこめた~ 牧場の朝の 霧の海

皐月の風薫る季節を歌った歌が沢山ありますが、皆様もこの季節には、思わず口ずさんでみたくなるのでは、ないでしょうか?
長かった冬を越えて、春に感謝し謳歌したくなるのでしょう。子供たちのぬりえにも、この季節の美しさが描かれています。
緑に覆われた野山に登ると、どこからか葉や花が散ってきて、少女の頭に落ちています。
ピクニックかハイキングなのかもしれませんが、街にでも行くようなお洒落な可愛いワンピース姿です。昭和30年代のころ、お出かけ用のよそ行きと普段着とがしっかり分かれていました。
新しい服は、お正月かお誕生日にでも新調して、それまでは普段着で我慢です。兄弟、姉妹がいると弟や妹は、お古を着ることがほとんどでした。ある時期まで我慢をしないといけないので、自然と大事に着て、強いては物を大切にする気持ちを育みました。貴方は、どんなものを大切にしていますか?

絵の起源のアルタミラ洞窟見学記

●アルタミラ洞窟を見学の理由。
絵はいつ頃から始まったのでしょうか?ぬりえは絵ですので、その起源を知りたくて、今年の2月末に、ミュンヘンのドイツ博物館までアルタミラの洞窟見学に行ってきました。
今、スペインのアルタミラの洞窟は見学することができません。しかしドイツ博物館には、アルタミラの洞窟のレプリカがあり、そのレプリカを見に行ったのです。
私の先生は、千住博さんの「美は時を超える」(光文社新書)という本でした。この本をもって、見学に行きました。
アルタミラの洞窟壁画は、15000年前に出来たと言われています。壁画といわれていますので、壁に描かれているのかと思うとそうではなく、天井に描かれていること。そして、この天井に描かれた動物たちは、1990年代前半まで、人々が狩によって手にいれ、食料としていた動物が描かれていると考えられていたそうですが、その後の、発掘した動物の骨を調査した結果、「当時の人々はその動物たちをほとんど食べていなかった」ということが分かりました。
私は、この言葉に惹かれて、ミュンヘンまで行ってきました。狩の目的でもないその動物たちを何故描き、また描くことができたのでしょうか?壁画には、壁画ができた時代には生きていないような動物までも描かれていたそうです。どうしてそんなことができたのでしょうか?

●ドイツ博物館のアルタミラ洞窟壁画のレプリカ

<ドイツ博物館>
ドイツ博物館は、世界最大級の博物館です。何しろ飛行機でも舟でも、コンピューターでも大事な意味あるエポックとなった飛行機や舟が、そのまま博物館に展示されているという、大変大きな博物館です。
2月末のミュンヘンは、寒さが厳しくて雪が積もって凍っていました。ドイツ博物館前の川は、一面の銀世界でした。

15000年前のように展示してあるので、ここだけは真っ暗です。だんだん目が慣れてくると、天井に描かれた動物が見えてきました。壁ではなく天井の凸凹を利用して描かれています。赤く彩色されたパイソンの形や色が良くわかります。15000年前にもうこのように描いていたということ感動しました。
このレプリカは1962年にドイツ博物館で公開され、スペインのアルタミラ洞窟の近くに作ったものはそれより後1964年に同じスタッフによって作られたそうです。
ちょうど、小学校の生徒さんの見学とぶつかり、一緒に勉強をさせてもらいました。先生の持つ小さな懐中電灯の灯りを天井に向けて、先生が解説をしていました。「何に見えますか?」「馬はどこにありますか?」というような感じで、進められていました。

●千住博さんの本による解説
「天井の立体を利用して、牛の形をした石には牛が描かれ、綺麗に赤く彩色され、時には削られたりされているものもありました。それらは面と線の区別がなく、当時は彫刻も絵画の区別もなかったのではないかと考えられます。
何万年もにわたり、人々は闇の中で、その大いなるイマジネーションを働かせ、この世界を支配している未知の神に交信を試みたのではないか。そして捧げものとして、神話の世界を描く。その時の音が、いわば音楽の最も原始的なものとして、そらに壁をたたく音などが一種の効果音として伴われていたのではないでしょうか。絵を描く音が最初の音楽だったと考えることが自然です。
当時の一つの特徴として、角のあるパイソンや鹿がどうやらシャーマン(巫術師)の手伝いもしていたらしいということが考えられています。いやゆる「ムーンカルト」といわれるものです。
古代ギリシャのホメロスは、その著書の中で「芸術とはそれを人に知らせたくなる行為のこと」というようなことを定義しています。明るいところでみた人は仲間に「おい、見てみろよ」となるのです。ギャラリーの誕生です。アルタミラのこの「光の間」の出現によって、本来の宗教的、神秘的目的ではなく、タブロー(絵画作品)としての意識が芽生えたのです。」と解説されています。

●本能が共通キーワード
アルタミラ洞窟壁画が描かれていたもう15000年前に、絵、音楽、舞踏、演劇・・・
あらゆる芸術がすでにその時にできていたのです。
神に祈るために、最初は絵を描くという「行為」自体が大切であった。それがもっとそっくりにと「描く」という行為が誕生し、「見るための絵」なり、見るという行為が誕生する。そしてギャラリーになっていった。人間の本能の進歩です。
この絵が進歩して、中世の宗教画から発展し、さまざな絵の形態になり、その中で「ぬりえ」というものも生まれてきたわけです。アルタミラの洞窟壁画には、人間が本能的に描いたという絵の力を感じました。
ぬりえにも、人間の本能として、絵のなかを塗りたいという本能のようなものがあって、色を塗っていくのではないでしょうか。そんなところに共通点を感じてきました。
寒い時期でしたが、絵の起源、絵の原点を見ることができて、心は満足感に溢れて、温かいミュンヘン「アルタミラ洞窟見学」となりました。これからも、ぬりえを探る旅はつづきます。

投稿者 Nurie : 23:56 | コメント (1) | トラックバック

2005年04月30日

学校や勉強を描いたぬりえ

平成17年4月 vol.28
日本で一番素晴らしい季節となりました。西から桜前線が上がってきます。日本人ほど桜をすきな民族はいないのではないでしょうか?平安時代のころから、花は桜を一番に愛でて以来、いつの世にも、桜が日本人のこころを代表してきました。皆様の桜の楽しみ方は、どのようなものでしょうか?

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマに沿って月毎に展示替えしています。「ぬりえのこころ」では、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します

 
タイトル:わすれもののないように
作  者:きいち
年  代:昭和20年代前半
寄  贈:藤元 耿子氏
 

4月のエントランスは、入学式、新学期のイメージから学校や勉強をイメージするぬりえを展示しています。
「わすれもののないように」と、どの家庭でも言われていたのでしょうね。家庭での躾がとても厳しかったですが、それが今にして思えば、とても自分にとって良かったことだと、祖父母や親に感謝しています。
きちんした躾がされていると、どこにでても恥ずかしいことはありませんし、それは人とのコミュニケーションを気持ちよくするものでもあります。
最近、電車の中でメーキャップをしたり、食事をする人を見かけますが、他人との関わりの意識が私たちとは違うようですね。車内には自分一人がいて、他の人は見えないかのようです。
きいちのぬりえの少女を見ていると、きちんと躾された少女、どのような家庭でどんな風に育てられたのかが分かる気品ある少女を感じます。そのため、いつの時代でも、誰が見ても、安心して絵をみていることができ、気持ちがいいのだと思います。
きいちのぬりえで、すがすがしさを味わってください

つたやきいち展を見学してきました

●大阪行き
2月11日から開催されています大阪府立大型児童館での「つたやきいち展」に行ってきました。8時3分ののぞみに乗って東京駅を出発。大阪は、難波の「くいだおれ」で昼食を食べて、食い倒れ人形の前で大阪観光気分を味わいました。難波から南海高野線にのって、泉が丘で下車。高層団地群がどこまでも続いて、そこは外国かと思うような超近代的な景色が広がっていました。
0500330jidoukan 002_32.jpg
(写真はくいだおれ人形)

●大阪府立大型児童館ときいちのぬりえ:
大阪府立大型児童館は、漫画家の松本零士さんが館長で、建物も宇宙船をイメージしています。今は春休みとあって、小学校のどちらかというと低学年の子供たちが親たちと一緒に沢山来ていました。
大阪府立大型児童館には、「おもちゃ博物館」という本(全24巻)に紹介された玩具が収蔵されいます。
050330jidoukan05_32.jpg

(写真は大型児童館の館内)

きいちのぬりえはその収蔵品から、今回展示されたものでした。4階のエレベーター前の広場の壁面と奥の昭和30年代の街の中の2箇所に展示されていました。この日は、この「おもちゃ博物館」の著者でありコレクターでもある日本玩具研究所の
多田敏捷氏に会場までおいでいただき、きいちのぬりえを集めたころの当時の収集の様子ならびにきいちの様子をお話いただきました。

●展示内容
050330jidoukan01_32.jpg                 
(案内ポスター)        
数々のきいちのぬりえや絹絵、そしてミスタードーナツに使われた景品やポスターなど、大変珍しいものが展示されていました。(写真は、1986年8月30日~9月15日に使われてたミスタードーナツの景品関連品)
ここに展示されている絹絵は、多田先生がきいちに依頼したもので、昭和50年代頃に描かれたきいちが60歳代のものです。きいちの絵はどれも丁寧に詳細に描かれているのが特徴ですが、非常に描き込まれた素晴らしい絹絵が数多く展示されていました。

●多田敏捷先生の玩具に対する考え方
多田敏捷先生は、おもちゃは、大事な「子供文化」「児童文化」であるという信念と「子供たちを楽しませてくれてありがとう」という感謝の気持ちを持って、玩具をコレクションされ、玩具を単なる慰みものという扱いでなく、「児童文化にしていきたい」という考えをお持ちの方です。
おもちゃは遊びの道具だからと軽く扱われがちのものですが、私もぬりえを文化にしていきたいと考えていましたので、同じ考えをもって活動されている多田敏捷先に出会えて、大いに同感し、大変な勇気をいただきました。

●多田敏捷先生のきいち観
多田敏捷先が、きいちのぬりえをコレクションしたのは、きいちのぬりえの絵が一切子供だましをしていない。手抜きをしない。非常にまじめな絵であるということからでした。きいちのぬりえは一流の絵であり、「きいちは子供文化の大事な代表者である」ともおっしゃってくださいました。

女性にとっては、きいちのぬりえは本当に宝物ですが、どうして女性がきいちのぬりえを好きであったのか、当代の目利きの多田敏捷先生に上記のように言っていただいて、きいちが一流の画家で、いい絵を描いていたから、誰もがきいちのぬりえの少女が美しい、可愛いと理解して、大勢の日本の少女たちが好んで塗ったのだと分かりました。

尚、「おもちゃ博物館」の本の中の玩具は、島根県のわらべ館にも収蔵されているそうで、きいちのぬりえも30余点あり、一部は常設展示されているそうです。

展覧会は、4月10日(日)までとなります。

投稿者 Nurie : 17:16 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月02日

童謡、童話のぬりえ 2月の美術館ニュース

暖冬と思っていましたら、寒波が襲来。今月の寒さが一番厳しいですが、この寒さの中で
草木は芽を伸ばそうと準備しています。春までもう少し!私たちも、寒さに負けずに、この二月の凛とした空気を楽しみましょう。

「ぬりえのこころ-今月の一枚-」
01701_s.jpg
館内に入ってスグ目に留まるエントランスのぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
今月は、童謡や童話のぬりえを展示しています。
美術館ニュースでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

ゆりかごのうた 作詞 北原 白秋
        作曲 草川 信
ゆりかごの歌を カナリヤが歌うよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
ゆりかごのうえに びわのみが ゆれるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

ゆりかごのつなを きねずみが ゆするよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
ゆりかごのゆめに きいろいつきが かかるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

北原白秋の作曲のこの歌は、代表作品といわれている「からたちの花」(1924年大正13年)や 「この道」(1926年昭和1年)より先につくられているそうです。大正時代から歌われていて人気の歌だったのでしょう。ぬりえにも表現されました。
目のパッチリした赤ちゃんが揺りかごに寝かされ、まるで猫が遊ぶたびに、揺りかごが揺れるようです。元気な赤ちゃんらしく、上げた足を手で持っています。赤ちゃんの体はとても柔らかなので、このような格好をしていることをよく見かけますが、そんな赤ちゃんの動作をよく捉えて描いています。スズランの花や、兎の柄は、昭和10年代のぬりえには、よく使われている柄です。歌詞もメロディーも揺ったりしていて、大人の方が寝てしまいそうですね。


■ぬりえギャラリーをHP上に開設しました。
ぬりえ体験コーナーを昨年6月に開設してから、多くの来館者の皆様にぬりえを楽しんでいただいています。コーナーには、「THEきいちのぬりえBOOK」の1と2の本を置いています。ぬりえを1枚丁寧に塗ると1時間ほどかかりますが、好きな絵を選んで、好きな色を塗って、大変上手に塗っていかれます。
お時間がありましたら、皆様もぬりえを楽しんでください。

■ぬりえは十人十色は、昔の常識?
ぬりえをなさらない方も、塗られたぬりえの本を見て、ぬりえの違いを楽しんでいかれます。
塗り方や色使い、背景まで塗ってあるもの、コメントをいれてあるぬりえ等など。いろいろなぬりえが完成しています。
同じ絵でも人によって使う色が違うと、まるで別の絵のようになります。キャラクターぬりえ以前のぬりえを知っている人にとっては、「ぬりえは十人十色」というのが常識でした。ところが若い来館者のアンケートを読みましたら、その常識は変わっているのです。
「好きなキャラクターに近づけたくてその色を塗っていたけれど、(キャラクターではない)
きいちのぬりえを初めて見て、どんな色を使って塗ってもいいのだと知りました」と書いてあり、大変驚きました。彼女にとっても、新鮮な発見、驚きだったのでしょう。
ぬりえは十人十色。好きな色で、心を開放して楽しめるのがぬりえの良い点です。

■ぬりえギャラリーの絵をご紹介
050116-11_30.jpg  050116-4_30.jpg

 TEKOさん(左の絵)は、塗ったものを郵送してくださいました。紫のぼかしが美しいですね。
 うらぴこさん(右の絵)は、昨年2回もぬりえをしてくれました。サンローラン風の色合いが素敵!
 ぜひ、HPをご覧ください。皆様の作品をこれからも、ご紹介していきます

投稿者 Nurie : 16:47 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月10日

平成17年1月 vol 26

■ぬりえ美術館ニュース 平成17年1月 vol 26

明けましておめでとうございます。
ぬりえは私たちを幸福な気持ちにしてくれます。今年も皆様の心を幸福色に染めたいと思っております。本年もよろしくお願いいたします。 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマに沿って月毎に展示替えしています。「ぬりえのこころ」では、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します
タイトル:はねつき
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:小沼 秋成氏
お振袖の晴れ着で、羽根つき。空には凧も舞っています。
お正月には、羽根つき、凧揚げ、カルタとり、トランプ、福笑い、双六などで遊びました。羽根つきには、この絵にあるような豪華な羽子板は床の間に飾っておくだけで、簡単な絵が描かれた板の羽子板をつかってしました。軽い羽根は、風にながされて、よく屋根の上や雨樋の中に落ちしてしまいなかなか打ち続けることが上手にはできませんでしたが、羽根を突く音が聞こえると、やはりお正月らしくていいものでした。
凧揚げは、男の子のする遊びですので、余りしませんでしたが、その代わり室内遊びのカルタとり、トランプ、福笑い、双六などはよくしました。 新年の初めから、笑えるように、昔の人の知恵で羽根つき、凧揚げ、カルタとり、トランプ、福笑い、双六などの遊びを考え出したのでしょうね。

日本人の意識の中では、1月1日という日は、31日の次の日というのではなく、まるで違って見えるのはどういうわけでしょうか。清少納言も枕草子のなかで、「正月1日は、空の様子がうららかにいつもと変わって、目新しく、フレッシュであるのがいい。あたりは初春らしく霞みわたり、世の人みな、みなりをあらため美しくお化粧して、お使えするご主人やわが身をもお祝いなどしているのは、ふだんと変わったようすでおもしろい」と書いている。このような気分を平安時代から、日本人のDNAとして持っているということなのでしょう。新年には、改まった感じで、家族や知人に新年の挨拶をするのは、本当に気持ちのよいものですね。

■こいつは春から縁起がいいわい?タイの王様の写真が大当たり!
050107thai 112_30.jpg

平成17年1月1日、バンコクの本屋さんで、「20世紀の絵葉書」と「タイのグラフィックデザイン」という本を購入しました。バンコクでも年末年始とあって、福引をしていました。4本くじを引いて、1等賞が当たりました。その賞品が、「タイの王様の写真」でした。しかも左の写真のように、ビッグサイズ。お店の人には、1等賞当たりの記念写真まで撮られてしまいました。今年は、縁起がいいのかもしれません。
タイの国民は、王様、王妃様を大変尊敬しています。お二人のお写真がお店に飾られていたり、学校や会社の建物の壁面に大きな写真が取り付けられたりしているのをよく見ました。それで、この写真は、どうなったのかと言いますと、タイの友人に飾ってもらうほうが、より意味があることだと思いましたのでバンコクのタイ人の友人にプレゼントいたしました。

■今年も寄贈・寄託をよろしくお願いいたします。
041225mamiya_30.jpg   041225mamiya1_30.jpg

昨年クリスマスにいらした間宮隆子様から、きいちの「きせかえ」の寄贈をしていただきました。きれいな箱の中に、切り抜いて作ったきせかえの人形や小物類が沢山入っていました。大切にしていたことがよく分かりました。間宮様ありがとうございました。
間宮さんの以外にも、82歳の深井紅子さんから「48年前に塗ったものです」ときいちのぬりえを300枚寄贈していただきました。皆様に見ていただき、大勢の方に喜んでいただく機会がくると思います。今年も寄贈、寄託をよろしくお願いいたします。

投稿者 Nurie : 15:26 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月23日