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うちかけの花嫁さん

本当に暑かった8月から始まりました3周年記念「きいち特別展」も、最終月の10月は、爽やかな秋の深まりを感じるいい季節となりました。
お蔭さまで、今回の企画展の素晴らしい色彩の福井さんのぬりえに、大勢の方が感嘆の声を上げられています。色を塗ったぬりえを見るのも、また楽しいということが解った企画展でした

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

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タイトル:うちかけのおよめさん 作者:きいち 年代:昭和30年代 寄贈者:成山明光氏
女の子のなりたいものは花嫁さんだった昭和20~30年代。ぬりえにも多くの花嫁さんが描かれ、女の子の憧れや夢を満たしました。
この花嫁さんは、内掛けを着ています。昭和40年代~50年代であれば、誰でも着れるようになった打掛ですが、この当時であれば、かなりお金持ちのいいお家の方でしょう。まだまだ内掛けが珍しかった時代でした。
髪には角隠し、簪は鼈甲の簪でしょうか。大きく立派な簪を挿しています。着物の柄は、松竹梅が描かれ、お目出度い、結婚式に相応しい柄となっています。
さて、この当時は、昭和25年頃の平均の初婚年齢というと、女性が23歳、男性が25.9歳でした。平成12年では、女性27歳、男性28・8歳となっています。最近では、青年層の意識が結婚から離れつつあるようです。「いずれ結婚するつもり」の未婚者が減少し、「(今は)まだ結婚するつもりはない」という人たちが25歳以上で増えるなど、結婚はより個人的、内面的機能を果たすべきものと考えられるようになって、結婚の必要性を感じない人たちが増えているようです。戦後60年で、日本も豊かになり、花嫁さんは憧れではなくなったようです。
結婚をしてもしなくても、充実した人生を生きていきたいですね

ぬりえ美術館にいらして、新しい発見があったり、自分の原点をみつけたり、ぬりえを通していろいろな想いを感じていただいているようです。ぬりえは十人十色。感じ方も十人十色。心温まるコメントやイラストをありがとうございました。
皆様の思い出が一杯つまったぬりえ美術館で童心に帰って、秋の1日を楽しんでください。

●ぬりえ体験コーナーで、ぬりえをしていただいた方からのコメントです。
「幼き日を思いめぐらせて今は絵手紙教室へ行っていますが、又違う思いで色をぬり、
楽しく過ごさせていただきうれしく思います。ありがとうございました。」(S.O様64歳)
●ラジオ深夜便をお聞きになって来館されました。
「ラジオ深夜便にて、一昨晩ぬりえ美術館を知り、遠い昔の子供の頃に遊んだことが思い出され、
懐かしさで一杯。来館してまたまた感激でした。」(K.W様78歳)
●お母様と一緒に遊びにきてくれた小学生の女の子です。
「ちかくにたのしいところがあるとは思いませんでした。こんどは自分の家で
ぬりえをやって見たいです。ぬりえがすきになりました。」
●お母様に贈りたいと来館されました。
「88歳の母にぬりえをプレゼントしようかと思い来ました。昔、私に買ってくれた母、
今度は私がプレゼントします。」(E様)

【今月のエントランス】
10月はブライダルシーズンということで、あの頃女の子のなりたかったものNO.1の「花嫁さん」のぬりえを展示しています。

【都営交通で紹介されます!】
この秋「東京の休み時間」をテーマに、博物館・美術館のひとつとして、
ぬりえ美術館が紹介されます。駅のポスターや車内中吊りでご覧ください。
「大人のぬりえサロン」も紹介されています。参加費は1回1500円、第3木曜日
午後1時30分~3時30分に開催しております。お気軽にご参加ください。

【「讀賣新聞」(9月17日発行)に『ぬりえ文化』が掲載されました!】
ぬりえの歴史や文化的価値、ぬりえの未来まで解き明かしたぬりえの専門書『ぬりえ文化』が紹介されました。当館や書店でお買い求めになれます。 
『ぬりえ文化』 著者名:金子マサ・山本紀久雄 
 出版社名:小学館スクウェア 定価:1,500円(税込)

投稿者:Nurie |投稿日:05/10/05 (水)

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