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2月の美術館ニュース)2)

『海外ぬりえ』研究室 No.2
今月の海外のぬりえは、マンダラのぬりえをご紹介いたします。
フランス、イタリア、ドイツ、アメリカなど、欧米では子ども達がマンダラのぬりえをよく塗っています。

マンダラとは、丸い円の中に左右対称に描かれた絵のことを総称しています。マンダラは、1990年代に出てきたそうで、特にドイツでは「マンダラはぬりえではなく、癒しです」と言って、いわゆるぬりえとは区別をして、取り扱われています。他の国でもマンダラのぬりえとは言わずに、マンダラはマンダラと呼ばれています。
   

日本では、マンダラといいますと仏教寺院にある宗教的なマンダラをイメージしますし、日本で販売されているマンダラはほとんどが宗教的なマンダラです。
今月のぬりえ本は、「私はマンダラに色をぬります」というタイトルの本で、フランスで購入しましたが、出版元はベルギーです。

表紙は今海外で人気がある海賊、パイレーツの絵です。パイレースですから、男の子向けのようですね。この絵が大変可愛らしいので、さらにマンダラの魅力を増していると思いますが、このように可愛らしい絵のマンダラが日本には全然ないことが残念です。
中味には、星、中国人の女の子と男の子、野菜などが描かれています。どれも可愛いですね。

マンダラの使い方としては、ドイツやフィンランドの幼稚園では、その月にテーマとかその週のテーマなどをもって、学習をしています。昨年訪問したスイスの幼稚園でも、訪問した月は、「海賊」がテーマでした。そのようなときには、海賊のマンダラを子ども達に塗らせます。またフランスなどでは、例えば12月のクリスマス時期であれば、星やクリスマスイメージのマンダラを塗っったりしています。

マンダラの効用としては、左右対称に絵がありますので、子ども達の手の運きをスムーズにするのに良いそうで、その後の文字を書く際に役にたつといわれています。又ドイツで言われているように、「癒し」という子ども達の心を落ち着かせる点についても良いといわれています。ドイツのある幼稚園では、マンダラをするときやぬりえをする時には音楽をかけてぬりえをさせると言っていた幼稚園もありました。

日本では、キャラクターぬりえが一辺倒ですが、ぜひ21世紀の新しいぬりえとして、日本の子ども達のために、可愛い絵のマンダラを作っていただきたいと願っております。

今月のエントランス

タイトル: 『テープにうたをふきこむの』
年代:昭和30年代 作者:きいち

テープレコーダーに向かって歌を歌う少女。一生懸命真剣に歌う姿が伝わってきます。
オープンリールのテープレコーダーが発売された頃のぬりえと思われます。新商品が出るとぬりえの中にもこういうものがあるという意味で描かれたのですね。

お知らせ
NEW 大判ぬりえ2冊 発売!!
小学館から新しいきいちのぬりえ本が2月1日より発売されました。今回は昭和のくらし編とおしゃれ編の2冊です。
「デコぬりえ」にもトライしてみましょうとデコぬりえの方法も紹介されています。

【展示室のご案内】
2011年11月~2012年2月まで、館内の展示は常設展となります。
きいちのぬりえを中心とした、昭和20年~30年代のぬりえの展示となります。懐かしいぬりえの世界を観て、塗って、体験してください。

投稿者:Nurie |投稿日:12/02/05 (日)

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