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4月の美術館ニュース

1月遅れの更新となり申し訳ございません。
入園、入学の季節となりました。一年生の体よりも大きなピカピカのランドセル姿がとても新鮮です。これから、元気で頑張ってね!と声をかけたくなります。
社会人1年生の方々も、大志をいただて社会という大きな海に乗り出していってください。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
4月のエントランスは、踊りがテーマの展示でございます。

タイトル:たまや
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:川越 公子氏
「たまや・玉屋」とは、江戸市中でしゃぼん玉を売り歩いた人をさして言ったことばだそうです。
「玉屋」は新しい商売で、幕末に流行しました。
しゃぼん玉は当時、子ども達の遊びとして、人気がありましたので、その情景をとって、風俗舞踊として作られたものです。

小学館から発売されている「わたしのきいち」の中に、「たまや」をおどるきいちの写真が掲載されています。きいちは娘に踊りを習わせたことがきっかけで、ミイラ取りがミイラになり、40歳で名取となってしまったほど、踊りが好きだったようです。ぬりえ美術館を開館する頃、すでにきいちは87歳でしたが、「もう一度、踊ってみたいな」と言っていたことを思い出します。
その影響だと思いますが、きいちのぬりえの中には踊りをテーマにして描いたぬりえが数々あります。「藤娘」「(近江の)お兼」「(羽の)禿(かむろ)」などの演目を描いたものや踊りのおけいこをする姿や踊り用の着物姿などが描かれています。 きいちならではのぬりえではないかと思います。
踊りをテーマに描いたぬりえは美しく、豪華であり、昭和20~30年代の豊かでなかった時代に、「わあ~、素敵」「ああ、このような着物を着たいな」「私も踊ってみたいな」など、当時の少女たちの夢をどんなにかきたてたこととでしょう。(館)

伝統工芸技術が脈々と息づく町町屋 vol.3
『人形結髪職人』
 今月は荒川区の伝統工芸職人の中から、人形結髪の技術をご紹介します。

人形結髪職人とはひとつの人形が完成するまでには、桐塑(桐のおがくずを固めたもの)で人形生地を作る“人形生地職人”、人形生地に胡粉を塗り重ねて顔の形を作り目や髪の生え際などを描く“人形頭職人”、人形頭に髪を付けて結い上げる“人形結髪職人”、できあがった人形頭に胴を付け衣裳を着せて一体の人形に組み上げる“衣裳着人形職人”というように、幾つもの工程を職人が分業して作っています。

人形結髪とは、人形頭に髪の毛を植え込み、結い上げていく技術です。人形の髪にはヨリをかけていない黒く染めた絹糸を使います。人形頭の髪の生え際に沿って筋を彫り、髪を植え込んでいきます。江戸時代は身分や年齢によって髪型が異なり、日本人形にもこのような様々なデザインの髪型が反映されています。荒川区の職人である小島さんはこれらの特徴をふまえて、人形頭に埋め込んだ髪を結い上げることで、人形の種類にあった様々な雰囲気を出すことができるのです。特に女形(おやま)は髷(まげ)が命なのだそうです。 区内には人形づくりに関係する職人が多く、小島さんのほかも、人形頭の高久秀芳さん(区指定無形文化財保持者)や衣裳着人形の竹中重男さん(区指定無形文化財保持者)、竹中温恵さん(区登録無形文化財保持者)などがいらっしゃいます。

今月のエントランス

「(近江の)おかね(兼)」
昭和30年代 作者:きいち
一見可憐な娘が、実は怪力の持ち主のお兼という魅力的な踊りです。
舞台は琵琶湖の湖畔です。暴れ馬が走りまわるのを誰も止められないでいると、お兼がやってきて高足駄で手綱をちょんと踏んで止めてしまいます。そして荒くれた漁師たちが絡んでくるのを簡単に投げ飛ばしたり、「布晒し(ぬのさらし)」を振りながら立廻り(たちまわり)をし、幕になるというものです。
舞踊の名取りであるきいちならではのぬりえですね。

【ぬりえ美術館とぴっくす】
美術館オリジナルグッズ第2弾としてご好評いただいている缶バッチが新しくなりました。
直径5.5cm2種類 新発売!ネットショップでも販売中です。

【展示室のご案内】3月~5月は企画展【昭和へのノスタルジー】を開催いたします。昭和の風俗を感じさせるぬりえ(当時の映画スター・流行の家電などの絵柄)を展示しております。お楽しみください。

投稿者:Nurie |投稿日:10/05/02 (日)

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