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4月の美術館ニュース

新学期、新生活、新年度など、4月は新しい世界が始まるときでもあります。気持ちを引き立てるように、黄色、オレンジ、赤、ピンクなどなど、様々な明るい色の花々が咲いて、心を元気にしてくれます。ぬりえも色を使いますので、心を元気にしてくれます。色鉛筆を持って、ぬりえを塗ってみませんか?

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今月のエントランスは、きいちの復刻版ぬりえの大判から「春夏編」と「仲良し編」のぬりえの一部を展示しています。
仲良し編の中から、今月の一枚を選びました。「ごめんください」というタイトルです。子どもたちがままごと遊びをしている様子を描いたものですが、この当時は子どもも大変丁寧な言葉遣いだったことが分かります。
タイトル:ごめんください
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

最近ぬりえの調査のために、海外に行くことが多いのですが、今海外では日本的なものが大変人気になっています。日本の料理のお店が増え、アニメ、マンガがどこでも人気です。世界のアニメの60%は日本製というほど普及しています。アメリカでは、ポケモン、フランスでは、1980年代から「アルプスの少女ハイジ」など日本のアニメが人気でした。東南アジアでは、「ドラえもん」が大人気です。ベトナムの子どもたちに、どこの国に行きたい?と聞くと「ドラえもんのアニメがあるから、日本」と答えるそうです。
このアニメの人気から、いま「カワイイ」という言葉が国際的に通用するようになっています。
きいちのぬりえもまさに「カワイイ」です。カワイイの原点と言ってもいいでしょう。
今年も秋にドイツのカールスルーエという都市でぬりえの展覧会を開催します。ドイツでも
現地の子どもたちに、「カワイイ」ときっと言ってもらえることでしょう。 (館)

【今月のエントランス】
大判ぬりえより「春夏編&なかよし編」
今月は、大判ぬりえより「春夏編」と「なかよし編」の一部を展示しています。「なかよし編」の作品には、こどもが生きる世界においてかけがえのない存在である兄弟、友達、ペット等とのコミュ二ケーションの世界が共に描かれています。その活き活きと交わされるお互いの表情は、私たちになかよしが生まれる瞬間とは、どんなものだったかを思い出させてくれるようです。

 

【かべかけきせかえ『少女の友』付録】

上記の絵を描いた村上三千穂は、明治32年福岡県の旧家出身の画家です。
彼女は、日本画家の重鎮である菊池契月の門下生となった後、講談社出版の「少女の友」の口絵や付録に描いた少女画で人気を博します。
当時の大衆文化を研究する上においても欠くことのできない資料であるということは、今回展示している"かべかけきせかえ"の作品の優雅さやその造りをご覧頂いても分かると思います。
「和の書籍とガラクタの店ぶらり的商品」のサイト

 

女の子の作品で「リボンは『少女』の感覚である。」と言った作家らしくドレスのフリルに付いているリボン一つをとってもその結び方、形に単なる少女趣味で終わらせない彼のこだわりをみることができます。
『美しく生きる 中原淳一 -その美学と仕事-』 平凡社

【展示室のご案内】
5月27日まで「きいちのきせかえ」を中心に、「昭和10年~40年代のきせかえ」「海外のきせかえ」を展示いたします。
※エントランスは男の子が登場するぬりえを展示いたします。

投稿者:staff |投稿日:07/04/01 (日)

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