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雨の日の楽しみは・・・

梅雨の季節がやってきました。雨になったら、子供のころにもどってぬりえをしましょう。
色鉛筆やサインペン、クレヨンなど、様々な画材をつかって、塗ってみましょう。
梅雨の時期を楽しく過ごせますよ。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、テーマを設けて展示している企画展とは別に、その時々に 合った季節のものを月毎に展示替えしています。
このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します
 
   
タイトル:かわいいバレリーナさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代前半
寄  贈:小沼 秋成氏

6月のエントランスは、可愛いバレリーナたちです。
ぬりえには、女の子の憧れがや夢が様々に描かれています。その中の一つが、バレー、バレリーナでしょう。
バレーの中には、日常を忘れさせる別世界があり、それが少女の心を捉えたものでした。バレーのフリフリのドレス、リボンが可愛いトーシューズ、踊る姿もエレガント。

バレーの世界は、月刊の少女雑誌にマンガで沢山描かれてもいました。松島トモ子さんや浅野寿々子さん、森下洋子さんらのバレー姿が写真で掲載もされていました。バレーの素敵なポーズや華やかなバレーのアクセサリーなどの美しさが、どんなに少女の心に染み込んで、彼女たちの想像の世界で遊んだことでしょう。
私もほんの少しの時間でしたが、小学校1年生の頃に、通っていた幼稚園でバレーのお教室が始まったので、習ったことがありました。埼玉の片田舎でも、新しい風が入ってきたのでしょう。
日本には習い事が沢山あります。日本の伝統的な習い事から、バレーやバイオリンなどの西洋のもの、そしてソロバンや学習塾などのお勉強の習い事、さらにスポーツなど。今はカルチャー教室を始め、自分の好きな習い事が、誰でも簡単にできるようになりました。皆様の子供の頃の夢は何でしたでしょうか?今からでも遅くはありません。夢にチャレンジしてみませんか?

都電とぬりえ

●都電関連の取材が続く
 5月21日、4月につづき香港から来館者があった。やはり香港で3月に発売されたNEXT
MAGASINEをみて、「ぬりえ美術館を見に来たかった」と言って来てくださった。池袋のホテルに泊まり、都電に乗っていつくか途中下車をして楽しんできたそうだ。
 NEXT MAGASINEばかりでなく、最近都電に関連した取材が多くなっている。
暮しの手帖社の別冊「フードテラス」3月号、NTTの社員向け住まいの情報誌である「My
Place」、そして7月発売予定の雑誌「OZマガジン」 などなど。
 ●「古くて新しい」がキーワード
 都電とぬりえには、共通するキーワードがあります。「古くて新しい」ということです。
 今世の中は気が付かないうちに様変わりをしています。従来の考え方がいつのまにか綻びて合わなくなってきているのです。JR福知山線の事故にみるように、事故が起きたのに、助けもせずに出社してしまう社員やボーリングに行った社員など、その社内ではいいと思っていることが、社会の自然の感覚に合わなくって、大変な批判を浴びました。従来からのひずみがでてきたのです。
 ●「変わらないものに良さがある」
 今までの社会では、何でも科学、技術で発明された新しいものがいい物だと思ってきました。その考え方が変わりつつあるのです。「変わらなかったものの方に、特長があり、新鮮である」と感じ始めているのではないでしょうか。
 都電は、東京では唯一残った市内電車です。その一車両の電車ののんびりした旅の感じを、わざわざ田舎に出かけなくても味わえるのです。都電が通る街は、昔在った東京の風景が残っていて、そこには人の呼吸が感じられるような景色があり、こういう景色もいいものだと流行に敏感なマスコミは取り上げているのではないでしょうか。それでなくても、日本の町はどこに行っても同じような景色になってしまっていますから。
 ぬりえも古いものですが、見たり、塗ってみたりすると、そこに描かれたものは昭和の30年代の風俗で、都電と共通するイメージを感じることができるだと思います。昭和30年代は、日本が高度成長時代に入る頃ですから、それ以前の生活があった時代です。そこに今の時代に失われてきた、様々ないい点があったと人々は感じ始めているのではないでしょうか。
 ●古くて伝統あるものの魅力
「文化に古さは欠くことができない要素であり、古くて伝統あるものに人々が集まるのは、古いものには想像力を刺激するタネがある」と文化人類学者の竹村真一さんがおっしゃっています。
都電にもぬりえにもその古さが残されていて、そこに人々は今新たな魅力を感じ始めているのだろうと思います。
 先日の香港のお客様も、香港で失われてしまった景色や事柄(ぬりえ)を求めてきたのではないでしょうか。

投稿者:Nurie |投稿日:05/06/02 (木)

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