« ぬりえ美術館便り 2月号 | メイン | 日本経済新聞/読書面 »

2月の美術館ニュース

新年明けましておめでとうございます。今年も楽しいぬりえの企画、情報発信をしてまいりたいと思っております。今年もご来館をお待ちしています。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:にらめっこしましょう
作  者:フジオ
年  代:昭和20~30年代
寄  贈:佐藤 章子氏

今月のエントランスは、二月の季節を感じられるぬりえを展示しています。

 川崎大師が昨年の11月から仏様のぬりえ「彩色仏画」というものを信徒の皆様に販売しています。このお正月は初詣の参拝の方が明治神宮、成田山についで、第三番目の287万人だったということですから、本堂に書かれていた「ぬりえ」という文字を、287万人の方々がが見たことでしょう。
 川崎大師では、“今ぬりえがブームである”こと、“他のお寺がまだぬりえというものをしていない”ということから、川崎大師平間寺が平成19年に開創880年を迎えるのを記念して、薬師殿を平成20年11月に開設するにあたり、薬師如来の眷属である十二神将のぬりえを作ることにしたのだそうです。
 お寺といいますと、写経や写仏がされていますが、この写仏というものは、筆をつかって仏様を描いていくものだそうで、筆を使わない現代、誰でもできるというわけにはいきません。
 その点ぬりえであれば、子どもから大人まで、誰もが親しめるものであり、下絵がありますので、色鉛筆、絵の具などで好きな色に彩色することができます。これにより、仏様により親しむことができるようになるのではないでしょうか。
 今回川崎大師がぬりえを出したことにより、他のお寺でも仏様のぬりえを始めるようになるかもしれません。
ところでこの絵との関係ですが、川崎大師の名物が達磨です。表参道、仲見世には達磨のおみせが数多くあります。
達磨は、魔除けの意味をもつ赤い衣を着、「七転び八起き」といわれるように、何度転んでも起き上がることから大漁、豊作、商売の縁起物として江戸時代から親しまれているもので、「七転び八起き」の不屈の精神があることから、選挙や合格受験の祈願がかけられるものでもあります。子どもの頃ににらめっこをしたことを思い出しませんか?    (館)

 昭和に幼少期を過ごされた方々には懐かしい“ぬりえ”が、21世紀の大人の遊びとして現在注目されています。
こうしたことから、ぬりえ美術館が各種メディアに取り上げられることも多くなってきました。今回は、自動車ユーザーの会員に向けて発行されている会報『ジャフメイト』と、『東京新聞』に掲載された記事をご紹介致します。


古くて新しい“ぬりえ”
会報『ジャフメイト』では、「はじめて楽しい 大人のぬりえ」として、ぬりえ再発見をテーマにした記事が掲載されました。
なぜ今、“ぬりえ”がブームなのでしょうか?ここに注目した記事ではまず、大人がブームの中心であることを取り上げています。脳のトレーニングになる等の話も追い風になっているようですが、なによりも“貧しくとも夢に溢れた時代へ”の郷愁が大きな理由の一つになっているのではないかということです。
美術館を訪れる方々も「懐かしい!」という言葉とともに、うれしそうな笑顔を見せてくださいます。


“ぬりえを文化に”

1月9日の『東京新聞』では、「懐かしい思い出 ぬりえを文化に」という見出しの下、その活動の発信源となっている当美術館の成り立ちとぬりえの魅力について紹介されました。
 昔から親しまれている“ぬりえ”ですが、ブーム以前、本格的に研究されたことはほとんどありませんでした。当館の館長である金子マサが美術館を設立するにあたり、ぬりえの研究を始めて知ったこと、それはぬりえに関する文献などがなく、文化として未成熟であるということでした。
「ぬりえを文化に」そうした考えのもと、美術館がぬりえ文化を創っていく役割の一端を担っているということを、記事を通じて皆様にお伝えできればと考えております。


今月のエントランス

2月のエントランスは、佐藤章子様、福井紅子様から寄贈していただいたぬりえを「如月編」と題して展示致します。
節分を迎え”春”とはいうものの、まだまだ寒さ厳しい季節の2月。気持ちまで縮こまってしまいそうになりますが、スキーや梅のお花見や、温かいお部屋の中でぬくぬくこたつでぬりえをして、ゆったり過ごすなど、この季節ならではの楽しみを発見して、暖かくなるのを待ちたいですね。

投稿者:staff |投稿日:08/01/27 (日)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/669

コメント

コメントしてください



(アドレスは非公開です)


今後の投稿のためにアドレスなどを保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)