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ぬりえ美術館便り 2月号

 ぬりえがこのところ話題になっているのをご存知ですか?
 ぬりえ美術館は2002年に開館いたしましたが2006年に「大人のぬりえ」について大変多くの取材をいただき「大人のぬりえ」が話題でしたが、今は大人のぬりえ以外にもぬりえについての話題が多くなってきました。

 いくつか例をご紹介したいと思います。
 昨年夏に科学博物館で、恐竜のぬりえを描くことが行われました。恐竜の模型がある展示室でパソコン上で目の前にある恐竜の絵に色をつけることができます。さらにパソコンの前に立って自分のぬりえした恐竜と写真をとることができるというものでした。
 科学博物館では、ぬりえが人気になっていることを知って、どうにか自分たちの展示の中で使えないということで、ぬりえを始めたそうです。今後もぬりえという形でできることをいろいろ考えていかれるそうです。

 昨年11月から川崎大師で、仏様のぬりえが販売されることになりました。川崎大師も、ぬりえが静かなブームであること、子供から大人までだれもがぬりえならできるということ、他のお寺がまだどこもしていない等から、ぬりえを取り入れられたそうです。(ぬりえ美術館のブログにも記事を掲載していますのでご参照ください)

 ぬりえのコンテストがいろいろな分野で開催されています。JOMOは2006年から夏休みに全国で展開で開催しています。車の分野でもよくドラえもんやポケモンなどのぬりえコンテストが開催されています。

 新しい捉え方のぬりえ、「携帯ぬりえ」という新感覚のぬりえもでてきました。「携帯ぬりえ」は、3月からの企画展でご紹介していきますので、楽しみにしてください。
 「携帯ぬりえ」とは、携帯でとる写真からぬりえの下絵が作れるという、誰でも手軽に楽しめるようにと言うコンセプトで生まれてきたものです。
 まず絵にしたい物を携帯電話で写真に撮り、それを添付ファイルにして下絵サーバーに送ります。10分ぐらい待つと、サーバーから作られた線画が戻ってくるので、それをプリンターで出力します。出力されたはがきサイズの下絵に色鉛筆で着彩して完成するというぬりえです。大変素敵なぬりえの下絵ができるのです。
 つまり、携帯電話とプリンターと色鉛筆さえあれば、直ぐにぬりえとは思えない素敵な色鉛筆画が描けます。下絵となる線画も単なる輪郭ではなく、ニュアンスを表現するスケッチ風の線画になっているので絵の邪魔になりません。
 「絵は描きたいが、うまく形が取れない、」「ぬりえは輪郭の線が残ってしまうので気に入らない、」「絵手紙ではヘタウマで良いと言われるがそれでは満足できない、」と感じている方々にとって喜ばれているそうです。
 このようにぬりえの捉え方が、従来の枠線の中にぬる、線画があるものという捉え方から、枠線の外にはみ出していくように、広がってきています。

 又、別の観点からみてみますと、昨年7月に「国際ぬりえシンポジウム」が開催されました。ぬりえがテーマになってシンポジウムが開催されたということが変化の兆しだったと思います。
 今年は5月に名古屋市立大学において、日本保育学会の、「保育におけるぬりえの意義を問い直す」と題するシンポジウムが行われます。ぬりえ美術館もこの場にパネラーとして参加いたします。
 従来ぬりえの研究文献は批判文はあっても、そのほかの研究書がなかったのですが、やっと保育会において、ぬりえを考える、見直すということが起こってきました。この保育のシンポジウムに関連して、幼児教育、保育のおけるぬりえをテーマにした本も出版される予定です。
 ぬりえ美術館では、ぬりえを文化に成熟させていきたいと願って活動をしていますが、その活動が少しづつ理解されてきているのではないかと感じています。

今月は久しぶりに来館者の声をご紹介したいと思います。
・自分が子供の頃は、友達と競いあって、このぬりえをしていました。昔のことを思うと、涙がでてきてし  まったりしました。53才女性
・いつ来てもとても楽しくてしようがありません。これで4回ぐらい来ました。また寄せてもらいます。K.I.
・感動しました。子供のころの、ふわ~っと包まれたような温かい気持ちになりました。ありがとうござい  ました。また楽しみにうかがいます。H.H.男性
・めちゃめちゃ可愛いかったです。美術館の雰囲気もとてもステキでした!!図工の授業の一貫で来ま  したが、とても良いレポートがかけそうです。W他3名
・昔々の小学生時代、田舎長野のえん側で友達と遊んだ頃の思い出がよみがえりました。もう一度あの 頃に戻りたく思います。T&M
・まさしく団塊世代の私は、着せ替え人形で遊びまた~遊びました~。空箱で部屋をつくり、きいちさん  のかわいいお人形を住人にして、家族にし、学校からかえって来て、遊びました~。なつかしい~。
・母がきいちのぬり絵が好きで本を買っていました。私も絵を見てすぐに大好きになりました!!ここに来 たくて来たくて、今日、やっとくることができてとてもうれしいです。母(弘前市)にも伝えようと思います。
・きいちのぬりえを、今日初めてかって、すごーーく楽しかったです。絵が全部すごくかわいくて、どれをぬ るか、すごいまよいました☆5年生A.T.
来館者の声の傾向は、開館以来ほとんど変わりありません。来館される皆様の気持ちは、同じなのですね。ありがとうございました。  

投稿者:staff |投稿日:08/01/27 (日)

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