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1月の美術館ニュース

明けましておめでとうございます。明るいお正月をお迎えのこととお慶び申し上げます。
2009年も可愛いぬりえ、うつくしいぬりえで皆様に笑顔を差し上げ、ぬりえから生まれるふれあいを広げていきたいと思っております。今年もよろしくお願いいたします。

 館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
1月のエントランスは、歌舞伎絵のぬりえを展示しています。


タイトル:藤娘
作  者:フジヲ
年  代:昭和10年代

 藤娘は長唄や歌舞伎で演じられる舞踊の題目です。
「藤娘」は、大津絵の「かつぎ娘」に題をとった長唄、日本舞踊の演目でした。初演は1826年(文政9年)江戸中村座、二代目関三十楼。作詞は勝井源八。もともとは絵から出て来た娘が踊ると言う趣向の五変化舞踊のひとつでしたが、歌舞伎役者の六代目
尾上菊五郎が藤の精が娘姿で踊るという内容に変えて舞台演出を一新して以来、そのスタイルが一般的になり、現在では人気の歌舞伎舞踊の一つになっている。(参考:Wikipedia)

 このぬりえは、きいちが昭和の10年代にアルバイトとしてぬりえを始めた時代の絵です。
サインは「フジヲ」となっています。日本画の美人画を学んだきいちであり、歌舞伎座にも近い築地に生まれたきいちは歌舞伎もよく観ていたようで、歌舞伎絵をテーマにぬりえを描いたところ、その華やかさからすぐに人気となったそうです。今回展示の「弥生」などもフジヲが描いたものです。
 昭和15年からアルバイトで始めたぬりえでしたが、日本画の技術で繊細に描いた美しい少女の絵は、人気となりましたが、ブームになる前に翌年太平洋戦争が始まり、きいちも昭和18年に軍需工場に駆り出され、ぬりえを描くどころではなくなっていきました。
 藤娘のぬりえは、昭和20~30年代のきいちのぬりえにも数多く描かれています。多くのお客様から、この藤娘の絵は塗ったことがあるというお声を聞きます。細かい藤の花の房を塗ることは難しいので、小さい頃の記憶に残っているのではないでしょうか。(館)

新年あけましておめでとうございます。
少し前まではお正月といえば、羽根つきや凧あげなど、外に出て遊ぶ子どもたちを多く見かけました。しかし、最近の子どもたちはやはり家の中でテレビゲームなのでしょうか。そういう光景もあまりみかけなくなったように思います。
 きいちのぬりえの中には、子どもたちの遊ぶ姿が描かれているものが多くあります。それらをみると、描かれた当時(主に昭和20~30年代)どのようなものが流行っていたか、どんな遊びをしていたかという当時の文化を知ることができます。
 当館を訪れた方たちの感想を読ませていただくと、同時代を知る人には懐かしく、また当時を知らない若い世代の方たちには新鮮で、尚且つノスタルジックな気持ちになるという方が多くいらっしゃることがわかります。それがきいちのぬりえの不思議なところです。
 当館はノスタルジックでありながら、新たな発見のできる場所なのかもしれません。
 今年もぬりえ美術館をよろしくお願いいたします。

<ぬりえ美術館周辺の初詣情報>

■尾久八幡神社
ぬりえ美術館の最寄駅『東尾久3丁目』から都電で早稲田方向へ。
二つ目の駅『宮ノ前』で下車。大きく立派な社殿が、駅の名前の通
りすぐ目の前です。由緒も古く、勧請は南北朝以前とのこと。
八幡さまは広く庶民の神様として人気です。

■素盞雄神社(スサノオジンジャ)
この地域では最も広域を守ってくださる氏神様で、別名「牛頭天王
(ごずてんのう)」”お天王さま”の呼び名で親しまれています。
(都電三ノ輪橋より徒歩10分、JR・メトロ南千住より徒歩8分)

足をのばせば・・・七福神めぐりも・・・
■浅草七福神  ■谷中七福神  ■隅田川七福神

<ぬりえ美術館・メディア情報>
●1月22日 FM江戸川(84.3MHz)に館長の金子が生出演致します。
 番組:「あしたへ・・・笑顔りんりん」16:40~17:20
●1月28日発売『GISELE(ジゼル)』2月号(主婦の友社)
 特集「大人の乙女WORLD」にぬりえ美術館が紹介されます。

【展示室のご案内】
フランスのぬりえ展を開催中です。
昨年10月パリにて開催したぬりえ展の紹介とフランスの現代のぬりえや古いぬりえを展示しています。
きいちのぬりえやきせかえも展示しておりますので併せてお楽しみください。

【今月のエントランス】

「娘道成寺」
寄贈者:沼川清子氏

日本の伝統的娯楽の一つ、歌舞伎観劇。五穀豊穣を願う三番叟、お正月らしい華やかな狂言や豪華な配役の人気演目が、歌舞伎座・新橋演舞場・国立劇場・
浅草公会堂の4箇所で興行されて
います。
1年の福を願う新年の始まりに希望
溢れる気分を盛り立ててくれます。
皆様は、何をご覧になりますか?

投稿者:staff |投稿日:09/01/09 (金)

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