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10月の美術館ニュース

暑かった残暑も過ぎ、爽やかで彩り鮮やかな季節になりました。黄色、オレンジ、真紅など日本の秋の紅葉はこころの中まで染めるような深い色合いです。10月にパリで2度目のぬりえ展を開催いたしますが、フランスの黄葉は黄色~茶色です。エリアによって違うものですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:きれいなソファー
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄贈者 :福井 紅子様

10月のエントランスは、昭和の憧れの暮らしがテーマのぬりえの展示でございます。
大きなソファーに大きなクッションですね。ソファーにはベルベットのカバーでもかかっているのでしょうか。
きいちの描くぬりえには、昭和の20~30年代の普通の人々の生活の中には見れらないような上流の暮らしぶりが描かれていることがあります。
畳にちゃぶ台で暮らしている生活には、このような大きなソファーやスリッパなど、無縁のものでした。
きいちに聞いたことがあります。「どうしてこのような生活が描けたのか?」と。きいちの家は、別荘をはじめいくつか家を持っていたそうです。その中には洋館もあり、そこで暮らしたこともあったそうです。そのような生活の中からきいちのぬりえは生まれてきていたのです。
きいちのぬりえばかりでなく、日本人の好みの中に、自分の生活に密着したものよりも、少し上の生活や美しいもの、良い物を尊ぶ気風があるのではないでしょうか?婦人雑誌をみても、そこには自分の生活よりもワンランク上の生活やグッズ、美容などが取り上げられています。
今になってみれば、この大きなソファーはどこの家にもあるようなものになってしまいましたが、当時の子どもたちにとってみると、大変な憧れの一つであったのです。(館)

荒川区情報 仮称)『吉村昭記念文学館』について
ベストセラー「戦艦武蔵」などで広く知られる歴史小説作家、吉村昭氏は荒川区の
ご出身です。平成4年、荒川区より区民栄誉賞が贈られました。
以来、特別コーナーが日暮里図書館に設置され、吉村氏の原稿や愛用品が展示されています。
平成18年には、荒川区は吉村文学を通してより文学や文化芸術に荒川区民が触れられる場を提供しようと、区の文化推進のため文学館設立を決めました。吉村氏も資料提供をして下さることになっており、平成27年度に開館の予定です。
【吉村昭氏について】
吉村昭氏は1927年荒川区東日暮里に誕生。
1940年旧開成中学校(現開成中学校の前身)に入学。在学中読書に
目覚め、中学2年生のとき作品が校内雑誌に掲載されました。
学習院大学進学後文学を志した吉村氏は、昭和41年、「星への旅」で
太宰治賞を受賞。フィクション執筆を極力避け、徹底した史実調査
に基づく作品群には定評があり、また海を題材にした歴史小説を
多く残しています。当時の文壇では珍しい速筆の作家としても知
られていました。

美術館 10月イベント情報
力作が勢ぞろい!
2010年8月27日(金)付けの東京新聞にぬりえコンテストが告知され、9月22日までに公募された作品の中から、館長金子の厳正なる選考により優秀作品16点が館内に展示されています。この期間に是非お楽しみ下さい。12月まで展示いたします。

今月のエントランス

「ピアニスト」 作者:きいち 年代30年代
団塊の世代が小学生になる頃、その親たちは自分ができなかったピアノやバイオリンを子供たちに習わせるようになりました。
ドレスを着たピアノを弾く少女の姿は、とても華やかで夢がつまっています。

【展示室のご案内】
9~10月は企画展となっております。
昭和40年代のぬりえを展示しております。キャラクターぬりえ、ファッションぬりえ等が出てきました。ぬりえ体験コーナーもございます。
どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください

投稿者:Nurie |投稿日:10/10/08 (金)

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