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10月の美術館ニュース

 秋が深まり、そろそろ紅葉狩りやきのこ狩りなど、目に、食欲に大変いい季節になりました。
四季の有り難さを感じる季節でもあります。
 今年の10月は、ニューヨークでぬりえの展覧会を開催しています。
ニューヨーカーたちが、日本のぬりえの美しさ、可愛らしさに驚きを感じていることでしょう。

館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々に合った季節のものやテーマを儲けて月毎に展示しています。 このコーナーでは、月替わりのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

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タイトル:おほしさま
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

 いつものきいちの顔と少しちがってみえませんか?
戦争が終了して、2年目の昭和22年、きいちとぬりえの版元(メーカー)の石川松声堂、川村山海堂との共同経営時代の後、昭和23年、版元も石川松声堂と川村山海堂の2社に分かれ、きいちは絵を描くことに専念します。このぬりえは、その頃のぬりえです。
 今月は、「クラシック」とでも呼びましょうか、
昭和20年代初期のぬりえを特集して展示をしています。少し憂いを含んだ表情の少女がこの時代の特徴の一つです。又、タイトルも囲みがなく、「おほしさま」と書かれているのも、珍しいです。その後、タイトルは四角い囲みがつくようになります。
じっとこちらを見つめている少女の目に、引きこまれそうです。きいちのぬりえの少女が、こちらを見ているのは、すでにこの頃から表現されていたのです。星がこぼれ落ちる手は、指先の表現が女性らしく美しく、繊細に表現されています。この表現力が大きなきいちの魅力です。
 クラシックな昭和20年代のきいちのぬりえですが、この時代に塗っていた人々にとっては、
「これが私の塗ったきいちのぬりえ」ということで、大好きな顔なのです。今月は、「きいちクラシック」をお楽しみください。(館)

【今月のエントランス】
今月は『きいちクラシック』
戦後まもない昭和20年代に発売された、きいちのぬりえを展示します。たれ目が特長の優しい雰囲気を持った女の子が描かれています。

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ローラースケート
昭和20年代はローラースケートが流行っていたそうです。

 日本にローラースケートが紹介されたのは明治。
昭和初期に各地でローラースケート場が開設され、大衆のスポーツとして人気になりました。
美術館から都電で4駅の「荒川遊園」にもローラースケート場があったそうです。
 昭和20年代ラジオから流れる曲は『りんごの唄』、『東京ブギウギ』など、笠置シズ子、渡辺はま子、
近江俊郎などなどなどの唄歌です。小さな松島トモコも当時のアイドルでした。漫画の世界では、
『リボンの騎士』がこの頃に人気だったと伝えられています。

【ぬりえ美術館掲載情報】
○主婦の友社発行の団塊の世代をターゲットにした雑誌『ゆうゆう11月号』(10月1日発売)
○農業専門新聞「日本農業新聞」に館長のぬりえや食の話が2日(月)~5日(金)間連載されます。
○日経BP社発行「リアルシンプル12月号」(10月20日発売)

投稿者:staff |投稿日:06/10/08 (日)

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