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10月の美術館ニュース

紅葉の美しい季節となりました。ぬりえ美術館の中庭には、ウコン桜の木がありますので、桜の紅葉を見ることができます。温暖化のために、東京ではなかなか美しい紅葉をみることがむずかしくなっているようですが、ご近所を歩いてお気に入りの紅葉を探してみるのも、一興ではないでしょうか?

ぬりえのこころ、今月の一枚
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや、テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
今年のエントランスは昭和10年代のぬりえを展示しています。
10月のエントランスは、キュウーピーさんがテーマの展示でございます。

作者:ヒデオ
年代:昭和10年代

「夕焼小焼(ゆうやけこやけ)」は、1919年に発表された教師で詩人であった中村雨紅の詞に、草川信が1923年に曲をつけた童謡ですが、現在の八王子出身の中村雨紅が自分の出身地の秋の景色を描いたものといわれています。夕日を見ると、つい口にでるほど、日本人になじんだ曲ではないでしょうか。
今月はキューピーのぬりえを展示していますが、キューピーは、作者のオニール自身の要請により日本でも1913年、大正2年に作られることになりました。1925年、大正14年以降になるとセルロイド製が主流になったそうですが、第一次世界大戦で疲弊したドイツに代わり日本がセルロイド製品を多く手がけるようになり、カラフルなキューピーが登場していったそうです。 昭和10年代のぬりえにキューピーが多く描かれているのも、流行が背景にあったわけです。
この絵の作家ヒデオは、昭和10年代に、可愛い絵、美しい絵、ユニークな楽しさにあふれたぬりえ等を描いています。私も大好きな作家の一人です。 
野道の草花や背景の太陽、カラスや寺など大変日本的な描き方をした絵になっていますので、ヒデオもきいちと同様に日本画を勉強した人かも知れません。ヒデオについて何かご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報提供をお願いいたします。(館)

~芸術の秋~おすすめ展覧会
今回は都内のおすすめ美術展をご紹介いたします。

☆弥生美術館『少女の友』展
『少女の友』とは明治41年の創刊から昭和30年まで、日本の少女雑誌史上最も長きにわたって刊行された雑誌です。古くは竹久夢二、与謝野晶子をはじめ、昭和に入ってからは川端康成、吉屋信子、西條八十、中原淳一らが表紙画家として活躍しました。「少女にこそ一流の作品を」というのがこの雑誌の姿勢であり、都会的で女性らしいビジュアルと教養ある内容は多くのハイカラ女学生に好まれました。そして、愛読者集会を開催するなど、読者一人ひとりと向き合う努力もなされていたことも特徴的です。こうした雑誌としてのスタイルは、現在発行されている少女雑誌の先駆けともいえるでしょう。創刊から100年を迎え、今再び『少女の友』に注目が集まっています。
弥生美術館『少女の友』展では、入手困難な当時の雑誌や<紙の宝石>と謳われた優美なふろくをはじめ、色鮮やかな挿絵原画など総数約300点におよぶコレクションを一挙公開します。
日本で最も愛された少女雑誌の魅力に触れてみてはいかがでしょう。

住所:文京区弥生2-4-3
会期:2009年10月1日~12月23日
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

☆その他美術展情報
・国立西洋美術館『古代ローマ帝国の遺産~栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ~』  9/19-12/13
・上野の森美術館『聖地チベット~タポラ宮と天空の至宝~』 9/19-1/11
・国立新美術館『THEハプスブルク』 9/25-12/14
・世田谷美術館『オルセー美術館展~パリのアールヌーボー~』 9/12-11/29
・Bunkamura『ベルギー幻想美術館~クリップフからデルヴォー、マグリットまで~』 9/3-10/25

今月のエントランス

「サアミンナデオケイコ」 作者:不明
今月のテーマはキューピー。キューピーさんの長唄のお稽古でしょうか?昭和十年代、この町屋の下町あたりでも子供たちが長唄のお稽古をしていたそうですが、花柄の可愛い着物を着て三味線を弾く女の子のキューピーと、洋服を着て扇子を片手に唄う男の子のキューピーが、向かい合ってお稽古中。それを見てた猫も加わって、みんなでお稽古しています。長唄などが日常的にされていたからこそ描かれた絵ですね。さて、どんな曲が唄われているのでしょうか。

ぬりえ美術館『メディア情報」
・10月1日に発行される「アーバンライフ・メトロ」の中でぬりえ美術館が紹介されます。東京メトロ全駅の改札口付近にあります。
・都バス情報誌「乗り隊歩き隊」・都電ごちそう停留場に紹介されました。

【展示室のご案内】
8月~10月の企画展として「生誕95年蔦谷喜一展」を開催しています。ぬりえの体験コーナーもありますので、お楽しみください。

投稿者:Nurie |投稿日:09/10/10 (土)

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