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スイス(チューリッヒ、ジュネーブ)でのぬりえ調査報告(3)

ジュネーブの調査
ジュネーブも湖、レマン湖の湖畔にある街です。レマン湖に吹き上げるジュネーブのシンボルの140メートルの大噴水(Jet d'Eauジェッドー)が有名です。
   

ジュネーブは、チューリッヒと比較すると猥雑とし街という印象でした。しかしその街には有名時計、宝石店などがズラッと並んでいます。
ジュネーブには又事務局、本部をおいている国際機関が、数多くあります。国際連合欧州本部、国際連合難民高等弁務官事務所、国際労働機関(ILO)、世界保健機関
(WHO),赤十字国際委員会等など。
スイスには、世界中のセレブが集まってきて、景観に優れた湖に別荘を持ち住んでいるそうです。そのためか、ジュネーブでは街中にポルシェが沢山走っていて、そのポルシェの後ろをさらに高級車であるランボルギーニが走っているのを見かけて、ビックリするとともに、スイスは豊かな国であることを実感いたしました。

ジュネーブの子供向け本屋さんのウィンドー
   
    
 
幼稚園の調査は、シャンシー村の小学校内の幼稚園とプレニーフォンテーヌ小学校内の幼稚園、オネ地区にある保育園と特別編成保育園を訪問、調査しました。

□シャンシー村の小学校内の幼稚園
   
教室内の展示の様子

学校の廊下から見える外の景色

学校の建物はモダンですが、小学校の手前には、野菜の畑が作られていて、昔懐かしい感じがする小学校でした。5月末でしたが、まるで夏のような日差しの朝でした。
幼稚園に入ると、子どもたちは椅子に座って待っていてくれました。このクラスは幼稚園の一年生クラスで、4才から5才の子どもたちで、その日の出席者は19名で、まず自己紹介をしてくれました。

先生はバレリー先生という目のパッチリとした小柄の可愛い先生でした。ぬりえということで、「はらぺこ青虫」の絵本をまず子ども達に絵本を見せながら読んで、その後で「蝶々」と「青虫」のいずれかのぬりえを子ども達に選ばせて、ぬりえをさせました。
子ども達はぬりえを自分のテーブルで好きな色を自由に使って、大変カラフルな蝶に仕上げていました。茶、青紫、青という地味な色合いでも、とてもシックに調和した蝶に塗っていました。
画材はマーカーとクレヨンを使っていました。絵が完成すると必ず名前をサインするルールになっているそうです。
ほとんどの子どもは、蝶々を選んで塗っていました。塗り終わると、先生はその絵を選んだ理由を子ども達に発表させました。その絵を選んだ一番の理由は、「蝶々は色が綺麗だから」、という回答でした。又青虫を選んだ園児は、「色を少なく使いたかったから」という理由でした。子ども達は、色が好きなんですね。

バレリー先生と。

■質問タイム 
その後、せっかく日本からお客さまが見えたというので、日本についての質問タイムになりました。
子ども達の一番の関心は、「東北の津波」のことでした。スイスでもテレビで放映されてその惨状を見ている子ども達は、とても心配していました。
その他、「日本の子どもたちも質問をするときには、手を挙げますか」という質問がありました。スイスでも日本と同様に手を上げますが、その手の指先が日本とは違います。人差し指で何かものを指し示すように、人差し指を1本伸ばして、手を挙げます。これはチューリッヒでも同じです。面白いですね。こういうことにも違いがありました。

その後は折り紙で舟を作ってもらいました。なかなか折り紙は難しいようで、時間がかかりましたが、とても楽しんでくれました。

□キティ人気
日本のキャラクターのキティちゃんが、スイスの子ども達にも大変人気があり、幼稚園の園児たちが、Tシャツ、ワンピース、靴などにキティちゃんの絵が入ったものを着ていました。

□プレニーフォンテーヌ小学校内の幼稚園

幼稚園一年生の4才から5才の園児、11名(2名お休み)。学校のお隣には公園が隣接していました。
ここでは、先生の説明を聞いたあとに、絵を描き、色をぬっていく作業をしていました。例えば、「家を描きましょう。家の特徴は、何ですか。瓦や壁の上は何ですか。ドアは・・・。」 それから人を描くときには、「目、鼻、口、手は2本ですね。足も2本ですね。耳もありますね。」等説明しながら子ども達への質問と回答を繰り返して、イメージを膨らませていきました。
「次に、マジックで下絵、枠線を描いていきましょう。下絵ができたら、色を付けます。裏には名前を書きます。よく、集中してください。・・・・」と説明の後に、それぞれに紙とマジックの黒いペンを渡しました。
子どもたちは、自分の好きなように、家と人を描いていきます。ある女の子は人物の表現は、お姫様を描いていました。綺麗に色も塗って、少しもはみ出していません。ぬりえが好きと思われました。
   
先生の指示を聞いて、下絵を描く子どもたち

お姫様の絵が完成。とても上手。

様々な線を描くことにより、アルファベットの字を書くための手先の運動になる。

先生のぬりえに対する意見
この幼稚園では、自由時間に、ご褒美としてぬりえをすることができるようになっているそうです。「私のぬりえ(Mes Coloriages)」というファイルを持っていて、子ども達の個人的な宝物だそうです。繊細な子どもは、こだわって描き、とても大事にしているそうですが、子供たちはぬりえをとても楽しんでいるそうです。
ぬりえの他の使い方としては、動物園に行った後に、動物の絵を塗らせるなど、子どもの経験に関するものを塗らせたりしているそうです。実際に見たものは、新鮮な記憶があり、ぬりえで表現して悦びを分かち合うことができると考えていました。
子どもによっては、見た通りを再現したいとこだわり、毛の流れまで気をつける子どももいるそうです。学年の最初と終わりでは、練習の成果で、ぬりえが上達しているそうです。

「私のぬりえ(Mes Coloriages)」のファイル

「効果」
1.鍛練, 訓練によって、先生の言っていることを理解し、守ることができるようになります。同時にリラックスしてすることが大事です。
2.小さい子ども達にとって大切なことは、静寂な時間と集中することですが、それを
ぬりえが作ってくれることです。
と先生は答えられました。

その後、この幼稚園でも折り紙をしてもらいました。

投稿者:Nurie |投稿日:11/07/23 (土)

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