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美術館便り合併号(3月~5月) 1

「きいちのモード」
23年月3日5日(土)~5月29日(日)
 
きいちのぬりえの世界には、さまざまな少女の憧れが詰まっていましたが、その中の最大のものは、きいちが描いたお洒落な洋服であったのではないでしょうか。
その憧れは、何故か? 街や洋品店の店先に絵に描かれたような、素敵な、又可愛い服が販売されていなかったからです。
平成23年の春の企画展では、「きいちのモード」と題しまして、昭和20年~30年代に少女たちを夢中にさせた素敵なモード、お洒落なファッションを四季毎にご紹介いたします。
貴方が夢見て、着てみたいと思ったドレスのぬりえがあるでしょうか。自分の着ていた服と同じような服の少女がいたでしょうか。
どのようなモードが描かれていたのか、お楽しみに。
Spring

"サブリナ・パンツ"のようなパンツをはいて、花壇の世話をする少女。
このパンツの元になると思われるものは、オードリー・ヘプバーンの「麗しのサブリナ」です。1954年(昭和29年)に制作された映画で、衣装デザインはイデス・ヘッドでした。この衣装デザインで、アカデミー衣装デザイン賞を受賞しています。
彼女はサブリナ・パンツや日本ではサブリナ・サンダルと呼ばれるサブリナ・シューズなど普段着としても十分に通用する衣装をデザインし、これらは「サブリナ・ファッション」と呼ばれてファッション界にセンセーションを巻き起こしたものでした。

   
左:ジャンパースカートにアップリケのチューリップがついています。昭和30年代には、フェルト素材のスカートによくアップリケが施されていました。
右:ネッカチーフを頭にかぶるスタイルはこの当時におなじみの着こなしです。
   
左:30年代、私は文京区の小学校に通っていましたが、その頃学校でもお出かけするときにも、このようなお洒落な帽子を被っていました。
今でも少女たちは、可愛いバッグを持っていますが、お出かけするときには、やはり小さいバッグを提げていました。
右:ストライプの服に、裾が半円に縁取られています。縦ストライプの服はなかなかお洒落でないと着こなしが難しいと思いますが、きいちはあえて描いています。それにしても足の組み方など、エレガントですね。

Summer

昭和20年~30年代は、現在のように素敵な既成服が店頭で簡単に手にいれることができませんでした。洋裁のできる人に縫ってもらうことになりますが、そのデザインを選ぶ時には、婦人雑誌に必ず子供服のデザインが掲載されていましたので、その中から好きなデザインを選んで、作ってもらいます。
夏になると必ずでてくる定番の柄が、ストライプや水玉でした。
上記の春のぬりえには、縦ストライプでしたが、こちらの夏の絵は、横と縦のストライプの組み合わせです。生地は木綿でしょうか。

    

「おつかい」:ワンピースに向日葵のアップリケがついています。
 1958年頃から世界的に袋のようなサックドレスがウェストラインをマークしないドレスが発表されて、新しさを気安さで流行しました。
「ナイトガウン」とありますが、ネグリジェと思われます。今でしたら、パジャマかネグリジェを着るのは当然のことですが、あの当時子どもが寝るときに、浴衣のような着物スタイルの寝巻きなどで、このようなお洒落なものを着ていた人はすくないと思います。

投稿者:Nurie |投稿日:11/03/03 (木)

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