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アゴラ9月号ビジネストレンド

  
ビジネストレンド 「エゴコロジー」
"ぬりえは現在も世界各国で行われ、教育に効果があるとされる"

館長の金子マサさんは、
子どもの専売特許だったぬりえに、今大人が注目していることについては、その文化性に気づき始めたからではないかと語る。

「高齢化が進む日本でぬりえが注目されている最大のポイントは、脳の活性化に効果があるということですね。日本のアニメーションや漫画が世界で受け入れられているように、ぬりえにもその可能性があります。現在の世界中で行われているぬりえですが、残念ながら研究資料が少ない。例えばフランスでは「乗り物の必需品」といわれ、駅の売店で売っています。また、ロシアでは教育機関で使われたらり、お国柄が色々ある。共通して評価されているのは、ぬりえは集中力を高め、色彩感覚を育むということ。色々な国を訪れて取材を続けていますが、これからもフィールドワークを重ねて情報発信を続けたいと思います」
とアゴラには掲載していただきました。

今や世界のアニメの6割は日本製と言われています。それほど日本のアニメが世界的に通用して、人気となっているというわけです。今月6日に来館されたキューバの一等書記官の方が、キューバでも日本のマンガ・アニメが放送されていて、一部には日本語のままというお話をされていました。いかに日本のアニメが普及しているかということです。その理由は、日本のマンガ・アニメが大人が見ても満足のするレベルのものを制作しているということであり、優秀な作家を輩出しているということです。
日本では、漫画家になるか、芸術家になるかは紙一重といわれています。それはどういうことかといいますと、若くして才能を発揮する人たちが漫画の投稿から早く世に出て、そうでない人たちが芸術系大学に行くなどして芸術の道に進むというのだそうです。
とにかく、日本の優秀な人たちが、マンガ・アニメ、そして、絵本の世界で活躍をしているのです。そのような優秀な人材がいる日本ですから、ぬりえを描く、ぬりえを研究する若い優秀な人が排出してくれば、日本のぬりえが世界的に人気となる可能性は非常に大きいのです。
ぜひ、そうなることを願って、私はぬりえの情報発信をして、ぬりえの成熟を願って研究をしているところです。

海外でも、子供たちはぬりえをしていますが、ぬりえの歴史を探ってみると、フランスでは、交通網の発達と関係がありました。馬車から汽車に変わったとき、あんな大きな汽車が動くのを怖がった子どもたちのために、怖がらないようにぬりえを汽車の中で、ぬりえを塗らせたのが始めなのです。ですから、今でも母親たちは旅行にでかけるときには、必ずぬりえを持参します。その為に駅や空港などの売店で、ぬりえ本が売られています。すぐに塗れるように色鉛筆などの画材が本について売られているものもあります。
さらに、忘れてならないのは、博物館、美術館でぬりえの本がうられれて入ることです。博物館等では、恐竜や人体図、植物のぬりえ、美術館では、世界の名画のぬりえ本です。
今日本では、世界の名画のぬりえは「大人のぬりえ」と称して、大人が塗っていますが、海外では、まだまだ子どものするものとして捉えられています。例えばフランスの名画のぬりえと日本の「大人のぬりえ」との違いは、ぬりえの輪郭線の太さや細かさです。フランスの名画のぬりえは、細かくなく、線も細すぎず、大変塗りやすいぬりえとなっています。
日本でも、海外のぬりえ本を研究すると、日本の子どもたちにも、高齢者の方々にも塗りやすいものになると私は思っています。
日本では、アニメのぬりえが殆どのため、日本の博物館、美術館ではぬりえ本は置かれていませんでした。最近「大人のぬりえ」が出てきたことにより、浮世絵のぬりえなどを見ることができるようになりました。日本の名画や、日本の歴史などを伝えるぬりえ本があると、ぬりえをしながら日本の絵や歴史を学ぶことができますので、そのような時代がくることを願っております。

国によっては、ぬりえを幼稚園や学校でつかっているところがあります。それは子ども時代にぬりえを通じて、運筆力、創造力、、色彩感覚、絵になじませる等のためです。
今日本では、小学生になっても、授業中にじっと座っていることができない子どもたちがいると聞いています。子どもたちに集中をさせることは大変難しいことです。しかし、ぬりえをしている子どもたちは、30分でも1時間でも、夢中になり集中してぬりえをしています。集中しているとどうなるか、と子どもたちのお母さんがたにお聞きしてみると落ち着きがでてきたとおっしゃいます。また、観察力もでてきます。集中力、落ち着き、観察力、どれも子どもたちに必要なものです。
ぬりえは子どもの遊びと考えられていますが、このように子どもの成長に非常に重要な面を育む力を持っています。
もう一度ぬりえの魅力、効用を理解していただき、子どもたちにぬりえをさせて貰いたいと思っています。

投稿者:Nurie |投稿日:07/09/06 (木)

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