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ヴラティスラヴァ絵本原画展 2.

2部 の日本人の出展作品も、同様な展示の方法でした。
様々なテーストの作品が出展されていたことがわかります。プロの作家さんたちですし、すでに絵本も刊行されている方々ですから、入賞するかしないかは、本当に微差でしかないのかなと思いました。
長谷川義史氏の「いってきまーす どこどこどこ」は、絵探し絵本というもので、絵本の中に描かれた絵から人物や物を探す絵本でしたが、マンガチックな絵と画面いっぱいにこれでもかと描かれた人物や物が面白く、実際に絵本を読んでみたかったのですが、すでに子供たちが読んでいて、残念ながら読むことができませんでした。

青山邦彦氏の「ドワーフじいさんのいえづくり」の原画は、大変緻密に描かれたものでした。印刷はそのままに表現されるのですが、やはり原画は原画の魅力があり、肉筆の感じが胸に迫ってきます。やはり原画をみれることは魅力的なものですね。
なりたさとこ氏の「チリとチリリ」は、色鉛筆がの優しいタッチが登場人物のチリとチリリを大変うまく表現していると思いました。文章もご自分で作っているようで、他にもシリーズがでているようなので、読んでみたくなりました。

3部のチェコの昔の絵本の展示は、民族性を感じる絵本が70余冊ほど展示されていました。
「チェコは、オーストラリア・ハンガリー帝国の圧制のもとにドイツ語を強要されていた19世紀に、民族復活運動の高まりによりチェコ語による創作が活発化して、子供たちに母国語で語り始めたものだそうです。第一次世界大戦の後に、300年の時を経て、独立を果たし、チェコの絵本の黄金時代になっていきます。
わらべ歌、動物、昆虫を素材にして素朴でゆかいな物語などを子供たちに提示しました。
第二次世界大戦の気配が漂いはじめると自国の文化、歴史に心の支えを求める活動が芽生え始め、ナチス占領下の危機的な状況の中で、民族的な叙情的な作品が手がけられた」と解説されていました。

自分の国の文化、歴史は、こころのよりどころと書かれていましたが、このことは大変重要なことです。文化を大切に、そこに個性を表現して、これからも、日本の絵本作家の方々には、いい作品を作っていただきたいと思います。

絵本は、世界的に原画展が開催され、そこで活躍する日本人作家の方が大勢います。
日本の現代のぬりえの世界は、アニメに代表されていますので、独自でぬりえを作ろうという空気は今はまだありません。
マンガ、アニメ、絵本についで、21世紀のぬりえを作る作家がでてくることを願っています。

投稿者:Nurie |投稿日:07/08/29 (水)

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