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ヴラティスラヴァ絵本原画展見学 1.

世界の絵本がやってきた
ヴラティスラヴァ絵本原画展

まだ残暑が続いていますが、早起きして、埼玉県のうらわ美術館に行ってきました。
うらわ美術館は、とても変わったところにありました。どこにあるかというと、ホテルの中なのです。
天井の高いホテルの入り口を入ると、広い空間にとても気持ちがよくなりました暑いところを、美術館はどこかなと探しながら行きましたので、ホテルの中は広くて、涼しくて、「さあ、絵本の原画をみてみよう!」という元気な気持ちになりました。
美術館はホテルの3階フロアでした、

絵本の原画展は、このヴラティスラヴァ絵本原画展とボローニャの絵本原画展が有名で、絵本の世界では、日本人の絵本作家のかたも沢山賞を取るなど活躍をされています。
この2つの原画展の違いを、カタログでは、以下のように解説しています。
「ヴラティスラヴァ絵本原画展(BIB)の選考対象が絵本として実際に刊行された原画に限っていることである。これにより、BIB展はベテラン絵本画家のコンクール、ボローニャ展をプロの絵本画家への登竜門」という違いがあるそうです。
今回は、このうちのヴラティスラヴァ絵本原画展を見学です。


入り口には、スロバキィヤの国を地図などで紹介して、それから作品の展示が始まりました。3部構成で、1部は、2005年の展覧会受賞作品の展示、2部は日本人作家のBIB展に出品された作品の展示。3部は、チェコの戦前から戦後の絵本・児童書の展示からなっていました。

1部、2部とも原画が壁面に、そして刊行された本がフロアの中心に置かれて、読めるようになっていました。本を読めることは素晴らしいと思いました。
BIB展では、グランプリ、金のりんご賞、金牌賞などの順位があります。
グランプリには、イランの”マリ・レザ・ゴルドゥジャン”の「黒鉛筆と赤鉛筆」、「穴のあいた靴下」でした。2作品のイメージはまったく違いますが、一つ、一つの色が複雑な色合いになっていて、素晴らしいものでした。時に「穴のあいた靴下」は靴下の色と絵が可愛いので、絵葉書を買ってしまいました。
金のりんご賞のハン・ビョンホ氏の「鳥になりたい」は、白、黒、グレーを中心にした色彩で大変スマートだと思いました。同じく金のりんご賞のリュボスラウ・バリョ氏の「1+1=2」は、動物の色彩が多色使いで素敵でした。金牌賞のカルル・クヌート氏の「悪女フリート」は、人物の動物の顔が個性的で、澄んだ色合いがお洒落な絵でした。金牌賞の酒井駒子氏の「金曜日の砂糖ちゃん」は、どこかで見たことがある少女の顔に、すでに著名な方だということが分かりました。黒の使い方が特徴的でした。


BIB2005は、48カ国、2966点の作品の中から選ばれたものですが、グランプリ以外にも賞をとった人たちは、デンマーク、ポーランド、スペイン、ベルギー、フランス、スロヴァキアのヨーロッパの国々と、カナダ、韓国、日本の人たちと多彩です。
世界がグローバルになっていますので、今回の第1部の作品をみても、作者の国を言い当てることはできないくらいに、それほど国の独自性は感じませんでした。
前回のグランプリは日本人の出久根育さんでしたが、この作品にも日本の匂いをかぐことができませんでした。もうそのようなことは問題ではないく作品が大事ということだと思いました。
ボローニャ絵本原画展は、プロの絵本作家への登竜門ということですから、昨年見たのですが、こらの方が作家の出身国を感じとることができました。
選ばれた作品数が一人2点の本で、受賞者は、11人ですから、展示もすっきりして大変見やすく、ゆっくり絵本も読むことができました。

投稿者:Nurie |投稿日:07/08/29 (水)

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