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平成19年3月~5月企画展「きせかえ展」-4-

外国のきせかえ"ぺーパードール"
『玩具の系譜』(遠藤欣一郎 財団法人日本玩具資料館)によりますと、外国では、
「1800年を迎えるころ、「印刷技術の普及化におって、紙面上にプリントすることが自由にできることから、いわゆる「きせかえ」人形が、いとたやすく、しかも安い代金で庶民たちの手の届くようになったのである。(中略)昔からマッチングをすることによって謎(パズル)を解くことに馴化されていたヨーロッパの国民にとって、こうした新しいパズル遊びは一つの画期的なものとして素直に受け入れられたのである。しかも、それ以来今日に至るおよそ二百年の間、連綿と続いている事実を無視することはできない。(中略)平面上からやがて立体化して楽しめるような着想が1850年ごろには生まれている。
ことに人気の中心となったのは、花嫁花婿のきせかえで、洋の東西を問わずこどもたち、ことに女児にとっては関心の大きいテーマであった。ことに花嫁衣装はいつもその中心であったし、それぞれの民族が独自のものを培い、大切にしたものであったので、多くの残された文献にもみられることができるが、とりわけ英国のきせかえには、花嫁、花婿の衣装が多い。(中略)

1875年、ヨーロッパ各地に起こった流行の火が、大西洋を跨いでアメリカに飛び火した。おそらくアメリカに展開された舞台はボストンかニューヨークであったであろうが、ニューヨークのマクラリン兄弟者発売の「紙人形(ペーパー・ドール)」は、花嫁、花婿の晴れ姿を描いたきせかえであった。」
と解説されています。
 日本でも、ぬりえよりきせかえの方が早く誕生しておりますが、外国でもぬりえに先駆けてきせかえがでています。これは、人形遊びの延長として遊ばれているということが関係しているのではないかと思います。
 
展示品の紹介 
「ブライダルグループのきせかえ」
今回の展示品の中にも、結婚式を題材にしたきせかえがあります。
花嫁が着るウェディングドレスの他に、花嫁、花婿とブライダルメイドの素敵なドレス姿のきせかえを展示しています。


「マリーアントワネットのきせかえ」(ドーバー社のきせかえ)
ドーバー社は1941年(昭和16年)創立のアメリカの出版社です。元の出版元では絶版となった本の再出版で有名なアメリカの出版社だそうです。その他、きせかえやぬりえを数多く出版しています。
ファッション系、有名スター、アメリカの大統領系など幅広く370種類ものきせかえが出版されています。
http://store.doverpublications.com/


「シャーリー・テンプルのきせかえ」
1930年代の世界のアイドルであったシャーリー・テンプルのきせかえ人形です。


「ジョージ・ブッシュ大統領のきせかえ」
ジョージ・ブッシュ大統領のほかにも、ケネディ大統領、リンカーン大統領などのきせかえが発売されているそうです。
イギリスのダイアナ王妃のきせかえなども発売されています。
日本では、昭和34年に皇太子様(現天皇)のご成婚の頃に、美智子様のきせかえが発売されています。


「イブ・サンローランのきせかえ」
ファッション系のきせかえで、これはフランスの服飾デザイナーであるイブ・サンローランの服を表現したきせかえです。

きせかえの魅力、楽しさがこれからも続いていきますよう願っています。(館)

投稿者:Nurie |投稿日:07/02/25 (日)

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