東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
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ぬりえ美術館

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8月~10月美術館便り合併号(2)

2.きいちのぬりえの変遷
今回は昭和10年代、20年代、30年代、という時代区分できいちのぬりえの変化をご紹介しています。


①昭和10年代:サインは「フジヲ」を使用しています。
昭和10年代の絵は、①日本画の美人画を絵にしたようなぬりえが多く描かれています。絵の中には、いくつもの日本画の技法が使われています。子どもの遊びのぬりえと言えないほど、豪華に細部まで詳細に描かれています。
②洋風のぬりえには、きいちの特徴でもあるパーマをかけた髪は、クルクルとまるで波の模様のように描かれています。足が太いのは、この頃からのようです。
③童話や民話などを元にしたぬりえも描かれています。またこの時代を表す戦争に関連するぬりえも残されていました。
   


美人画風のぬりえについて、70代の方や60代後半の方々は、このような日本髪の美人画風の絵を塗ったと思い出を語ってくれます。子ども時代のぬりえの思い出は、誰もが持っているものですね。

昭和20年代のぬりえ
①20年代前半
昭和22年から本名の「きいち」を使い始めます。きいち時代になった初期の頃は、「くびかざりみみかざり」や「ミミーちゃんは三つのおいわい」などに見られるように、
①目がたれ目であること
②目の間隔が離れていていること、
③大きな四角い顔に太い足が特徴。
④サインに描かれた小鳥も、初期の頃は、とても細い、痩せた小鳥が描かれています。
⑤さらに髪の生え際のうぶ毛まで、詳細に描かれています。
⑥少女たちは、紙からはみださんばかりに、画面いっぱいに描かれているのも、この頃の特徴です。
      

②昭和20年代後半から30年代前半
これらの時代のぬりえは団塊の世代の方に一番思い出深いぬりえでしょう。
「はなつみのこ」や「でぱーとのしょくどうで」などにみられるように、
①丸い、「の」の字のような目になります。
②四角目の大きい顔と足の太いところは引き続き同じですが、ちょっと折り曲げた足や傾げた顔など、少女のしぐさの優しさ、可愛らしいの特徴が作られた時代です。
   

   
   
   


ぬりえは時代の影響を反映して、「くろんぼちゃん」や「東京タワー」のように当時の流行や話題もぬりえに描かれています。又、昭和10年代から20年代前半には、洋服や着物の柄などがかなり細かく描かれていましたが、だんだん省略されていきます。

Posted: Nurie : 13年08月03日 | 美術館だより

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