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7月の美術館便り

□スイス(チューリッヒ、ジュネーブ)でのぬりえ調査報告
ぬりえ美術館では、ぬりえの資料を収集、展示するばかりでなく、海外でぬりえの調査を継続して行っております。
「ぬりえの調査って、なあに?」と思われるかもしれませんね。
日本にいれば、日本でのぬりえがどのようにされているか、子どもやお孫さん、ご近所の子どもさんたちを見ていて、今の子どもたちはぬりえをするの、とか、どんなぬりえをしているのか等知ることができます。
そこで、まず海外では、ぬりえがされているのか。されているのであれば、どのようにされているのか、海外の幼稚園などで調査をしているのです。
今年は、5月24日(火)~6月6日(火)まで、スイスのチューリッヒ、ジュネーブの幼稚園、保育園を見学、調査をしてきました。

□チューリッヒ

チューリッヒ湖

スイスには、ドイツ語圏とフランス語圏、イタリア語圏と3ちも言語の違う都市があります。今回はドイツ語圏のチューリッヒとフランス語圏ジュネーブの2地区で調査を開始しました。
ウィキぺディアに拠れば、チューリッヒは、"スイス北部にあるスイス最大の都市で、金融・経済・商業・文化の中心地である。2011年3月、英国のシンクタンクにより、世界第8位の金融センターと評価されており、欧州ではロンドンに次ぐ第2位である。金融ではひときわ有名であり数多くの金融機関・投資ファンド・投資家が存在している。また国際サッカー連盟(FIFA)を初めとし、多くの国際機関・国際団体の本部も存在する。"
 チューリッヒ湖畔にある街は、とても清潔で、落ち着いた街でした。湖や川などの水があるところは、何か情緒を感じる場所でもありますね。

幼稚園は、ホームブレヒティコン村のブライトウレン幼稚園の1&2、グマインドヴィス用幼稚園、モンテッソーリ私立幼稚園を訪問しました。 市内から30分も車で行くと、そこはもう村です。

□ブライトウレン幼稚園1&2では、春から夏にかけてスイスの画家パウル・クレーの絵を学んでいるそうで、私が訪問したヒは、パウル・クレーの絵「さえずり機械」という鳥の形をした音のでる機械の絵を子ども達にみせ、この絵を使って、子どもたちに様々なことを想像、表現させました。音のする楽器を子どもたちに演奏させる遊びをした後で、パウル・クレーの「さえずり機械」の絵のような楽器を子どもたちにイメージさせて、絵を描かせました。さらにその下絵を元に、青いインクをぬった紙に、白のインクで自分のイメージの絵を描きました。

パウル・クレー 「さえずり機械」

   
左:スケッチした絵を青い紙に描く 右:パズルのぬりえ

水場のタイルが大変モダン

自国の有名な画家を小さい頃から触れさせながら、子ども達に関連の絵を描かせるという絵の時間は、とても重要なものだと思いました。
この幼稚園の先生は、今日のように白い紙に絵を描かせますが、マンダラをつかってぬりえをすることがあるが、ぬりえに対する考えは、「きちっと枠にそって、丁寧に、綺麗にぬりえを塗るために、ぬりえをする」とのことでした。

□グマインドヴィス用幼稚園では、私のためにどのようにぬりえをするか見せてくれました。
まずども達に一枚のぬりえを配布します。その絵に、具体的にどの絵に何色をぬるか指示します。ぬりえにはないものを、先生が「カタツムリを2つ」と指示します。これらは、先生の言っていることを子ども達がどこまで理解しているかに役立つそうです。子ども達それぞれの成長を理解することもできるそうで、その子の成長によって、先生は要求をして、ここまででいいよと指導されていることが若い先生でしたが、素晴らしいと思いました。
ぬりえに対する考え方は、「手先のためによい。そしてきちっと枠の中を、ちょうど良い圧力で塗っていくことを学ぶ。効果は子どもによって、いろいろです。一概に効果はこうだとは言えないが、フラストレーションを感じないように、楽しいものだと思って欲しい」と考えられていました。
   
自由な格好でぬりえをする子供たち

□モンテッソリー私立幼稚園
モンテッソリーは独自の教育方針を掲げる幼稚園で、感覚教育、子どもの自主性などを重んじて教育をしています。園内に入り、子どもたちが何をしているのか観察をしていますと、3才~6才までの子ども達が自分のやりたいことを各自自由にしていました。4才の少女が針をもって縫い物をしている姿にビックリしましたが、この少女なら出来るということで、針を持つことをゆるされているとのことでした。

モンテッソリーでは、ぬりえがよくされていました。1.形を認識し、2.理解し、3.それを自分で再現する(ぬりえの線を描く)、その結果、仕事、動物など言葉を覚えて認識していく。
色は同じ色を塗るようにしているが、それは子どもにとって簡単であるから。白紙からするには、子どもにとて、要求度が高すぎると考えている。簡単であれば、子どもにとって達成感を感じることができると考えられているからだそうです。
ここでは、28人の園児がいましたが、大変静かでした。これは毎日の訓練の賜物だそうです。
   
子供たちは自分の自主的な意志で好きなことをしています。

台所道具やミシン等も子どもたちのために置かれています。

スイスの調査の続きは、ぬりえ美術館のホームページで後日ご報告をさせていただきます。
チューリッヒでの親達のインタビュー、ジュネーブの幼稚園の調査と親のインタビュー、その他雑感などをお伝えいたします。(館)

投稿者:Nurie |投稿日:11/07/05 (火)

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