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12月の美術館便り

今年の冬は暖冬という予報がでました。寒いと体が硬くなり年末の忙しい時期を動きにくくなりますが、スムーズに暮れのお掃除などもできるかと思います。きれいにして新年を迎えたいものですね。

■大学で講演
11月の末に、ある大学でぬりえに関する講演をさせていただきました。キャリアデザイン講座ということで、様々な分野の職種の方からその分野のお話しを聴くということがテーマの講座でした。
一般的にはぬりえのことをお話しをすればいいのですが、キャリアデザインということであれば、今現在しているぬりえ美術館のことだけでなく、ここに至るまでの私のキャリアも学生さんが就職を考える際にはご参考になるかもしれないと考え、ぬりえ美術館以前のお話も含めて講演させていただくことにいたしました。

本題に入る前に、今、巷で話題になっていることについて学生さんに質問をしてみたことがありました。
1.マイケル・ジャクソンの「This Is It」の映画を観ましたか?
私はビートルズ世代でありますので、マイケル・ジャクソンに関しては、彼の歌に関しての情報よりスキャンダラスな話題が多かったものですから、ファンではありませんでした。
ところが今年の9月に開催したニューヨークでのぬりえ展に、「This Is It」のジャケット、ポスターのデザインをした日本女性のデザイナーのふーこさんが来てくれたことによる縁により、映画を観ることになりました。

映画は大変感動的なものでした。天才が仕事をするということは、どういうことなのか、一流の人がこぞって集まり、今までみたこともない舞台を作り上げようとする姿に胸打たれました。歌、ダンス、演奏、映像、照明、衣装などなど、すべてが最高のものを目指していました。アメリカには一流の人があつまってくるという、アメリカの素晴らしさにもため息がもれました。

この映画の人気は大変高いものがあり、上映は2週間の予定でしたが、さらに2週間延期されました。日本では特に興行成績がよく、アメリカについで世界第二位だったそうです。日本では、鑑賞した人の年齢幅が広かったこと、リピート客が多かったことから、来場者の数がダウンしなかったそうです。
マイケル・ジャクソンはすでに亡くなっているということから、日本人の判官贔屓があったかもしれません。
日本での人気が高かったことから、日本だけ、12月19日(土)から再上映されることになったそうです。
と、とにかく話題になっていた映画でしたが、観たと手を上げた人は2,3人でした。そのうち1名は先生でしたので、若い人が観ていないことに少し驚かされました。

2.阿修羅展を見ましたか?
国立博物館の平成館で今年3月31日~6月7日まで開催された阿修羅展は今年のヒット商品番付にも入るほどの人気でした。国立博物館の来場者歴代ランクの3位で来場者数は90満人とも言われています。(1位はモナリザ、2位はツタンカーメン)
残念ながら、これには手があがりませんでした。

■高校教師の一言
高校生のときに、国語の女性教師から言われたことがあります。
「皆さんは、東京に住んでいます。東京には、海外にわざわざ行かなくても、海外の素晴らしい作品の展覧会が開催されますから、ぜひそのような機会があったら、御覧なさい。」というものでした。
そのお話しを聞いて、初めてみた展覧会が上記にもありましたが国立博物館で開催された「ツタンカーメン展」でした。夏休みでもあったのでしょうか、太陽がまぶしい日で、大変長い行列が博物館の外にまでできていたことを思い出します。それ以来
東京ならでは催しを楽しんできました。

コンサートも同様でした。ビートルズが来日したのは、1966年のこと。ビートルズの講演は歴史的な事になると思った私は、これは見なければいけないという思いで、公演を見に行きました。来日したのはこの時だけですから、本当に歴史的な記念コンサートになったわけです。
 
東京は本当に恵まれています。ニューヨークのように、世界から素晴らしい作品が集まってきます。そのような機会があったら、これからも私は見に行きたいと思っています。
私の講演を聴いてくれた学生さんの中から、一人でも関心をもって実行してくれる学生がいたら、大変嬉しく思いますし、そうであることを願った講演でした。(館)

投稿者:Nurie |投稿日:09/12/04 (金)

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