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ぬりえ美術館便り(3月~5月)合併号(2)

フジオ
   
「フジオ」も「まつお」と同じようにブランドネームです。この会社は戦前、きいちが
「フジヲ」の名前でぬりえを描いていた版元(メーカー)でした。戦後は、きいちではない他のぬりえ作家が「フジオ」の名前で、描きました。
時代に合わせて、「はくちょうのみずうみ」では、絵のタッチが少女マンガ風になっています。これも少女の要望による変化なのでしょう。フジオのメーカーは、現在も幼稚園向けにぬりえを作っているようです。

その他
      
昭和34年のご成婚当時、このようなぬりえやきせかえが販売されていました。日本全国にミッチーブームが起こり、美智子様は大変な人気でしたので、様々なグッズが発売されたものと思います。他にも当時の切手や本などを展示していますので、50年前に思いを馳せてください。

      
その他、FUJI玩具、まはる、よし子など、様々なぬりえ作家をご紹介しています。
よし子のぬりえのように、きいちにそっくりなぬりえが数多くありました。名前もきいちを真似て「せいち」などと名乗ったぬりえもありました。
まつおの項でも出ましたきいちのぬりえの版元である石川松声堂の奥様が、下記のように語っています。
『その時分は、他のぬりえもよく売れたんですよ。でも、ぬりえだけは喜一さんがうまいですよ。・・・・ ああいう商売をしていると、絵描きさんがよく来るんですよ。「こういう絵ですが、描かせてくれませんか」って。ぬりえこしらえるには元手がかかりますから、めったやたらに描かせやしませんが、ためにはね。でも、1年とつづきませんね。ずーと続いたのは喜一さんより他、ないですよ。』
喜一は毎月60~100枚ほどのぬりえを描いていました。これを毎月描いていくことがどれほど大変なことでしょうか。簡単な気持ちで描いてみても、すぐに絵のテーマに行き詰ってしまったのではないでしょうか。又、その絵が売れなければ、すぐに首を切られたことでしょう。
しかし、これらの絵の中に、「あ、塗ったことがある!」という思い出のぬりえがあるかもしれません。
昭和の思い出を探してみてはいかがでしょうか。

ぬりえの寄贈を始め、ぬりえ作家の情報などぬりえに関する情報提供のご協力を今後ともよろしくお願いいたします。

< 年 表 >
昭和20年(1945年) 
敗戦、国際連合発足  
・「りんごの歌」大流行、永松健夫「黄金バット」20万部
昭和21年(1946年) 
天皇人間宣言、日本国憲法公布
・「サザエさん」連載開始、下町で紙芝居盛ん
昭和22年(1947年) 
日本国憲法施行、教育基本法、学校教育法公布
・「黄金バット」の紙芝居がヒット
昭和23年(1948年) 
教育勅語失効、学習ざしの創刊、復刊目立つ
・戦後第一次マンガブーム、手塚治虫が人気
昭和24年(1949年) 
湯川秀樹にノーベル賞
・子供向けマンガ全盛
昭和25年(1950年) 
朝鮮戦争勃発、
昭和26年(1951年)
対日講話条約調印、日米安全保障条約調      
・少女歌手美空ひばり人気、紙芝居全国的に人気
昭和27年(1952年) 
血のメーデー事件
・坪井栄「二十四の瞳」、紙芝居形式の得物語が児童雑誌で人気
昭和28年(1953年) 
テレビ放送開始
・手塚治虫「リボンの騎士」連載開始、児童雑誌のマンガページ増大
昭和29年(1954年)
 教育二法公布施行、
・手塚治虫「火の鳥」連作開始、映画「二十四の瞳」
昭和30年(1955年) 
第一回原水禁世界大会、森永ヒ素ミルク事件
・力道山ブーム、「りぼん」(集英社)創刊
昭和31年(1956年) 
経済白書「もはや戦後ではない」と述べる
・「チロリン村とクルミの木」放送開始、横田光輝「鉄人28号」連載開始
昭和32年(1957年) 
ソ連、世界初の人工衛星打ち上げに成功
・「スーパーマン」「名犬リンチンチン」がテレビ放映開始、「赤胴鈴之助」がラジオ、テレビ、映画化
昭和33年(1958年) 
文部省、小中学校の道徳教育を義務化
・フラフープブーム、貸本マンガの出版さかn、紙芝居は凋落の傾向
昭和34年(1959年) 
皇太子ご成婚、緑のおばさん誕生
・「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」創刊、
昭和35年(1960年)
 安保反対デモ拡大、強行批准、自民党、高度成長・所得倍増政策を発表、"消費は美徳"一般化する
・ダッコちゃんブーム
昭和36年(1961年) 
文部省、全国一斉学力テスト実施、ソ連人間衛星打ち上げ成功、ケネディー大統領就任、キューバ危機
・スーダラ節無責任時代、「シャボン玉ホリデー」「みんなの歌」「ちびっこギャング」白戸三平「サスケ」
昭和37年(1962年) 
キューバ危機、堀江謙一ヨットで太平洋横断
・「おそ松くん」「てなもんや三度笠」「ベン・ケーシー」
昭和38年(1963年) 
吉展ちゃん事件、ケネディー大統領暗殺
・「週刊少女フレンド」「週刊マーガレット」創刊、 初の国産アニメ「鉄腕アトム」放映、アニメブーム    
昭和39年(1964年) 
東京オリンピック開催、佐藤内閣発足、アメリカ、ベトナムに介入
・「おばQ太郎」「カムイ伝」「ジャングル大帝」
昭和40年(1965年) 
不況深刻化、
・ベンチャーズ来日、ギャグマンガ流行

*参考図書「子どもの昭和史昭和20~35年」1987年別冊太陽 
「子どもの昭和史昭和35~48年「1990年別冊太陽

投稿者:Nurie |投稿日:09/03/01 (日)

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