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芸術都市パリの100年展

   

2008.4.25~7.6 東京都美術館にて開催中

フランスといえばパリ、パリといえば芸術の都と言われ文化都市として発展をしてきました。
しかし芸術的中心地であるパリが世界で最も栄光ある絶頂期を築いたのは、1830年代のロマン派登場の時代から、パリ万博を経て、国際的に若い芸術家を集めた1930年までの100年間なのだそうです。
今年は、幕末にフランスと「日仏修好通商条約」を締結してから150周年の年にあたります。今回の展示は、日仏交流150周年を記念して、パリをテーマとした近代フランス100年の絵画、彫刻、版画、写真などを展示しています。

都市のパリの様子は、毎年のように雑誌で紹介されますから、日本人にも馴染みの景色です。それらの風景を絵画や写真で見ることができます。その風景もたった100年ほど前に作られたものだったのです。
パリには、世界中から観光客が訪れていますが、その背景には、パリの文化という香りが連綿と続いいるからでしょう。会場内にも、パリにある文化施設としての美術館や図書館などの所在を地図上に立体的に見せていましたが、文化には人を魅了する大きな力があるのだと思います。

今年は、日仏交流150周年です。ぬりえ美術館も9月30日~10月11日まで、日仏交流150周年を記念して、パリでぬりえ展を開催いたします。

今回の展示は、5章からなっていました。
1章 パリ、古きものと新しきもの ~理想の都市パリ~
1850~60年、ナポレオン3世の命を受けたオスマンによる大改造により近代都市パリが確固としたものになる様子を、パリの風景画や写真により、紹介しています。

「セーム河とサマリテーヌ浴場の眺め」アンリ・ジョゼフ・アルピニ
セーヌ河に浮かぶ煙突のある船が描かれていますが、この船は個室型の銭湯船だそうです。
風呂の習慣がないことが説明されていましたが、昔の絵の中に、このように当時の風俗が残っていて面白いと思いました。
「カルーゼル橋の再建」1936年
モータリゼーションにより橋の再建が必要になり、その建築の様子を描いたもの。ここにも時代の流れが記録されています。

パリの絵画は、余り明るい色合いで描かれていませんでしたが、モネらの印象派の登場により、絵画の色合いが明るくなっていきます。

パリの象徴は、エッフェエル塔です。日仏交流150周年のロゴマークにも、エッフェエル塔と着物がマークになっています。
このエッフェエル塔の建築の様子が、写真で紹介されています。
この中で面白い写真は、「第一プラットフォームの料理人たち」です。このような建築現場にも、料理人がいることでした。ハリウッドでは、映画の撮影に、派遣の料理人がでるそうですが、この時代のパリの建設にもこのような仕出し的な料理人がでたのでしょうか?
それとも、この時に何か記念でもあり、仕出しがでたのでしょうか。いずれにしても、食の文化もある、パリらしい写真でした。

2章「パリの市民生活の哀歓」
家族の絵を描くということも、この時代からのことだそうです。今では何気ない絵が、その当時には新しいものだったのです。

3章「パリジャンとパリジェンヌ 男と女のドラマ Ⅰ Ⅱ」
人物像を通じて、パリを紹介しています。

5章「パリから見た田園への憧れ」
ルソーの粉引き小屋など、田園の様子を描いています。

投稿者:Nurie |投稿日:08/06/10 (火)

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