« ぬりえ美術館5周年企画 8月~10月合併号 (1) | メイン | 5周年記念企画開催中 »

ぬりえ美術館5周年企画 8月~10月合併号 (2)

コマーシャルになったきいち・展覧会など
1970年代
1978年 「資生堂 キイチのぬり絵展」  
第二次きいちブームのさきがけ
以後、Okadaya More's (モアーズ)、LAFORE (ラフォーレ)、カルピスなど、ショップやデパートの広告をはじめ、女性や子どもに関係の深いイベントなどの広告に起用される。

1980年代
1986年 「ミスタードーナツ 」景品として使われる。昭和30年代のノスタルジー
1990年代
1993~94年 
「テレビ朝日 テレビ局のキャンペーン」  

明るく元気な広告
「バブルがはじけて、世の中が精彩を欠いたころだっただけに、明るく元気な広告にしたかった。"ON"という積極的で肯定的なコピーに、懐古趣味的な"ぬりえ"を合わせたことで、よりインパクトのあるものに仕上がった」とその起用の経緯について、テレビ朝日の当時の担当者は語っている。
この広告は、1993年度朝日広告賞の色刷広告・多色部門賞を受賞。
雑誌<広告批評>などでもインパクトの強い作品として評価され、話題となった。

1999年 「早稲田塾 入塾キャンペーン」

2000年代
2003年 
「早稲田塾 入塾キャンペーン」

駅張りポスターや車内吊り広告ならびに、JR車内の液晶テレビなどで展開され、高校生の親たちがターゲットキャンペーンでありましたが、おばあさんを含め親子三代にわたり「かわいい」と評判となった。

商品展開(商品化されたもの)
1999年~2005年 「フェリシモ トリビュート21」
世界中のこどもたちの夢をかなえるためのチャリティークリスマスチャリティーのお皿に描く。

2004年 「サントリー ぬりえ麦茶」 やかんで沸かした懐かしい麦茶がコンセプト
コンビニで販売され、花火やお祭りなどのイベント開催場所などで人気となった。
2007年 「CD おおたか清流」 
一番新しいところでは、昭和30年代のバラードの名曲をおおたか清流が歌ったCD。
表紙にきいちの絹絵が 使用されている。
昭和30年代のノスタルジー、懐かしさ、きいちの絵の少女のもつ温かさ、優しさ、心をほのぼのとさせる力などから、きいちのイメージを使って、コマーシャル展開ならびに商品に活用されてきました。
21世紀になっても、「三丁目の夕日」などに見られるように、昭和30年代をテーマに取り上げる気持ちが日本人にはあるようです。なぜなら、今生きている日本人の心の原点が、昭和30年代にあるからです。
今回はこれらのコマーシャルになったきいちをご紹介するとともに、展覧会のポスターや雑誌に掲載された記事、商品化されたもの等をご紹介しています。

展覧会ポスター

2002年パリのカルティエ現代美術財団において、村上隆氏のキューレーションによる
「Coloriage Kawaii vacanse d'ete (ぬりえ展 かわいい夏休み)」が開催されました。
きいちのぬりえの花嫁からスタートしたこの展覧会は、現代日本美術を"ぬりえ"という切り口で表現した展覧会でした。Kawaii(かわいい)という言葉が、マンガを通じて欧米に普及して行きましたが、かわいいの原点は、まさにきいちのぬりえにあると言ってもいいのではないでしょうか。


2004年福島県喜多方市美術館において、「きいちのぬりえ 蔦谷喜一の世界展」が開催されました。
きいちのぬりえと日本画の童女百態の絹絵と二つのきいちの世界が紹介されました。

2002年、2004年とぬりえ美術館以外の美術館においても、ぬりえが展示されるようになりました。
ぬりえばかりでなく、アニメ作品の原画が美術館で展示されるなど、今ではサブカルチャーとファインアートとの線引きがない時代になっています。
様々なアートが、それぞれの人々のこころを、豊かにすることができるようになることこそ素晴らしい時代、世界ではないかと思います。

美人画
今回はきいちの描く日本画の「出雲の阿国」をご紹介しています。喜一は17歳の時に、帝展の山川秀峰の「素踊」を見て、絵を学ぼうと決意し、文京区春日にあった川端画学校で美人画を学び、3年ほどで卒業すると、次に有楽町の日劇前にあったクロッキー研究所に通い、裸婦のデッサンを中心にデッサンを7~8年学んでいます。
 
きいちは子どもの頃から人物を描くのが好きでした。縁戚に大和絵の画家蔦谷龍峰(りゅうこう)がいましたので、家族からはこちらで学ぶことも薦められたようですが、あくまで美人画を志すきいちは大和絵に行かず、美人画を学んできました。
昭和40年代になり、ぬりえが売れなくなると、日本画にもどり、童女百態を中心に、童女の絵を日本画で絹に描いてきました。
その間に、時に美人画を描いていました。今回の「出雲の阿国」もその中の一枚です。
きいちの描く童女百態の童女画の可愛らしさとはまた一味も二味も違う日本画の美人画をご覧ください。日本画の一番の魅力は筆遣い、線の魅力であると思いますが、今回の美人が「出雲の阿国」を通して、喜一の日本画の技をご堪能ください。

投稿者:Nurie |投稿日:07/08/14 (火)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/520

コメント

コメントしてください



(アドレスは非公開です)


今後の投稿のためにアドレスなどを保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)