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ドイツ・フランスぬりえ事情(1)

ぬりえ美術館の金子でございます。
今日は、ワールドカップで大変盛り上がっているドイツとフランスに出張して先日帰国したばかりですので、出張の報告、中でもぬりえの出版社のことをお伝えしたいと思います。

ワールドカップ開催前の5月末の出発でしたが、ドイツ行きの飛行機は込んでいたため、今回はKLMオランダ航空で、アムステルダム経由でデュッセルドルフに入りました。
ドイツはデュッセルドルフとケルン、カールスルーエを訪問しました。
今回の目的は、2007年、2008年に開催するぬりえ展の調整と出版社や親へのぬりえに関するインタビューをすることでした。

ドイツは、2回目の訪問。前回は一昨年の2月の雪の降る大変寒い時期の訪問でした。今の時期は、新緑がそれは見事に美しく、デュセルドルフ、ケルンは大きな街でありながら森の中にいるのではないかと思うほど緑の多さを感じました。それは、かなり大きな木が街の中に沢山あるからではないかと思いました。そのために、日本のサッカー選手のなかには、花粉に悩まされている選手もいるそうです。しかし、大事に木を残していたことがわかります。
フランスは、パリを訪問。パリにはいった日から天気が良くなり、パリも青空に緑が輝いて、カフェでは喜んで外で日の光を浴びながらお茶を飲んでいる姿が見られました。

1.ケルンにあるSCHWAGER & STEINLEIN Kinderbuchverlag社この出版社は、、Ein Unternehmen社の子会社だそうで、子供のためには3つの出版社があります。そしてこの会社は、ぬりえを専門にしている会社で1950年代創業です。主に、大きなスーパーマーケットで販売しています。
このぬりえの会社では、”手書きのぬりえ”にこだわって制作しているそうですが、手書きの絵の魅力は大きいと私も同感で、意見が一致いたしました。
手書きの絵は、スペインのバルセロナに注文して描いてもらっているそうです。スペインには、手で描くという伝統があるのだそうです。
人気のぬりえについて
*一番のベストセラーは、「プリンセス(お姫様)」のぬりえで、ピンクの表紙が大事なポイントだそうです。ピンクとお姫様というのは、日本でもまったく同じだと思いました。女の子の夢は世界共通ということでしょうか。
・男の子向けには、「騎士」のものがあるそうですが、圧倒的に女の子に塗り絵は人気だそうです。これも、日本と同じですね。
・その他男の子の向けに、これから販売するのは、今年のサッカーのワールドカップがドイツで開催されるので「サッカー」をする少年のぬりえを予定しているとのことでした。
*街の中の本屋さんを見てみると、確かにキャラクターと思われるものもありますが、日本のように、キャラクター一辺倒ということはないのが、ドイツやフランスのぬりえの特徴です。

RAHM女史の意見として、
・少しだけ絵を描いて、そこに文章を加え、子供たちが自分で絵を加えていってほしいと望んでいらして、一部の本に少しだけ、そのようなページも作っているそうです。

ぬりえの効用について
1.ファンタジーを燃やすもの
2.子供たちが手を動かす、運筆に良い。
3.親が絵を描いて、それを塗らせるのがよいが、それができないので、ぬりえ本が必要
3については、ドイツやフランスでは、夜寝る前に絵本の読み聞かせを必ずするそうのだそうですが、絵本と同じように、親が読むように、絵も描いてあげると良いとおもっているようです。しかし、誰もが絵を描くということでもありませんので、やはりぬりえ本が必要だと考えていいらっしゃいました。

大人のぬりえついて
・日本での流行を伝えると、仕事などで、コインピューターを使うので、家では手を使うことをしたいというので、ドイツでも大人がすることが人気になると思っているそうです。
・この会社では、一つ大人向けがあり、大人のために、キャンバスに描かれた絵に番号をいれ、その番号の色をぬっていって完成させる絵が大人に人気だそうですが、紙より大人っぽく、高級なイメージがあるので、日本でもこれはいいのではないかと思いました。

*Rahmさんは、若白髪の柔和な感じの方で、手の指もぷっくりして、ここにも暖かさ、母親の手の暖かさを感じる女性でした。やはりぬりえをしているような人、子供を相手にしている人はRahmさんばかりでなく、他の幼稚園、出版社である人たちは、このような感じの人が多いように思いました。

投稿者:Nurie |投稿日:06/06/14 (水)

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