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1月の美術館便り 今年の目標はぬりえNY展の成功

●元旦は、新しい一日
毎年思うことですが、1月1日になると、昨日とはうって変わって本当に新しい年の日の始まりと感じるのは、私たち日本人だからでしょうか。空気までも12月31日とは違って、爽やかながら重々しく、とても新鮮な一日と感じます。
●今年の目標はニューヨーク(NY)でぬりえの展覧会の成功
「一年の計は元旦にあり」 初参りで、NYでのぬりえ展の成功を願ってきました。

昨年は、「ぬりえを文化に!」の最初の年として、「ぬりえ文化」というぬりえの専門書を出版しました。ぬりえは昔からあるにも係わらず、ぬりえが研究されていなかったからです。
国立歴史民俗博物館の名誉教授の高橋敏氏が、「研究者というのは、教科書に書いていること(正史)を研究する」とおっしゃっていましたが、 そのために、ぬりえのような子どもの遊び、それも駄菓子屋さんや文房具店で売っているようなものは、教科書上にはないので、研究対象から洩れてしまい、研究されてこなかったのだろうということが分かりました。
教科書にはでていなくても、子どもなら誰でもがぬりえをするもの、通り道であります。子ども文化にとって、特に女の子にとって欠かすことの出来ないものです。
それで、昨年は「ぬりえ文化」を出版しました。ぬりえについての最初と言ってよい専門書です。 ぬりえを文化にしていくために、さらなる活動を今年はしていきたいと思い、ニューヨークで展覧会を開催することにいたしました。
●日本は文化大国
文化の定義はいろいろな定義があると思いますが、ぬりえを文化にしたいと考える私にとって、大変興味深い記事がありました。 
「人間がもっている、キラキラ輝く光の部分を生き生きと創造に生かす。それが芸術であり、文化なのです」。とこれは、フランスの元文化相のジャック・ラング氏の言葉です。
「超一流の最高のものだけが必ずしも尊いのではない。市民や若者や労働者が持つ創造する力をいかに引き出し、どう表にだすのか。それが問われています」と文化庁が開催した国際文化フォーラムのゲストとして来日した際に、日経新聞で語っています。
さらに、 「文化や芸術を高尚なものだけに限定せずに複眼でみれば、日本は文化大国です」とも言っています。
●従来は伝統文化、今は生活文化
従来は、文化というと伝統的な歌舞伎、能、茶道、華道、などでした。しかし、今、世界中で日本のアニメやマンガや和食が人気となっています。伝統や高尚といわれてものから、日本の生活文化、庶民文化から生まれたものが、世界で先端のものとして受け入れられています。
その背景には、庶民の日常の生活の中で、創造性の高い生活をしているということがあるのではないでしょうか。例えば、職人さんの仕事として、日常品の中に、日本の手わざを見ることができます。物づくりの際に、心構えの基本に日本的な「勤勉」「謙虚」「誠実」という考えを持っていますので、その考え方から生まれるものは、日常品であっても、文化につながる物が出来上がってくるのだろうと思います。
 ジャック・ラング氏の言葉に、私たちは大変勇気付けられます。もっと文化を広い意味で受け入れていけば、私たち日本人の生活がすべて文化につながっていくのではないかと思います。
●ぬりえは文化
ぬりえの発生は、西欧の翻訳教科書からでした。ですから初めは教育的なものだったのですが、楽しいので、いつしか子供の遊びになりました。子供の遊びといっても、きいちのぬりえに見るような美しい絵は、遊びや生活の中の芸術であり、子どもたちに芸術とふれさせていた大事な機会だったのだと考えます。
子どもたちに美しい世界をみせ、子どもたちの想像力を掻きたたせ、さらには塗らなくても持っているだけで嬉しい絵になったぬりえは、やはりひとつの文化といえるのではないでしょうか。
●NYは世界のビジネスの中心、そしてアートの世界でもナンバーワン
パリは芸術、NYもビジネスという概念がありますが、最近のNYは、アートでも大きな力をもって、世界をリードしているのです。NYを訪れる観光客は、04年には3960万人、そのうちNYにある美術館を見学する人は1600万人に上ります。アートの魅力が街を牽引している、と言ってもいいすぎではありません。
そういうNYで、まず最初にぬりえを紹介したいと思いました。
日本のこころが表現されている日本の美しいぬりえを、NYの人々に新しい日本の文化として伝えたいとおもっています

投稿者:Nurie |投稿日:06/01/25 (水)

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