ぬりえのあれ、これ NO.3
挿絵の源流、ルーツについて
~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~
挿絵の一形式ともいえるページの余白部分の彩飾に対しては、イルミネーションilluminationという呼び名があります。いまではネオンランプで周囲を飾ること、つまり「電飾」の意味に使われますが、もともとは中世に羊皮紙の書面を美しく装飾することでした。
そしてこのイルミネーションのルミネも語源は「光らせる」にあります。どちらにしても西洋では、挿絵とは文章やページを光り輝かせる役割を持つ図像ないしは意匠だったわけです。
ついでに書きますが、同じ「光り輝かせる」図像でも、イラストレーションは文章を輝かせ、イルミネーションはページを輝かせます。ということは、前者は別の文章に転用できませんが、後者はそこに書かれた文章の内容に関係なく、他のページにも転用できます。
イルミネーションのほうはそれだけ装飾性が高く、一方イラストレーションは文章内容の「図説」「図解」の役割に傾いています。ですから、西洋で挿絵という場合は必要最小限の条件として、イラストレーションかイルミネーションのどちらかの役割が求められているわけです。
もちろん、両者を兼ねた挿絵装飾なら理想的で、これはやがて「デザインdesigin」と呼ばれる総合的な書物制作の技術へつながっていきます。
今月のエントランス
お内裏様を手にもつ女の子。手前にはお菓子やお酒のとっくりが描かれています。
お雛様を飾るだけでなく、お菓子など楽しみでしたね。色は綺麗で甘いお菓子。女の子なら誰でも好きなものですね。
ぬりえ美術館情報
3月からの春の企画展でも壁面にはきいちが晩年描いた美人画や童女画の絹本を展示しています。(絹本:絹に描いた絵)
展示室のご案内
☆きいちの描く絹本をお楽しみください。
☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。
Posted: Nurie : 22年03月05日 |