東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2月の美術館便り

今年もコロナのオミクロン株が猛威をふるっています。昨年末には急速に感染者が減少していましたので、これからは大丈夫かしらという希望が打ち砕かれてしまいました。引き続きマスク、手洗い、密をさけ換気をする、ということに留意していきましょう。


今月の展示室のぬりえのご紹介をしていきたいと思います。
展示ケースは4つのパートに分かれて以下の4つのテーマのぬりえ作品を展示しています。
1. 冬景色
2. 童話の主人公
3. 昭和20~30年代のペット
4. 昭和10年代のフジヲ時代のぬりえ


1.冬景色
今年1月早々に雪がふり積もりました。雪が積もるときは、こんこんと、という言葉がありますが、まさに1月6日の夜はこんこんと降って、当初5センチと言われていた雪が10センチ近くにもなりました。
昭和20~30年代はもっと寒くて、東京でも雪が降りました。そんな雪の頃には女の子であれば“雪うさぎ”を作ったりしたものです。お盆に積もった雪のきれいな部分の雪をお盆に盛って、形をつくり葉っぱの耳、南天の赤い実で目を作り、楽しんだのでした。

冬の居間には大きな火鉢や炬燵で暖をとりました。庭にでれば、落ち葉を集めてたき火をして、時にはたき火の中にさつまいもを入れてやきいもを作ったり。今ではたき火も火鉢も都会では見ることができなくなりました。


2.童話の主人公
きいちは戦後ぬりえを始める前に絵本作家になりたいと絵本を何冊か作っています。そのせいでしょうか、ぬりえの中に、絵本的に物語のぬりえを作っています。「シンデレラ」「おやゆび姫」
「しらゆき姫」「かぐや姫」「桃太郎」「おやゆびトム」等など。
 ぬりえの主人公は女の子がほとんどですが、桃太郎、おやゆびトムやピーターパン等男の子のぬりえも描いています。 アニメ等でディズニーの主人公になれていますが、きいちの描く童話の主人公も可愛いと思いませんか。

3.ペット
ペットは何と言っても当時流行していた犬のスピッツが多く描かれています。雑種の犬を飼う家が多かったですが、急にスピッツが人気になりました。私が子どもの頃住んでいた埼玉の田舎の付近では、どの家も猫と犬の両方買っている家が多かったように思います。猫はねずみを食べてくれるので、猫を飼っていたのです。
最近は犬、猫などペットブームですが、あなたは猫派?それとも犬派?
 
犬、猫以外には手乗り文鳥やカナリア、インコなどの小さい鳥も人気となり飼われていました。私の家では、祖父がカナリアを小屋を作って育てていました。羽根の色を美しくするため、と言って人参を擦って餌として食べさせる等して、大事に飼っていたのを覚えています。


4.昭和10年代のフジヲ時代のぬりえ
昭和10年代、きいちはペンネーム「フジヲ」でぬりえを描いていました。「フジヲ」という名前は「虞美人草」の主人公の名前からとったそうです。カタカナで書けば、男性の名前としても通用しますね。ぬりえ美術館にいらしたお客様が、「フジヲ」がきいちと分かって、自分の知っていたフジヲがきいちだったんだ、と喜ばれる方が多いです。

昭和10年代のぬりえでは、歌舞伎調のぬりえがありますが、大変細かく描かれていてこれにぬりえをするのかしら、と思ってしまうほどですが、寄贈されたぬりえなどにはちゃんと色がついていますので、当時はぬりえはこういうもの、として認識されていたのだと思います。
サイズの大きい物があるのもこの時代の特徴の一つです。当時としても大きいものは値段が高かったと思いますが、大きいと見ごたえがありますので、きっとファンがいたことと思われます。

ぬりえは、まだ戦後のきいちのぬりえには似ていませんが、足が太いところだけは、そのまま残っているようです。

 
3月~5月は、春の企画展となります。 れからも4つのテーマで、きいちのぬりえの魅力をお伝えしていきますので、お楽しみに。(館)

Posted: Nurie : 22年02月15日 | 美術館だより

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